知事の記者会見
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平成21年1月5日(月) 午前11時
1.

新年にあたっての抱負

【記者】  今年、経済情勢も大変厳しいことが予想され、また、選挙の年でもあり、激動の1年になると思いますが、新年に当たりまして知事の抱負を伺います。
【知事】  旧年中、記者クラブの皆様方には大変お世話になり、さまざまな御助言もいただきました。本当に感謝いっぱいでございますが、今年もどうぞひとつよろしくお願いを申し上げます。
 新年の抱負ということでございますので、若干後先があるかわかりませんけれども、幾つかお話を申し上げたいと思います。
 今日9時から仕事始め式で職員に向けましては、この書初めのとおり「心機一転」と、新たな決意、新たな気持ちでこの困難な時代を乗り切っていこうということを呼びかけをいたしました。
 その困難な課題は幾つもございますけれども、やはり今年最大のものは、この深刻な未曾有の大不況をどう乗り越えていくかということになろうかと思います。とりわけ、2月定例県議会に向けての来年度予算編成が大変困難な仕事になっていくわけでございまして、私どもは何としてでも必要な仕事を実行できるような財源確保に努めていかなければいけないと思っております。
 そこで、まず、財政状況について改めてお話を申し上げたいと思います。
 厳しいこの地域の経済状況を受けまして、特に、昨年の12月22日に、輸送機器産業の中心的存在であるトヨタ自動車さんが今期の営業赤字の見通しを発表されました。そのほかの企業におきましてもやはり厳しい見通しを発表されているところでございます。
 来年度の県税収入でございますけれども、御承知のとおり12月定例県議会の段階では実質約2,700億円の減収、それから約3,500億円の財源不足と、このような見通しを申し上げました。けれども、その後、特に年末ぎりぎりまでいろいろ精査をしてまいりましたけれども、法人関係税を中心に減収規模はさらに拡大をいたしまして、県税収入は実質で3,600億円程度の減収。財源不足額でございますけれども、こちらの方も増えまして、4,900億円にも達する見込みとなってまいりました。この数字は、本県財政にとりまして想像もつかない大きな額でございます。結果として、来年度、このままの推移でいきますと県税収入は1兆円を割ることに相なります。この1兆円を割るというのは、平成16年以来ということになるわけでございますけれども、実は、三位一体改革で県民税に税源移譲による約1,400億円が含まれておりますので、これを控除いたしますと、県税収入としては8,000億円台になるということでございます。この8,000億円台というのは、20年前の昭和63年度の水準に戻るということでございまして、我々、思いもつかない大きな財政危機に直面をしているところでございます。
 したがって、予算編成は大変困難を極めるわけでございますけれども、引き続き、国には地方交付税など財源確保をしっかりと要請をしていかなければいけないと思っておりますし、また、歳出につきましても、さまざまな対応を避けて通れない。例えば、投資的経費の削減、県単独補助金の見直し、人件費の抑制など、あらゆる手段を講じて何とか歳入と歳出を予算編成に向けて合わせていかなければいけないと思っているところでございます。このような事態を1年前は本当に想像だにできなかったわけでありまして、大きな試練に直面しているものと考えております。
 そのような平成21年でありますが、しかし、行政はきちんと役割と責任を果たしていかなければなりません。そこで、ここ10年来行革を進めてまいり、現行の「あいち行革大綱2005」も一定の成果を上げたわけでございますが、来年度には、新しい行革大綱の策定作業に着手をし、今後も引き続き行革をしっかり進めてまいりたいと考えております。
 また、この地域の活力は、何と申しましてもモノづくり、製造業であります。今、大変困難な状況に陥っておりますけれども、私は、一番ベースになるこのモノづくり産業というのは世界に冠たるものがある、これはもう間違いないとかたく信じております。したがって、引き続きこの地域が発展、飛躍するためには、そうした産業構造をより強固にしていく必要がございますので、この点についての種まきはきちんとやっていかなければいけないと思っております。
 その一環として、例えば一例を挙げますと、次世代産業として大変有望視されております航空宇宙産業、この振興を図る必要がございます。特に、MRJの事業化が決定され、その製造の拠点になるこの地域でございますので、私どもは年度内にビジョンを最終取りまとめをいたしまして、これからの航空産業の発展に努めていきたいと思っております。
 幸い、国においては、21年度予算の中でJAXAの飛行研究施設の前提となります試験用ジェット機の導入が認められました。これは大きな第一歩だと思っておりますので、私どももこれを契機に地域を挙げて、この航空宇宙が分野しっかりと花咲くよう、これからも努めてまいりたいと思います。
 それから、観光という観点での取り組みも重要であります。
 特に昨年は、県議会において議員提案によって観光振興基本条例が制定されました。今年は、この条例に基づきまして観光振興の基本計画を策定する予定であります。少子化の時代でありますので、交流人口あるいは観光による人の行き来がとても重要であります。とりわけ、今年10月にはこの愛知を中心とする中部地区で、日中韓観光大臣会合が開催される予定でございます。観光振興についても大きな弾みになる1年であろうと考えておりまして、これもしっかり取り組んでまいる考えでございます。
 次に、セントレアの2本目滑走路の関係でございますけれども、燃油高や最近の経済危機によって、中部国際空港は今、大変苦戦をいたしております。しかし、今回の経済危機でも象徴的にあらわれておりますように、世界に開かれた地域、世界と深く結びついた地域というものをより痛切に実感したところでございまして、空港の果たす役割はこれまで以上にまた重要視されてくる時代だろうと考えております。これも幸い、国は需要拡大に向けた調査検討費として来年度政府予算を盛り込んでいただきましたので、私どもこういうものにも積極的に参加をし、また、エアポートセールスなども積極的に展開をすることによって、2本目滑走路の道筋を一歩ずつ進めてまいりたいと思っております。
 設楽ダムにつきましても、今、最も重要な局面に参っております。先だって、地元から要望をいただいておりました7項目について、県として回答をしたところでございます。今まさにこの設楽ダムの建設に向けての地元コンセンサス、そして決断という重要な時期に差しかかっているものと思います。これをきちんと国とともに進めていくのはもちろんでございますけれども、過疎化、高齢化が進展する山村振興に向けましては、今年度ビジョンの策定を目指しておりますので、これも地域の発展につながるよう、また、地域の皆様方の意向に沿ったビジョンを策定してまいりたいと考えております。
 今年はいろいろな課題を克服していかなければなりませんけれども、新しいものとしては、新型インフルエンザの対応でございます。
 従来から行動計画をつくりましたりあるいはタミフルの備蓄など、地方としても一定の役割を果たしてまいりましたけれども、この未知なる脅威に対してどのように対応するかというのは、やっぱり実地の訓練が必要であります。もう近々でありますけれども、年が明けたこの1月13日、火曜日になりますけれども、国と初めて合同で新型インフルエンザ対策総合訓練を実施する予定にいたしております。この訓練は、県内で患者さんが発生したという想定のもとに、国におきましても地方におきましても対策本部を設置し、各機関の連携あるいは医療機関における患者の受け入れなど、実地の訓練を行うものでございます。こうした訓練を通じまして、より実効性の高い対策が講ぜられるよう努めてまいりたいと思います。
 次に、地方分権改革について一言触れさせていただきます。
 今、第2期の地方分権改革が進行中でございますけれども、先だって第2次の勧告が出されたところでございます。御承知のとおりこの第2次勧告は、義務付け、枠付けの見直し、あるいは条例制定権の拡大という問題と、国の出先機関の見直し、地方の役割の拡大、こうした大きな二つのテーマについて勧告がなされたところでございます。一定の評価はするものの、特に国の出先機関の見直しについては、大変不満も心配も残る内容でございました。
 今年は、御承知のとおりいよいよ第3次の勧告がなされます。この第3次の勧告の中では財源論、つまり、国から地方への財源がどのようになっていくかという筋道も示される予定でございます。第2期分権改革の本当に正念場を迎えるわけでございまして、この第3次の勧告が出ますと、国においては計画づくりがなされ、また、地方分権一括法が国会に提出されるという予定でございますので、私ども愛知県におきましても独自に、あるいは全国知事会、中部圏知事会議などを通じて積極的に役割を果たしていきたいと思います。
 第1次分権改革は、私ども地方が反省すべき点もたくさんあるわけでありますけれども、仕事だけが、義務的な事務 だけが地方に転嫁され、十分な財源を伴わずに、大変苦労したという苦い体験がございます。そういうことにならないように、地方が力を合わせてきちんとした分権改革が行われるよう努力をしていきたいと思います。
 ざっと幾つかの点申し上げました。いずれにしても、現在の経済危機をどう乗り切っていくかというのは大変大きな課題であります。またあわせて昨年の不適正な経理問題、こうした問題もまだ積み残して調査中のものがございます。きちんとした対応を行うことによって信頼回復に努め、そして、この地域のさらなる発展につながるよう微力を尽くしてまいりたいと思っておりますが、どうか皆様方の一層の御理解と御協力、御支援をよろしくお願いを申し上げ、雑駁になりましたけれども、抱負とさせていただきます。
  
2.

税収見込と財源不足について

【記者】  4,900億円の財源不足が見込まれるとのことですが、その内訳を伺います。
【知事】  先ほど申し上げましたのは年末段階での概算を積み上げたものでございますので、詳細についてはまだ、きちんとした御報告できるところまで熟しておりませんけれども、御承知のとおり12月議会のときには、税収の減が約2,700億円、それから義務的経費の増が約800億円。したがって、3,500億円ぐらいの収支不足だと御説明申し上げました。
 今回、その12月議会でお話しした2,700億円が3,600億円に減収額が増えました。一方で、義務的経費として歳出増につながるものが、800億円と言っておりましたのが1,300億円ぐらいに膨らむ。主にこれは、今年度納めていただいたものが、景気の低迷やら会社の減収によって、税を還付しなければなりませんが、その還付額が大きく膨れ上がったというものでございます。税の過誤納還付金と言うのですけれども、これが12月の見込みよりも年末には大きく膨らんでまいりまして、800億円が1,300億円になってきたものです。主な要因は、この税金の還付の関係でございます。
 したがいまして、県税の減が3,600億で、それから義務的に出るお金の増が1,300億円ですので、この収支不足額は、両方見込んで4,900億円となります。これは3,500億円から4,900億円に膨らんだということになるわけでございまして、来年度予算の編成作業の中でこれをどう克服していくかということでございます。先ほど申し上げたとおり、これは内部努力だけではいかんともしがたいような大きな金額であります。当然、国の適正な財源措置を求めていかなければなりませんし、それから、内部においても徹底した見直し努力をしていかなければなりません。
 ただ、私が知事に就任した10年前も財政危機というときでございました。それ以来一貫してずっと行革を進めておりますので、あの10年前の状況と今の状況と比べますと、内部で見直したりあるいは経費の節減を図ったりという余地がかなり少なくなっている。例えば、10年前に比べて定数削減も、もう3,000名以上減らしてまいりました。かなりもう限界に来ておりますので、どこまでそういう作業が進められるのか、極めて難しい状況にございます。先ほど、来年度は新たな行革大綱策定作業に入りたいというふうに申し上げましたけれども、こういう財政状況でありますので、もっともっと知恵を絞り、見直すべきは見直し、飽くなき改革に向けての努力を継続しなければならないと思っているところでございます。
【記者】  県税収入が1兆円を割り込む見込みとのことですが、いつ以来になりますか。
【知事】  1兆円が割れますのは平成16年以来ということになりますけれども、比較する場合に、三位一体改革など、税源移譲で、県民税など国から譲与を受けておりますので、今、少し膨らんでおります。したがって、対比する場合に、その税源移譲を受けた関係が約1,400億円ありますので、これを差し引いて当時の税収と同じような形で比較すると、8,000億円台に乗ってしまうんですね。8,000億円台というのは、先ほども申し上げましたとおり、昭和63年、ちょうど今から20年、まるっと20年前の水準になるということでございまして、それだけ大きな影響が出ているということです。
【記者】  来年度予算で1兆円を割り込むということですか。
【知事】  ええ、今申し上げておりますのは、来年度の税収見通しのことです。
【記者】  1兆円を割り込むとのことですが、具体的な金額が固まっていますか。
【知事】  先ほど申し上げた大体3,600億円減るとですね、これは今年度との対比でそれぐらい減るということで、おのずと1兆円を割ってくるということで。ただ、ちょっと正確に数字は固めておりませんので、大体の概数です。
【記者】  今年度の税収見込み約1兆3,600億円から、減収見込み3,600億円を差し引いた額が来年度の税収見込みということですか。
【知事】  先ほど申し上げたとおり約1,400億円ぐらいが税源移譲で受けているので、過去と比較する上では、それを差し引くと8,000億円台ということになりまして。8,000億円台に戻るというと、20年前ということになります。
【記者】  歳出抑制にあたっては、県単独補助金を見直すとの話がありました。今年度、乳幼児医療費、精神障害の方などの医療費補助を手厚くされたばかりですが、現時点でどのような分野の補助金を見直すか、お考えがありますか。
【知事】  県単独で行えるものと市町村と一緒にやっている仕事がありますので、一概に今、これとこれというふうに、まだ申し上げられる段階ではございませんし、それから、そのほかのものにつきましてもいろいろ影響を及ぼすことになりますので、もう少しそれは詰めてからと思っております。
 先ほど申し上げたとおり、ずっと行革を進めてきておりまして、そういう補助金などについても、10年前のベースと比べて、やっぱり圧縮傾向で現在まで来ております。したがって、その上さらに大きく見直すというのは、なかなか実は困難だろうと思っております。したがって、個々の補助金など中身をよく精査して、本当に緊急性や重要度、必要度だとかがどうなのかということを一つ一つ見ながら、そういうものを積み上げていくしかないなと、今、その作業も始めているところでございます。
 大きな財源不足ですので、やはり一番大きなポイントは、国の財源措置だと思います。平成20年度というのは不交付団体であったわけでありますけれども、このままでいけば、当然交付団体入りするというふうに考えざるを得ません。その場合に国の地方交付税がどれだけ措置されるのか、あるいは起債が、借金ですね、どこまで可能なのか。これから1月の下旬に向けてが重要な時期になってまいります。12月がそうでありましたように、また私もこの1月は上京して、関係機関にいろいろ相談やら協議に行かなければいけないと思っています。
【記者】  4,900億円の財源不足を埋めるにあたり、現時点で基金活用などにより目処が立っている金額と目処が立っていない金額がどの程度か伺います。
【知事】  基金として活用できるのは、約700億あります。それから、暮れに国が出しました地方財政計画の中で、いわゆる臨時財政対策債、これが約500億円、これも目鼻が立っています。
 問題は、それ以降の残りということになってくるわけでございますけれども、この残りが余りにも多くて、本当に頭を悩めております。残りというのは、今の数字を引くと3,700億円ぐらいになります。この3,700億円で、国の地方財政措置によって、これは地方債、借金も含めてですけれども、どれぐらいになるのか。私どもはやっぱりかなり大きな数字を意識せざるを得ません。地方交付税やら地方債で当然半分以上は埋めていくしかないと思っております。それが具体的にどのくらいになるのかは、もうちょっと様子を見ながら、国との協議も必要になってこようかと思っています。
 しかし、いずれにしても、ざっと5,000億円近い収支不足がこの段階で出ていることは、もう紛れもないことでございますので、とんでもない想像外の数字であることに違いございません。これからの編成作業、本当に心して臨んでいかなければいけないと思っております。
【記者】  基金などを活用した上で更に財源が不足する部分について、歳出をカットしなければならないと思いますが、現時点でいくらぐらいをカットしなければならないと想定していますか。
【知事】  先ほど申し上げましたとおり、さまざまな基金の活用だとか臨時財政対策債の活用では1,200億円ぐらいにしかなりませんので、3,700億円ぐらい残るんですね。その3,700億円を内部努力でやると言ってももうほとんど不可能の世界です。したがって、先ほど申し上げたとおり、国の財政出動、財源措置を我々は当然期待もし、求めていかなければならないと思っておりまして、その部分をかなり大きく見ていかざるを得ないと思います。残ったものを内部努力でやっていくということになりますので、ぎりぎりまで、国の大体そこら辺の大枠が固まってくるまで、実際のところ、なかなかこの収支の形が見えてこないということでございます。
 しかし、内部努力の方は、それまで指をくわえて見ているわけにはまいりませんので、内部の検討あるいは関係機関との調整、さまざま作業を進めながら、1月の下旬に向けて努力をしていきたいと思っております。
【記者】  税収減の見込み額については、これまで1,000億円以上、2,700億円といくつかの数字が出てきましたが、今回の3,600億円については、これでほぼ確定ということでしょうか。
【知事】  最初、9月議会の段階で1,000億円ぐらいという。それからさまざまな経済的なショックがございまして、12月議会の段階では2,700億円ぐらいと言いました。それを発表した後に、先ほど申し上げたとおりトヨタさんの今年度の赤字発表などもありました。大分聞き取り調査などもしておりますので、かなり固まってきた数字であるというふうに御認識いただいていいと思います。微調整やら大きな変化がこれからあるのかないのか、私どももなかなか予測がつかないところがありますけれども、一定精度を高めた数字であります。
 ただ、今、本当に景気が底なしでして、一月、二月、三月先がどういう状況になっているのか、なかなか見通せない部分がありますけれども、先ほど申し上げたのは、中間決算の結果、あるいは各主要企業への聞き取り、あるいはいろいろなデータを総合判断したものでございます。