知事の記者会見
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平成23年2月7日(月) 午前11時
1.

知事選挙・名古屋市長選挙・名古屋市議会解散投票の結果について

【記者】  知事選挙・名古屋市長選挙・名古屋市議会解散投票の結果が出まして、河村氏、大村氏、市議会解散という結果が大差の形で示されました。その結果につきまして、知事としての所感をお伺いします。
【知事】  選挙が終わりまして、大村候補、大村さんの圧勝でしたね。それから名古屋市長の方は河村さんの、やはりこれも圧勝でした。住民投票も、解散という方向で県民、市民の意思が示されたわけでありまして、まず、当選なさった大村さん、河村さんには心からお祝いを申し上げたいと思います。大変日本中から注目され、県民、市民の関心も高かった選挙でありますけれども、圧倒的な勝利をされたということは、知事としても、市長としても大きな自信につながるものと思います。
特に私の場合は県政の立場でございますので、大村さんの誕生のことを、少し感想めいたことを申し上げたいと思います。
大村さんは御承知のとおり15年近く国会議員としてこれまで活躍されていらっしゃいました。副大臣など経験することもあり、大変知名度も実績もある方でございます。その意味では、私が持っていないものをたくさんお持ちだと思いますので、そうした経験はこれから県政で大いに活かしていただけるんだろうと、心から期待をいたしております。
なお、これまで、国会議員としての大村さんと知事としての私とは、もちろんいろいろな県事業、あるいは県の施策について御協力をいただいたことも再三ございました。例えば、博覧会、空港など巨大プロジェクトの推進にも、国会議員の立場であるいは政府与党の立場で過去に御協力をいただいたこともございますし、それから、法人事業税の一部国税化のときには一緒に関係部署に要望や陳情の活動も行ったことも、今懐かしく思い出します。それから最近では、私が後期高齢者医療制度改革の都道府県代表で委員になっておりました関係上、厚生労働省の副大臣経験者である大村さんとはいろいろと意見交換したり、時には助言をもらったり、あるいは共同でさまざまな検討作業も行ったこともございます。その意味では私もよく存じ上げている方ですし、今後、そういう経験を大いに県政の中で活かしていただきたいと期待をしているところでございます。
これからどのようにマニフェストの実現も含めて県政運営をなさるのかは、これからのことだろうと思いますけれども、今回の選挙で世論調査などを見ますと、やはり県民の関心は、景気のことや雇用のこと、あるいは福祉などに強く関心をお持ちだということも出てまいりましただけに、じっくりと地に足のついた事業運営、あるいはこういう問題の解決のための御努力をいただきたいと思うところでございます。
それから、昔からよく言われることですが、不易と流行という言葉がありますけれども、変わらなければならないものは大胆に改革をしていただきたいと思っておりますし、また、守るべき行政としてのものも当然あると思いますので、その二つをきちんと組み合わせて対応していただきたいと思っております。当然、優秀な方でございますので、その辺りのことは十分御認識だろうと思います。不易と流行というのは対立する概念ではなく、どちらかといえば、やはり双方が協調しながらやっていくことだろうと思っておりますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
加えて、今回の選挙で、これは名古屋市長選挙も含めてでありますけれども、従来の既成政党とはやはり少し離れた、新しい選挙の動きというものを私も感じておりました。これは言葉を変えれば都市型選挙ということが言えるのかもわかりません。東京だとか大阪だとか、あるいはこの愛知だとか、やはり大都市圏に見られる、こういう都市型の選挙という方向へ移行していくんだろうと、そんな感じも受けたところでございます。
政策的に気になるところは、やはり減税でありまして、減税はもちろんとても重要な今回選挙の争点の一つになったと思います。ただ、この定例記者会見でも繰り返し申し上げましたけれども、本当に今愛知県の財政は、リーマン・ショック後の世界同時不況の中で大幅に県税が減り、財政の運営そのものがぎりぎりのところでさまざまな仕事を行っているというのが正直な姿でございます。したがって、この減税というものについてどのようなお考えをこれから披れきされ、どのように進めていかれようとするのか、私どもも大変関心を持っておりますだけではなく、恐らく県の職員も、あるいは県民の皆様方も今後の進展について関心を持っておられることと思います。
それから、名古屋市長選挙の関係でございますけれども、河村市長さんがこれまでやってこられたことに対し、市民がそれに対し圧倒的な票で認知されたということでございますので、これはこれでやはり重く受けとめなければいけないと思います。やはり、河村さんがこの閉塞感を打開しようということで、河村さんの独特の手法とあるいは御本人の考え方でこれまでいろいろなことをやってこられました。恐らくそういうものの期待に応えるために、今後も市政を展開していかれると思います。それは市民の皆様方もかたずをのんでご覧になると思います。
しかし、今後名古屋市をどういう都市にし、市民生活をどうしていくのか、そして安定的な豊かなこの地域をどうつくっていくのかという、いわば知恵を出し、力を合わせて建設するという段階に入っていく必要もあろうかと思っております。ですから、河村市長さんに対する新しい今後の政策の転換というものも期待されるのではないだろうかと思っております。
それから、解散を求める住民投票でございますけれども、大都市ではなかなか難しいと言われていたことが現実のものになったわけでございまして、4月の統一地方選挙を前にして、いよいよ市会選挙が展開されていくわけであります。先行することによってどういう世論が出てくるのか、従来の地方選挙と離れてどのような選挙結果が出てくるのか、これは私も大変注目をいたしております。予測はつきませんけれども、本当に関心を持って眺めていきたいと思っているところでございます。
いずれにいたしましても、今回、全国注視の中での大変な選挙でございました。結果として、県政に対しましても従来以上に県民の皆様方がいろいろと関心を持っていただいたり目を向けていただいたことは、プラスの面でございますので、今後、そういうことをしっかり受けとめながら、県の職員もこれからの仕事に精を出していかなければいけないと思っているところでございます。
いろいろ申し上げましたけれども、何はともあれ、当選された皆様方に心からお祝いを申し上げたいと思います。
【記者】  知事が、支持を表明していた自民党系の候補者が、大村氏に大差で敗れたことについて、所感をお伺いします。
【知事】  私は1月になってからこの場でも申し上げたとおり、重徳候補を支持し応援したいと。現に、今度の選挙戦でも何日か演説会場に出向きましたり、それなりの応援をしたつもりでございます。応援をした方が当選できなかったということは、それ自体はとても残念なことですが、これは県民のやはり判断が下ったわけでありますので、いたし方ないものと思っております。
重徳さんという方は若くて清廉で、大変使命感や行動力もある方でありますので、やはりふるさとで、また違った形でこれからも大いに活躍をしていただきたいものだと、そんなふうに思っています。
【記者】  大村氏が打ち出している中京都構想ですが、4年の任期のうちにやりたいと話されています。それは、知事が推し進められた県のあり方と考え方が違ってくる部分があるかも知れませんが、その辺りの懸念、心配されている事があればお聞かせ下さい。
【知事】  正直言って、私、中京都構想なるものの中身を十分よく分かってません。愛知県と名古屋市がどういう関係になり、どういう組織になり、どういう権限になっていくのか、詳細を把握してませんので、なかなか中身について評価したり、論評したりということはまだできないような状況です。
ただ、私、従来から、道州制を含めた広域行政はとても重要で、これから国と地方の関係を考える場合に力を入れていかなければならない方向だと、そういう認識と考えのもとに、道州制の推進論者としてこれまでいろいろな行動や言動もしてまいりました。そういうものとこの中京都というものがどういう接点があったり、どういう関係になるのかということも、今後見極める必要があると思っているところでございます。
しかし、いずれにしても、この新しい構想は、制度設計によっては法律の見直しなども必要になってくることですから、やはり国政レベルでの議論も必要になってこようと思いますし、そうなってくると、一つこの愛知だけの問題ではなくて、オールジャパンの問題にもなってくるかもわかりません、地方自治体の形ということで。ですから、今後ともよくその辺りは私も、立場は変わりますけれども、十分見極めていきたいと思っています。
【記者】  今回は、地域政党と既存政党との選挙戦と言われました。大村氏が圧勝したことで、地域政党というものがクローズアップされていると思われます。この地域政党の在り方、あるいは、大村氏が議会、これまでの政党と対決姿勢を明確に打ち出している、この対立の在り方について、知事としての所感をお伺いします。
【知事】  地域単位で、その地域地域の課題を一つの党是にして、あるいは共通の認識として政治活動をする、そのための組織としての地域政党。これはこれで、私は悪いことではないと思っておりますし、こういうものをきっかけに地域のさまざまな政治活動が進化していくことを期待したいと思います。
ただ、例えば減税だけを掲げたり、何か特定のものをそういうふうに掲げて。政治だとか行政というのは大変広範な、いろいろな課題やあるいは県民ニーズに応えるための受け皿としての柔軟さなども持っていなければなりませんので、何か特定のテーマに絞っての地域政党というものがこれからどう進化していくのか、どういう展開を見せるのかは、まだ全く私には想像できません。したがって、今後、今の減税やその他の課題以外にどのような動きが出てくるのか、これは見極めていきたいと思います。
それから、県議会での対応ということでありますけれども、これはもちろん県議会の議会陣がお決めになることであります。ただ、先ほども少し触れましたけれども、二元代表制の中では、やはり首長、理事者側と議会というのは緊張感を持って、時には議論し対立することはあっても、一つの目標に向かって何かをつくり出していく、あるいはより進化させていくということがとても重要だと思います。ですから、大村新知事さんになってからも、議会との関係をどのように持っていかれようとするのか、そこが恐らく一番議会の皆さん方も関心でありましょうし、また、県民の方も関心を今持っておられるのではないでしょうか。やみくもに混乱だとか対立だけになっては、新しい知事にしても、政策実現が遠のいてしまうこともありましょうし、これからどのような手腕をお見せになるのか、大いに期待をしたいところだと思います。
その点、自民党の国会議員として政権与党の立場で10年以上やってこられ、現に複数の副大臣なども経験された方でございますので、いわば当局側も経験済みの方です。ですから、言葉がいいかどうかわかりませんけれども、その辺りはうまく、フレキシブルに対応される方ではないかなと。私も長い付き合いをしておりますけれども、そういう柔軟性を持って対応される方ではないかと、今はそのように想像しております。まだお会いして話もしておりませんし、今後、また恐らくゆっくり意見交換する機会もあろうかと思いますので、そういうときには今のようなことも聞いてみたいと思います。
  
2.

高病原性鳥インフルエンザの対応状況と今後の見通しについて

【記者】  高病原性鳥インフルエンザが、豊橋市内で発生しまして、先日、防疫措置が終了しました。21日間、何も問題がなければ、終息宣言になるかと思われますが、これまでの対応と今後の見通しについて、知事にお伺いします。
【知事】  たしか1月の27日だったと思いますけれどもその発生の通報を受け、それから防疫措置についていろいろな取組をしてまいりました。31日に殺処分が終了し、同じ31日から実際の埋却や発生農家の消毒など、2月3日までかけてやってまいりました。私ども、2年前に同じ地域でのうずらの鳥インフルで大変辛く、悲しく、重い事案に直面し、またしてもかということで、本当に今回の鶏をめぐる一連の事件には、また打撃を受け、ショックも受けました。
何よりも防疫措置が大切だということで、確実にこれをやっていこうということで、オール県庁で取り組んできたわけでございますけれども、今振り返ってみますと、今回の鳥インフルエンザの特徴などからして、従来の国の指針の遺伝子検査などは、それだけでは不十分だということになり、新たな方法での対応が求められるという急な事態もございまして、初期段階でその確定に少し戸惑ったこと、手間取ったこともございました。
それから今回の農家が、近代的な鶏舎と言えばそういうことでございますけれども、高床式で3メートル余り高さがある上にケージが並んでいる。しかも、そのケージも5段ということでございまして非常に特殊な、近代的ということも言えるでしょうけれども、そういう構造でございました。ケージとケージの通路も70〜80センチぐらいしかなく、人がすりかわるのもなかなか満足にいかないという状況もございましたし、そういう従来の農場とは少しその作業手順なども当初手間取ったことも事実でございます。 途中から作業の進捗の中で作業方法を改善したり、見直したりすることによって軌道に乗せて殺処分ということになったわけでございますけれども、これも、どこの農家がどういうような構造になっているかということもやはり把握していく必要があるのかなと、そんなことも一つの勉強として、今回感じ取ったところでございます。
いずれにしても、一応の防疫措置は終了したわけでございますけれども、今お話しのように、21日間これから検査や消毒をし、さらに発生がなければ、完全に旧に復するわけでございまして、それまでの間きちんとリサーチをしていかなければいけないと思っております。それから、うずらのときもそうでしたけれども、風評被害やあるいは農家の皆さん方が今回のことでさまざま痛手を被られましたので、その復活に向けて、県として、国や地元市と連携をとりながらできるだけのことをしていきたいと思っているところでございます。
何はともあれ、大変な事態になりましたけれども、国内の発生状況などを見ていますと、またいつ何どきこの愛知を鳥インフルエンザが襲うかもしれませんし、現に、もう全国でかなりの件数発生をしております。それから、お隣の韓国などでも発生しておりますので、しばらくは油断できないと。それから、予防をどうするかということについてもこれから真剣に協議をしていかなければいけないと、そんなことを思っているところでございます。
この間いろいろと御協力をいただいた記者クラブを始めメディアの皆様方にも、心からお礼を申し上げたいと思います。