知事の記者会見
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平成21年11月16日(月) 午前11時
1.

渡航の成果について

【記者】  先週、イタリアとアラブ首長国連邦へ渡航されましたが、その成果を伺います。
【知事】  今回の渡航は、二つの目的がございました。一つは、ヴェネツィアで行われておりますビエンナーレに出席、視察すること。それからいま一つは、中東のアブダビでエティハド航空を訪問することであります。
 まず、ヴェネツィアビエンナーレの関係でございますけれども、これは当然のことながら、私ども来年のあいちトリエンナーレの参考にしたいということでございます。今、世界で芸術祭というのは幾つかありますけれども、このヴェネツィアビエンナーレは最も歴史が古く、規模が大きく、また評価も高いものであります。愛知県としても来年のあいちトリエンナーレを成功させるために、ぜひともこのヴェネツィアビエンナーレを勉強したい、参考にしたいということで訪問いたしました。
 私も初めてこのビエンナーレを拝見したわけでありますけれども、やはり大変な規模でありました。各国の参加、日本を含めてたくさん展示が展開されておりましたし、それから内容も大変バラエティに富んで驚きや、あるいは新しい芸術の動向などをつぶさに見ることができました。
 今回つくづく思いましたのは、イタリアという国はもともとルネッサンスの、芸術でも古い歴史を持っているわけでありますけれども、そういう伝統を踏まえながら、また、ヴェネツィアは世界遺産ということで大変古い街でありますけれども、現代アートを中心に革新性を常に求めている。それがこれからもまた伝統を持続し、あるいは魅力ある街として生きていくための大きな力になっているのだろうと改めて痛感しました。特に、会場が公園などあるいは倉庫跡地などをうまく活用して、広がりがありました。しかも、ヴェネツィアの街の中にも展示が広がるということで、ちょうど愛知県の来年のトリエンナーレも同じように街へ広がりを持たせようと考えていることと方向は一緒だと、大いに参考になったところでございます。
 またもう一つは、現代アートというものに対して再認識をしましたけれども、今回の展示も、例えば映像があったり、それからインスタレーションといいまして空間そのものを芸術の対象にしたり、あるいはパフォーマンスがあったり、大変間口が広く、しかも、従来のカテゴリーとは全く垣根がない展開が定着しておりました。私どもは、ともすれば絵と彫刻というような、何か従来の枠組みの中で芸術をとらえがちでありますけれども、アートの先端というのはもうそういう垣根が全くないと、そんなことも思った次第であります。この点、来年のあいちトリエンナーレは、例えば舞台芸術だとか音楽だとか、幅広に対象を広げて行おうと、企画を今練っておりますので、やはりその意味でも、ヴェネツィアのビエンナーレは、いろいろと参考になる点が多かったと思っているところでございます。
 それから、アブダビの方でございますけれども、このところ、セントレアを取り巻く環境が、なかなか厳しいものがあります。セントレアだけというよりも、どの空港も、あるいはエアラインも厳しい状況の中で、先だっての南京便と、そしてこのエティハド航空の新たな就航は、その中でもうれしいニュースの一つだったと思います。
 今年の6月でございましたけれども、エティハド航空の副社長始め調査団がいらっしゃったときに、私どもも積極的に売り込みをいたしました。そして、ぜひとも地域の熱意を示したいということで、訪問もそのときにお約束をしました。それが実現したわけでございまして、新たな就航を決めていただいておりましたので、トップにもお会いし、ピァース戦略・計画担当最高責任者、この方を中心に幹部の方とお会いして、お礼を申し上げたところでございます。
 そのときにいろいろ話合いが行われましたけれども、これも、せっかく就航していただいて、またどこかのところで中止ということになっては何もなりませんので、ビジネスを中心にして、景気が回復してくればそんなことはないだろうと思っておりますけれども、より利用客をこれから増やしていくために、例えば観光面での交流を盛んに、お互いにしたいと。観光プロモーションなどの取組についても双方で話し合ってこれから進めていこうと、こういう合意もできたところでございまして、地元としてしっかりこれが地域で活用されるように努力をしてまいりたいと思います。
 セントレアの川上社長など関係者も御一緒いたしました。日本で最初にセントレアを選んでいただいたわけでございまして、大変ありがたいということで、訪問してまいりました。
  
2.

行政刷新会議によるCOP10にかかる事業仕分けについて

【記者】  行政刷新会議における事業仕分けにCOP10が対象となっています。県として力を入れている事業が仕分けの対象になっている点について、知事の考えを伺います。
【知事】  行政刷新会議で事業仕分けの作業が進行しているわけでありますけれども、私も報道などを通じてその作業風景など見ております。
 今の質問にお答えする前に、若干の感想でありますけれども、この事業仕分けという手法は、さまざまな既存の事業を第三者的にチェックするという意味では、国民あるいは住民にいい情報提供の機会だなと、私も一定の意義を感じます。恐らくご覧になった方も、こういう問題があるのかと。その意味では、それはそれで一つの手法として意義あるものと思いますが、ただ、先週さまざま行われていた仕分け風景などを見ていますと、ちょっと性急に結論を急ぎ過ぎだなと。どれもさまざまな大きな計画があり、背景があり、そういう中で事業化されたものでありますけれども、いささか感情的な議論が見受けられましたが、ああいうところでそう簡単に結論が出せるものだろうかと。加えて、その仕分け議論の進行がどうも、いかに行革的な観点で物事を見直していこうという点だけが強調され、つまり、財務省主導的な色合いが大変強いということにも懸念をいたします。実際の議論を見ていましても、論点説明シートなど関係資料は財務省がつくったということでありますし、現場での議論もその資料に基づいて議論が展開されております。したがって、それはそれで意義あることでありますけれども、違った視点、別の見方、あるいはそもそも論というようなことのしっかりとした議論まで十分行われているだろうかということを懸念いたします。
 これからこの仕分け作業による方向性が実際の来年度予算にどのように反映されるのか、正直なところ、その辺はまだ不透明であります。したがって、こういう制度がどのように生かされるのかは、きちんと我々も見ていかなければいけませんし、今後の課題としても大きなものが残ると、そんな印象を持っているところでございます。
 御質問ですけれども、その仕分け作業にCOP10の関連も対象にされているということでございますが、これは、国際的な大きな枠組みの中で日本開催が決まり、国連あるいは政府が主導的に行う本来事業でございますので、しかも、たしか民主党のさきの選挙のときの政策集の中でも、しっかりとこのCOP10に取り組んでいくという方向が打ち出されているものと思いますので、よもやおかしな結論にならないと私は思っておりますけれども、やはり世界が注目する環境の大きな柱である生物多様性のこの会議でありますので、第10回の締約国会議にふさわしい、国として責任を果たせる予算を確保していただきたいと思っているところでございます。私どもはしたがって、必ずそういう方向に行くだろうと思っております。
3.

新型インフルエンザワクチンの確保見込みについて

【記者】  新型インフルエンザワクチンについては、一部手に入らない状況もあるようです。愛知県におけるワクチン確保の見込みについて伺います。
【知事】  政府はもともと、国内で製造したものが2,700万人分、それから、国外のものが5,000万人分。これは2回接種という前提でその人数分の確保がされているということでございまして、今、その国内のものが順次地方に配分されているという状況であります。2回接種が1回接種となるなど、大分接種方法についても見直しが行われておりますので、絶対量そのものは、中期的に見れば不足することはないと思いますけれども、今、配分のまさに途上でして、各県には月に2回配分されてくるわけでありますけれども、なかなかそれが潤沢に、一度に来ないということと、それからそれを各業者から現場の医療機関に配分調整するのに手間取っておりましたりして、県民の皆様方にもいろいろ御心配をおかけしたり、医療機関にもいろいろと御不便をかけていること、率直に申しわけないと思っているところでございます。
 我々もできるだけ円滑にということで、関係機関と今調整をとったり話し合ったりしていますけれども、手間取るきっかけになっておりますのは、ワクチンの量が10ml、1ml、0.5mlと種類が分かれておりまして、医療機関においても御要望がちょっと偏ったり、使い勝手の問題などもあって、その辺の調整などがございます。しかし、そういう調整の役目は県の守備範囲のことですので、できるだけ努力をしていきたいと思っております。
 実は、もともとの優先順位で、妊婦さんだとか基礎疾患をお持ちの1歳から小学校3年生までの方は、本当は今日からでした。ところが、今申し上げたような事情で、若干それが遅れぎみになっていまして、今週の末ぐらいには軌道に乗ると思いますけれども、いろいろ医療機関に御迷惑をかけたり、あるいは特に予約をした方にいろいろと御心配をかけていることは、改めておわびを申し上げたいと思います。
 新型インフルエンザ、このところ愛知県は、定点での数値としては全国で最も多いというようなことで、いわばある意味では一つの大きな山だったと思います。今、ちょっと横ばいというようなことですが、高いところでの横ばいですので、まだ油断できないと思います。状況を見ながら、しっかりとした取組をしていかなければいけないなと、意を新たにしておるところでございまして、特にこうした新型インフルエンザなど、県民のお一人お一人に御理解や御協力をいただかなければならないことは、どうしてもこの記者クラブ初めメディアの皆様方の御協力が大切でございますし重要でございますので、引き続きいろいろPRやあるいは情報の伝達について御協力をお願い申し上げたいと思います。

4.

木曽川水系連絡導水路事業にかかる周辺市町村意見交換会ついて

【記者】  先週、名古屋市と周辺市町村との意見交換会が開催されました。周辺市町村からは不満の声も出ていましたが、知事の感想を伺います。
【知事】  当然、名古屋市と名古屋市近隣の首長さん方との意見交換会の結果を報告受けました。結構厳しい指摘があったということであります。それぞれ名古屋周辺の市長さんや町長さんも選挙で選ばれて、その地域に責任を持っている方々ばかりです。そういう方々の意見というのは、やはり私は大変重いものがあると思いますし、ぜひとも名古屋市におかれましてもよく耳を傾けていただき、今後の対応についてそういう意見も活かしていただきたいと思います。
 私が報告を受けている中では、例えば、これまでも水の関係で、地盤沈下などで大変苦しんできた歴史があるというようなことだとか、あるいは冬季の渇水の御心配のことだとか、あるいは農業関係で決して水余りではなく、その農業用水の運用で日々御苦労なさっていることや、やはり現場の市長さん、町長さんとしての生の声あるいは切実な声が出されたと思います。したがって、それはそれで、やっぱり耳を十分傾けていただいた上で、今後の検討材料にしていただきたいと思います。
5.

国への予算要望について

【記者】  民主党が地方から国への予算要望については、幹事長室へ集約するとの方針を示しました。この点についての知事の考えと今後どのように要望していくのか伺います。
【知事】  民主党が要望についてのルールみたいなものを示しました。地方の民主党の組織などを経由して、党の幹事長室のところである意味で仕分けが行われ、それが各省の政務三役に通ずるという一つの流れが示されたわけであります。政権与党からそういうものが示された以上、我々も、それはそれで尊重して、そのルールにのっかかってやっていかなければいけないと思います。
 ただ、まだどういう形でこれが運用されて、実際に地方の声を国に活かしていくのかということが不透明でして、これからだろうと思います。我々としては、きちんと地方の声が本当に確実に国の政策に反映されるというような仕組みになるなら大いに結構なことだと思いますけれども、これはもう少し冷静に見極めていかなければいけないと思います。
 幸いに愛知県の場合は、皆様方も御承知のとおり、民主党の県連がこれまで私どもとも、私自身も2回意見交換の機会を持ちましたし、あるいは副知事以下も民主党の県連の代表始め関係者といろいろ接触したりする中で、地域のニーズやあるいはさまざまな要望、提案というようなものを県からお伝え申し上げております。きちんと国の方へそれが反映されるように、地元の民主党の県連の国会、県会含めて、諸先生方にこれから大いに頑張っていただかなければいけないと思っております。
 したがって、まだまだどういう形でこのルールや方法が定着して、あるいはどれほどの効果が上がってくるのか、私ではなかなかつかみ切れない部分がありますけれども、うまく活用することも考えていかなければいけないと思っております。
 もとより、地域の声が国に反映されるというのは、それが唯一の方法ではないと思います。また別にいろいろな方法なども考えていかなければいけないと思います。例えば知事会をうまく活用するとか、あるいは各種団体、経済界などとのうまい連携でいろいろと地域の切実な問題について伝わる方法なども、可能性としては探っていかなければいけないだろうと思います。
6.

高等学校計画進学率の設定について

【記者】  民主党が高校進学希望者の全員入学という政策を掲げています。この点について知事の考えを伺います。
【知事】  高等学校教育というのは大変重要な役割を果たしており、中学校を卒業なさった方が希望され、高校で学びたいという方の意欲をできるだけ酌むということは、当然そういう方向で行くべきだろうと思います。できるだけ幅広、高校希望者のその希望や夢が実現できるような方向へ、我々も努力すればいいと思います。ただ、個別には、いろいろ試験制度などがありますから、多分それを取り払うという意味ではないと思います。できるだけ高等学校教育を希望される方が、その意思あるいは希望が実現できることが望ましいことではないでしょうか。
【記者】  先日、発表された県の計画進学率は93%となっています。9月に実施した第1回進学希望調査では93.9%であり、計画進学率が希望を下回っていますが、この点について知事の感想を伺います。
【知事】  私も11年知事をやっておりまして、数字の設定というのは毎年この時期にございます。希望数とそれから翌年の実際の実績数字で、この間に乖離が毎年あるんですね。93.9%というのは進学希望の数字ですが、実際に、毎年その乖離があるということで、ただやみくもに高い数字だけ掲げても、実際に入学される方の数値が低くては、その乖離ばっかり大きくなるということで、この93%というのは、そういう実際の入学者と希望とを総合判断し、それから私学へお進みになる方もいらっしゃいますので、私学との調整なども踏まえつつ、教育委員会で決定されたものだと思います。
 私も、知事になった間もない時期に、93%というのはちょっと低くないかなというようなことを思ったことがありました。いろいろ過去の実績などを調べてみると、現実になかなか実際の数字との乖離がずっとあるという現状でございました。
 この数字は、例えば数字を設定する以上、例えば学校施設だとかさまざまな受入れ体制もすべて整えなければなりません。したがって、乖離が大きいと、そこら辺でいろいろまた別の問題も出てくるということでございます。
 ちなみに、昨年も、進学希望の数値は93%を超えておりましたが、実際は90.5%と、91%も切っていたわけです。そういう乖離など、過去の実態なども踏まえながら、数値を教育委員会の中で総合的に設定しており、それを私どもが報告を受けるということになっています。
【記者】  過去7年、愛知県は、中学校卒業者のうち、職業に就かない、学校にも通っていない無業者が1,000人台で推移しています。全国では1万人程度で、愛知県の占める割合は7〜8%ぐらいです。大阪府が同じレベルですが、大阪府の中学校卒業生は愛知県より1万人程度多いことから、愛知県の無業者数は高いレベルにあります。また、愛知県の中学卒業者に占める無業者の割合が1.4%から1.9%の間で固定的になっています。このように毎年1,000人以上の無業者が出ている状況について、知事の所感を伺います。
【知事】  それはいいことではないですね。当然のことながら、少なくする方向で努力しなければいけませんし、減らしていく方向で努力をすることは当然だと思います。その数字、私もちょっと詳細な数字は知りませんけれども、全国でそんな突出した数字ということは、とても残念なことですし、恥ずかしいことです。
 ただ、それが、先ほどの93%の設定とどういうかかわりがあるのか。いろいろな要因があって学校に行かれないという、さまざまな個別の事情あるいは県特有の事情があるのかわかりませんが、その分析は分析でもちろん必要だと思いますけれども、感想ということになれば、好ましいことではありませんし、当然、それを少しでも解消する方向で努力するのは当たり前だと思います。
【記者】  来年、民主党政権が新たに私立学校への助成を行うと、愛知県が実施している保護者への補助制度については、補助に必要な額が減少し、財源に余裕が出る可能性があります。この分について、私立学校への別の助成を実施するなど、その使途におおよその方針があれば伺います。
【知事】  高等学校の授業料の無料化に伴って、私学助成も新たに新政権の中で打ち出されております。現在私どもが聞いておりますのは、所得500万円をメルクマールにして、12万円と24万円というようなことで助成が出されるということで、そういう方向で検討されているということでありますが、愛知県は従来、授業料補助については全国でも本当にトップレベルの助成を行ってまいりました。当然、愛知県のその私学助成に対する影響もあると思います。ただ、国の方の制度設計がまだ完全に固まっておりません。先だっても私は文科省へ行っていろいろ私なりの考え方を伝えましたけれども、国の方向性がまだ定まっておりませんので、それとリンクする話もありますので、県としてもどうするのかは、まだ方向を固めたということではございません。今、検討しているということであります。
 それから、ちなみに申し上げなければなりませんのは、県費、県の財源をキャッシュで私学助成にすべて充てているということではなくて、これは簡単に言うと、愛知県の私学助成の運用は借りかえ借りかえでやっていて、今度の新しい国の助成が仮に実現しても、その分ごそっと県費が浮くという話ではないのです。したがって、大きなお金がごそっと浮くということではございません。ただ、国の助成と今まで県がやってきた助成と、制度設計が違いますから、当然でこぼこが出ます。したがって、今検討しているというのは、そのでこぼこをどのような形で県として対応するのか、これが検討の対象になっていることでございます。今、まだ検討中のことでございますので、具体的に数字でここで申し上げる段階ではございませんが、御理解をお願いします。