知事の記者会見
メインメニュー
知事のマニフェスト 知事の発言・寄稿 知事記者会見 県議会知事提案説明 知事からのメッセージ 知事交際費の執行状況 プロフィール トップページ 写真で見る主な活動


平成27年6月1日(月) 午前10時00分
1.

知事発言

(1)

愛知県名誉県民の候補者について

【知事】  皆さん、おはようございます。6月1日の定例記者会見を始めさせていただきます。
 愛知県名誉県民の選定についてでございます。愛知県では、本県の発展に卓絶した功績があり、県民の敬愛を受ける方に対しまして、愛知県名誉県民の称号を贈らせていただいて、これを顕彰する「愛知県名誉県民顕彰」という制度がありまして、これまでに5名の方を顕彰いたしております。
 これは昭和62年でございますが、もう28年前になりますが、戦後2代目の知事でありました桑原幹根知事を顕彰するということで顕彰条例ができて、そして昭和62年に顕彰をさせていただいたのが1回目ということで、その後しばらくありませんでしたが、4年前に私が4名の方を新たに名誉県民として顕彰させていただきました。
 これは、4年前、ちょうど東日本大震災などで、そしてまた過去最高水準の円高が続くといったことなど、重苦しい世相ということもございまして、そういうときこそ愛知県民としての一体感を高めて愛知の活力を喚起するという意味で、これまで愛知県政に格別のご功績のあった方々を名誉県民として選ばせていただきました。その方々が海部俊樹元総理、そして鈴木禮治元知事、そして豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長、経団連会長、そして野依良治先生、当時は理化学研究所の理事長ということで、ノーベル賞の受賞ということでございます。
 その顕彰から3年半が経過いたしまして、この間、産業が盛り上がり、そして雇用も増えて、愛知の産業・経済力、人財力、地域力は一層高まっていると考えております。こうした時宜をとらまえまして、この好循環をさらに前進させていこうという思いで、今回新たに、名誉県民の選任をさせていただくということにいたしました。
 ここにありますように、リニア新幹線の着工、国産初のジェット旅客機MRJ、そして世界初の燃料電池自動車FCVのスタートなど、日本の未来をつくるプロジェクトは全て愛知からスタートいたしておりまして、そういう中で県民の一体感をさらに高めて力を発揮していこうということで、名誉県民を新たに選任させていただくことといたしました。
 具体的には、昨年ノーベル物理学賞を受賞されました赤ア勇先生、天野浩先生のお二人を候補者といたしまして、「愛知県名誉県民条例」に基づきまして、この6月議会に議案を提出し、議会の同意を得たいと思っております。
 申し上げるまでもなく、赤ア先生、天野先生は、強い絆で結ばれた師弟関係のもと、青色発光ダイオードLEDの高輝度化に必要となる窒化ガリウムの「高品質単結晶」を実現し、これをもとに、産学連携による実用化に向けた研究を行い、20世紀中は実現不可能と言われた青色LEDの発明に成功いたしました。
 本県を拠点といたしました長年の研究活動の成果によりまして、ノーベル物理学賞を受賞し、「愛知」の学術研究レベルの高さを広く知らしめ、新たな産業と雇用の創出に貢献するとともに、多くの後進を育成するなど、本県の発展に大きく貢献されておりまして、「愛知県名誉県民」の称号を贈らせていただくに相応しい方々だと思っております。
 議案として提案し、できるだけ早くこのお二人に称号を贈らせていただきたいと思いますが、その場合に、カキツバタをモチーフにいたしました尾張七宝焼のメダルも贈らせていただきますので、それの作製に数か月かかります。議案の議決をいただいてから作製をし、そしてまた顕彰をさせていただくと。4年前は県庁講堂でさせていただきましたが、そういった形で進めていければと思っております。
 なお、つけ加えて申し上げますと、愛知県名誉県民の選考基準ということでございますが、もちろん色々ありますが、一つは愛知県が活動の基盤であるということと、その活動に対する国内的・国際的な評価が非常に高いということ。そうした功績が本県の発展に大きく寄与するものであったこと、そしてその存在と活動が広く知られており、まさに県民の誇りとなる方々だということなどを基準といたしまして、選考をさせていただくということでございます。愛知県の発展に卓絶した功績、それから県民の敬愛を受ける方ということでございます。
 このお二人は愛知県を拠点とした長年の研究活動の成果ということでノーベル物理学賞を受賞されました。名古屋大学、名城大学で研究を重ねられ、そして豊田合成さんとの共同研究などで大きな成果を上げられたわけでございまして、愛知の学術研究レベルの高さを広く知らしめ、新たな産業と雇用の創出に貢献をされた。そして多くの後進を育成されたということでございます。
 青色LEDにつきましては、私があえて申し上げるまでもありませんが、寿命が長く消費電力が少ないということで、照明、液晶テレビ、スマートフォンといった身近な電気製品から、野菜栽培、医療用検査機器など、多分野に活用が広がっているわけでございます。
 そして、独立行政法人科学技術振興機構の調査結果によりますと、例えば豊田合成のLED応用製品の売り上げは、1997年から2005年まで総額3兆6,000億円に上りまして、それによりまして約3万2,000人の雇用を創出したと、そういった調査結果報告が出ております。まさに産業の振興、雇用の創出に大きく貢献していただいたということでございまして、名誉県民の称号に相応しいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
  
(2)

2015年ミラノ国際博覧会愛知県・名古屋市参加催事「あいち・なごやフェアinミラノ」の催事内容について

【知事】  2015年ミラノ国際博覧会愛知県・名古屋市参加催事「あいち・なごやフェアinミラノ」についてご報告をいたします。
 来る8月、ミラノ万博日本館のイベント広場催事に名古屋市と共同で参加をいたしまして、「あいち・なごやフェアinミラノ」を開催いたします。今回、日本館事務局との協議が完了いたしまして、催事の内容が決まりましたので、発表いたします。
 5月1日に開幕したミラノ万博につきましては、10月末日までの6か月間にわたる会期中、ヨーロッパを中心に世界中から2,000万人の来場者が見込まれております。この機会に、「なごやめし」を始めとする本県のユニークな食、バラエティ豊かな伝統・現代文化、世界有数の産業集積など、愛知・名古屋の魅力を世界中に向けてPRするとともに、2005年の愛知万博のホスト、開催地といたしまして、万博を契機とする環境保全に関する様々な取組もアピールをしてまいります。
 その催事内容でございますが、大きく3つの柱で構成をいたしております。
 1つ目の柱が、「なごやめし」を始めとするユニークな食文化を来場者の方々に紹介するワークショップでございます。日本館フードコートに参加する愛知県内の企業でありますCoCo壱番屋とサガミさんのご協力をいただいて、試食を提供するほか、「豊川いなり寿司で豊川市をもりあげ隊」様にもご参加をいただき、きしめん、天むす、豊川いなり寿司、カレー、手羽先、赤だしを実際に提供し、味わっていただきます。また、西尾市さんの協力をいただいて、「ミラノ大茶会」の開催も予定をいたしております。また、これらのワークショップでは、瀬戸焼、常滑焼の器で食品を提供し、この地域が世界に誇る焼き物もPRをする予定でございます。
 2つ目の柱は、愛知・名古屋を広く紹介するステージイベントでございまして、名古屋おもてなし武将隊と忍者&ぽぷかるちゃんといった、海外において大人気のサムライとニンジャ、コスプレイヤーによるステージを通じて、この地域の伝統文化、現代文化を紹介いたします。
 ステージイベントには、昨年公募いたしました12組の県民・市民の方々にご参加をいただきまして、日頃から磨きをかけている日本舞踊、楽器演奏などをご披露いただいて、本県の伝統・芸術・文化を広く世界に向けてアピールしていきたいと考えております。
 3つ目の柱が、映像の放映でございまして、3本の映像によりまして、この地域の産業集積と文化、風土と食を紹介するほか、「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」や「ESDユネスコ世界会議」の開催支援など、「環境首都あいち」をめざす様々な取組のアピールをしてまいります。
 映像は今回ミラノ万博向けに新たに制作したものでございまして、愛知万博におけるリユース、リデュース、リサイクル、再生可能エネルギー、環境に優しい新技術の導入といったものなどを映像記録で紹介しながら、環境への取組も発表させていただければと思っております。
 なお、このほか、前夜祭といたしましてレセプションを開催いたしまして、イタリアの食品関係の報道関係者及び旅行代理店関係者の方々になごやめしなどを紹介したいと思っております。
 以上、紹介いたしましたとおり、愛知・名古屋のミラノ万博への共同出展におきましては、バラエティ豊かな催事を展開いたしますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思っております。今年は愛知万博10周年ということでございますので、2005年が愛知万博で、2010年が上海、そしてまた2015年がミラノということでありますので、万博のホストとして、しっかりとアピールをしていければと思っております。
 なお、その次に資料がありますから、またご覧をいただければと思いますが、こういった食を提供させていただくということ。そして、その資料の、この食の裏の方に12組団体の皆様もそこに掲載させていただいておりますので、またご覧をいただければと思っております。
     
2.

質疑応答

(1)

愛知県名誉県民の候補者について

【記者】  名誉県民の顕彰式については、いつ頃を考えていますか。
【知事】  今回議会でご議決をいただけましたら、その後、カキツバタをモチーフにしたメダルをつくります。4年前もお示ししておりますので、またご覧いただければと思いますが、それに数か月かかりますので、秋と考えていただければいいと思います。
(2)

新城市新庁舎建設における現計画の見直しを問う住民投票の結果について

【記者】  昨日、新城市で行われた新庁舎建設の現計画見直しを問う住民投票の結果について、知事の所感をお願いします。
【知事】  この間の大阪の住民投票に続いてといいますか、私どもの近くでは、この新城市の庁舎についての住民投票という形で昨日ありました。こういった住民投票というのは、地域の民主主義の一つの大きなツールといいますか手段でありますから、どういう形になっていくかということを、私も関心を持って注視をしておりました。
 結果は、できるだけコンパクトにという見直しが、票数でいえば結構大きな差でそちらの方に軍配が上がったということでございまして、私も、その結果は率直に受けとめるということだと思っております。
 今後は、この住民投票の結果を受けて、新城市長さん、新城市さん、そしてまた新城市議会さんがどういうふうに進めていかれるかということだと思いますので、その進め方などは注視をしていきたいと思います。
 いずれにしても、こういった形で住民、市民の方々が直接意思表示をされるというのは、どういう案件で、どういう形であったとしても、私は大変意義のあることだと思っておりますので、今回の結果というよりも、今回の住民投票自体、こういう形にまで取り組まれた関係の皆様には敬意を表したいと思っております。今後どうされるかは、新城市さん、議会さん、そして新城市民の皆様が、十分この結果を踏まえてお考えをいただければと思っております。
(3)

特定の民族を排外する団体によるデモ等について

【記者】  昨日、大須周辺で、特定の民族を厳しく排外する団体によるパレードが行われました。一方、それに反対するグループがそのデモに強く反発し、大須周辺が一時騒然となることがありました。
【知事】  私は前も申し上げたこともあるかという感じはいたしますが、こうした特定の方々に対することを一方的に誹謗中傷するような、いわゆるヘイトスピーチというのは、私は表現の自由を超えていると思いますね。特定の方々の基本的人権をじゅうりんするような、そういった誹謗中傷を一方的に行うというのは、私は表現の自由を逸脱していると思いますから、こうしたいわゆるヘイトスピーチというのは規制されてしかるべきだと私は思います。
 ただ、これが数年前から話題になっていたときに、愛知県とか名古屋市で状況はどうだということは関係の部局などで調査いたしましたが、ここではそういった動きはあまりないということなので、静観といいますか、ないのにあまり声高に言うと、また呼び寄せてもいけないのでね。静観というか、注視をしておりましたけれども、今回こういう形で、規模はそんなに大きくなかったとは聞いておりますが、名古屋でも行われたということは大変残念ですね。今後の動向をよくよく注視しながら、関係の方々には、それぞれの方々がそういうご主張を持っておられるなら、それはそれで自分たちの色々な形で表現されればいいんだと思いますが、こういう形で街を練り歩くという形のことまでは、私はいかがなものかと思いますね。
 この特定の方々の基本的人権を尊重しないような形の、いわゆるヘイトスピーチというのは、もう一回申し上げますが、私は表現の自由を逸脱していると思っておりますから、そういった形でのやり方はやめていただきたいと思いますし、規制されてしかるべきだと思っています。
【記者】   今国会において、ヘイトスピーチを規制するために、しかるべき対策を自治体が取るよう義務付ける法律をつくるべきだという基本法の法案が、参議院で野党議員から提出されています。さらに、大阪市では、現行の制度の下で自治体としてヘイトスピーチ対策を何かできないかということで、先週、条例案が出されました。知事として、今回の国会での新法をつくろうという動きに対して、何かお考えがあればお願いします。また、現行の体制下で、愛知県として近く条例案を提出するお考えがあればお願いします。
【知事】  国会でそういった形での法制度の議論がされるということは、私は大変結構なことだと思いますから、十分議論していただければと。それは国会での議論の中でのことだと思いますから、それは十分注視をしていきたいと思っております。
 もう一つ、こちらではどうかということでありますが、先ほど申し上げましたように、東京などに比べまして、はっきり言って、そんな大きな、そんなたくさんの動きがあるということではありませんので、そういう意味では今後状況を注視していきたいと。今の段階はそういうことだと思います。
 今申し上げましたように、表現の自由と基本的人権の尊重ということとの比較衡量だと思うんですね。そういう意味では私は特定の方々の基本的人権を認めない、じゅうりんするような、そういったことを殊更にやるというのは、私は表現の自由を逸脱して規制されてしかるべきだと申し上げましたが、それはそれとして、本当に実際に規制をかける場合は、やはり表現の自由について、私はそこの規制は慎重に対応しなきゃいけないと思いますので、そういう意味では今の現状からして、愛知県の現状がそこまで一気にここで踏み込むところまではまだまだいっていないというのではないかと。東京とかに比べればですよ。私は、やっぱり表現の自由に関係することは慎重の上にも慎重を期するということがあるべきだと思っておりますから、そういう状況も両々にらみながら注視をしていく必要があることだと思っています。
 
(4)

プレミアム付き商品券について

【記者】  プレミアム付き商品券について、愛知県内でも間もなく販売を始める自治体があると思います。一部にはばらまきだという指摘もあると思いますが、改めて、この政策についての知事の評価をお願いします。
【知事】  基本的に愛知県内54市町村全てのところがプレミアム商品券を発行されるということで、あれは2割増しのプレミアム付きですよね。県にも商店街振興の、商業振興の交付金は何十億円か来ますので、それを基本的にはプレミアム商品券の、プレミアム部分の上乗せじゃなくて、額をプラスするということでお使いいただくということに何十億円かな、一番たくさん出すということ、ほとんど出すのかな、ということになろうかと思います。我々もそれをプッシュし、共同事業に近いような形でやるということで取り組んでおります。
 様々なご意見はあろうかと思いますが、国の施策として商店街振興、商業振興というので2,500億円の交付金をつくったと。これは昨年の消費税の増税の後、やはり国内の消費が、反動減を差し引いてもまだまだ十分回復していないという状況を踏まえての対策だと思っております。そういう意味では、国が全体のオールジャパンでやっていく中で、この愛知も全国3番目の商業売り上げがある地域ですから、やはりここの消費、商業を盛り上げるということも、この中部地域の盛り上げ、そして日本の経済の盛り上げに寄与することにつながりますので、そこは粛々とといいますか、こういうときに粛々とというのは使っていいんじゃないかと思いますけど、きっちりと粛々とやっていくということだと思っています。