知事の記者会見
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平成19年11月19日(月) 午前11時
1.

全国知事会議の結果について

【記者】  まず幹事社からの質問です。地方法人二税の配分の見直しについて、知事もいろいろな場で怒りのほどをおっしゃっておられますが、先日の全国知事会議を踏まえて、知事会議の内容、法人二税に関する知事の考えを改めてお聞きします。
【知事】  先だって開催されました知事会儀における内容ということでございますけれども、地方間での税収格差をこれからどうしていくかという議論の中で、もともとその原因の大きなところは、三位一体改革で5兆円に上る地方交付税が減らされたこと、これが大きいので、まずそれを復元、充実させることが何よりも重要だという点では一致できました。一致できましたけれども、現在、財務省案、総務省案が出ておりまして、これをどう扱うかということが主な議論になりました。財務省案、つまり地方法人二税の再分配は地方分権にも逆行するものでありますし、そもそも地方税としての内容を否定するものでありますので、これはとてものめるものじゃないということも、大体ほぼ一致しております。
 問題は、総務省から出ております消費税と、いわゆる地方法人二税の交換による特別枠での格差是正という方向性であります。これは、ご承知のとおり、私どもは強く反対をしております。賛成なさる方ももちろん、知事の仲間にはたくさんおられるわけでありまして、主に対立したのはその点だろうと思います。
 この考え方は、実質的に水平調整するものでありますので、こうした地方間の格差を解決するために、国の責任を私は放棄するものだろうと思います。こういうことがまかり通りますと、次から次へと、こういう水平調整的な解決のスパイラルに入る。したがって、大変危機感も持っております。もちろん、愛知県に甚大な影響を与えることでございますので、そういう点でも反対をいたしました。
 特に、愛知県はご承知のとおり不交付団体になったとはいえ、まだまだ再建途上にありまして、毎年度の予算を編成する際にも、基金から一時的に借り入れをしなければならないような厳しい状況にございます。したがって、こうしたことにはとても納得できないという立場でございまして、東京都、大阪府、神奈川県、そして私ども愛知県と、基本的に合意ができた部分については、アピール文なども公表したところでございます。
 いずれにしても、私は、今回の議論というのは、かなり無理のある議論ではないだろうかと思っております。そういうものを正しく理解をしていただくために、今、あらゆる手段を講じて愛知県の考え方を主張しておりますけれども、それは知事会での議論だけではなく、例えば、国会あるいは政党、そういうところにもいろいろな手法で考え方を明らかにしているところでございます。本県の県議会においても大変心配をしていただき、議会の立場でも一生懸命この問題に取り組んでいただいているわけでございますが、いよいよここ1か月ぐらいが、来年度の税制改正をめぐる一番重要な時期になってまいりましたし、また、地方行財政そのものに関わる大きな問題であります。引き続き、県としてもしっかり取り組んで、少しでも理解が得られるように、また、おかしな方向に行かないように努めていきたいと思っております。どうか、メディアの皆様方にもお力添えをぜひともお願いを申し上げます。
【記者】  知事会の議論の中では、税源交換について賛成の知事もかなり多かったようで、愛知県の立場としては、今後、ずるずると押し切られそうなこともあろうかと思います。
 知事はいろいろなお考えを政党や国会の方で訴えるということですが、巻き返し策として具体的な対案を出すような考えがあればお聞かせください。
【知事】  いわゆる地方県というのは、三位一体改革を経まして、地域経営に本当に努力なさって、今、汗をかいておられます。大変な事態だと思います。私はそのことを否定するものでもありませんし、そういう地域の皆さん方が、少しでも税収確保という声を上げられるのも当然だと思います。
 ただ、問題は、そういう疲弊や格差の一番の大もとは何かということを考えますと、あの三位一体改革の中で、5.1兆円もの地方交付税が大きく減ぜられて、その結果、もともと地方交付税の本来の目的であります、格差を調整しようという機能が麻痺をしてしまった。私に言わせれば、破壊されたと思いますね。どんなにいろいろな手立てを講じても、破壊された機能を取り戻さない限りは、本質的な解決にならないと思っておりますので、まずこれを復元させるべきだというふうに考えております。
 財務省の案は、その地方税をあたかも国税のように配分しようということですから、これはもう論外で、大変乱暴な議論だと思います。そういう乱暴な議論、原因がそこにある以上は、そこに一点集中して正論をきちんと述べ、理解を深めていくのが、私は正攻法であろうと思っております。その意味では、東京都、大阪府、神奈川県、そして私どもは、基本的にはそういう姿勢でおります。47都道府県あるわけでありますけれども、今の4都府県でかなりの人口を占めることになりますね。これまでは地方から反旗が上がったということでありますけれども、こんなことがまかり通ると、今度は都市部から反旗が上がる、そのように思っております。
 もちろん、こうしたものは、政治にも働きかけたり、いろいろなことが必要になりますので、必要な対応は県独自でも、あるいは同調いただく他の都道府県とも協調、連絡し合いながら、様々な手法を講じていきたいと思っておりますけれども、根っこにあるのは、そういうことでございます。
 それから、今回の全国知事会で闊達な議論を様々戦わせたわけでありますけれども、私どもの考え方に理解を示していただく知事さんもいらっしゃいました。例えば、静岡県の石川知事なども、この問題について、こうしたものを取り合ってどうするんだ。それよりも、地方全体の政策的経費が1兆数億円も減らされたことこそ問題じゃないか。したがって、財務省の土俵に乗って議論すべきではないという明確な発言がございました。また、茨城県の橋本知事だったと思いますけれども、財務省あるいは総務省のこうした議論は疑問であると。こうしたことで税制を中途半端にいじるべきではないという発言もございました。そのほか、若干ニュアンスは違いますけれども、他の知事さんからも、今の国の動きについて疑問を投げかける発言もございましたので、私ども4都府県だけがこの問題で固まって、あとは全部反対ということではなく、それぞれの知事さん方も、ニュアンスこそ違い、大分今の考え方や国の方向に疑問を投げかける発言もありましたので、こういう声も大きくしていかなければいけないのかなと思っております。
【記者】  宮崎県知事が「地方交付税の復元は良いけれども、それに見合う財源はあるのか」と質問されたり、増田総務大臣も、地方交付税の復元要請には基本的には否定的な態度を示しています。財源に対して復元を希望するよりは、そういうものをプランとして提示してみるのも、ひとつの考え方だと思うのですが、その辺りはどのようにお考えでしょうか。復元、復元というだけでは、物事が先に進まないと思いますが、いかがでしょうか。
【知事】  よく考えていただきたいと思うのですが、一方的に削減したのは国なのですね。それを、こういう財源とこういう財源で復元したらどうですかと言うのは、筋論としては逆転していると思うのですね。今回の事態を招いた本もとが、どこにあるかという原因をきちんと示し指摘して、税制そのものを握っているのは国ですから、それは国が知恵を絞らなければいけないと思います。
 もちろん、具体的な提案というようなことが必要であれば、我々がやっていくこともありますけれども、中途半端な議論が逆に財務省の土俵に乗ってしまう、そういうことも懸念されます。
 私は今回、いろいろな議論の中でつくづく思っておりますのは、税のあり方というのは、景気の変動とか社会の状況とかによって、常に変動します。常に変動しますけれども、地方自治体の役割や行政サービスというのは、安定的でなければならない。常に景気や様々な社会的変動によって動くものを、どう補っていくかということに本質があります。その本質というのがまさに地方交付税なのですね。その機能を弱めたり破壊してしまっては、一時的に揺り戻しが若干できたとしても、中長期的な視点から見れば、全く不安定という状況は残ってしまいます。したがって、地方交付税 というものは、地方にとって本当に死活問題だということであります。
 問題は、その格差ですけれども、私どもももちろん、やみくもに、今、愛知県がこのところ経済活動の活性化によって大変順調にいっているということだけで言っているのではなく、ここ10年、15年というスパンで眺めた場合には、いろいろ制度改正があって、1人当たりの県税の格差というのは、むしろ10年、15年前よりも小さくなっているのですね。その原因としては、分配基準が見直されたり、地方消費税が導入されたり、外形標準課税が入ったりしたことで、むしろ小さくなっている。小さくなっているにもかかわらず、その格差感が、より大きな受け止め方をされているのは、その調整機能をほとんど破壊してしまっているという点にあると思います。
 私は知事会でも申し上げたことですが、5.1兆円というと、とてつもない大きな金額です。今、道路特定財源のことを議論されておりますけれども、国、地方、すべての道路財源ひっくるめても、ほぼそのくらいなのですね。そのくらい大きな問題になっていることを考えますと、やはりきちんと正論でものを言っていく。そして、必要な対応をその都度していく。まさにそこに本質があり、対応があるものと考えております。
  
2.

名古屋コーチンの緊急調査結果について

【記者】  幹事社から2点目の質問をさせていただきます。先週、名古屋コーチンの緊急調査の結果が出ましたが、知事の所感と、どのように受け止められ評価されているか、また、今後の対応についてどうお考えかを聞かせてください。
【知事】  県民の皆様方に大変ご心配をしていただいております名古屋コーチンの問題でありますが、県独自での調査や農業・食品産業技術総合研究機構による調査結果が出て、記者発表させていただきましたとおり、県の生肉のDNA検査につきましては、1点を除き「シロ」ということでございました。その1点も、その後、東海農政局ともいろいろ調べましたけれども、意図的な混入とか、偽装的なものではないということが判明いたしましたので、ここの点はほっとしております。
 それから、機構によるDNA検査の結果でありますけれども、結論的なものとして機構からいただいたのは、専門的な調査として問題ないということでございました。けれども、子細にいろいろお話を聞いてみますと、調査の中でノイズが若干現れたものもあるということでございます。それが科学的あるいは専門的に、どのような評価をして良いのかは、十全なこちらの経験や知識、専門的な技術を持ち合わせておりませんが、専門機関である機構として、全体として調査結果は「シロ」だったということは、それはそれでひとつ安堵しているところでございます。
 しかし、そういうことがございましたので、データなどを入手できるものであれば、それを取り寄せて、私どもなりの徹底分析も必要でありましょうし、それから、機構にも、より明確な対応を今後とも引き続きお願いをしていかなければいけないと思っております。併せて、県の農業総合試験場におきましても、今はその技術がありませんけれども、できるだけ独自に加工品についても調査できるような体制づくりをしなければいけないということを、改めて痛感したところでございます。
 その結果は結果として、いずれにしても、いろいろな問題がこれで提起されたわけでありますので、やはり信頼回復をどうするのか、再発防止をどうするかというようなことが今後の重要な課題になってこようかと思いますね。したがって、これは行政だけではなく、業界の皆様方を交えて、しっかりとしたルールづくりやこれからの対応、それから、行政としてのいろいろな確認、チェック、調査を、より充実していくということをしなければいけないと思っているところでございまして、今、その準備に入っているところでございます。
【記者】  DNA検査を実施した(独)農業・食品産業技術総合研究機構の言い回しですと「名古屋コーチンでないとは言えない」という遠回しな所見でしたが、その点をどのようにお考えかを聞かせてください。
【知事】  簡易な鑑定法というものの、精度や調査手法がまだ明確に確立していないという心配もしております。県独自の能力がないものですから、今回、唯一そういうことに対応できるということで、機構に調査をお願いをしたわけでありますけれども、今回での問題点などを機構としても徹底的に分析していただいて、今後に対応していただきたいと、ぜひとも思いますね。
 それから、私どもも、よそばかり頼っていても仕方ありませんので、県としても、これから、できるだけそういうものを県の立場で確認できるように、これはもう早速取りかかりたいと思っております。
【記者】  発端となった日本家禽学会発表の中で「クロ」と判定されたもののうち、今回の県の結果では「シロ」のものもあったということですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
【知事】  学会での発表は、学術的な意味で発表をなさったのだと思いますけれども、こういう問題は、地域やその産業に与える影響が非常に大きいので、下手をすれば、その業界全体が本当に大変な事態に陥るということでありますので、やはり、より確かなもの、より正確なものを発表していただく必要がありましょう。研究としての発表であれば、やはり、それなりの配慮が必要でありましょう。それから、我々のその後の対応を考えると、事前にそういうものをよく県の方にも連絡をいただくなり、調整をしていただいてやってほしかったと思っております。
 今回、一連のことについては、機構の方でも、本当に対応が良かったのかどうか、私どもも、いささかなりとも不審に思っているところはきちんとものを言っております。それから、関係機関である農林水産省の方にもそういう話を言っております。
 しかし、過去のことは、それはそれとしてきちんと受け止め、対応し、これからどうしていくかということが大切ですので、できるだけ前向きにと思っております。
【記者】  知事は、機構に対してより明確な対応をお願いしたいと話されましたが、それは、今回の機構の発表であったり、県の調査で若干のノイズが出たとか、そういったことをきちんと検証をしてほしい、なぜ出たのかを検証してほしいという意味に捉えてよろしいのでしょうか。
【知事】  機構という組織としては、理事長名で「シロ」という返事をいただいているのですね。それは、科学的、技術的な検討を経て、そういう結論を私どもに伝えていただきました。ところが、内部でそのデータにノイズがあるとかないとか言われましても、それはどういう意味があるのか、あるいはそれをどう位置づけるのか、私どもは機構としての返事をいただいているわけでありまして、何遍も申し上げておりますとおり、こちらで独自に様々なデータや技術、調査能力があれば、こちらでやるのですけれども、あの段階で、また現時点で、その能力がないものですからお願いをしていた。
 ですから、そのようなことで疑義が出ないような結果を我々は望んでいるわけで、いずれにしても、今回は「シロ」とは言っていただきましたが、ノイズの点などの問題があって、さらによくよく分析したり、検討したりする必要があると思っておりますので、先ほど申し上げたとおり、県でもやってみたいと思います。やってみるというのはDNAというもので、生肉でそれをいろいろチェックする機能は持っておりますから、今回、データなどを情報提供していただけるものであれば、それとの突き合わせなどはこちらでできますし、それから、先ほど申し上げたとおり、加工の調査確認方法などは、これから県が独自にできるようなことをしてみたいと思っております。一方、機構においても、今回のことなどからいけば、当然、これからどうあるべきかということを内部で検討されるでしょうし、また、そうあるべきだと私どもは思っています。
【記者】  今回、学会発表の方が先に出てしまい、県も調査はしたけれども、1週間近く遅れてしまいました。その間に、本当はたくさん偽物があったけれども、すべて引き上げられてしまって、県の方が後手に回ってしまったから「クロ」がつかめなかったのではないかという疑念もあります。そういう意味で、今回の調査で消費者の信頼が得られたとお考えでしょうか。
【知事】  学会発表があのような形でなされたことが適切だったかどうかということは、我々も問題視しています。先ほど申し上げたとおり、どこまで確かな情報として、どういう目的で発表されたのかとは別に、現に大きな産地に影響があり、様々な業界に影響があることだけに、もし仮に発表されるにしても、私どもに相談があったり、事前に報告でもあれば、県としての然るべき対応というものも図れたのかもわかりませんが、そういう機会も逸してしまったという意味では、非常に発表の仕方に対しては残念に思っております。そのことを機構にも伝えてありますし、関係機関である農林水産省にも伝えてあります。
【記者】  先ほど知事は、機構には今回の問題点を分析して対応してもらいたいと話されましたが、それは、すでに機構側には要請しているのでしょうか。それともこれからするのでしょうか。
【知事】  今回の問題の一連のことについては、当然のことながら、機構側と県の担当者とは、いろいろ意見のやりとりや協議も含めてしております。したがって、なぜこうなったのか、なぜノイズがこういうふうに出ているのか、それをどう評価するのか、もちろん疑問などを、こちらも向こうに伝えてあります。
 それから、先ほどご質問いただいた、どうしてあのような形で発表なさったのか、どうして事前の連絡などがなかったのかということの指摘などもしてあります。ですから、申し入れというか、これまでの機構と愛知県との様々なやりとりの中で、私どもの問題点、疑問、考え方というものは伝わっているはずであります。また、機構としても当然、責任ある公的な立場として、今回のことをどう将来につなげていくのか検討なさって然るべきものと思っております。
【記者】  機構側に対して、なぜノイズが出たのかとか、そういった原因や評価を改めて教えてくれという「再検証」を依頼したということになるのでしょうか。
【知事】  (事務方に対して)検証というか、そういう形で要望してあるのですか。
【農林水産
部長】
 今、機構側に対しては、調査結果についての説明を求めています。詳しいデータがほしい、そして、その考え方をきちんと私どもに説明してほしいということを求めています。
【知事】  それから、もちろんデータもこちらへ渡していただくこともお願いしております。
【記者】  機構側からデータが来て、突き合わせた、あるいは機構から説明を受けた段階で記者発表という形になるのでしょうか。
【知事】  データそのものが、我々の方でどこまで分析できるのかという問題は、まだ来ておりませんので分かりません。それから、生データそのものが公表できるものかどうかも、大体数字などの羅列でありますので、それをどう評価するのか。生データだけでは意味がないものですから、今、部長が申し上げたとおり、説明などを求めております。先方からの説明などについては、相手が了解してくれれば、こちらは隠すことはありませんので、できるだけ公表したいと思っております。
3.

名古屋競馬の存廃方針について(知事より発表)

【知事】  名古屋競馬の存廃方針についてご説明を申し上げたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 お手元に配布した1枚紙の「名古屋競馬の存廃判断と今後のあり方」についてご説明を申し上げます。
 この問題につきましては、去る9月県議会におきまして、私は年内には方針を示したいと答弁をいたしました。その後、名古屋競馬組合を構成する私ども愛知県、名古屋市、豊明市が鋭意協議を重ねてまいりまして、このたび、この基本的な方針を取りまとめたところでございます。
 この時期に方針をお示し申し上げますのは、関係者の皆様方の大変なご努力で、少しずつ経営状況が改善してきたということもございますけれども、やはり、何と申しましても、来年度の競馬開催を行うに当たりまして、他の競馬場との日程調整や様々な連携が必要でありますので、これ以上遅くしていくといろいろな支障が出てまいります。したがって、この時期に方針を決めるべきだとの判断からでございます。
 それでは、早速配布資料に基づいて、ご説明申し上げたいと思います。
 最初に、経緯と書いてあるところでございます。
 平成17年2月に、私からこうした記者会見の場で、名古屋競馬はできる限りの振興策に努力をし、3年間の経営状況をもって存廃を決断するという方向性をお示しいたしました。その後、これを受けまして、競馬組合では構成団体の協力を得ながら、積極的な売り上げ振興策を盛り込んで、単年度収支の改善、黒字化を目標とする経営再建計画を平成17年3月に策定をいたしました。これまで2年8か月の間、関係者が一丸となって、まさに背水の陣の思いで経営再建に取り組んでまいりました。
 そこで、経営再建の評価と見通しでございますが、まず、売り上げ振興策につきましては、競馬組合におきましては平成17年度から三連勝式馬券の発売や地方競馬の祭典でありますJBCの開催、あるいは競馬場のリニューアルなど、できる限り前倒しをして行ってまいりましたし、あるいは電話・インターネット発売の拡大、他場との連携拡大など、いろいろと取り組んできたところでございます。その努力の結果でございまして、売上額でございますが、平成3年度をピークに、平成16年度まで毎年度10%から20%の大幅な減少が続いておりましたものが、平成17年度、18年度は徐々に下げ止まりの傾向が見られるようになってまいりました。
 今年度でございますが、ご承知のとおり、馬インフルエンザによる開催中止という、いわばアクシデントのようなことがあって、大変心配したわけでございますけれども、現時点では前年度比較で13.6%と、かなりの売り上げ増加となっております。ただ、本場の売り上げ回復にはまだつながっておりませんが、全体としてはこういう形で、少し売り上げも盛り返してきております。
 次に、単年度収支についてでございますが、平成16年度までは毎年度数億円の赤字が出ておりました。しかし、平成17年度、18年度は、まだまだわずかではございますけれども、2年連続して黒字となることができました。また、本年度につきましても、これまでの馬券売上額の状況、あるいは今後の開催計画などから判断いたしますと、黒字は十分達成できる見込みだと、そのような認識でございます。
 もちろん、このことは関係者の皆様方の大変なご努力によるものでございますし、また、賞金、諸手当など競馬開催経費の削減などに取り組んできたことが、こうした数字につながったのではないかと考えております。
 来年度以降の見通しという点でございますが、本場入場者の増加対策、あるいは電話・インターネット発売の拡充など、様々な振興策を実施することによりまして、今後の馬券売上額の伸び、あるいは開催経費の見込みを行ったところ、大体毎年度数千万円から1億円程度の単年度黒字を確保することができるというような見込みになったところでございます。
 このような3年間の実績、あるいは今後の収支見通しをもとにして、存廃の検討に入ったわけでございますが、この3年間の経営再建計画の内容は大体達成できましたこと、今後も黒字経営を続けることが十分可能になってまいりましたことから総合的に判断をし、名古屋競馬は存続することに決定をしたところでございます。
 今後のあり方でございますが、競馬組合におきましては、今後5年間程度の中期振興計画を策定いたしまして、競馬事業の活性化のため様々な取り組みを実行し、引き続き経営体質の改善を図り、単年度黒字を定着化させて、累積赤字の縮減を図っていきたいと考えているところでございます。
 以上のような方針に基づきまして、名古屋競馬を今後とも存続してまいるわけでございますが、しかし、地方競馬を取り巻く環境はまだまだ厳しいものがございます。競馬組合ももちろんのこと、競馬関係者の方々には、今後ともこれまで以上の情熱を持って、名古屋競馬の振興にお力添えをいただき、競馬ファンの裾野をさらに広げ、経営改善が促進されるよう、関係者一丸となって努力をしていきたいと考えているところでございます。構成団体である愛知県といたしましては、競馬組合のこれからのそういう取り組みに、できる限り支援をしてまいりたいと考えております。
 どうか、報道各社の皆様方にも、引き続きこれまで以上のご支援やご理解、ご協力をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 名古屋競馬の存廃方針について、以上申し述べましたけれども、これからも一生懸命、関係団体と力を合わせて頑張っていきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
【記者】  2年連続で黒字ですが、累積赤字に対して、黒字の幅は非常に小さいと思います。累積赤字をどれくらいで解消できるという見通しでしょうか。
 また、次に経営判断をされる目安はあるのでしょうか。例えば、来年度、仮に赤字になった場合などを含めて、次に経営判断をするような時期は、どういったことを目安にされるのでしょうか。
【知事】  ご指摘のとおり、累積赤字は大きな金額になっておりますので、いつまでに解消できるかということの将来見通しは明確なものを持っておりません。
 ずっと赤字基調でまいりましたのが、今ようやく、単年度ではありますけれども、黒字になってまいりました。今年度はまだ途中でございますけれども、黒字になる見通しでございまして、むしろこれをしっかりと定着させる、ここが一番重要なことだろうと思っております。
 これから5年の計画を作るわけでございますが、この間も安定的に黒字基調でいけるように、まずそれが当面の見通しでございますので、大きく膨れ上がった累損の全部を、いつまでに解消するという長いスパンでの計画は持ち合わせておりません。黒字基調を定着させたいということが第一でございます。もちろん、その黒字額が少しでも多くなるように努力をして、累損がわずかずつでも減っていくように努めていきたいと思っております。
 それから、ご指摘の2つ目でございますが、仮に赤字になったらどうするのだという点でございますけれども、それが来年なのか、5年後なのか、いつなのかは別として、赤字ということになった時点で、いろいろとまた総合判断しなければいけないと思っております。総合判断と申しますのは、その赤字がどういう理由からなのか、どのくらいの額なのか、あるいはその段階における地方競馬の動きや全体の様子など、総合判断して決めるべきことだと思っております。
 今回、特に、前回のように3年というような形で再建期間を定めることなく、むしろ振興計画として5年間定めましたのは、3年間でその先どうなるか分からないとか、2年間でどうなるか分からないという定め方ですと、例えば、馬主さんなどもその先が分からないと、新しい競走馬に投資して良いかどうかの見通しもつかなかったり、それから、競馬には様々多くの方が関係しておられますけれども、やはり、名古屋競馬に対するモチベーションというものが、いつ終わるか分からないということでは、なかなか維持できないこともございます。したがって、5年間という計画を許していただけるなら、そういう方の力も借りて全力でやる。もし万一、ご指摘があったようなことがいずれかの時期に出るとすれば、その段階で様々な状況などを分析して総合判断をしていきたいと思っているところでございます。願わくは、そういう事態にならないように頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
【記者】  確認ですが、このまま黒字が続けば存続するということでよろしいでしょうか。
【知事】  はい。そういう基本的な考え方です。
【記者】  累積赤字の解消はいつまでにということを持ち合わせていないとのことですが、中期振興計画の中に、累積赤字を何年後にこれくらい圧縮させるという数値目標も立てないということなのでしょうか。
【知事】  もちろん、5年間の計画を立てる上では、どのくらいの売り上げがあり、どのくらいの経費が掛かり、どのくらいの利益が出るのかというようなことは、一定の見通しを持って立てております。それで、この5年間では数千万円から1億円ぐらいの見通しで、とりあえず計画を立てて、その実現、あるいはそれよりも、より良い経営を目指していこうということでございます。
 したがって、まだ全体の累損を大きく減らすだけの状況になるという段階ではございませんので、先ほど申し上げたようなことで、具体的なプランは持ち合わせておりません。