知事の記者会見
メインメニュー
知事のマニフェスト 知事の発言・寄稿 知事記者会見 県議会知事提案説明 知事からのメッセージ 知事交際費の執行状況 プロフィール トップページ 写真で見る主な活動


平成21年12月25日(金) 午前11時
1.

今年一年を振り返って

【記者】  今年一年を振り返って、どんな年だったか伺います。
【知事】  まず、1年間、記者クラブの皆様方には大変お世話になり、ありがとうございました。
 今年1年を振り返るということになれば、私どもの立場では、やはり政権交代が行われたことが、やっぱり最大のものだったような気がいたします。長く続いた自民党を中心とする政権から、民主党を中心とする政権へと移行したわけでありますけれども、先の総選挙でも、その民主党が圧勝しました。これはやはり国民の皆さん方が、政治に対する不満あるいは閉塞感、さまざまな問題を投票行為に一挙に吐き出されたのだと思います。
 それだけに新しい政権の行方というのは、今も国民が大変関心を持っているところだと思います。中身のことについては、またおいおい御質問があるでしょうから、その機会にお答えしますけれども、いずれにしても、この政権交代は大変、日本の政治史上の中でも特筆すべき大変大きな出来事だったと思います。
 それから、今年は春から新型インフルエンザが大きな社会問題となり、現にまだこれは継続中であります。これまで経験したことのない新しい形のインフルエンザが、日本だけではなく、世界各国で感染が見受けられ、それも大変な勢いで広がり、日本におきましても、もう1,000万人を超したというような話もありますけれども、パンデミックというような言葉で表現されるように、大流行という姿を見せました。
 愛知県におきましても、先月ぐらいのところが一つのピークでございまして、定点調査の医療機関などから見れば、本当に50を超すような数字でありまして、今は、そのときと比べると半分以下になり、若干落ち着いておりますけれども、しかし、まだまだこれから、季節性のインフルエンザと相まって、決して油断できない状況だと思っております。これも大きな出来事でございました。
 それから、昨年の秋以降の世界同時不況の大きなうねりの中で、愛知県は今年も翻弄されました。なかなか厳しい経済状況が、今年もほぼ1年間通じて財政や経済を覆いました。若干、回復基調と言われるような数字も見受けられるものの、中小企業を中心として、まだまだ厳しい状況が続いておりますし、雇用情勢なども十分な改善をいたしておりません。したがって、1年間本当に苦しい経済状況、財政状況の中で過ごしてきたと言っても過言ではないと思います。これも、1年を振り返れば、避けて通れない大きな課題だったと思います。
 加えて、今年は伊勢湾台風から50年という大きな節目の年でございまして、あの50年前の大きな災害を忘れまいということで、さまざまな訓練や、あるいは事業を行ったわけでありますけれども、同じようなコースで台風18号がこの本県へ襲来することになり、農業被害を中心として、ここ10年20年なかった大きな被害をこうむりました。これも災害という観点では、大変大きな出来事の一つだったと思っております。
 それから、悪い話ばかりしていても仕方ありませんけれども、多少明るい話ということで言えば、我が愛知県出身のイチロー選手が、大リーグの中でのことではありますけれども、大変な記録をつくられました。9年連続200本安打、これは、それこそ1世紀以上前の記録を塗りかえるということでございますので、本当に誇り得べき大記録を達成されたと思っております。もちろん日本の安打記録も塗りかえられましたので。イチロー選手はかねてから子供たちのあこがれでありますし、アスリートとしても高く評価されていた方でありますけれども、こういう歴史的な記録をつくられたことで、改めて偉大さを再認識いたしました。
 スポーツといえば、中京大附属中京高等学校が甲子園で見事優勝を飾られました。これも県民にわくわくどきどき、喜びやあるいは勇気を与えてくれたのではないかと思っております。
 1年間を振り返りますと、いろいろなことが思い浮かびますけれども、しかし、なかなかこういう厳しい経済状況の中で、まだまだ不透明感が漂っておりますので、総じて言えば、やっぱり大変な1年だったなと、そんな印象を持ちながら今振り返っております。
  
2.

子ども手当の地方負担について

【記者】  子ども手当の地方負担について、知事が反対する理由を伺います。
  また、地方負担に関連する国の方針に対して、神奈川県知事は場合によっては予算計上を見送る、法的措置を取るといった発言をされていますが、知事はそのような対応を取る考えがあるのか伺います。
【知事】  子ども手当についての制度設計の中で、現在ある児童手当の枠組みを残して、地方の負担あるいは事業者負担というものを子ども手当に活用しようという方向が打ち出されました。実は私どもも従来から、これは全額国庫で実施されるべきだと、長妻大臣にも直接申し上げました。それから全国知事会、官邸でも、私がそのような発言をいたしました。折あるごとにそういう発言をしてきたのは、まず、もともとこれは民主党が選挙を戦われるときに政策として掲げられ、しかも、異口同音全額国庫でということを言い続けてこられました。選挙が終わった後も、総理自身も、これは国庫でというような発言がありました。
 当然、我々はそういう方向へ行くものと考えておりましたが、途中からいろいろ、財源不足などで現行の児童手当の地方負担などをお願いしたいというような趣旨の発言が伝わってまいりましたので、それはおかしいではないかということを申し上げてまいりました。それがまず一つ、反対する理由であります。
 それからもう一つは、従来の児童手当というものと、この子ども手当というものは全く別の制度であります。したがって、ただ単にその財源が足りないから肩がわりするということであれば、制度そのものの理念やポリシーに欠けるのではないかと。やはり、なぜ必要なのか、あるいはそれに対して国と地方がどういう役割をするのかということを、議論の上に立って、本来進められるべきものだろうと、そんなふうに考えておりますので、制度論としても反対の理由がございました。そんなことで、私自身も当然全額国庫でということを言い続けてまいりました。
 とりわけこの子ども手当というのは全国一律に国が決めて、それぞれ子どものいらっしゃる世帯に交付されるという性格のものでありますので、地方がそれをどうするこうするというような裁量の余地のないものです。地域主権というようなことを高々に掲げておられる新政権の立場から言っても、地方に全くこういう裁量のないものの負担を押しつけるというのはおかしいではないか、そういう背景もございました。
 松沢知事を初めいろいろな方々が私どもと同じような立場で反対を述べておりますし、全国知事会やあるいは地方六団体においても、やはりこれは国庫が責任持って負担すべきだというような立場でおります。
 問題は、これでもし制度がこういう方向へ行くというときに、それを拒否するのか、どうするのかということでありますけれども、やはり子ども手当を期待し、子ども手当を受け取ろうと心待ちにしている方もいらっしゃるわけでありますので、ただ単にそれを一方的に拒否すればいいということに果たしてなるだろうか。それから、各都道府県や市町村で、あそこは交付され、ここは交付されないということで、本当にばらばらでいいのだろうかというようなことを総合的に考えなければいけないと思っております。
 問題は、国から伝わってくる方向性の中では、これは暫定措置で、平成22年度の対応で、23年度からはまた別の考えで制度設計していきたいという方向も示されております。むしろ我々は、本当に1年の暫定だけなのかという点をきちんと押さえていく必要があるのだろうと思っております。少なくとも、とりあえず来年はこういうことでお願いしたいということでございますので、じゃ再来年以降はきちんとした制度設計で、真に地域主権というようなものの形が整うような制度設計をしていただけるか。ここに恐らくかかっているのだろうと思います。
 方向性が予算という中で示されたばかりのことでございますので、もちろん知事会など、あるいは関係の皆さん方ともよく協議してこれからの対応は決めていかなければならないと思っておりますけれども、現在のところの私の心境や受けとめ方は、そのように思っております。
3.

三河港からのメルセデス・ベンツ日本の撤退について

【記者】  三河港からメルセデス・ベンツ日本が撤退することについて、知事の所感を伺います。
  また、県内企業の撤退は税収などにも影響があると思われますが、今後の対策について伺います。
【知事】  豊橋、三河港の近接に立地していただいたメルセデス・ベンツ日本がこのほど撤退を表明されました。そのことはとても残念に思っています。いわば三河港は自動車の輸入基地として特色ある港湾として発展をしてまいりました。したがって、その重要な一角を担う企業が撤退されるということは、極めて私ども残念に思っております。
 先だっても、ベンツの関係の皆様方とも、私どもお目にかかりました。お目にかかった目的は、約20年間大変世話になったことのお礼を申し上げたいということと、それから撤退などの状況を説明したい、それから、今後、跡の土地などの利用について一緒に協力し合ってやっていきたいと、そういうお申し出でありました。
 重要なことは、こういう経済状況の中で、企業がさまざまな事業所や工場を統合したり閉鎖するということは、ベンツに限らず、これまでもありましたし、今後もあると思います。これはこれで経済状況の中での経営判断ですから、我々が強引に何かを食いとめるというようなことができることではありませんけれども、できるだけ情報をキャッチしながら、残っていただけるような努力はしていかなければいけないと思います。
 ただ、今回のベンツの件は、純粋に経営的な判断のもとに、豊橋よりもおよそ1.5倍のキャパを持つ日立の方に集約するのが、より経営的にも合理性があるということで判断したと。したがって、地方の行政などからのサービスやあるいは対応によって判断したものでは一切ないということでしたので、ベンツの事情はわかったのですけれども、しかし、やはりできるだけの努力をしなければいけないと思っております。
 企業誘致だとか企業立地ということは、私ども愛知県も、産業の三本柱の一つとしてこれまで一貫してやってまいりました。優遇税制だとか、あるいは補助金などのメニューもそろえて、できるだけたくさんの企業や工場に来ていただきたいということで努力をしてまいりました。
 ベンツの件はちょっと横に置きまして、おかげさまで、ここ5年10年は、常に大体全国の都道府県の中で上位、時にはトップというような形で企業立地が進んでまいりました。このことは、この愛知県の立地のよさだとか、さまざまなポテンシャルを高く評価してくれたのだろうと思います。しかし、厳しいこうした経済状況や競争の時代を迎えて、立地が良いというだけで手をこまねいていては、なかなか来ていただけません。
 したがって、これはプレスの方々も御承知のとおりだと思いますけれども、ここ数年は、年間最低1,000社企業訪問するように担当の者に回らせております。昨年などは恐らく1,500社ぐらい企業回りをしていると思います。そういうことをやっぱり4年も5年も続ける中で、常に全国トップレベルの立地がこれまでこの地域に集積してきたのだろうと思います。
 しかし、世界同時不況で、100年に1度と言われるような経済状況でありますので、これまでやってきた手法や手段だけでよしとするのではなく、今お話しのように、来年はより工夫を凝らし、あるいはより積極的にさまざまな情報収集や企業訪問など、さらに努力をしていかなければいけないと思っているところでございます。
 愛知県はモノづくりでありますので、そのモノづくりをこれからもより層の厚いものにしていくために、新規の企業に来ていただくというのは、未来に向けたモノづくりの発展の最も重要なことだと思っておりますので、引き続き県政の重要な柱として取り組んでいきたいと思っております。
4.

新政権への評価について

【記者】  政権交代から100日が経過しましたが、新政権について評価できる点、できない点について伺います。
【知事】  大体来年度の予算が固まってきたところです。早ければ今日にでも恐らく閣議決定へ行くということですので。例えば、そういうところに盛り込まれたこの事業はいいとか、この事業はちょっと問題だとか、この事業は我々地方から見て少し不満足だとか、個々の事業については、先ほど子ども手当の御質問が出ましたけれども、そのようにあると思います。
 しかし、まず総論から申し上げると、マニフェストを何とか政治の場で実現していこうという意欲はかなり強く感じました。そのためにもいろんな努力をしておられます。選挙を通じて国民と約束したことをやっぱり何としてでも実施したいということの、その姿勢は、私は高く評価していいのではないかと思います。
 ただ、いかんせん、選挙が終わり、新内閣がスタートして3カ月ちょっとです。その間、時間がないということ、それから景気がこのところまた一挙に不透明感を増してきて、円高だとかあるいはデフレ宣言もありました。そういう中で来年度予算がままならないという中で、かなり苦労していらっしゃるといいますか、難しい局面の中で本当に呻吟(しんぎん)しているという姿を見ております。
 したがって、財政が厳しいゆえに、マニフェストを修正したり、ちょっと方向を変えたりというのも出てきました。先ほど申し上げたとおり、個々の問題については別として、総論としては、この3カ月余、約束を守ろうということで、かなり前向きに取り組んでこられた姿勢は評価していいと思います。
 個々の制度設計のあり方は、やっぱり我々地方の立場から言って不満足のものもありますし、それから、かなり前向きに実行していただいたということで評価できるものもございます。一例、あるいは一つ二つ例を申し上げれば、我々地方にとって言えば一番重要なセーフティーネットである地方交付税、これは原口大臣の頑張りもありまして、出口ベースで来年度は1兆1,000億円の増額。もちろん臨時財政対策債も一定の金額を確保していただいて、合計して3兆6,000〜7,000億円になるのでしょうか。これはこれで、私どもは地域主権というようなことを標榜する中でよく頑張っていただいたと、そういうふうに評価しております。
 一方、子ども手当に地方負担がいきなり来たり、それから、授業料の無償化の中にも地方の負担が入り込みました。これもやはり、その部分だけ取り上げれば、ちょっとおかしくないかなという感じも受けておりますし、いろいろ個々の施策については、地方の立場では不安や異論もあるところもあります。総じて、これまで、この厳しい中での短期間、それなりの努力をされたという評価はしていいと思います。
【記者】  点数を付けるとすれば、何点ですか。
【知事】  今申し上げた個々のものがいろいろと、評価するものと、ちょっと問題だというものと、取りまぜていろいろあるものですから、点数をつけるのがなかなか難しいというのと、それから、数字的に評価をきちんと下すのはまだちょっと早いのかなと思います。
 よく政権スタートしてから100日が一つの節目だということを言われるわけでありますけれども、国の姿や方向を大きく舵を切ろうという中で、余りにもまだ期間的に短いですね。
 やはり恐らく国民の皆さん方も、本当の評価をするというのは、来年、通常国会が始まって、そこでいろんな課題や個々の問題について突っ込んだ議論がこれから与野党の中でも展開されるでしょうし、そういうものをもう少し見きわめながら、その上でいろいろ国民の皆さん方も明確な判断をされていくのではないかと思います。