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平成27年10月26日(月) 午前10時
1.

知事発言

(1)

知事の東南アジア渡航の成果について

【知事】  皆さん、おはようございます。10月26日月曜日の定例記者会見を始めさせていただきます。
 私の先週の東南アジアへの渡航の成果につきましてご報告させていただきます。
 既に毎日毎日、レポートと写真でご報告いたしておりますので、もう既にご案内でありますが、改めてまとめてご報告させていただきたいと思います。
 10月18日の日曜日から24日の土曜日まで1週間、インドネシアとシンガポールを訪問してまいりました。今回の渡航では、県議会の岩村海外重要課題調査団団長を始め県議会議員の皆様、そしてインドネシアのジャカルタにおきましては、三田中部経済連合会会長、名古屋商工会議所の立花・佐伯両副会頭始め経済界の方々にもご同行いただきました。県内の旅行事業者や食品事業者の方々などにも一連の行事にご参加いただきまして、総勢70名に上る大訪問団で、本県の魅力を伝え、交流を深めてまいりました。
 まず、19日月曜日の午前中には、経済界の皆様とともにガルーダ・インドネシア航空の本社に参りまして、エアポートセールスを実施し、中部−ジャカルタの直行便の就航を要請いたしました。アリフ・ウィボウォCEOからは、機材投入予定や、それに伴う日本を含む中距離路線を増やす考えを伺い、中部路線についても、来年以降の就航について早期に検討することをお約束いただきました。
 次に、午後はインドネシア政府の投資調整庁を訪問し、フランキー・シバラニ長官と面談いたしました。投資に係る許認可事務の簡素化、相談対応の充実など、本県企業の進出に係る投資環境の改善に向けた支援をお願いいたしました。シバラニ長官からは、愛知県からの進出企業に対する支援を行いたい、また、できれば来年の早い時期に愛知県を訪問し、県内の企業との意見交換をしたいとの発言があり、今後も両地域の交流を深めていくことを相互に確認いたしました。
 続いて、副大統領府におきまして、ユスフ・カッラ副大統領と面談いたしました。カッラ副大統領は、インドネシア最大政党のゴルカル党の総裁も務められ、その前のユドヨノ政権の前半に副大統領を歴任し、ジョコ・ウィドド政権におきましても副大統領を務める大物の政治家でございます。
 私からは、本県から164社217拠点の企業が進出し活動しており、さらに両者の間でウィン・ウィンの関係が築けるように、インフラ整備や投資環境の整備をお願いいたしました。また、ガルーダ・インドネシア航空による中部−ジャカルタ便の直行便も要請いたしました。カッラ副大統領からは、インフラの着実な整備と投資環境についても日本の企業の要請に応えるとともに、ガルーダ・インドネシア航空についても、CEOを自分が呼んで直接話をしたいと、自分から言うと、ここに呼んで直接言うからということを言っていただきました。会談後はマスメディアからの取材も受けました。
 ユスフ・カッラ副大統領は、8、9年前になるかな、2回ぐらい日本に来ていると思います。小泉政権のときに来て、確か自民党本部で私もお迎えした覚えがあります。この方、スラウェシ島の東の方の出身の、財閥の出身の方で、貿易の会社もやり、製造業もやっておられて、確かトヨタの車も商いしているというようなことを聞きましたけどね。いずれにしても、そういった形で歓待をいただきました。
 また、この日の夕刻は、経済交流会を開催いたしました。インドネシア政府、現地の日本政府機関、インドネシア経済界、そして本県からインドネシアへ進出しておられる企業など、各方面から多くの皆様をお招きし、両地域の友好関係を深め、経済交流の拡大につなげる機会といたしました。
 翌20日火曜日は、午前中にインドネシア政府のダルミン経済担当調整大臣、そしてトーマス・レンボン商業大臣と面談いたしました。
 このダルミン大臣は経済閣僚のトップでありまして、ジョコ政権NO.3でありますけれども、、今回の訪問をきっかけとし、本県とインドネシアで経済交流が拡大するよう、両者の間で覚書、MOUですね、Memorandum of Understandingでありますけど、MOUを結ぶことを提案したところ、ぜひそうしようということを言っていただきました。関係を深めていくことで一致したわけでございます。
 この経済調整担当府の次官という方が名古屋大学の大学院出身の方でありまして、このダルミン大臣のもとで、彼とうちの事務方で相談させてもらいたいと言ったら、ぜひぜひそうしようという話になりました。ということでございます。
 それから、トーマス・レンボン商業大臣は、本県企業の海外事業活動に係る貿易手続きの簡素化、合理化について支援をお願いし、レンボン大臣からは、手が付けられるものから迅速に対応していくとのご発言をいただくとともに、今後も両地域の関係を強化していくことを相互に確認いたしました。
 また、20日火曜日の午後は、本県を始めとする中部地域への観光客誘致を促進するため、本県と昇龍道プロジェクト推進協議会との合同で、インドネシアの旅行会社を対象に観光説明会を開催し、本県の観光魅力をPRするとともに、一緒に渡航した本県の観光事業者との商談会を開催いたしました。昇龍道ミッション参加者76名に加えまして、インドネシア側は、現地の旅行会社35社76名が参加し、商談会では、本県から参加した観光事業者19団体26名との間で、当地域の観光地やグルメ、ショッピングなどを組み込んだ旅行商品の造成に向けまして活発な商談が行われました。
 続いて、イグナシウス・ジョナン運輸大臣との面談では、ガルーダ・インドネシア航空による中部−ジャカルタの直行便就航実現に対する協力依頼と、MRJの紹介をさせていただきました。イグナシウス・ジョナン大臣から、ガルーダ・インドネシア航空の就航に向けた支援や、MRJのプロモーションの際に大臣から航空会社に声をかけていただけるなど、協力について発言をいただきました。
 ジャカルタでの最終日の21日には、まずインドネシア最大のBtoB展示会「トレード・エクスポ・インドネシア」を視察し、開幕式に参加いたしました。開幕式には、ジョコ大統領も参加されるなど盛大に行われ、インドネシアのこれからのビジネスの発展を肌で感じてまいりました。
 続いて、午後には、サレ・フシン工業大臣と面談をいたしました。今後も製造業を中心とした本県企業のインドネシアへの進出が見込まれることから、道路、港湾、鉄道などのインフラ整備や、様々な規制緩和への取組をお願いいたしました。フシン大臣からは、本県の自動車大手企業が多数進出していることへの感謝の意が示されたほか、港湾、道路等の整備とともに、工業団地の開発を推し進めていくとの発言があり、今後も両地域の関係を強化していくことを確認したわけでございます。
 22日木曜日は、愛知県立大学の高島学長と共に、ジョグジャカルタにあるガジャマダ大学を訪問し、ドゥイコリタ・カルナワティ学長と面談いたしました。私が、ガジャマダ大学の学生を対象に、本県の産業力を始めとする様々な魅力について講演し、本県に対する認識を深めてまいりました。当初、席を200席用意いたしましたが、立ち見が出るほどの盛況ぶりでありまして、これをきっかけに、将来、本県とインドネシアとの架け橋となるような人材に育っていただきたいと思っております。
 23日金曜日にはシンガポールへ移動いたしまして、ASEAN最大の日本食商談会「Oishii Japan」の会場で出展商品のPRを行ってまいりました。会場は多くの来場者等で賑わっており、柿などの県産農林水産物や、きしめん等の加工食品の試食を勧めながらPRを行いましたが、バイヤーからの反応も非常に良く、本県産品の魅力を十分感じていただけたものと考えております。今回の成果が品質の高い本県産品の継続的な輸出につながるよう期待をいたしております。
 22日、23日、24日の3日間「Oishii Japan」が開かれまして、愛知県内からは12の企業、団体が出ましたけれども、この商談会では、商談件数が全部で163件、商談継続が77件ということで報告が上がってきております。現地バイヤーから評価が高かったものは、日本の卵、生で食える卵と、これは既に現地で売っているんですけど、あと抹茶製品全般、抹茶そのものの知名度は上がっていると、認知度が上がっているということで、これは非常に評価が高かったと聞いております。抹茶など、特に健康を意識した商品への関心が高いということを聞いております。
 それはそうですよね、シンガポールの1人当たりGDPは5万6,000ドルを超えていまして、アジアナンバーワン。日本の1人当たりGDPは3万7,000ドルぐらいですからね。愛知県の1人当たりGDPが4万7,000ドルだから、5万6,000ドルというのは、愛知県よりも金持ちだということですから、健康志向はあるのではないでしょうか。
 最後、今回の訪問では、カッラ副大統領始め、インドネシア政府の多くの閣僚の方々と経済面を中心に意見交換してまいりました。これを契機として、日本の産業首都である愛知と、人口2億5,000万人で経済成長を続けるインドネシアの両者でウィン・ウィンの関係を築いていきたいと思います。今後も地域を挙げて、インドネシアを始め東南アジア地域との交流を推進し、成長著しいアジアの活力の取り込みにつなげてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

  
(2)

旭化成建材(株)が杭工事を施工した愛知県発注工事及び施設について

【知事】  旭化成建材が杭工事を施工した愛知県発注工事及び施設についてご報告をさせていただきます。
 今回の旭化成建材株式会社による、杭工事のデータ改ざんについては、日々の生活の基盤である建築物の安全性を、まさに根本から揺るがす重大な問題であります。トップ企業と聞いておりますが、業界大手と言われる業者の手による工事であったことが、建築物の安全確保に対する信頼を大きく失墜させる事態になっていると認識いたしております。
 先週22日木曜日に公表されました旭化成建材株式会社による「過去10年間の杭工事実績」では、横浜のマンションを担当した者が関与した件数が、全国の中でこの本県が最も多いと発表されました。全くの想定外でありまして、驚き以上の何ものでもありません。そして極めて遺憾であります。
 先週23日金曜日に、建築局長から、本県発注工事が1件含まれていることを発表させていただきました。そして、その日の夕刻に、国土交通省の指導があり、旭化成建材から工事の元請建設会社に対して、横浜物件の担当者が関与したかどうかも含めて、対象物件の情報を通知することとなったと聞いております。その後、旭化成建材からは、元請建設会社宛て、25日、昨日の夕方に、東京から速達による通知を発送したとの情報を得たところでありますが、現在のところ、未だ届いたとの情報は入っていないというのが今日までの経過ということでございます。
 これも旭化成建材から情報があったというわけではなくて、建築局長から報告したとおりですが、私どもの県庁が過去10年間に各部局で建築工事をやったものを全部調べて、この横浜と同じような杭打ち工事がなかったかどうかを調べたところ、1件あったということで、それを旭化成建材にこれかと、これは当たるのかとこちらから聞いたところ、そうだという回答があったと。3,040件でしたか、そのうちの一つだということでございました。向こうからの情報提供ではないということも含めて、こういう状態も極めて遺憾だと思っております。
 そして、23日の金曜日の午前に建築局長からこういう物件があったということを報告し、そしてそれを現地調査したところ、安全であると。機械でも、水平かどうか調べたところ、水平であり問題ないということを発表いたしましたが、その後、杭打ちが支持層にちゃんと届いているか、そのときの関係書類でデータを確認しました。電流とか電気を通して当時調べたところ、支持層に全部届いているということで、そしてデータも改ざんの跡はないということも含めて、23日金曜日の夜7時頃ですか、これは安全だと判断できるということで発表させていただいたところでございます。
 そういったことがこれまでの経過でございますが、そこで、改めて本県発注の工事について、先週の段階では、施設名の公表は控える旨の発表させていただいたところでありますが、県民の皆様の不安の払拭、いわゆる県有施設がたくさんありますので、一体我々が使っているものが当たるのかどうかというご不安、そうしたものを払拭するという観点、そして、ただいま申し上げましたように、現地調査の結果、そして関係書類の調査により、この施設が安全であると判断できることから、本日、私からその施設名を公表させていただきたいと思います。
 対象工事は、平成17年度に実施されました「常滑地区(常滑北)高校校舎建築工事」でありまして、施設名称は「県立常滑高等学校実習棟」であります。この建物につきましては、建築局長が発表したとおり、現地調査の結果、傾斜などの不具合が発生していないということ、そして杭工事関係書類を調査したところ、データの改ざんの形跡は見受けられず、適切な施工がなされていると判断でき、安全であると判断できたことから、引き続き使用は継続いたします。
 施設名称の公表により不安に思われる生徒さんや保護者の方々に対しましては、この後、学校長から、以上の理由で安全と判断できる旨を詳しく伝えていくことといたしております。
 この学校は、資料はこちらのとおりでございまして、愛知県立常滑高等学校及び実習棟の概要についてということでございます。常滑高校は、沿革は、昭和23年に常滑工業高校と常滑高校が統合して常滑高等学校になり、昭和51年に普通科を常滑北高校として分離いたしましたが、また平成18年に常滑北高校と再統合し、現在の愛知県立常滑高等学校となっております。今回の校舎は、常滑北高等学校の校舎に常滑高校がまた一緒になってということでございますので、もともとは常滑北高校、そこが統合して常滑高校になって、この実習棟を平成17年度、平成18年2月に竣工いたしております。
 鉄筋コンクリート造りの2階建てでございまして、建築面積は延べ床1,760平米でございまして、利用の形態は、1階の諸室は主にセラミックアーツ科の2・3年生、2階の諸室はクリエイティブデザイン科の2・3年生ということで、伝統陶芸、木材加工品、クラフトデザイン、デザインの実習室といったものということでございます。
 これも建築局長から話があったと思いますが、現地調査をし、目視と、あと機械で水平かどうかを確認して水平であるということ。それから、支持層は横浜のような波を打っているものじゃなくて、山からすーっと海の方に行く単調なと言いますか、一方的に傾斜をする、そういう単純な支持層でありまして、この杭打ち前に多数の試掘掘りを行っておりまして、支持層は確認しております。そのデータは、杭を打ったときにちゃんと杭が支持層に当たりますと、この打つときに電圧がというか、電気、電流がグッと上がりますので、それが全部確認されている。そして、当時の関係書類によってデータ改ざんの形跡は見られていないということから、これはちゃんときちっと支持層に当たっているということが関係書類からも判断できたということでございまして、ということでこれは安全であると判断できるということでございます。施設の概要はそういう状況になっております。
 一方、本県には横浜物件の担当者が関与した工事が23件あると公表され、愛知県内での件数が全国で最も多くなっているわけでございます。こうしたことから旭化成建材には、本県での調査を最優先に実施し、安全性の確認を行うよう求めるとともに、県民の不安を払拭するため、これら23件の調査結果について速やかに提供するように求めていきたいと思います。
 そして、これまで本県からは、旭化成建材に対して速やかな情報提供を求めてまいりましたが、ほとんど情報が得られず、こうした不誠実な対応には深い憤りを覚えるわけでございます。この1件が当たるかどうかについても、旭化成建材からの情報提供ではなくて、我々が調べたところ、こうではないかということで確認したところ、そうだという返事があり、そして我々自身、現地の確認をし、現地調査を行い、そして資料も全部調べて、これは問題ない、安全だということも判断させていただいたということでありますが、これに至るまで、旭化成建材からは一切の情報提供がないわけでありまして、こうした不誠実な対応で、その一方、数字だけ一方的に発表するというやり方については極めて強い憤りというか、怒りを覚えます。極めて遺憾だと、これが社会的責任を持った名だたる企業のやることかと思えてなりません。
 これは、全国からもそういった声が上がっていると思いますが、私ども極めて遺憾でございます。早急に誠実な対応をしていただきたい。そのことを強く申し上げたいと思います。
 あわせて、全国的にこれだけ広がりを持った話でありますから、国、国土交通省には、これまで以上に強力なリーダーシップを発揮し、きちっと指導していただきたいと思っております。国、県内市町村などとも連携し、一刻も早く県民の安全安心を確保すべく、県として的確に対応してまいりたいと考えております。
 県内市町村も、該当するところがあると言われたところは大変苦慮していると思いますので、そういった市町村の皆さんとも情報共有しながら、県民の皆さんの不安を払拭するように適切に、そして迅速に対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  
(3)

知事の日本外国特派員協会における「愛知の魅力」のアピールについて

【知事】  知事の日本外国特派員協会における「愛知の魅力」アピールについてということでございます。
 この度、愛知県の世界的な知名度の向上と、国内外からの一層の誘客促進を図るため、世界にニュースを発信している公益社団法人日本外国特派員協会におきまして、11月6日金曜日午後6時から、愛知の観光プロモーションを行います。午後6時20分からは、私自身が記者会見を行い、日本一の技術や伝統ある愛知の魅力を、世界に向けてアピールしてまいります。
 記者会見後のレセプションでは、愛知県日本調理師技能士会会長であり、四条流包丁儀式第16代家元でもあります入口修三氏に、料理の監修をしていただきます。ひつまぶしや手羽先などのなごやめしを始め、知多牛、名古屋コーチン、西尾の抹茶等愛知の食材を使用した愛知のグルメの試食を行うとともに、愛知の地酒などの試飲も行います。
 レセプションでは、ラジオDJでタレントのクリス・グレン氏が司会進行を務め、武将隊、忍者隊のステージイベント、からくり人形師、9代目玉屋庄兵衛氏によるからくり人形の実演、甲冑試着体験、有松・鳴海絞の実演などにより、外国特派員の方々に愛知の魅力を丸ごと体験していただきます。
 なお、この11月6日の正午に愛媛県が、「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」をキャッチコピーに、有楽町駅前広場で開催する物産観光PRイベントに、愛知県も協力して参加いたします。こういうキャッチコピーのイベントを愛媛県がやりたいので、大村知事も出て一緒にやってほしいと言われて、うちの事務方は断ろうと言ったんですが、そういうのを断るような大人げないことをしちゃいかんと、いいじゃないかということで、私も出て、出る以上は色々、武将隊とか忍者隊とか連れていくということで、資料を見ていただきますと、あわせてタレントでは愛知県出身のスギちゃんが出て、愛媛県は日本エレキテル連合が出てやるということでありますので、またそういった形でも、お互いに掛け合いをやりながらPRするというのはいいことではないかと思いますので、やっていきたいと思っております。
 私もオープニングステージに駆けつけて、愛知の魅力をPRいたしますので、何とぞよろしくお願いいたします。
             
2.

質疑応答

(1)

旭化成建材(株)が杭工事を施工した愛知県発注工事及び施設について

【記者】  旭化成建材(株)による杭工事の公表について、国や市町村とも連携したいとのことですが、市町村の発注した工事に関しては各市町村が各々で発表しています。少なくとも県内の公共施設に関して、県で情報を集約するという考え方はありますか。   
【知事】  これは、愛知県内に、横浜のマンションの担当者がやったのは23件と発表されていますから、そのデータをこちらにいただけると。それが昨日発送した中にあるのかどうか、どういう情報なのかわかりませんが、まずそういうものがあれば、県内のものを全部我々に一括していただけるのかどうか、それとも県内市町村にそれぞれ行くのか。まずは元請の建設会社へ行くんでしょうから。建設会社にはすぐ報告してくださいよということを言ってありますから我々のところには来ると思いますが、市町村のところまで行くかどうかわかりませんので、我々のところに来れば、直ちにそれは市町村へ連絡させていただきたいと思いますし、そういった意味では、しっかり連絡は密にしていきたいと思っております。市町村にあれば、必ず我々の方にもいただけるようには言ってありますので、そういったことは形にはなってくると思います。
 いずれにしても、どういう情報が来るのか全く何の情報もありません。本当にこんなことは、めったにありませんので、正直言って当惑しているという状態ですが、来た情報は市町村の皆さんとしっかりと共有しながら、認識しながら、県内の情報については、一括して把握していきたいと思っております。
【記者】  民間業者のマンション等についても同様に把握していくということですか。
【知事】  それはわかりません。旭化成建材から元請建設会社に行ったものが、県有施設であれば、発注者が我々ですから、発注者に対する報告ということで、施工者の責任として建設会社さんは我々に報告していただけることになると思います。
 民間事業者、民間の例えばマンションとか民間の工場とかいった場合は、それは建設会社は、発注者、御施主さんですから、そちらの方に報告する義務はあるけど、我々に持ってくる、それはありませんからね。ですから、どういうふうな形の情報提供になるのか、それはこれからの話だろうと思います。
 ただ、県有施設とか公共施設についてはやはり、特に性格上、不特定多数の方が使われる可能性が高いものが多いはずですから、それはしっかりと把握していきたいと思っております。
【記者】  県立常滑高等学校の杭工事については、愛知県としてはデータ改ざんは無いと判断されたということですが、横浜のマンションでは、巧妙な改ざんがされています。改ざんがなかったと考えていいですか。
【知事】  一つはまずは現場を目視し、そして機械で見て水平であると、現状異状は全く見られないということがまずあります。データとしては非常になだらかに下っている単純な地層であるということ、そこに対してきちっと杭が打たれているというデータがあるということでありまして、その書類そのものを見た上で、改ざんといった形跡はないということであります。
 確かに言われるように、それまで全部でっち上げていたということであれば、それはわかりませんよ。わからないし、そもそもこれが、この常滑高校のものが23件に当たるかどうかわからないんですから。要は旭化成建材がやったということで3,040件でしたか、その中の一つではありますよということだけであって、23件かどうかはわからないので。そういう意味では、それ以上のことはこれからのデータというか、情報の提供を待ってということになろうかと思います。現段階では何ら問題はないということで、そういうふうに判断をいたしました。
  他にも県施設はたくさんありますから、安全であったと我々が判断できるという以上、それはむしろ言わない方が、他の施設を利用している人に不安が出てしまうのではないかと。それはいかんねということで、今日その発表をすることにしたということでございます。
【記者】  国のリーダーシップを期待するとのことですが、県として調査や指導をする考えはありますか。 
【知事】  まずは、何が該当するのかと、その対象物件になるのかという情報提供も今ありませんので、情報提供を速やかにしてもらいまして、そして適切に対応していきたいと思います。
 まずは、この3,000件の内訳というのを建設会社に、いつ届くかわかりませんが、昨日発送したということですから、早ければ今日届くのかもしれませんが、それをいただいた上で、それがこれに当たると言えば当然直ちにきちっと調べるということ。
 それから、11月13日までに全件を調べて報告しろということになっておりますし、41件の対象案件についてはそれより前に調査して報告しろということになっていますから、それらの情報は、これから順次我々の手に来ると思います。我々の手に来た次第、直ちにこれまで残っている資料、現地確認も含めて詳細に調べていきたいと思っています。 
【記者】  民間のマンションに住んでいる方の中には、非常に不安を持っている方も多いと思います。住民の方の相談への対応など、県としてこれから考えていくことはありますか。 
【知事】  先ほども少し申し上げたかと思いますが、我々には情報が全くありませんので、まずは旭化成建材から元請の建設会社に、これが対象だということが今日か明日にでも届くと思います。愛知県の公共施設については、我々発注者の方に情報があると思います。民間の施設の場合は、民間の発注者の方にあると思います。それをどういう形で集約していくか、これはまだまだこれからの話だろうと思います。
 ただ、民間の施設の場合、愛知県内にあるものの全部の情報を、ここだというものを我々に提供があるのかどうか、まずそれが1点だと思います。それはわかりませんが、もしそれがあるとしても、ただ、やはり民間の施設の場合は、やはりまずは民間の事業者の方がどうするかということが、ここが最優先であります。
 例えばマンションであれば、それはやはり資産価値とか、住んでおられる住民の方に対してどう対応するか。それはやはりマンションの所有者がまずおやりになることでありますので。例えば民間の施設の場合も行政が一方的に公表するとか、そんなことはできませんのでね。権限もなければ、むしろやってはいけないことになろうかと思いますから。
 そこをどうするかは、これは正直言って悩ましい話だろうと思いますが、このことについては、愛知県だけの話ではなくて全国的な話だと思いますので、国の方針がどうなっていくのか、それから県民の皆さんのご意見がどうなのかということも踏まえながら、よくよく関係者と相談をして方針を決めていきたいと思っております。 
【記者】  本日、県有施設の公表をしたタイミングについて教えてください。知事は、安全が確認できたとのことですが、情報は23日の夕方時点と同じだと思います。その時から公表するように要望していましたが、県は公表せず、その理由がいたずらに不安をあおりたくないからという説明でした。本日、情報が更新されていない段階で、判断が大きく変わった理由を教えてください。
【知事】  その時点その時点でベストな判断をしたということでございます。23日金曜日は、県で過去10年間の約950件を全て調べて、こちらの方から、これがそうだろうといって旭化成建材に聞いて、そうだということになったということで、1件あるということを発表した。それで現地確認もして、安全だということなので発表したというのが金曜日の午前11時。そしてさらに書類関係を、当時のデータを全て調べて、杭を打ったときの電気の電圧とか何とか、先ほど私申し上げたようなのを調べて、安全だと判断できた23日の夜7時に発表したということだと思います。
 その上で、現段階では、ここまでは発表できたけれども、それ以上は、いたずらに不安をあおってもいけないということで、その時点ではそういう形で、公表は控えるということで判断をしたということでございます。
 その後、最初旭化成建材は、とにかくまず我々で調査しますということでありましたが、国土交通省が11月13日までに各元請の建設会社に3,000件を全部報告しろということで期限を切って指示をしたというのは、これもあわせて23日でございました。そういう情報が輻輳(ふくそう)的に入ってきた。昨日の25日の夕方、旭化成建材から元請建設会社にそういった通知を発送したという情報が入ったのも昨日でありますが、こういう色々な情報が日々入ってきて、新たな段階に至ってきているということを総合的に踏まえて、これは安全だと判断できるということで、今申し上げましたように、書類関係、データからも安全だということを発表させていただいたのが金曜日の夜7時。土日を挟んで今日、月曜日の朝ですから、そういう形で、これは1件こういうところですと、問題ありませんと、さらに学校長からも生徒さんや保護者の方にしっかり対応させていただくということで、そういう対応を決めて、今朝この時点で発表しているということでありますから、その都度その都度、一番良い方向といいますか、我々としてできる最善の形で対応させていただいているということでございます。 
【記者】  県立常滑高等学校の杭工事については、横浜物件の担当者が関わっているか分からないということですが、豊川市は独自調査により、23日に市有施設に旭化成建材(株)の杭工事が1件あると発表しました。豊川市の説明では、旭化成建材(株)側に「旭化成建材(株)の杭工事を行った豊川市の市有施設はありませんか。また、該当がある場合は、横浜物件の担当者は関わっていますか。」と尋ねたところ、「豊川市のこの市有施設が該当するが、横浜物件の担当者は関わっていません。」との答えを聞いたようです。一方、県は、今の時点で、この1件に関して、横浜物件の担当者が関わっているかどうか分からないと言うのは、他の情報と比べて遅いのではないかという気がしますが、いかがですか。 
【知事】  それはどうしてなんでしょうね。そのあたり聞いてみたら。 
【建築局長】  豊川市に対して、旭化成建材(株)からそういった回答があったことについては、全く知りませんでした。県の方からも、当然、横浜物件の担当者が関与していますかということは聞いていますが、それについてははっきりした回答がなく、今現在、正確な情報が得られていないという、それだけの事実としか言いようがありません。
 いずれにしても、口頭でしかやりとりをしておらず、正式な文書とかそういったものは一切ございませんので、豊川市への回答が本当に正しいのかということなども含めて、昨日発送されたものの、通知された内容をまずは公表させていただくということが一番重要であり、一番正しい情報であると考えております。
【記者】  県立常滑高等学校の杭工事に横浜物件の担当者が関わっているかどうかを、最後に旭化成建材(株)に確認したのはいつですか。
【建築局長】   そのたびごとに確認はしております。昨日の夕方に発送するという情報を、昨日の午前中ぐらいに得ています。 
【知事】  だから、どういう意味の質問かね。意地悪質問をしたいと思ってやっているのでしょうけれども、我々としては、これまで事実関係だけを申し上げているので、旭化成建材に我々から何か案件があるのかと聞いたら、一切教えてもらえない。これがそうかと言ったら、それをまた調べて。 
【建築局長】   問い合わせたら、電話で、口頭でしか回答がない。 
【知事】  電話で口頭で回答があったというだけであって、じゃあ23件と発表したけど、どれが当たるのかと聞いても、何も答えがないと。それは今はお答えできません、ということの対応があったということだけでありますから。それ以上のことがあれば旭化成建材に聞いてください。それ以上我々に聞かれても、答えようがありません。そういう意味では我々も被害者なんですよ。 
【記者】  23日以降に尋ねても、旭化成建材(株)側の回答は、「お答えできない。」ということで、変わらないということでよろしいですか。 
【知事】  もちろん毎日聞いております。 
【記者】  民間のマンションの場合、現段階では県に報告するという仕組みになっていないため、県がどのように情報を集約するかが課題だとのことですが、仮に、県がどの施設であるか分かった場合、物件名は公表しないにしても、例えば、自治体名を公表するお考えはありますか。 
【知事】  まずは、一つ、仮定の話にはお答えしません。現段階でどうするかというか、仮定の話に答えても仕方がないのでお答えできません。
 基本的には、我々は、自分たちが発注している公共的なものは、やはり発注者として、そして所有者、運営者としての責任がありますので、それはしっかりと公表して対応をきちっとやっていきたいと思っております。
 民間の施設については、我々のところに情報が来るということにもなっておりませんし、我々にそこまでの権限がないので、一方的に発表するというのはいかがなものかという気がいたします。いずれにしても、これは愛知県だけ発表してよその県が発表しないとか、逆にそっちが発表してこっちが発表しないとかいうことにならないと思いますから、一義的に全体としてどういうふうに、どういう枠組みというか、どういうふうなやり方でやっていくかということを、これは国がそういう方針を出すのか、国と旭化成が相談してやるのかということだと思いますが、いずれにしても、統一的なやり方が決まって、それに乗ってということになるんだろうと思います。 
【記者】  県立常滑高等学校の杭工事の元請け会社はどこで、旭化成建材(株)は何次下請に入っていますか。 
【建築局長】   平成17年度の県立常滑北高校の校舎増築建築工事についてですが、元請業者は常滑市の東海エコンという会社です。ただ、各社さんが殺到されるような状況になるのは適当ではないと思っています。しばらく待てば情報が入るのかなと思いますので、会社の方へ殺到されることはご遠慮いただきたいなと思っております。
 また、旭化成建材(株)は横浜のマンションと同様に、1社が間に入った上での、2次下請です。
 
(2)

環太平洋パートナーシップ(TPP)に係る農林水産業の競争力強化に向けての県の方針について

【記者】  本日、愛知県のTPP対策本部の第1回会議があり、これから情報収集を進めていくということですが、県内の農林水産業の競争力強化に向けての県としての取組や方針についてはいかがですか。
【知事】  それぞれの品目で、現状と課題、それから今回のTPPで関税撤廃、引き下げになった場合の影響といったものを、十把一絡げというわけにいきませんから、それぞれの品目で、その影響を分析して、そしてその対応、対策をきめ細かくつくっていきたいなと思っております。
 特に先ほどのTPP対策本部でも申し上げましたが、やはり畜産関係が大変大きな影響を受けるのではないかと思いますので、そういったところを重点的に影響を検証し、そして対策をしっかりつくっていきたいと思います。
 これは国も同じでしょうからね。その影響を検証し、そして相当強力な対策をつくってもらう必要があるのではないかと思いますので、そういう対策をつくってもらえればね、我々としては積極的に取り入れていきたいと思っていますし、愛知県は生産県でもありますけれども、それを上回る大消費県でもあります。消費者が身近にいるということは非常に強みなので、そういう意味ではより付加価値の高い農業、畜産、酪農を実現し、近場にいる消費者を味方に付けてやっていける、そういったことをしっかり模索していきたいと思います。
(3)

維新の党の動向について

【記者】  維新の党を巡る動きについて、除名処分となった議員やこの地方の議員が離党するなど色々な動きがありますが、知事は、最近の動きをどのように見ていますか。 
【知事】  維新の党の中での話なので、第三者である私がとやかく言う立場ではないのかもしれませんが、知り合いがたくさんいますので、そういった目から見て、それと双方、何人かには常々話をしておりますのでね、そういったことからして私の第三者としての立場から申し上げるとすれば、昨年の衆議院選挙でも800万票を超える比例票を得て、公明党や共産党さんよりも議席は多いわけですから、それだけ期待があった、期待を受けた政党であります。それがこういう形で、はっきり言って、お互いに言い分はあるのでしょうけれども、ある意味、お互い相手をなじるような形ばっかりが目立って、何というか、言葉で言うと泥仕合みたいな形になって、そして分裂していくというのは、私だけではなくて、見ている国民有権者にとって大変私は印象が悪い。印象だけじゃなくて、実際も、それだけの有権者の支持を得ていて、1年たたずにお互い非難し、なじり合って分裂していくということは、私はいかがなものかと思います。
 この後、このまま突っ込んでいくと法廷闘争になるわけでしょ。私は、それは避けてもらいたいと思います。やはり大人としての対応で、やはりお互い政党人としてやってこられたわけで、ここまでさんざん腹いっぱい言い合ったのでしょうから、お互いが言うことはこのぐらいにして、これ以上一緒にやっていけないということであれば、円満に分党という形の手続をとってやっていく、ということが必要じゃないでしょうか。
 それは色々な会社でも事業でも何でもそうですよ。立ち上げるときも大事だけど、やはりしまうときも大事なんですよ。むしろ戦でも何でも、突っ込むときはあれでも、撤退戦というか、引いていくとき、例えば色々な事業でも、立ち上げるときはエイエイオーで元気いいんですけど、撤退をしたり、しまっていくときは、なかなか元気が出ないけど、大変なんですけど、ここが一番大事なんですよ。
 私はこれを円満にやっていけば、また次にどうするかって、次の展開も出てくると思いますよ。私は、そろそろこれは、はっきり言っていいかげんにして、収めてもらって、円満な解決の方向をお互いが探ってもらうという形にぜひしていただきたい。それは一日も早い方がいいですよ。こんな状態が続くというのは、結局それを見ている国民、有権者にとっても、日本の政治とか国会というのは一体何なんだと、こんなことばっかりやっているのですかと。
 ちょっと話が飛ぶかもしれませんけど、この大事なときに国会も開かないということで、国会も開かずに場外乱闘でこんな非難のし合いばっかりやっている、なじり合いばっかりやっているというのは、国民、有権者にとって非常に見た感じ良くないですよね。
 来年の参議院選挙から選挙権が20歳が18歳になるじゃないですか。若い人たちに政治に参加する機会をもっと増やしていこうと言っているときにですよ、政策の中身の議論、それから日本の行く末の議論ではなくて、お互い同士の非難のし合いだけが延々と続いていくということは、この維新の党の皆さんの国会議員全員の方に、それは橋下さん、松井さんも含めて、これは橋下さんが生んだのだから。橋下さんの一枚看板でここまで来たのですから、橋下さんも、相手がけしからんと言っているだけじゃなくて、やっぱり一枚看板でやってきたという責任が私はあると思いますよ。
 やはり、きれいに最後手じまいしていくという形で、円満な解決をぜひお願いしたいなと思っています。