【記者】 |
今日、名古屋市議会解散を問う住民投票が告示されましたが、住民投票がこの規模の都市で行われるのは、かなり異例のことです。そのことに関して知事の所感をお伺いします。 |
【知事】 |
これは昨年来、長と議会の関係を巡ってさまざまな論争もあり、あるいは経過もありました。そういう中で、いよいよ議会の解散を巡って市民の意思表示がされるということになるわけでございまして、220万人を超える大都市で、恐らく過去にもない大きなことだろうと思います。
私ももちろん、どういう市民の皆様方が判断を示されるのか、とても注目しております。なかなか役所の中だとか議会の中というのは市民の皆様方の目に触れないところがありまして、わかりづらい部分があります。これを契機に、長と議会の関係、役所というものの存在と意義、あるいは議会の在りよう、こういうものに理解が深まったり、あるいは関心が高まるということはとてもいいことだと思います。したがって、大いにこれからの論争も期待をしたいと思います。やはり冷静、客観的に御判断いただくことが必要だろうと思います。
市民にとりましては、市民生活のあらゆる場面に関わる様々な事業や政策が決定され、また審議される場でありますので、これからどうあるべきか、一時的な感情などに流されることなく、やはり十分なる議論が展開されることを大いに期待したいと思います。 |
【記者】 |
先程、名古屋市の住民投票について、一時的な感情に流されることのないように十分な議論をしてほしいという発言がありましたが、その真意をお伺いします。 |
【知事】 |
これまでずっと眺めてまいりまして、先ほど申し上げたとおり、長と議会の対立だけが際立って市民の皆様方に伝わっていると思います。どうしてそういう状況を生み出したのだろうか、その背景は何だろうか、あるいは今、市にとって何が必要なのだろうかと、やはり総合的に御判断をいただく必要があるのではないでしょうか。
私は、物事を決めるというのは、民主主義では時には時間もかかることもありますし、繰り返し繰り返し説得をすることも必要な場面も出てまいります。スピードを求められる場面もたくさんありますけれども、やはり十分時間をかける、その中で物事を生み出していくということもとても重要だと思っています。したがって、拙速というようなことがないように期待をしたいと思っておりますだけに、先ほど申し上げたとおり、何かこう対立関係をあおるとか、あるいはその点だけが強調されるというようなことがあると、これは将来にとってあまりいいことではないという趣旨で、一時的なそういう感情だとか対立に流されないようにという意味で申し上げました。 |