知事の記者会見
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平成18年5月15日(月) 午前11時
1.

NPO法人認証のあり方、今後の対応方針について

【記者】 愛知県が認証したNPO法人「アイ・メンタルスクール」で、入所者が死亡し、責任者の所長が逮捕されるという事件がありましたけれども、県としてこの施設の状況、実態を把握していたのか。また、こうした事件を受け、今後、NPO法人に対する認証の方針、対応の方針などに影響を及ぼすことがあるのか、あるいはどのような方針で臨むのか。
【知事】 もちろん、今回の異常な拘束、あるいは拉致に近い入所方法、こうした事件の全容については、県としては想像だにしていなかったことであります。とんでもない事件、事案だと思います。朝方、未明にいきなり何人かの者が力ずくで、寝込みを襲うような形で身体を拘束して東京から名古屋へ運んでくる。しかも、こちらでは鎖か何かでつないで何日か監禁状況に置くわけですから、およそ想像だにできないような異常な行動だと思います。それだけに、結果がこのような悲惨な状況になって、まことに残念であります。
 認証という関係から申し上げますと、今回、NPO法人であるアイ・メンタルスクールの、いわば別会社の形で、会社組織でその入所を事業として行っていたわけでありまして、NPO法人の活動そのものではないのですが、NPOの認証そのものは、どちらかというと書面審査でいたします。これは、制度そのものがもともと、社会貢献活動をする市民団体を、できるだけ簡易な手続きで法人化させるというのが制度の趣旨でありますので、そのような書面審査を中心に実際行われるというのが実情だと思います。このようなことがあることによって、NPO法人の設立の流れを食い止めることがあってはいけないと思います。
 ただ、問題は、いろいろアンテナを上げて、何が行われて、どんな状況なのかは、できるだけ情報を少しでも入るようにしていかなければなりませんけれども、現実問題として今回の案件は、NPO法人そのものの事業というよりも、会社で行われたこと、それから密室的に行われたことで、県サイドあるいは行政サイドで、これを事前に察知したり、認識することができなかったというのが率直なところであります。
 一方で、引きこもりということの難しさや、社会の中にある引きこもりの根の深さというようなものを、改めて知ったという思いがあります。報道などで知る範囲も含めてですけれども、実際に親御さんはこうしたところを頼っておられる方もいらっしゃるわけですし、それを感謝しておられる方もいらっしゃるわけでありますので、不登校の問題も含めなかなか難しい問題ですね。
 難しい難しいと言っていても仕方ないわけで、我々行政サイドにおいても、できるだけその窓口や相談体制、様々なことを幅広に行うことによって、少しでもこうした事件が少なくなるように努めていかなければいけないと思っております。
【記者】 行政として、こうした問題にも、相談体制を広げていかなければならないという認識を示されましたけれども、この引きこもりの問題というのは、大人の場合、なかなか行政で対応する窓口がないというのが現状だと思うのですが、その辺りについて、県として何かお考えはありますか。
【知事】 おっしゃるように、児童の場合には、一定の法的対応というようなことは可能ですけれども、一定の年齢以上になると、行政としてなかなか手が及ばないという部分もございますが、やはり家庭も含めて、引きこもりや家庭内暴力、不登校、いろいろなことで悩んでおられる家庭があって、それをどこへ持っていっていいのか、どこで相談したらいいのか、まだまだ悩んでおられる方はたくさんいらっしゃると思います。我々は、そういう相談を求めておられる方には、やはり何らかの受け皿を作って差し上げなければいけないのではないかと思っておりまして、今後、そういうことも十分頭に置いて、対応していきたいと思います。
【記者】 確認ですが、NPO法人の認証は書類審査が中心で行われているのが実情というお話でしたが、そうしますと、NPO法人の認証における今後の審査方法については、県としては特に対応を変えられるという予定はないということでしょうか。
【知事】 基本は、設立、それから事業報告や収支報告などの段階に、書面をいただくことです。もちろん中身は精査いたします。不審な点、疑問な点などがあれば、問い合わせしたり、時には指導したりします。
 しかし、具体的な事案というようなものが何かあれば、もちろん別ですけれども、そうでない限り、自主的なNPOの活動に対して、あまりにも関与が強くなったり、行政の関わりを強くし過ぎるというのも、NPOの活動の本来の趣旨や方向性からいっても、決して正しいことではございませんので、書面だけに頼るということではもちろんありませんが、従来のNPO活動に対する方針を、今回の事件によって一挙に180度転換するとか、あるいは強行に何か行政が口を挟んでいくというようなことがあってはいけないと思います。
 現に、事業報告などをいただき、実際の活動や中身がおかしいという場合には、指導したり、あるいは指摘をするようなことは過去にも行っておりますし、現在もやっております。
【記者】 「アイ・メンタルスクール」のほかにも、愛知県では「心裕会」という警察沙汰になったNPO法人がありました。何か事件があったときには、県は対応できるのだけれども、事件化しないときには、事前に対応ができないのではないかというようにも見受けられます。民間の活動を尊重するというのはわかりますが、もっと早目早目の対応はできないのかという気もしますが、それについてはどうお考えでしょうか。
【知事】 難しい問題ですね。水面下の表に現れないところで何が行われているのか。それが現れたときには、もうすぐ事件になる。あるいは事件にならないケースもありましょう。ですから、その辺りの限度というのは、本当に難しいことでしょうね。我々も、アンテナを高く上げていなければいけないと思いますし、いろいろなところから情報をもらうことも必要でしょうね。
 基本は、やはり情報公開であり、常に我々もそういう姿勢を持っていなければいけません。現に、NPOからいただく報告書などは公開の対象にしてまして、それを御覧になったところからいろいろな御意見が来たりいたします。過去には、内部告発的に来たこともあります。大きな事件や事故になる前に、できるだけそれを未然に防止できるような知恵を働かせることが必要でしょうね。
 十分な答えになってないかわかりませんけれども、大変難しい問題だと思います。
2.

「戸塚ヨットスクール」の戸塚校長について

【記者】 もう20年以上前の話になりますが、美浜町で戸塚ヨットスクール事件というのがありまして、校長を務めていた戸塚宏氏が先ごろ刑を終え、出所されました。戸塚氏は、近々海上での指導を再開したいと、また将来的には学校法人の設立も目指したいという発言も伝え聞いております。
 まず、出所されたことへの所感と、それから、将来もこれまで同様の指導を続けていくのだという発言を受けた御感想があれば、お聞かせ願いたいと思います。
【知事】 司法判断で有罪判決を受け、その刑を終えて出所されたということでありますから、司法上の刑の償い、刑を全うされたということになるのでしょうけれども、これから戸塚氏がどういう活動をされるのかということについては、世間の関心はいろいろ高いと思いますね。戸塚さんという方の考え方に賛同し、エールを送る方も中にはいらっしゃるようですし、強い心配や危惧を持って反対される方もいらっしゃるようであります。
それは、それぞれいろいろな考え方があるのでしょうけれども、私自身は「体罰は教育である」というようなことで、体罰を前面に出す教育というものが、果たして本当の教育なのかどうかということについては、いささか疑問を持っておりますし、大変危惧もいたしております。教育の中で暴力を用いるということは、厳に慎まなければならないことでしょう。それが体罰という言葉になっても、許されることではないと思いますね。ですから、もしそういう方向を前面に出し強調されるのであれば、大変心配をいたします。
 それから、学校法人設立のお話でありますけれども、もちろん、学校法人をお作りになるかどうかというのは、申請されれば、我々は法やルールに基づいてそれを判断するしかないわけであります。したがって、それはどういうものが出てくるかによって、適正に判断していくことになろうかと思います。
 ただ、戸塚さんは学校法人の役員になるには、今回の有罪で欠格事由になるのでしょうか。学校法人についてはどのような構想のものか、戸塚さんに聞いてみないと詳しいことはわかりませんので、出てきてもいないものを軽々に今の段階で言うべきことではないかわかりませんが、いずれにしても、生徒が亡くなるという不幸な事故、そして、今後そういう教育やスクールの現場で人命が亡くなるというようなことは、やはり基本的にあってはなりませんので、その辺りは慎重に、どういう教育であれ、これは戸塚さんだけではなく、教育に当たる者としては、念頭に置いていただかなければいけないことだろうと思います。
3.

「新地方分権構想検討委員会」の中間報告について

【記者】 このほど、「新地方分権構想検討委員会」が、地方交付税を地方共有税にすることなどを盛り込んだ提言の中間報告を出したが、この中間報告をどのように受けとめられているのか。また、一方で、こうした地方自治体の独立、確立を目指す国への要望をなされている中で、将来的に地方自治体がどのように住民の生活を政策の中に反映していくかという新しい課題を、全体の提言、要望の中で検討されているのでしょうか。
【知事】 御質問の答えにならないかわかりませんけれども、まず、検討委員会から提案された中身でありますけれども、大きな7つの提言がございまして、全体的なこれからのあり方の方向としては協調できるところが多く、基本的な方向は我々が望む方向だなと思っております。
 ただ、個々には、ちょっと問題や、あるいはさらに議論、精査しなければならないところがあると思っております。
 例えば、一例ですけれども、地方税についてはできるだけ偏在の少ない税にしていく。地方共有税の財源としては、例えば法人関係税などを充てていくというような一つの考え方、方向が出ているような読み方ができます。もしそうだとすると、我々愛知県としては、若干異論があるわけでありまして、偏在性ということは確かに法人関係などはあるわけでありますけれども、何もこの地域の地域活動というものは、個々の自然人、人間だけ、個個人だけで行われているわけではなく、法人等が一体となっていろいろな地域の活動が行われており、また、法人も等しく行政サービスを受けているんですね。ですから、そうした法人の存在というものをやはり十分認識する必要が、私はあると思っております。
 したがって、現在の法人関係税のありようを全く否定するような方向に、もしこの議論が進むとすれば、これは愛知県としては納得できないことでありますし、異論を挟むことになろうかと思いますけれども、しかし、そうした個々の問題は別としても、大きな国と地方との関係の方向性としては、私は一定の評価をしていいものと思っているところでございます。
 ただ、一方で、検討委員会のこうした考え方とは別に、経済財政諮問会議などは、また別のいろいろな議論が行われておりまして、特に地方交付税などについては、その率を引き下げたり、あるいは総額を抑制したりして、国のツケを地方へ持ってくるような地方を無視するというか、破綻に追い込むような議論がなされようとしておりまして、これは我々も大変心配し、危惧しているところでございます。
 先ほどの御質問の答えになるかどうかわかりませんけれども、国と地方の関係をこれからどうしていくのかということを本当に考えると、やはり国は基本的に必要なことを最小限行っていただいて、住民に近い地方自治体には、できるだけ住民の意見を聞きながらやっていくという自立性や自主性を認めるという、この地方分権の本当の原点を考えると、やはり税源移譲を含めた、これまで三位一体改革でいろいろ我々が地方から声を上げてきた、あの方向をきちんと実施していくしか、私はないと思っております。
 ですから、いよいよこれから2期改革の本番を迎えるわけでありますし、来月になれば、また骨太の方針というような問題も出てくるわけでありますので、そこまでが大きな山場を迎えることになると思います。
 もちろん、6団体の力を合わせることも当然でありますし、いろいろなところで声を上げて、1期改革では、私は地方全体として見れば、合格点まで行っていなかったのではないかなと、地方側にそのような反省もありますので、より成果を得ることができるように、そして真の地方分権につながるように、一層の努力をしていきたいと思っております。
4.

ファイル交換ソフトによる情報流出への県の情報管理体制について

【記者】 先日、パソコンのファイル交換ソフトで、「ウィニー」とは別の「シェア」というソフトを通じて、個人情報、内部情報が外部に漏洩、流出した事例がありました。
 今後、こうしたソフトはいろいろ出てくると思われますが、情報管理体制についての知事のお考えをお聞かせいただけますか。
【知事】 私どももこれまで、ウィニーを念頭に置きながら、情報流出を防ぐ手立てを一生懸命に取り組んでまいりました。県庁内もそれを徹底するようにということで、部長会議、あるいは折あるごとに文書や口頭で職員に言い聞かせてまいりました。
 いろいろな新しいソフトがどんどん出てくるということが、これから現実のものになるとすれば、ウィニーだけを念頭に置いた対応では不十分でありますので、今一度、実態をよく確認の上、対応をとり直す必要があるのか、どうしたらいいのか、これはもう早速検討しなければいけません。
5.

フェロシルトの撤去について

【記者】 フェロシルトの撤去に関してですが、瀬戸市北丘町のフェロシルトの撤去期限は今日の15日ですけれども、おそらく期限は守られてなかったと思うのですが、そのことについての所感と、また、地元で一応袋詰めにはしたということですが、地元や一部の団体からは、現場から運び出されていない状況は撤去とは言えないという指摘も出ている中で、今後、どのような考えで、どう対応されていかれるかについて、お聞かせいただきたいと思います。
【知事】 瀬戸市北丘町の現場でありますけれども、お話のとおり、今日が期限でありましたが、まだ全面撤去には至っておりません。大変残念なことでありますし、遺憾であります。
 石原産業には、これまでも直接、間接、私自身も社長はじめ関係者に、できるだけ速やかにということを求め続けてまいりましたし、そのように指導してまいりましたけれども、いろいろな事情はあるにしろ、今日現在、撤去は完了できなかったわけであります。
 この北丘町については、もちろん我々も期限を守っていただけなかったことに対する憤りを持っておりますが、しかし、何よりも今後少しでも早く撤去してもらうほかないわけでありまして、そのために、きちんとした石原産業に対する対応をしていかなければなりません。
 石原産業に対する対応ですけれども、問題は現場から搬出する条件として、それをどこへ持っていくかという持ち込み先、処分場の確保、一時の保管場所も含め、これをきちんとしなければならないわけであります。長久手町の方が終わって、搬出車両は現在、一日66台でしたが、この北丘町にシフトして、こちらの方で集中的にやっているわけでありますけれども、どこへ持っていくのか。九州などへの話もございまして、これも港湾の関係、あるいは廃棄物の関係、それぞれいろいろな法手続があるようでございますが、もう一部はそちらの方にも動き出しておりますけれども、まだまだ十分な量が持ち込めるだけの体制になっていませんので、そういうこともできるだけ速やかに状況を整えていただき、実施に移していただくことも必要だろうと思っております。
 それで、できるだけ早く、一体全体いつまでにできるのか、長久手町の時もそうでしたけれども、改めて会社の方にはそうした計画をきちんと出してもらい、今後の見通しをつけていただくことも必要だろうと思っております。会社の責任者らに来ていただき、それを求めたいと思っているところでございます。
 それから、バッグ詰め状態で現場に置いている状況というのは、撤去ではないのではないかという御指摘ですけれども、本来的な撤去という意味ではそのとおりです。バラであれ、袋詰めであれ、現場からきちんと搬出して、初めて撤去という状況になります。これまで、その辺り、言葉の上で若干曖昧な部分があったかわかりませんが、やはり地中に埋められているという状況が一番深刻な状況でありますので、撤去の前提として、袋詰めは今もいろいろな現場でやっているわけですが、ある程度隔離し、いつでも搬出できるというような形に持っていくことによって、現場での掘り起こしだとか、そうした作業の見通しがついた中で、不正確に申し上げたところが、あるいはこれまであったのかわかりませんが、厳密な意味では、御指摘のとおり、撤去だと言えないと考えております。
 このバッグ詰めも、やはり持って行き先の問題なのです。石原産業の四日市工場も限度があります。限度があるとは言え、四日市工場の方もより拡張してもらうように、これはもう強力に求めていかなければいけないと思っております。
 それから、九州の方の処分場もあるわけでございますが、これは早く持っていけるようにしなければいけませんけれども、それだけではなく、今後のことを考えると、九州や今一部持って行っている関東、千葉県でしたか、こちらだけでももちろん足りませんので、持って行き先、処分場の確保が大きな課題になると思います。これは、石原産業が責任持ってやるべき仕事ですから、いろいろなところと調査していただき、協議してもらって、少しでも多くの場所を確保してもらうしかないと思っております。
【記者】 フェロシルトの関連ですが、埋設量が大量である瀬戸市幡中町の現場については、今後何か進展があるのでしょうか。また、地元などでは、そのまま置いていかれるのではないかという不安の声もあるようなのですが、これもあくまでも撤去なのかという県の考え方についてお聞かせ願います。
【知事】 現時点で、県の基本的な考え方は撤去を念頭に置いております。地元が学者の先生方にも入ってもらい検討会を作って、フェロシルトを全部搬出すると二次的な環境影響も出るだろうということの心配の中で、何とか現場で収まる方法がないのかという議論が始まっていることは、もちろん承知しておりますけれども、まだその中身が進展したわけでもありませんし、具体的な提案が地元から県にあったわけでもございません。現時点では、やはり現場での撤去を念頭に置いて、対応しているところでございます。
 そうした中で、今、北丘町を中心に、いろいろな撤去作業、袋詰め作業を進めているわけでありますけれども、幡中町の現場においても袋詰めの作業を始めたところでございます。これは、九州その他いろいろな所への搬出が可能になれば、いつでも簡易に持って行けますので、そうした作業なども順次始めているところでございます。
 ただ、何回も申し上げているとおり、こちらは量が桁違いであります。桁違いという意味は、フェロシルトが塊としてではなく、土砂と混ざって埋め立てがなされておりますので、土砂の量が膨大だという意味です。しかし、それも、土砂も一緒に搬出しませんとフェロシルトの撤去になりませんから、そういう意味で大変な量になるわけです。できるだけこちらも着手しなければならないということで、袋詰めの方は、今日から5チームでやるということでございまして、できるものは順次やっていきたいと、そのように思っているところでございます。