知事の記者会見
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平成22年1月18日(月) 午前11時
1.

平成22年度財政状況試算における2800億円の収支不足への対応について

【記者】  先日、来年度の県税収入が今年度を1,000億円ほど下回り、平成22年度予算については、現状で2,800億円の収支不足となる見込みとの発表がありましたが、この収支不足について、どのように対応するのか伺います。
【知事】  1月8日に、財政状況試算を行いまして、その結果について公表しました。
初めにお断りをしておきますけれども、この公表データはその時点での要求状況を示したものでございます。各部局からそれぞれ、課題や仕事などを来年度の予算にどう反映させるかということで要求が出てまいります。それを集約したものであります。
 今お話しのとおり県税は、大変厳しいと言われるこの21年度をさらに1,000億円程度減少するという見通しで、大変状況が厳しくなっております。加えて、出る方もいわゆる義務的経費、扶助費だとか公債費だとかそういうものがどうしても膨らんでまいりますので、差し引き2,800億円ぐらいの収支不足というのが、1月8日でお示ししたものでございます。
 この大きな乖離をどうしていくのかが、これから我々に課せられた大きな課題でございまして、当然のことながら、入ってくる方をどう確保するのか、あるいは出る方をどう抑制するのかという、ぎりぎりの調整や作業をしなければなりません。したがって、昨年の今ごろの予算編成も本当に厳しい状況でありましたけれども、今年も、昨年に増して大変厳しい条件下にあると、そのような認識をしております。
 これからの作業のことですので、まだ具体に申し上げる段階ではありませんけれども、やはり入る方は、県税に頼れないということであれば、こういうときの制度として国の地方財政措置として、交付税や臨時財政対策債があるので、それがどれだけ確保できるかというのが重要な論点になってくると思います。我々、この愛知県の極めて厳しい状況というのを国の方に理解していただかなければなりませんので、副知事を中心に総務省の方にも出かけて、いろいろと今お話をしている段階であります。
 ただ、まだ具体的な中身についての国の考え方がきちんと示されておりませんので、これは来週ぐらいになると思いますけれども、そういうものを受けながら対応していかなければいけないと思っております。
 いずれにしても、今年度がそうでありましたように、来年度も起債をいかに活用するかということが重要になってくると思います。特例的な起債というのはいろいろありまして、そうしたものを、より有利な起債をどう活用するかというのが大きな論点になってくるものと思います。
 それから一方、歳出の方ですが、事務事業、もちろん細部にわたって見直すという方針で、予算編成方針も昨年出してあるわけでありますけれども、もともとかなり厳しい要求の条件をつけました。そういう中で、今年度よりもどれだけ切り込みができるのか、減額ができるのか、これも汗を流さなければならないと思っておりますし、そういうことだけではもちろんおのずと限界がありますので、今年度も実施しました臨時的、緊急避難的な措置、例えば職員給与の抑制だとかも新年度もお願いしなければならないということで、これは先週でございましたけれども、職員組合に当局の考え方ということで提案したところでございます。これは相手があることですから、これから鋭意議論をし、協議をする中で、何とかいい着地点を探していきたいと思っているところでございます。
 そのようなことで2年続けて大変厳しい予算編成、我々努力しなければならないわけでありますけれども、今年はそれに加えて予算編成がちょっと難しいのは、国が大きな政策転換されました。これがまだ、骨格などはわかっている部分がありますけれども、詳細、制度設計だとか具体的に地方にどう影響があるのか、地方負担はどうなのか、あるいは財源措置がどうなるのか、そういう細かいところはようやく少しずつ説明が国の方から示されている段階でございますので、今日始まりました国会審議なども眺めながら、より中身を十分掌握して、これも予算の中に反映させていきたいと思っているところでございます。
 以上のようなことで本当に、去年はどんどん税収が減って、この段階での収支不足が4,900億円ぐらいになりました。担当者も思わず天を仰ぐというような状況の中で編成作業を進めましたけれども、その去年の税収がさらに減るということでございますので、今年度と来年度、厳しさは勝るとも劣らない状況だと考えております。
【記者】  職員の給与を抑制するとのことですが、知事自身はどのように対応するのか伺います。
【知事】  今年度も、今、私含めて特別職も抑制をいたしております。新年度もこれを継続したいと思っております。
【記者】  知事自身の対応について詳細は決まっていますか。
【知事】  基本的には、今私どもが抑制しております中身と同じものを頭に置いております。
  
2.

リニモ及びあおなみ線に対する県の支援策について

【記者】  リニモとあおなみ線については、乗客が伸び悩む中、債務超過となっており、大変厳しい状況ですが、両線への県の支援策について伺います。
【知事】  この二つの三セク鉄道は、お話のように大変厳しい財政状況の中にあります。どちらもまだ開通して歳月が短いわけでありますけれども、当初から利用者がなかなか確保できず、いわゆる収入が思うに任せないという状況の中で困難を極めております。
 ただ、私どもこの二つの鉄道を見ておりまして、どちらも年々確実に利用増というトレンドにあることは、そういう中で一つの明かりを見ているような気がいたしております。今年度はリニモもあおなみ線も、料金収入でいわゆるランニングコストが賄えるという、減価償却前の営業損益では黒字になる見込みであります。したがって、そういう意味では着実に地域に根を張り、通勤通学含めて沿線の皆様方に御利用いただいているという歴史でもございました。その点はありがたいと思っております。
 しかし、何と申しましても、大きな財政面での課題に直面していることは間違いないところでございます。その原因がどこにあるのかということを考えますと、やはり建設時における借入れが大変大きなものであったということに最大の原因があると思います。したがって、この両鉄道路線を維持するためには、そうした借入れなどとそれから会社経営というものを切り離して、せっかく減価償却前の黒字になりつつあるわけでありますので、安んじて安定的な、自立的な営業が続けられるような体制づくりをしなければいけないと思っております。
 そこで、リニモですけれども、やはり経営支援をどうするかということになるわけでございまして、県も貸付金などがございます。御承知のとおり先般、それについては株式化というような形で資本の増強を図るという形にいたしました。これについては沿線、名古屋市も含めて各自治体もそのような方向で協力していただけるということでございますので、今後とも沿線各市町とよく協議しながら経営支援をしていきたいと思っております。
 それから一方、あおなみ線ですけれども、あおなみ線も名古屋市と愛知県がかかわる三セクでございまして、中心となる名古屋市の方から支援の御要請をいただいております。まだどのような形でどう支援するかという詳細まで詰め切っておりませんけれども、このあおなみ線もリニモ同様、地域の公共交通として、私どもとても重要なものだと思っておりますので、あおなみ線についても今後成り立つように、名古屋市と協調して愛知県としても役割を果たしていきたいと、そんなふうに思っております。
 今後ですけれども、そういう経営の健全化を図っていくことは、今申し上げたとおり努力をしなければなりませんが、何よりも重要なのは、やはり利用者を増やしていくという点にあります。我々、リニモに関して言えば、できるだけこれを多くの方に御利用いただけるような努力をこれまでやってまいりましたけれども、さらにこれを加速していかなければいけないと思っております。それは当然、沿線の地域開発やさまざまな活性化による利用者の増が重要な点になってまいりますし、あるいは東部丘陵地域にたくさんある大学や学校などの利用をさらに促進していかなければいけないと思っております。幸いに、そういう学校関係者の中でも前向きに考えていただいているところがあるやにも聞いておりますので、そういうところにさらに働きかけをして、通学の足として大いに活用していただきたいと思っているところでございます。
 第三セクターで、大変県民市民の皆様方に御心配をかけておりますことを恐縮に思っております。重要な地域インフラでございますし、地域の活性化だとかあるいは発展にとってなくてはならない重要なものだと思っておりますので、今後ともしっかりと取り組んでいく考えでございます。
【記者】  リニモの支援については、今後4〜5年という期間で考えられていると思いますが、今回の4〜5年という期間での支援で、これが最後になるのか、あるいは今後経営不安が生じた場合には追加の支援を考えているのか伺います。
  また、追加支援が生じた場合、沿線の自治体へ支援を要請する可能性があるのか伺います。
【知事】  もともと、数年で片づきません。現在のリニモがおかれた財務状況や借金の中身などを考えますと、今想定しておりますよりも大きな資金や財源が必要になってまいります。このリニモにかかわる自治体は愛知県だけではなく、名古屋市だけではなく、周辺自治体もありますので、なかなかどこも今財政厳しい状況にあります。したがって、一度に処理するのではなく、第1期、第2期というような段階に分けてやろうということで、もともとスタートいたしました。当面、平成25年度までの第1期の計画の中で今進んでおります。したがってまだ終わっておりませんので、そこから第2期というような形で実施するという、最初からそういう予定でおります。
 ちなみに、あおなみ線の方はそういう分け方をするのではなくて、大きな金額になりますけれども、一挙にやろうという方向のようであります。先ほど申し上げたとおり、具体の中身の詰めはこれからでありますけれども、そういう違いがあるということでございますので、リニモに関して言えば、その後もまだ継続的に、段階を追って処理をしていこうということであります。
【記者】  リニモについては、沿線自治体も財政厳しい状況ですが、支援の枠組みから離脱する自治体があった場合、県が肩代わりすることになるのか伺います。
【知事】  先ほど申し上げたとおり、平成25年度まで当面、まず第1期としてやっていこうということで、そのことについては関係市町を含めた役員会を開いて合意いたしております。このスキームで進んでいこうということでございます。我々は各自治体、沿線市町、同じ方向、同じベクトルで再建に向けてのお力添えをいただけるものと確信しております。
3.

平成22年度予算編成について

【記者】  財源不足の中で、予算編成においてどういった点に力を入れながらメリハリをつけていくのか、県の将来ビジョンをどう実現していくのか伺います。
【知事】  1年前を実は思い出すのですが、大きな財源不足の中でどう予算編成をするのかということで、やはり県民のニーズがどこにあるのかということを考えた場合に、ちょうど1年前というのはリーマン・ショックで壊滅的な大きな打撃を経済界が受け、大変な状況でありました。したがって、県民の皆様方の大きな関心である安心・安全、例えば福祉だとか医療だとか教育だとか、そういうものは何としてでも、歯を食いしばってでも維持しようということで、そこへの切り込みはできるだけ控えて、厳しい財政の中でもそれを守るという形にいたしました。
 1年たって、その1年前よりもさらに、あるいは同程度厳しい状況にあるとすれば、全体の財源がどういうふうになるのか、まだ詰めていかなければなりませんけれども、去年見送ったものがそのまま維持できるのか、あるいは少し見直しの対象にしなければいけないのか、そこら辺が大きな課題になってくるものと思います。我々も、県民生活にいろいろ影響あることはできるだけ避けようという気持ちでおりますけれども、予算が組めなければ何ともなりませんので、そこらあたりはこれからの査定だとか内部議論で一番重要な点になってくるんだろうと思っております。
 加えて、これからの地域のありようというものがどうあるべきかということがとても重要です。これは予算の重点あるいはメリハリということよりも、やはり常に中長期に県のありようだとか方向性というものはにらみながら、施策あるいは県政運営をしていかなければならないと思っております。ちょうど今、新しい政策の指針の後半期の取り組みについて今年度議論し、大分大詰めのところでありますので、そういうものをお示しする中で、具体にどうそれを実施していくのか、また、そういう中で位置づけられた仕事を厳しい財政の中であってもできるだけ予算化するように努めていきたいと、そんなことを思っているところでございます。
 前回の記者会見で、私にとって3期目の最後の1年になるということの御質問を受けたわけでありますが、たまたまこの2010年、平成22年というのは、我々、博覧会、空港後のマイルストーンにして、ちょうど一つの目標にしてきた年でもあります。そのために準備してきたものがたくさんありますので、そういうものをきちんと花開かせることによって一つの節目を成就させたいと、そんなふうにも思っているところでございます。
 何はともあれ、こういう厳しい環境下の中で新年度を迎えるわけでございます。よしんば今年経済活動や産業界が上向いてきたとしても、その効果が税収にあらわれるのは来年だとか再来年になってきますので、今年1年はいずれにしても厳しい中での1年になっていくと思います。辛抱しながら、しかし、希望を失うことなく、しっかりさまざまな仕事に取り組んでいくと、そんなことで、私自身もそうでありますし、職員も結束してこの難局に当たっていきたいと思っております。
4.

民主党小沢幹事長の元秘書逮捕について

【記者】  民主党の小沢幹事長の元秘書が逮捕される事態となりましたが、この点について知事の所感を伺います。
【知事】  私個人の印象だとか感想ということになりますが、私は、国会が始まる時期でしたので、あるいはこれまでの報道などで接しておりまして、在宅起訴なのかなと推測していました。ところが、国会議員含めて元秘書3名が逮捕され、身柄を拘束されるということは、本当に、私自身は予想しておりませんでしたので、驚きました。大変な事態になったと、その点については大きな驚きでした。逆に言えば、それだけ検察のこの問題に対する強い姿勢というものを感じました。恐らく新政権にとっては、新しい政策あるいは従来の政策を転換した上での事業、本格的に予算審議を通じて、今回の国会の中で与野党攻守逆転の中で真剣に議論されるというところでありますので、やはり新政権にとっては痛手であることは間違いないと思います。
 私は、やはり国民、県民の多くの皆様方が民主党を始めとする新政権に期待されたのは、政治と金の問題についてはできるだけクリアにという国民の意向を酌んでもらえるだろうという点も一つの大きな要素にあったのだと思いますので、その意味ではとても残念であります。私どもの立場で言えば、やはり原因究明がきちんとなされること、そのためにはやはりできるだけ説明責任というものを果たされることが必要ではないかなと、そんなふうに思います。
【記者】  現時点で、小沢幹事長は説明責任を果たしたと考えますか。
【知事】  事実関係というのは、もちろん私どもはよくわかりません、承知しておりませんけれども、ここ1日2日のメディアの報道などに接している限り、なかなか国民は、十分説明を尽くしていないというアンケートの結果のようであります。確かに大きなお金が動いて、それがどのように使われ、どういうふうに経由されて、何が問題なのか。それから、その原資がどうなっているのかというような、国民の素朴な疑問や感情に十全に答えてはいないだろうと思います。ただ、捜査中のことについてどこまで詳細を極めて説明できるのかというのはなかなか難しい問題があるわけでありますけれども、しかし、現実に多くの方々は納得していないという、そういうアンケート結果を見るにつけ、私どももなるほどなと思います。
【記者】  小沢幹事長の元秘書逮捕により国会審議で政府予算編成が遅れた場合、県の予算編成にも影響があると思いますが、この点についてどのように考えているか伺います。
【知事】  私どもも、事実の解明、それから国民が納得いくさまざまな説明というものは、当然今回の国会でも議論の一つになっていくのだろうと思いますけれども、片や、今、この景気の状況だとかあるいは地方が置かれた状況などを考えると、補正予算、それから新年度予算、いずれもきちんと仕上げていただいて、予算を国の予算としてスタートできるような体制に持っていってもらわなければなりません。したがって、こういうものに大きな影響がないようにということは、地方の立場でも当然願っております。事案の解明、そしてこうした予算の審議、これをやっぱり国会運営の中できちんと交通整理をしながら、うまくいくように大いに期待をしたいものだと思っております。
5.

岐阜県知事のヘリコプター事故発生時における会合出席について

【記者】  岐阜県知事が、県の防災ヘリコプターの事故発生時に職員との会合に出席していたことが明らかになり、不適切だったのではとの意見もあります。この点について、知事の所感を伺います。
【知事】  とても難しい問題ですね。古田知事は、知事としてなすべき指示をし、あるいは対応をした上で会合に出かけたということであります。しかし、複数の死者が出るああいうヘリの事故があったときに、県民感情として、それを素直に県民の皆様方が受けとめられるかどうか。難しさが恐らくあると思います。ですから、私どもの立場で古田さんのとった対応がいいとか悪いとかというような、評論するということはなかなか難しいと思いますけれども、受けとめ方、とられ方というのは、極めてデリケートな課題だと思います。恐らく岐阜県民の方にしてみると、事故の重大性などで、もう少しほかの対応があったのではないかという素朴な気持ちを持たれたのだろうと想像します。
 いずれにしても、これはもう我々も同じことでして、いろいろなスケジュールや行事や、毎日の会合で忙しく走り回っておりまして、自然災害も含めていろいろな突発的なことが起きます、そういうときにどう身の振り方をするのか。それから、そのことがどう世間やら県民に受けとめ方をされるのか、やはり難しい選択、それも瞬時に決めなければなりませんので、政治や行政の一つの難しいケースだと思います。
6.

名古屋市の陽子線がん治療施設について

【記者】  先日開催された、東海三県一市知事市長会議の昼食時に名古屋市長から陽子線がん治療施設に関連して、医師のネットワーク作りに協力してほしいといった趣旨の発言があったようですが、こうしたことを含め、この施設運営に協力するのか伺います。
【知事】  先週、三重で行われた三県一市の昼食会の席で、河村市長からは今お話しのような具体的な話は出ませんでした。よろしく頼むというようなことでの抽象的な話はありましたけれども、例えば連携がどうだとか、何はどうしてほしいだとかいう具体的な話はその場で出ませんでした。
 私どもは、基本的には、陽子線のがん治療施設ができるということは、それは地域の県民にとっても悪いことではないです。がん治療がより充実するわけですので、決して悪いことではないと思います。そのことは結構な事業だと思っておりますが、私どもが実は戸惑いを感じたのは、もう1年も2年も前からこの事業が進んでいて、この事業は見直すというようなことを打ち出された後に、またやるということになって、その間、我々も新聞あるいはテレビで知るだけでした。
特に、たしか静岡の方の施設を見に行かれて、とても患者が集まらない、したがってこの事業についてはいろいろ問題がある、ということは、報道を通じて我々のところにも伝わってきました。
それで、またやるとおっしゃったようですが、名古屋市としてどういう考えでどうやっていくのかということが、我々県も少し振り回されていますが、その間、きちんとした説明は残念ながらございませんでした。
 そういう中で、特に先般の新聞報道では、三県にも財政支援をというような趣旨のことが書かれておりましたので、それはちょっとおかしいのではないかと。三県一市でも、記者会見で三重県の野呂知事もおっしゃってました。やはり決めたり、もう方向が出てしまってから、事前の説明なくいきなり言われても、それはちょっとおかしいのではないのかと、やはりそういう戸惑いを各知事が持っていると思います。
 したがって、我々も、先ほど申し上げたとおり県民にとってプラスになるものであれば、それをどう活用するかということがとても重要になってくると思います。活用という面でありますけれども、陽子線のがん治療施設ができるとすれば、当然、がん患者にとっては朗報だろうと思います。今、愛知県の中においても、がん診療の連携病院というのが幾つもあります。そういうところでは、日夜、がんで苦しんでおられる方が治療を受けたり闘病生活を送っておられるわけでありますので、陽子線治療を受けるにふさわしい患者さんというのがいるとすれば、各病院が名古屋市の陽子線施設と連携をとって、患者さんを送ったりあるいは連係プレーをとるということは当然あり得ることだろうと思います。したがって、これは愛知県だけの問題ではなく、あるいは周辺の病院でも同じようなことが言えるかもしれませんね。ですから、愛知県もがんセンターを持っておりますし、先ほど申し上げたとおり県内の各地区にがんの連携拠点病院があるわけですから、そういう各病院が陽子線施設との間で個々の患者さんについてどう対応するのかということについては、当然、連携というものが起きてくるものと思っております。
7.

セントレアの開港5周年を迎えて

【記者】  今年の2月で、セントレアが開港して5周年を迎えますが、知事の所感を伺います。また、日本航空の再建に伴う減便や羽田空港のハブ化などが言われる中で、今後セントレアが国際空港としてどのように存在感を発揮していくのか伺います。
【知事】  2005年2月17日に開港して、もうすぐ丸5年が経過するわけでありますけれども、当時のことを思い出してみると、成田、関空に次いで本格的な国際空港をぜひともこの中部にもと、これは行政だけではなく、経済界あるいは県民の皆様方の、本当に燃えるような思いでこの開港を願って準備を進め、5年前に日の目を見たわけであります。
 ちょうど博覧会の開催間際でありましたので、博覧会の盛り上がりやら来客などとも相乗効果がありまして、セントレアそのものはすこぶるいい形でスタートが切れました。その後も、路線を確保したりあるいは貨物も伸ばしたりしてきたのですが、その後、非常な燃油高があってエアラインなども大変難しい状況になり、加えて、一昨年の世界同時不況で一挙にこの地域の経済がしぼむという状況にもなってまいりました。それから、特に去年は新型インフルエンザなどの問題もありまして、セントレアそのものは、開港以来最大の厳しい状況にあるものと思っております。加えて、JALが経営問題でもうすぐ法的な手続ということにもなる方向で進んでおりますけれども、日本の二大エアラインの一つが破綻に瀕する、こういうことで、どちらかというと本当に逆風、アゲンストの中にあります。
 しかし、最初の思いは、この中部が世界にさらに大きく羽ばたくためにどうしても必要だということで、民間資本を取り入れた新しい空港としてスタートしたわけでありますので、我々も、将来のこの地域の発展、飛躍には欠くことのできない国際空港だという、そういう信念で、引き続き応援していかなければいけないと思っているところでございます。
 やはり私は、この地域はモノづくりの世界的な拠点ですので、その物流も踏まえた、あるいはビジネスを踏まえた世界戦略が必要だろうと思います。専門家のさまざまな予測でいっても、特にアジアを中心として今はこういう状況ではありますけれども、中長期的には間違いなく航空需要が増えていく。特にアジアがそのリード役としてさらに拡大していくということでありますので、そういう方向に向けてセントレアのこれからに大いに期待をしたい。
 そのためには、いずれ2本目滑走路も必要になってまいります。十全に24時間空港としての機能を果たせないいろいろな障壁もあります。したがって、これは短期の仕事ではございませんけれども、いずれ需要が回復してくることを見込みながら、2本目滑走路についても力を入れていきたいと思っているところでございます。
 ハブ化という問題が、新政権になってから出てまいりました。このハブ化というものの位置づけをどのように考えるのか、非常に難しい問題だろうと思います。私どもは、先ほど申し上げたとおりこの地域は日本のモノづくりを担っているところでございますので、羽田のハブ化に反対するものではありませんけれども、この地域もハブ的な機能が必要だろうと。ですから、関空も恐らくそういう基本的な方向を持っておられると思いますし、成田あるいは関空、あるいはこのセントレア、この航空インフラをいかに活用してこの地域のモノづくりやあるいは人の交流などを支えていくのか。その意味では、私は十分それを果たすだけのポテンシャルもあるものと思っております。
 なお、JALにつきましては、何とか一日も早く安定した、生まれ変わった姿として、我々ユーザーあるは各空港にまた新たな姿を見せていただけるように期待をしております。国土交通省では今この問題について、休日返上で大臣を筆頭に頑張っていただいていると思いますけれども、JALが、セントレアだけではなく全国の地方空港に果たしている役割はとても大きなものがあります。地域振興、あるいは地域の活力、あるいは地域の足という面でも、やはり国においてはいろいろ御配慮いただきたいものだと思っております。
8.

セントレアと県営名古屋空港の統合について

【記者】  中部の経済界、財界などで県営名古屋空港の機能をセントレアへ統合・集約することを検討すべきではとの意見がありますが、この点について知事の考えを伺います。
【知事】  昨年の11月定例県議会でも御質問いただき、本会議場で私も説明をしたわけでありますけれども、基本的には、そのとき申し上げたことと変っておりません。
 もともと名古屋空港につきましては、セントレアの建設に向けて、一元化の議論が当時あった中で、自衛隊の基地としても活用されておりますので、地域の皆様方は基地化というものに対しての強い反対あるいはアレルギーがございました。加えて地域の振興としても、全く飛行場機能がなくなることによる不安があり、それから、過去に飛行機の事故が何回かあって、大変協力をしてこられた地域の皆様方の思いもありました。そこで、国際空港をつくるに当たって、むしろ機能的にすみ分けをしようと。名古屋空港につきましては、コミューターだとかあるいはビジネス機などの、日本で初めてになったわけですけれども、小型機の拠点空港にしよう。セントレアの方は国際空港としての機能を果たしてもらおうと。1都市2空港というのは、世界の多くの都市でそういう役割を果たしておる地域がたくさんありますので、これからの愛知あるいはこの中部地方のポテンシャルからいっても、そういう機能を果たしてもらおうということで方向性を出して、すみ分けをしたところでございます。これは当然のことながら関係者の御理解も得てスタートしたものであります。今も、私はその状況は変っていないと思っております。先ほどのような話で、エアラインも、それから空港も、今は大変な逆風の中にありますけれども、そういうすみ分けという方向そのものは間違っていないものと思っております。
 恐らくいろいろな意見が出てくるのは、関空と伊丹と神戸の方のいろいろな議論などに触発されてのものなのかもわかりません。それはそれで一つの考えということでありましょうけれども、関西がおかれている状況とこの地域とは、私は随分違うと思います。先ほど申し上げたとおり自衛隊の基地という問題もございますし、それから、この前、前原国土交通大臣も、大阪空港、伊丹については、小型機などを中心にというような発言も、記者会見か何かでされたように、これも報道を通じて私承知しておりますけれども、むしろそういう、この地域のそういうすみ分け方が関空の方でも議論の一つとしてあるのだなと、そんなことも改めて思った次第であります。
 そんなことを考えますと、これまでの経過を決して軽んずることはできませんし、それから、我々県の立場は、地域づくり、地域振興、あるいは地域の県土づくりという全体で眺めなければなりませんので、今、当面はその二つのすみ分けを維持しながら、どう二つの空港がお互いに協力し合い、あるいはこれから利便性を高めて共存共栄できるかということの努力をしていかなければならないと思っているところでございます。