知事の記者会見
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平成20年2月4日(月) 午前11時
1.

大阪府知事選の結果について

【記者】  まず幹事社から3点質問します。1点目は大阪府知事選の結果についてお聞きします。当選された弁護士出身の橋下氏に対する所感と、財政再建を掲げ「原則府債を発行しない」という姿勢に対する所感をお聞かせください。
【知事】  大阪府の知事選挙の結果についてでありますが、橋下知事が誕生して知事仲間として、これから一緒にいろいろな仕事をご一緒できるという期待感を持っております。お互いに力を合わせて、地域のために頑張っていきたいという気持ちが率直にあります。
 若干、私自身の思いも含めて申し上げますと、橋下さんは弁護士出身なのですね。私も、実は弁護士から初めて市行政に入ったのが38歳でした。ですから、期せずして法曹から行政に38歳で変わった。もちろん、知事と市長とは立場や仕事内容も違うわけでありますけれども、そういう意味ではちょっと感慨深いものがございます。
 それから、あの方の選挙の時に、柱として府財政の再建、少子化対策、この辺りを特に強く打ち出しておられたというように聞いております。私は、およそ10年前に知事選挙に出た時に、ちょうど愛知県も財政危機、それも大変深刻な財政危機に陥っておりまして、そういう中で船出をしたわけであります。もちろん、府財政の状況を詳細に存じているわけではありませんけれども、厳しいと言われておりますので、新知事がそういう新たな船出をされるということでありますから、大いに頑張ってほしいなという気持ちでおります。
 それから、少子化でありますけれども、これは昨年のちょうど今ごろ、私の3回目の知事選挙でございましたけれども、特に安心、少子化対策という点では、私もマニフェストで最も力を入れたところでありますので、何かそんなことでも共通のものを感じております。
 しかし、いずれにしても、今、大変厳しい地方行政を取り巻く環境下にありますので、大いに頑張ってご活躍いただきたいと願っておりますが、その中で、府の借金に当たる府債、我々の場合は県債ですけれども、これの発行について、かなり消極的な発言をされているやに、私もマスコミなどを通じて存じております。私ども愛知県も、実は県債の発行は新発債を中心にできるだけ抑制しようということで、ここ何年か来ております。これはやはり財政の硬直化につながるものでありますので、起債が増えれば増えるほど公債費が増えてまいりますので、財政の硬直化につながることは間違いありません。
 しかし、たくさんの仕事をきちんとやっていくためには、愛知県もそうでありますように、こういう借金というか県債を発行しなくて十全な仕事はできないと思います。とりわけ、いろいろな社会基盤を作るための地方債とか、あるいは地方財政制度上認められております制度としての起債というのは、私は、必要なものはきちんと使っても良いのであろうと。ただ、それが無制限に増え続けたり、あるいは放漫になってはいけないと思います。
 新知事になられる橋下さんが、どういう趣旨でおっしゃっているのか、ちょっと私はよく分かりませんが、全く発行しないということでは、どういうふうに府財政を運用されるのか、ちょっと想像がつきませんけれども、おそらくできるだけ不必要なものを圧縮していきたいという趣旨だろうと思いますので、そういう点では当然のことだろうと考えております。
 大変知名度の高い方でありますので、やはり選挙というのは、知名度が大きいのだろうということを改めて痛感しましたね。知名度が高くて、関心の高い選挙であればあるほど、住民の皆さん方の行政に対する関心も高まってまいりますので、そういった高まった関心の中で、諸課題を積極的に対応されるということではないかと思っているところでございます。
  
2.

平成20年度当初予算の編成について

【記者】  2点目ですが、平成20年度当初予算について、政策の優先順位をお聞かせください。
【知事】  20年度予算の優先順位ということでございますが、それほど遠くない時期には、来年度の予算発表をさせていただく段取りでおりますので、中身についてはその時に譲りたいと思いますが、基本的な考え方だけ若干申し上げれば、優先順位というか、特に今、愛知県が力を入れていかなければならないというのは、大きく言って柱として三つあると思います。
 一つは、従来からも取り組んでまいりましたけれども、やはり県民の安心・安全、この部分については、しっかりと予算上も取り組んでいかなければいけない。したがって、安心・安全というものの、より強化・充実は引き続き重要だと思っております。
 それから二つ目は、愛知県は、今、大変元気で活力があると、全国の中では評されておりますけれども、この地域活力というものを維持していく、あるいはより強固なものにしていくということは不断の努力が必要です。少しその元気さに甘んじておりますと、すぐその地位から踏みはずす心配もございますので、やはり活力を維持し、より拡充していくための施策も必要だろうと思っております。
 それから三つ目の柱は、かねてから、私はいろいろなところでも申し上げておりますけれども、博覧会が終わって5年目に当たる2010年というのは、愛知県にとりまして、この地域にとって大きな節目だろうと思っております。その2010年をマイルストーンにして、今、幾つか大きなハード・ソフトの両面の事業を計画し、あるいは準備を進めておりますので、これが2010年に確実に実行できるように、あるいは花開くように、新年度はその準備として大変重要な時期だろうと思っておりますので、優先順位という質問には直接お答えはできませんでしたけれども、全体予算の中で力を入れている分野、特に強調している分野というのは、そのようなところだろうと考えております。先ほど申し上げたとおり、また予算発表の折に、具体的な施策や事業などと関連してご説明申し上げたいと思います。
3.

道路特定財源の暫定税率をめぐる議論の状況について

【記者】  3点目ですが、道路特定財源の暫定税率をめぐる国会での議論についての所感をお聞かせください。
【知事】  道路特定財源の問題でありますが、国会で与野党が暫定税率の継続か廃止かをめぐって、かなり厳しい対立の中で一体どうなるのだろうかと、私どももその推移を注目しながら見ております。ちょうどつなぎ法案云々の議論の中で、衆参両院議長の斡旋などもあったようでございますけれども、年度内に一定の結論を得るということで与野党の合意ができたようでございます。当然、私どもは、これからの真摯な議論や、あるいは地域の声などを聞いていただいて、今後の良い結果に着地することを期待しているところでございます。
 愛知県の立場は、私は議場でも、あるいはこうした記者会見の折でも再三申し上げてきておりますけれども、今の愛知県が置かれた状況の中では、道路特定財源の確保、暫定税率の継続は、ぜひともお願いをしたいと思っているところでございます。これは、全国知事会、地方六団体共通の考え方でもございます。その意味では、ぜひともそういう方向へ議論を尽くし、いろいろな知恵を出し合いながら、何とか今後もきちんとした整備が進むよう、そういう結論になっていくことを期待しているところでございます。
4.

中国産冷凍ギョウザの健康被害について

【記者】  中国産の冷凍ギョウザの問題でお聞きします。県内でも体調不良を訴える人が多数いらっしゃいますが、この問題に対する知事の所感と今後の県の対応方針をお聞かせください。
【知事】  冷凍ギョーザの問題は、このところずっと食の安全をめぐって、県民、国民がものすごく不安な状況と申しましょうか、困惑の中にいた中で、どんと出てきた話ですね。ですから、私は、おそらくどこの家庭も今回のニュースには縮み上がったと思いますね。それだけ食の心配や不安ということが、ずっと大きな問題として、県民の中にもしっかり頭の中にあった中でのことであります。まだ、原因究明というのが完全に終わってないといいますか、はっきりしてない部分がありますので、そのことに関わる、あるいはそれを前提にした中途半端なことは申し上げるべきではないと思っていますが、これまでのところで私が感じておりますことから言えば、県の立場で言えば、当然、これから健康被害が発生しないようにすることが、今、最大にして緊急の対応が必要な事項であります。
 したがいまして、この問題が発生した以降、関係店舗やこの食品を扱っている関係先には、とにかく販売の現場からそれを撤去してほしい、回収してほしいということをお願いしてきたわけでありまして、大体それもほぼ完了したというように聞いております。
 むしろ問題は、冷凍食品の場合は、県民の皆様方の冷凍庫の中にまだ眠っている、貯蔵されている可能性が十分あります。これだけ大きなニュースになっておりますので、多くの方々はかなり警戒をしておられることとは思いますけれども、少し油断してというようなこともありましょうから、対象になっております、少なくとも疑惑が持たれている食品については、絶対食べないようにしてほしいと、このような呼びかけは、県としても声を大にしてお伝えしていかなければいけないと思っておりまして、これまでも県のホームページや様々な手段を通じて対応してきておりますが、この点については、メディアの皆様方の伝播力が一番大きな力になりますので、引き続きご協力をいただきたいと思います。
 今後のことでありますけれども、県におきましても、相談窓口を設置して、いろいろ県民からの問い合わせや相談に応じておりますし、県の衛生研究所でも残留農薬の検査なども現在実施をしているところでございます。進行中のものもありますし、これまで終わったものもございます。幸い、これまで終わった検査の結果では、メタミドホスの発見には至っておりませんけれども、引き続きいろいろご相談に応じ、必要に応じ検査なども実施していきたいと思っております。
 こういう大きな問題があって、警戒心を県民の方もお持ちなわけでありますけれども、やはり国が中国に対してもいろいろと原因究明の申し出もしておられるし、共同していろいろな調査にも当たっておられるようでありますけれども、やはり事が輸入という大きな仕事の中での食品の移動でありますので、国は徹底的に国際的にもどう対応すべきかを検討し、最良の方策を講じてほしいと思いますね。
 それから、愛知県におきましても、できるだけ名古屋市や中核市との連携はもちろんでありますけれども、保健所の充実、あるいは先ほど申し上げました衛生研究所などの機能強化なども行いまして、よりチェック体制の充実を図っていきたいと考えているところでございます。
 いずれにしても、大変な事件が起きたものだと思っておりますけれども、こういう時は、やはり徹底して原因あるいは経過の調査が必要でありますので、今回、どこに原因があり、どういう事実関係であったのか、そうしたことを国に対し、いろいろな機会に求めていきたいと思っているところでございます。
【記者】  お話の中で、保健所の充実や衛生研究所の機能強化とおっしゃいましたが、具体的にどのようなことをお考えなのでしょうか。
【知事】  衛生研究所は、同じ県の食品衛生検査所という組織と統合いたしまして、検査の人的あるいは機材などの充実を、より図ることによって、より専門的な、より広域的な検査とか調査ができるようにしていきたいというのが、まず一つでございます。
 それから、保健所の方は、実は広域監視班というものを設けて、これは製造のメーカーの場合もありますし、販売の現場の場合もありますけれども、そういうところへ調査をしているわけでございますが、このいわば監視班を、より充実したいと思っております。今はどちらかというと、兼務でやっているわけですけれども、やはり専任のグループを置いて対応したいということも考えております。
 いずれにしても、膨大な量、広範囲にわたる食品でありますので、県で出来ることにも限界がありますけれども、そうした監視体制や検査体制の充実によって、少しでも食の安全を確保していきたいと考えているところでございます。そのほか、適切な方策などが今後の検討の中であれば、そういうものも積極的に取り入れていきたいと思っているところでございます。
5.

県議会議員による条例づくりについて

【記者】  県議会の民主党において、政策関連条例の議員提案を目指した研究会が立ち上がり、具体化しつつあります。愛知県では34年ほど議会からの政策関連の条例提案は無いようですが、このことについての所感をお聞かせください。また、今回、民主党の方で、こういった動きが出てきたことについての所感をお聞かせください。
【知事】  県議会の方から私ども理事者側、当局側に、これまでもいろいろな提案をいただいたり、要望をいただいたりして、それを当局の方で、例えば条例化の必要なものとか、政策として具現化してまいりました。そういうものはそういうもので、私は機能を果たしていたのだろうとは思いますけれども、仰せのように、議員提案というようなものは長らくなかったようであります。今後、新しくそのようなこともいろいろ議会サイドでやってみようという動きそのものは、私は結構なことだと思っております。また、どういう提案や意見が出てくるのか、我々もそれを注視していきたいと思っておりますが、議会の方がいろいろ勉強なさる。我々も、よりそれに負けないように勉強しなければいけないということで、切磋琢磨できれば良いのではないかなと思います。
 先ほど申し上げたとおり、議員提案という形ではなくても、政策提案というのは、従来もかなりいろいろいただいてまいりましたよね。そういうものを、我々が知恵を絞って予算化したり、条例化したり、あるいは要綱化したり、様々な対応をしてまいりました。議会と良い緊張感を持ちながら、お互いに切磋琢磨するということは結構なことだと思っております。
6.

後期高齢者医療制度について

【記者】  先ほどマニフェストの話でもありました安全・安心の安心に関わると思いますが、国が来年度から実施する後期高齢者医療制度について、知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事】  ちょっと茫洋(ぼうよう)とした質問で、余りにも大きな質問ですから、何をお聞きになりたいのか、少し分からない部分もあるのですが、高齢化福祉の中で、後期高齢者、つまり75歳以上を保険事業としても別枠でやっていこうということで、大きな制度改正がなされました。愛知県におきましても、従来とは別に、全市町村が参加する広域連合を作って、そこを受け皿に対応するということでございます。75歳以上の方も、今、随分増えておりますが、元気で長生きしてもらうのは結構なことでありますけれども、寝たきりとか、十分な日常生活を送れない状態で後期高齢者を迎えるということがあってはなりませんので、予防医学的に未然防止ということに重点を置きながら、後期高齢者の様々な政策などもうまく回っていくことを期待しております。
 これに関連して言えば、県の立場で言うと、後期高齢者のこの事業が進展することによって、義務的経費としての負担はやはり増嵩します。ですから、社会保障、社会福祉、介護など様々なもので、これからどんどん負担増になってまいりますので、財政運営の面では、別に後期高齢者だけのことではありませんけれども、そういう方向がいよいよこれから加速する時代を迎えるなと、財政運営も大変難しくなっていくなというような印象を率直に持っています。
 一番最後に申し上げたのは、後期高齢者だけではありません。介護も含めて、医療費も含めて大きく増嵩しておりますので、なかなか大変な時代を迎えるなと思っているところでございます。
【記者】  知事がおっしゃる寝たきりの方とか認知症の方が、まさしくこの医療制度に関わってくると思いますが、県としてもやはりそれに合わせて、75歳に引き上げてということをやっていくのですか。それを受けて、県の高齢者福祉も変わっていくのですか。
【総務
  部長】
 後期高齢者医療制度は、全国一律の制度です。愛知県がどうというのではなく、国の制度として、国と県と市町村がそれぞれ負担してやっていきましょうという制度であります。
7.

古紙配合率の偽装問題について

【記者】  古紙の配合率偽装の件ですが、県庁で使用しているコピー用紙についても、実際の表示より配合率が低いということが明らかになりました。このことについての所感と、県の対策等があればお聞かせください。
【知事】  製紙業界の中で古紙の含有率と言いますか、古紙配合率がいろいろ物によってその基準がある。今回、年賀はがきからスタートしましたけれども、おっしゃるとおり、私ども愛知県庁においてもコピー用紙を大量に使う、大量に使うコピー用紙のほかにも影響が及ぶことになりました。大体そういう用紙などは、100パーセントのものから70パーセントのものといったアローアンスの中で基準が定められております。
 ところが、愛知県で使っているものも、今回の件で調べてみたら、その基準の半分しかないとか、大きく低下している事案がたくさん見受けられたところでございまして、裏切られた思いを当然強くしております。もともと紙はリサイクルの中の優等生だと言われていたのですね。それから、リサイクルの最も典型的なケースとして、これまで紙が扱われてきていたわけで、その一番中心の紙の中でこういった偽装というか、明らかに間違いがあったことは、本当に許せないことですね。私どもも大変残念に思っているところでございます。
 これは、製紙業界全体で信頼回復や技術の確保などに取り組んでいただかなければならないことだと、当然思っております。それから、愛知県もこうしたものの物品調達方針というのを決めてやっておりますが、今まで違ったものが納入されていたわけですね。その方針どおりのものがすぐ調達できないという事態になっておりますので、極めて不本意、残念ながら調達方針をその部分については凍結いたしまして、現在、できるだけその幾つかあるメーカーの中でも少しでも含有率の高いものを調達することによって、当面は対応するしかないと思っているところでございます。
 ちょうど今、業界でも国でも、こうした中身についてのいろいろな議論がなされているわけであります。今後は、早急な方向を打ち出していただけるよう、我々も国の方にお願いをしていかなければいけないと思っております。したがって、新年度の物品調達方針につきましては、そういう動きをきちんとにらみ合わせながら、確実に対応できるように努力していきたいと思っているところでございます。
 いずれにしても、中国に大量の古紙が、しかも良い古紙が流れてしまって、なかなか古紙の確保が難しいとか、それから、高い含有率の品質の確保ができない、技術的なレベルがまだ達していないとか、そういう製紙メーカー側の記者会見などに接するにつけ、それももっと努力してもらわなければいけないと思います。できないならできないというようなことを、もっとどうしてはっきりせずに、そのような高いところでやっているのか、非常に矛盾に満ちた経過だと思いますね。可能な中で何ができるのか、どう目標を定めてそこに近づくのか、これは業界にもよく考えてほしいことだと思っております。
8.

岩国基地の住民投票をめぐる橋下氏の発言について

【記者】  橋下次期大阪府知事が、山口県岩国市の米軍基地問題での住民投票について、国の専権事項である防衛問題について地方自治体が口を差し挟むべきではないと発言されました。また、住民投票について、憲法が間接民主制を取っている以上、その適用範囲は限られるべきだという議論を展開しています。これについて知事はどうお考えでしょうか。
【知事】  橋下さんがどのようにおっしゃったのか、ちょっと正確には私は分かりませんので、今聞いた限りのことで申し上げれば、住民投票で住民の意思を問うというのは、民主主義で重要な手段の一つであることは間違いないと思います。いろいろな地域が抱える問題で、やはり直接民意を問いたい、また民意を問うべきだという声が澎湃(ほうはい)として湧いてくる、そのような問題を抱えた地域は当然あります。それはそれで、私は住民投票も一つの有効な手段だと思うわけであります。多少忖度(そんたく)しての話になって恐縮でありますけれども、橋下さんがどういうつもりでおっしゃったのか分かりませんけれども、国の防衛など政策が国の専権のことに関わることについては、住民投票はどうかと思うと、反対だとおっしゃったのですか。
【記者】  そこも自治体が口を差し挟むべきではないとおっしゃいました。
【知事】  国の方針に対して、地方自治体もすべて唯々諾々(いいだくだく)とそれをのみ込むというようなことは、そういう意味ではおかしいと思いますよね。地方として、国の方針にやはり納得できないというようなことも当然あり得ます。それを意思表示することも良いと思いますね。住民投票の結果を、その地方行政のトップなり議会が、どのように受けとめて、どう判断するかというようなことにもなってこようかと思いますね。
 ですから、私は、一概にすべてがそれは国の専権事項だからやるべきではないとか、反対だとか、問題だとかというふうには思っておりません。その負託を受けた首長として、あるいは議会として、どのように受けとめて、政治行動あるいは行政判断をしていくかということだろうと思っております。
【記者】  憲法は間接民主主義を取っているので、直接民主制のような住民投票という方法は、その対象は一定の制限があるべきだということです。つまり、米軍基地の移転問題を住民投票にかけた岩国市に対して、それはふさわしくはないのではないかというような意見のようです。
【知事】  そのこと自体はいけないとは思いませんね。それをどのように判断して、どう対応するかということは、首長なり議会に課せられた大きな政治責任ですよね。それでもなおかつ住民投票とは違った結果を貫くのかどうかは、また別の問題でしょうね。
 かつて同じような議論は、原発の是非のときにもありましたね。エネルギー政策は国の大きなテーマなので、住民投票はふさわしくないのではないかという議論も、確かあったような気がいたします。おそらく同じような共通の問題だろうと思いますけれども、そのことだけで必要ないということを、そう早計に結論づけることではないと思いますね。いろいろな考え方があっても良いと思います。それを弁護士だからどうのこうのということでは、ちょっと視点の違う話だろうと思います。
9.

首都機能移転について

【記者】  首都機能移転については、岐阜県と協議会を作って誘致活動をしておられますが、活発な議論というものが、2年くらい前から国会では見られなくなりまして、実際、19年度は県でも協議会への負担金を執行していない状況であります。20年度以降も、ホームページによるものなど規模を縮小するという事例もあると聞いています。
 現時点で、中部圏への首都機能移転活動は、どの程度意義があるのか、また今後続けていく意思があるのかお聞かせください。
【知事】  地方の意思はどうかということ以前に、国がどういう考えで、何をしようとしているのか、我々地方から見ると非常に不満を持ちますし、不信感も持ちます。ご承知のとおり、もともと首都機能移転は国会決議とか、あるいは確か法律までできていたと思いますが、国権の最高機関でそういうものが決められ動き出したものが、だんだん尻すぼみになっていって、国が果たして今後どうするのか、進めるのか進めないのか、あるいはどういう手順で何をしようとするのか、それが見えないことに対して、私どもは非常に不満に思います。
 地方からの単なる要望とか意見で動いているものではなくて、国が大きな方向を打ち出したもので、あの時に、2か所プラス1か所ということで、候補予定地的なものも鳴り物入りで決め、この地域もその有力な一つになったわけです。当然、私どもは、首都機能を分散させることによって、東京一極集中だとか、あるいは様々な地方分権の大きな流れにつながるだろうと、それを期待しましたし、地域としての活力や新しいまちづくりにもつながるものだということで、一生懸命取り組んでまいりました。
 ところが、今のような話で、いささかその方向が不透明になってきて、地方として、どこまで何ができるのかということが、なかなか見えてこなくなりましたので、少し運動のパワーとしてはダウンしていることも正直なところであります。
 今後どうするかということでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、国の方がもうやめたというのか、いや、やるというのか、その辺りがいささかはっきりいたしません。確かに道中では、私の記憶では、例えば災害対策などのリスク管理とか、それから、地方分権的な考えの中での位置づけやら、いろいろな議論が行われて国の方も修正されてきているとは思いますけれども、ではこれからどうするのかということが、なかなか見えないものですから、地方としても非常に戸惑いがあるという状況でございますので、我々としては、最終的な決断を出しかねている部分もございます。
 ただ、これは岐阜県さんのことはちょっと分かりませんけれども、私の思いとしては、今、地方分権とか道州制の議論が盛んに行われておりまして、特に、道州制は国の方でかなり前向きに取り組む方向性が打ち出されております。こうした道州制が議論されていきますと、国の機能をどうしていくのか、あるいはどう分散していくのか、どう地方に移していくのかという議論とつながりますので、首都機能とはイコールの話ではありませんけれども、根本において議論として通底する部分があるだろうと思っております。
 したがって、そういうこともにらみながら、検討をしていくしかないなと思っています。
【記者】  確認ですが、誘致活動は規模を変えながらも続けていくし、首都機能の移転自体は必要なことであるとお考えでしょうか。
【知事】  続けていくというよりも、今、実際問題として、余り大きな活動の展開はありません。今後、これをどうしていくのかは、今のような状況を見ながら、あるいはいろいろな方々との議論を尽くしながら、方向性はこれから打ち出していくことだろうと思いますね。