知事の記者会見
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平成22年1月4日(月) 午前11時
1.

新年にあたっての抱負

【記者】  今年は、COP10、トリエンナーレがあり重要な年ですが、新年にあたっての抱負を伺います。
【知事】  今年は、先ほどの仕事始め式でも申し上げましたとおり、マイルストーン、道標というか一里塚といいますか、2005年の博覧会開催、空港開港後、一つの中期的な目標、ターゲットとして様々な事業を準備してきた、その年に当たります。以前ですと、大体10年スパンぐらいで物事の目標を掲げるわけでありますけれども、社会の動きが大変速くなり、慌しくなりましたので、5年ということで、この2010年を一つの目標にしてまいりました。その目標の年に、いよいよ今年、生物多様性条約第10回の締約国会議が秋に開催されます。これは恐らく環境をめぐる国際会議としては、地球温暖化の会議と並んで世界最大級のものだと思います。これをきちんとしっかりサポートしながら成功に結びつけることが、あの博覧会によって世界に大きく羽ばたけたこの愛知をより発展させることができるだろうと、また環境をしっかり取り組む機運につながるだろうと、そういうことでいよいよ本番の年を迎えたわけであります。何としてでもこれは成功させたいと思っております。
 それから、これも先ほど申し上げたことでございますが、「あいちトリエンナーレ2010」。もともとこの発想は、博覧会を開催した際に、どうも文化・芸術面ではもう少し内容を盛りだくさんにしてほしかったという声も聞こえてまいりました。博覧会の反省ですけれども、環境に舵を切って、そのことによって大成功を収めた博覧会でありましたけれども、環境だけではなく、こうした文化・芸術面、そんな声も聞こえてまいりましたし、世界のやはり魅力ある都市というのは、文化・歴史というものが重要な役割を果たしております。したがって、私ども愛知県も、こうした芸術・文化面というものを正面からトライしたい、チャレンジしたいということで、有識者の御提言を受け、トリエンナーレを開催するということで準備を進めてまいりました。これはもうあと開幕まで8カ月ぐらいですので、いよいよ本番に近づいたなと思っております。特に、現代アートを中心とする美術展、あるいは舞台芸術で音楽や舞踊やダンス、様々なものを複合的に発信をして、芸術・文化をより身近なものにしていただきたいと思っております。
 加えて、この地域はやはり何と申しましてもモノづくりで生きてまいりました。世界で確固たるモノづくりの拠点として成長してきたわけでありますが、今、折からの世界同時不況以降大変厳しい状況に置かれております。しかし、これからの発展を考えた場合に、やはり科学技術を活用したより高度な産業の創造、発展、これしかないと思っておりますので、知の拠点がその中心的な役割を果たすべく、ハード、ソフト両面で準備を進めてまいりました。特に、昨年新政権が発足して以降、地域、産官学の連携の研究拠点整備事業については、いろいろと揺れ動きました。しかし、おかげさまで予算も我々がもくろむ範囲で調整がつき、高く評価していただいて、全国トップレベルの予算もついたというふうに聞いておりますので、是非とも今年はそれを本格化させ、できるだけ早く中小企業あるいは事業所に活用していただけるように進めていきたいと思っております。
 この他、この2010年をターゲットにしたその他の事業もございますけれども、何と申しましても、今年はそういう事業を行う一方、厳しい財政状況がまだ続いておりますし、昨年の新政権のスタートによっていろいろな政策や事業も見直しを余儀なくされるものもございます。したがって、年が明けましたけれども、これからの来年度予算編成、例年以上に困難を極めると、大変難しい作業になると思っております。しかし、県民福祉の向上あるいは地域づくり、これはもう待ったなしでありますので、難しい条件下にはありますけれども、しっかり努力していい予算に仕上げていきたいと、これから約1カ月間が正念場だと思っております。
 こんなことでスタートしたわけでありますけれども、私にとりましても3期目の最後の年になります。様々な種をまき、準備をしてきたことがいい形で結実できるように、花開くように、努力をしてまいりたいと思っております。その意味で、記者クラブの皆様方には、昨年も大変お世話になりましたけれども、今年もどうぞひとつよろしくお願いを申し上げます。
  
2.

国の平成22年度予算について
(県政全般に与える影響と設楽ダム事業について)

【記者】  国の平成22年度予算編成が県政に与える影響について伺います。
  また、多くのダム事業について、事実上一時凍結という方針が出されていますが、設楽ダム事業について今後どのように対応するのか伺います。
【知事】  昨年暮れの、たしか12月25日クリスマスの日でしたけれども、来年度の政府予算が閣議決定されました。私どもも、どのような中身になるのか注目しながら、県としての準備を進めてまいりました。
 その中で、まず、県の予算にどう影響するかということから御説明申し上げたいと思いますけれども、税制のあり方、これは県税にも影響があることですので、我々注目する一つの大きなポイントでした。とりわけ、暫定税率がどうなるのかということの影響をとても心配しておりました。御承知のとおり、この点については、暫定税率が結果として維持されるということになりましたので、私どもの方に対する直接の影響は、税制の面では大きくはないだろうと、そのように思っております。とはいえ、こういう厳しい経済状況の中にありますので、これは先の11月定例県議会でも報告したことでもございますけれども、大変厳しかった平成21年度の当初予算よりも、さらに県税収入が約1,000億円オーダーで減る見通しになっております。したがって、とても巨大なこの税収減をどう補っていくのか、とても辛い思いでこれから作業にかかっていかなければならないと思っております。
 実は、そういう地方の財源、特に税収を巡るいわばセーフティネットになっているのが地方交付税制度なんですね。この点については原口総務大臣も頑張っていただいて、地方交付税で、出口ベースで約1.1兆円増額になりました。この点については、大変ありがたいと思っておりますし、それから、この地方交付税にかわる、実質上地方交付税になる臨時財政対策債、臨財債と言われているものにつきましても、約2.5兆円ぐらい増やしていただきました。したがって、この点は地方の財政にとって、これは愛知県だけではなく、全国の都道府県、市町村にとっては、とてもありがたいと思っております。しかし、ありがたいとは言いながらも、この折からの不況で地方税収がおよそ3兆6,000〜7,000億円ぐらい減るという見通しになっていますので、その増えた部分と、マクロで見た場合にいわばイーブンのような格好になってまいります。したがって、厳しさがそれで決して解消されたわけではないと思っております。
 それから加えて政策的なことから言いますと、新しい政権のいわば目玉になっておりました子ども手当あるいは高校授業料の実質無償化、こうした問題も地方に直接さまざまな影響を及ぼします。まだ詳細まですべて把握できたわけではありませんけれども、今度の新政権の制度が最終的にどういうものになるのか、それから、例えば今までやっておりました県単独の仕事、事業との兼ね合い、それから地方負担の中身あるいはその補てん措置、こうしたものがこれからよく見極めていかなければいけない点だろうと思っております。そういう作業をしながらの予算編成になりますので、情報収集をしっかりやりながら、これから急ピッチで予算編成作業を進めていかなければいけないと思っているところでございます。
 それから2点目のダムの関係でございますけれども、これは予算というよりも、新政権がスタートしてからすぐ、国土交通大臣がダムを見直すと、全国の143のダムを再点検するということを表明され、その後さまざまな経過を経てきております。
 今回、ダム事業、特に直轄や機構のダムについて、本格的に工事に入る計画が終わっているものは事業を継続するという分類になりました。それから、そこまで至っていないものについてはこれから検討していくという、二つの大きな分類、カテゴリーに分けられたような気がいたします。
 設楽ダムについては、まだ本体工事に入っておりませんので、その検討という範疇の中に入ります。私どもは、どうしても地域にとって必要なダムだという認識のもとに、これまでその推進に地元とともに努力をしてまいりましたけれども、そういう分類になったことは、それ自体は大変残念に思っております。
 ただ、御承知のとおり、今国では、このダムのあり方について専門家による有識者会議が立ち上げられ、ここで、どのような基準でこのダムをどうしていくのか、基準づくりなど検討されておりますので、我々はその有識者会議の動向などをきちんと注視する一方、やはりこのダムの必要性や、あるいはダムの役割、地域における位置付け、こういったものを関係機関にしっかりと、地元事情、地元の考え方をお伝えをしていくことが重要だと思っております。
 今後どのような形になっていくのかは、もちろん予断を許しませんけれども、私ども愛知県の立場で言うべきことは言い、しっかりとした主張をしていきたいと思っております。
3.

これからの10年について

【記者】  2010年を迎えるにあたり、これまでの10年を振り返り、これからの10年が愛知県にとって、どのようにあって欲しいか考えを伺います。
【知事】  これまでの10年ということを振り返りますと、特に21世紀に入る頃というのは大きな財政危機に見舞われました。御承知のとおり、2年連続で愛知県が赤字決算を出すという状況でございました。その時期は、ちょうど私が就任した頃にも当たります。それを克服して、その後は、ちょうど中間点に博覧会や空港などがあり、日本の経済も大きくその成長の方向に向かって、とりわけその中でも愛知県は日本一元気だと、活力があると、そういう評価もいただく10年だったと思います。ところが、それが一転、にわかにあのリーマン・ショック以降大きな経済的な痛手をこうむり、後退を余儀なくされたわけであります。したがって、今後の10年ということを考えた場合、足腰の強さ、本当に安定的に県民サービスが提供できるような足腰の強い県の構造にしていかなければいけないと思っております。
 そのためには、例えば産業経済の面から言えば、これまでどちらかというとやはり自動車産業というものにもたれかかって、その恩恵をこうむるという体質であったことは間違いありません。しかし、自動車産業というのは大変大きなものでございますので、私ども愛知県としては、これからも当然中心的な産業として大きく発展しなければいけない産業分野だと思っておりますけれども、それだけではなく、その周辺の産業を育成し、より強固にしていかなければいけないと思っております。
 先ほど少し申し上げた知の拠点というのは、それをバックアップする機関としてこれから有効に活用したいと思っておりますし、また新しい動きとしては、航空宇宙の分野ですが、これは昨年特に、日本の国産機としてYS11以来となるMRJがアメリカのある会社から大きな発注があったというようなことも聞いておりますだけに、少しこれから勢いが出るのかなと思っておりますし、それから、愛知で特に機材の35%をつくっているあのボーイング787、これも遅れ遅れになっておりましたけれども、昨年末の試験飛行も無事終わったということでございますので、本格的な製造、生産というものがこれからスタートしていくことと思います。したがって、航空宇宙の分野だけではなく、そうした複合的な産業の構造を図ることによって、本当に足腰の強いものにしていかなければいけないと思っております。
 加えて、あらゆる面で安心・安全というようなことが県民のニーズとして高まっております。これは雇用の面でも、福祉の面でも、医療の面でも、あるいは県民生活の様々な面で本当に安心して生活できる、そういう施策というものが求められていると思います。したがって、これからの10年の中でも、やはりそういうものを十分意を用いながらどういう施策を具体的に展開するのか、これから重要な課題だと思っております。
 ちょうど今、新しい政策の指針の後半期の取り組み作業、計画の策定作業を進めておりまして、これは御質問のこれからの10年ではなく、およそ5〜6年というターゲットで策定をいたしております。そういう中でも、少しでも今申し上げたような趣旨が愛知県の進むべき方向、ベクトルとして出てくるように、今、最終的な議論を進めているところでございます。これは年度内にも発表したいと思っております。
 しかし、大変難しい時代を迎えておりますことは間違いないわけでございまして、あらゆるものが大きく変化をし急ピッチで動いていると、それを実感しておりますだけに、常にアンテナを高く上げて様々なものを敏感に感じとる。それを県政の施策や事業に活かしていく、そんな姿勢で臨んでいきたいと思っております。
4.

3期目の任期を振り返っての所感と4期目への考えについて

【記者】  知事の3期目の任期最後の1年となりますが、3期目を振り返っての所感と4期目への考えを伺います。
【知事】  2期目に、ある意味ではこの地域にとって何十年に一度という大事業がございました。この3期目というのは、あの二大プロジェクトをおかげさまで成功することによって、あらゆる面でこの愛知の総合力が高まったと思います。したがって、それに決して安住することなく、より大きな飛躍ができるようにということで、私は今も覚えておりますけれども、あのときに、年初に「今を越える」というような書き初めをして、次の時代をどうしていくのかということを考えたつもりでおります。
 いろいろなものを準備しながら進んできたわけでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、今、政治も変わり、世界情勢も変わり、経済状況も変わり、大きなまた変化の荒海の中におります。したがって、この3期目の特に一番最後の1年というのはそうした荒波の中で、しかし、きちんと愛知の方向性が少しでも示せるような、そういう努力をしなければいけないと思っているところでございます。
 なお、御質問ありました次の4期目云々という話ですが、まだ白紙の状態でございますし、世間に物を言う段階ではないと、私自身は今そう思っております。
 なお、今年は「捲土重来(けんどちょうらい)」ということを、正月を迎えて書き初めいたしました。いろいろな言葉が頭に浮かんだんです。こういう書き初めでこのような機会にお示しするというのは6回目になるんですが、しかし、この6回目が一番迷いました。どんな言葉がいいのだろう、何がふさわしいのだろう。しかし、やはり前を向いて、厳しい中でもう一度活力を呼び戻そうということが、職員に対しても、あるいは県民の皆様方とともに仕事を進めていく上でも必要だろうと、あるいは私自身の信条としても、やはり前向きに物事を考え行動していかなければならないということで、もう一度あの活力、勢いを取り戻そうと、そんなことで、「捲土重来」という、この言葉を選ばせていただいたところでございます。
 もちろん、国際的な経済状況その他は、愛知県ですぐどうのこうのなるものではありませんが、そのきっかけの1年にしたい。「捲土重来」のその方向へ進むような、そうしたきっかけの1年、愛知にしたいと、そんな思いであります。