知事の記者会見
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平成28年11月8日(火) 午前10時

1 知事発言
(1) ポケモンGOの運営会社に対する車両運転中の利用制限の要請について
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/chiikianzen/28pokemon-yousei.html
【知事】 おはようございます。11月8日のですね、火曜日でございますが、昨日は中部圏知事会議でございましたので、1日ずれましたということでございます。よろしくお願いいたします。
 ポケモンGOの運営会社に対する車両運転中の利用制限の要請について申し上げます。
 愛知県では、スマートフォンゲームアプリ「ポケモンGO」が配信された直後の7月25日の定例記者会見で、私から県民の皆様に向けて「ポケモンGOに関するお願い」の文書を配付し、注意喚起をいたしました。
 その県民の皆様へのお願いの中で、車や自転車を運転するときはスマートフォンや携帯電話を手に持っての通話や操作、画面を注視することは法令で禁止されており、絶対に行わないよう呼びかけ、その後も県のホームページなどで注意喚起の強化を行ってまいりました。
 しかしながら、愛知県においては、8月の春日井市内に続いて、10月26日には一宮市内でポケモンGOの操作が原因で2人目の交通死亡事故が発生いたしました。今後同様の痛ましい交通死亡事故を絶対発生させないために、ポケモンGOの運営会社であるナイアンティック米国本社及び日本支社に対しまして、ゲームアプリの安全対策上の措置を要請いたします。
 要請の具体の内容といたしましては、車両運転中に同アプリが起動しない、または操作できないようシステム上の措置を講じること、道路上における「ポケストップ」及び「ポケモンジム」の設定を解除するとともに、ポケモンが出現しないような措置を講じることの2点でございます。
 先日、愛知県警も同様な要望をしておりますが、我々行政としても、二度とこうした事故が起きないようにするため、システム的な対処が欠かせないと考えまして、本日付で要請書を送付することといたしました。
 県といたしましてはこうした対応を要請しながら、自らできることとして、引き続き県のホームページでの広報や交通安全啓発イベント、街頭啓発等様々な機会で啓発チラシを配布するなど、ポケモンGOに関する注意喚起をより一層図り、交通ルール、公共マナーの遵守を広く県民の方に周知をしていきたいと考えております。
 資料はあと御覧いただければと思いますし、今日11月8日付で郵送したいと思います。文書は、資料の2枚目でございまして、今私が申し上げたとおりでありまして、「『Pokemon GO』の運用に関する要請」という形で送らせていただくことといたしております。
 7月25日には、夏休みに入ってすぐでありまして、配信してすぐに、交通ルールと公共マナーをしっかり守っていただきたい。特に車や自転車を運転するときに携帯電話、スマートフォンを持っての通話、操作、画面を注視することは禁止されていると。ゲームをしながらの運転は絶対にやめてくださいということを申し上げております。これはですね、是非やめていただきたいということとあわせてですね、このソフトについても改良、改善をしていただきたいということで要請をするものでございます。
 今回ですね、ポケモンGOに起因する交通事故により全国で3人がこれまでに亡くなっているわけでありますが、そのうち2人が愛知県ということでございまして、これは大変深刻に受けとめております。愛知県内のポケモンGOに係る交通事故は、配信が始まった7月22日から昨日までに7件発生しておりまして、そのうち人身事故が4件で亡くなられた方が2人ということでございまして、大変深刻だというふうに受けとめております。したがってですね、本来これは使用者のマナーといいますか、交通ルールと公共のマナーを守っていただきたいということを申し上げてまいりましたが、それだけでは限界がありまして、ポケモンGOのシステム上の安全対策措置が必要と考えまして、今回要請することといたしました。
 今後ですね、こうした拡張現実の技術を使った社会に影響を与えるゲームが登場してくることは考えられるので、ポケモンGOにとどまらず、マナーとともにシステム的な対応の要請はこれからも必要になってくるんではないかというふうに考えております。したがって、今回文書での要請という形にさせていただきました。
 県警のほうは先週、11月2日と4日、それから一宮市は11月4日金曜日ですか、ということで要請をされておられますが、あわせて私どももですね、システム的な対応を求めるという形で要請をさせていただくことといたしたところでございます。

(2) 第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会の見どころ紹介について
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shogai/23654765787.html
【知事】 12月の第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会までいよいよあと1か月となりました。オープニングを始め詳細が決まってまいりましたので、見どころについて御紹介いたします。
 大会のオープニングは12月の9日。3部構成でありまして、開会式に続く第2部では、リオパラリンピックの閉会式にも出演された義足のプロダンサー大前光市(おおまえこういち)さんのステージもございます。また、第3部は東京藝術大学と愛知県立芸術大学のオーケストラにより、「聞こえる色、見える音」と題して、視覚や聴覚に障害のある方もお楽しみいただけるコンサートを開催いたします。
 大会の見どころでありますが、美術・文芸作品展では、全国から過去最大の約800点が出展される公募作品展とあわせ、紹介作品展として、放浪の画家として有名な山下清(やましたきよし)さんを始め約40名の作家によるバラエティーに富んだ作品を紹介いたします。
 また、愛知県では、先の9月定例県議会で議決をいただいた手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例を制定したところでございますが、大会で制作するPRムービーでは、「騒げ、感性」というコピーを、音声、手話、点字、筆記という四つの方法で表現した場面もございます。さらに、企業と連携した展示では、工事現場で使われる高さ3メートルの仮囲いを使った展示が登場いたします。
 舞台芸術でも、全国公募では想定を大きく上回る60団体の皆様から御応募いただきましたので、想定より会場を増やして、全ての方に発表いただけるようにいたしました。招待公演としてお招きする県内外で活躍するアーティストの皆さんの舞台とあわせて、音楽や語り、人形劇、パフォーマンスなど、多様な舞台・ステージ発表を御覧いただけます。
 このほか、障害のある方を中心に公募で集まった総勢100名以上が出演する大会オリジナルのプロデュース舞台「親指王子」を上演いたします。先日、私も練習会場を訪問し、出演者の皆さんを激励してまいりました。「親指王子」の公演では、出演者の皆さんの生き生きとしたダンスをお楽しみいただけると思います。
 交流イベントでは、クライミング体験やノベルティコンペティション、アートオークション、ロボット展示、トークイベントなど、様々な企画を御用意いたしておりますので、また大会オリジナルスイーツも用意いたしましたので、観覧の途中の一休みにお楽しみいただければと思います。
 詳細はお手元にお配りしたリーフレット、ホームページで御案内をしてまいりますが、このリーフレットの表紙を開いたページには、大会のコピー「騒げ、感性」、これですね、をイメージした写真、更に開いたページは、大会を街なかで展開することをデザインしたものとなっております。こういうことですね。このリーフレットを使って大会の楽しさをPRしていきたいというふうに思っております。
 障害のある方の芸術活動については、東京オリンピック・パラリンピックに向けて注目も高まっております。12月の大会に向けてしっかりと準備を進め、2016年、芸術・アートの年の最後を飾る全国障害者芸術・文化祭あいち大会を盛り上げていきたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
 2枚目以降は資料でございまして、裏表御覧をいただき、またこの資料も御覧いただければというふうに思っております。
 今回の大会はですね、大会の企画準備の段階から、障害のある人やその家族、支援者はもとより、地元の企業や芸術系の大学、福祉団体、学生ボランティアなど、多くの皆さんにかかわっていただいておりまして、大会に広がりが生まれるということと、障害や障害のある人を知るきっかけにもなるのではないかというふうに思っております。
 今回、栄地区6か所での開催という街なかでの展開も特徴の一つでありまして。これまでの過去の大会では大体会場は1、2か所でありまして、今回6か所、栄地区、各会場歩いて回れる範囲でございまして、気軽に買い物や街歩きをしながら大会に御覧いただいたり参加をしていただければと思います。会場をめぐるスタンプラリーも行います。是非楽しみながら参加いただきたいと思います。また、会場間、会場と名古屋駅をつなぐ無料シャトルバスも運行いたしますので、車椅子を使われている方、移動が困難な方もバスを利用して各会場を楽しんでいただきたいと思います。
 来場者数はですね、おおむね3万人程度は何とかと思って見込んでおります。これまでの他の都府県で開催された同日数程度の大会では大体7,000人から2万5,000〜6,000人ということでありますので、過去最大の規模になるのではないかというふうに見込んでおります。また、展示作品数、舞台、ステージ発表数も過去最大規模となる見込みでございます。アート作品が公募で800点、招待が40人、舞台ステージが公募で60団体、招待で10団体でありますから、過去最大。これだけで過去最大であります。
 国民文化祭が12月3日までやっておりますので、そこで大いにPRをしながらですね、盛り上げてきたいと思いますし、「親指王子」という100人以上が参加するプロデュース舞台ですね、障害のある方が展開する舞台については、この11月の19・20日の刈谷での、20日のほうかな、で刈谷での大会でまず第1弾をやると。その後本番、また12月10日に名古屋でやると、こういうことでやっていければというふうに思っております。
 またですね、差別解消推進条例や手話言語・コミュニケーション条例を今年制定いたしましたので、それを踏まえながらですね、会場等でのバリアフリー情報の発信、式典での情報保障、これは手話、要約筆記、映像への字幕、磁気ループ、それから会場への手話通訳者の常駐、それから大会のPRムービーでさっき申し上げた音声、手話、点字、筆記という四つの方法での制作。また、大会ボランティアの皆さんには事前の研修で簡単な手話を覚えていただくという形で活用していただければというふうに思っております。

(3) 「愛知県内一斉ノー残業デー」街頭啓発活動の実施について
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/rodofukushi/wlbaction2016-3.html
【知事】 「愛知県内一斉ノー残業デー」街頭啓発活動の実施についてでございます。
 愛知県、労働団体、経済団体等で構成するあいちワーク・ライフ・バランス推進協議会では、11月第3水曜日の愛知県内一斉ノー残業デーを始めとする定時退社や有給休暇取得促進などの取り組みを呼びかけるあいちワーク・ライフ・バランス推進運動を平成24年度から実施いたしております。
 5年目となる今年度は、運動のスタートを1か月早めて7月1日から展開いたしておりまして、県内一斉ノー残業デーである11月16日には、地域を挙げて定時退社の気運を盛り上げるため、金山総合駅、一宮駅、東岡崎駅、豊橋駅、近鉄蟹江駅の県内5か所で街頭の啓発活動を行います。
 金山総合駅では、朝8時から私が先頭に立って、出勤するサラリーマン、OLの方に直接定時退社について呼びかけをしてまいります。また、今年度は新たに市町村にも呼びかけて、豊田市、安城市、知立市、尾張旭市、岩倉市、北名古屋市でもそれぞれ市内の主要駅におきまして市主催の街頭啓発活動をあわせて実施するなど、運動を県内全域で展開してまいります。
 11月16日はできるだけ多くの皆様に定時退社をしていただいて、家族との団らんや趣味、自己啓発といった有意義な時間を過ごすことで、働き方を見直すきっかけとしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 なお、推進運動の賛同事業所募集は今月末まで実施をいたしておりますので、まだ賛同いただいていない企業の皆様にも是非御参加をいただきたいと思っております。
 ちなみに、11月7日現在、11月16日の県内一斉ノー残業デー賛同事業所数は4,711事業所、4,711事業所ということになっておりますのでですね、まだ今月末までありますので、多くの事業所にまたお手を挙げていただければと思います。
 また、県庁におきましても11月は時間外勤務縮減キャンペーンを展開しておりまして、特に11月16日は県内一斉ノー残業デーに率先して取り組むこととし、各課での退庁の声がけや、人事担当が各所属に出向いて直接職員に呼びかけるなど、定時退庁を徹底していくということでございますので、よろしくお願いをいたします。

2 質疑応答
(1) ポケモンGOの運営会社に対する車両運転中の利用制限の要請について
【質問】 今回は、拡張現実を使ったアプリケーションがこの先社会的な問題になってくるということも懸念してポケモンGOの利用制限を要請されるということですが、そもそもゲームに限らず、他のアプリケーション等においても、移動中に気を取られて事故につながる恐れがありますので、携帯電話キャリアに対して、アプリケーション全般を運転中には使えないようにするような工夫を要請することは考えていないのでしょうか。
【知事】 それも検討に値する課題だと思いますが、現実にそこまでやることが可能かどうかですね、現実に。ですから今回は、まずはですね、このポケモンGOをやりながらですね、運転をし事故が起きてきているという今のこの現実をとらまえてですね、まずはこのポケモンGOの運営会社に対する運転中での起動ができないようなシステム上の対応ということをお願いさせていただいたということでございまして。
 今質問で言われたこともまさにおっしゃるとおりだと思うので、ただ、あまりにもこれは広がりが大きいもんですから、やはりそこは社会的にですね、多くの方々にそこは議論していただきたいということだと思います。ただ、やはり念頭に置いてこれは考えていかなきゃいけない課題であることは間違いないというふうに思います。ですから、多くの方に、有識者の方、関係の方にそういう問題があるよねということはしっかり議論をしていただいてね、よりよい、何といいますか対応策、解決策を見出していただきたいと思います。
 ですから、はっきり言って、運転中とかそういう、特にドライバー、車を運転しているときにそういったことにならないようにしていただくということは、これはもう必要だと、私は必要だと思います。ただ、あまりにも、ポケモンGOだけじゃなくて全部となりますと、あまりにもその広がりが大きいので、そこはやはり関係者と更に議論していただくということではないかというふうに思います。その議論が進んでいくことを期待をいたしたいというふうに思います。

【質問】 ポケモンGOの利用制限の要請について、文書を発出するということですが、ナイアンティック社とこれまでに何らかのやりとりはありますか。
【知事】 接触、この件についてはないな。というか、今までにあれですね、ポケモンGOを活用した山村・離島の魅力体験バスツアーとかやっていましてね、それが結構好評なんであれなんですけれども、そういったところでこういった地域のところに、山村、離島、こういったところにそういったものを増やしてもらうと要請はしているんだな。それはやっているんだけど、要は結局ね、あれなんだ、あまりにもいろいろなところが声がかかってきているので、そういう意味では、接触といってもですね、我々から一方的に連絡しているということですね。どこもそうじゃないでしょうか。

【質問】 新聞原稿の締切りの関係で確認しますが、文書は何時ごろ発出するのですか。
【知事】 会見が終わったらすぐ発出します。発出するというのか、発出したと言ってもいいですけどね。

【質問】 ポケモンGOについて、各方面から利用制限の要請が出ていますが、先方に言うだけになってしまうところが今まであったと思うのですが、結果の部分を担保できるように、言い方を変えるなり、結果を求める何か強いものはないでしょうか。
【知事】 先ほどのあれでちょっと追加いたしますと、今回ですね、ナイアンティック社がこうしたいろんな状態を受けてですね、7日だから昨日か、昨日付で一定速度以上の移動中はゲームに必要な道具を手に入れるポケストップと呼ばれる場所の操作ができなくなるように仕様を変更したということが発表されております。
 ポケモン社によると、10月にも一定の速度を超えて移動する最中はポケモンが現れないように変更しているということなんで、何か一定の速度以上になるとね、そこにポケモンが出てこないとか操作ができなくなるようなことには変更して。ですから、車で運転して一定の速度以上になるとこれは起動しなくなるというふうには変更しているということではありますけれども、ですから、ナイアンティック社とポケモン社もですね、こういったことについてその対応はしてきているということでありますが、ただ、逆に言うと、その一定の速度以上にならなければですね、低速ならばといいますか、要は、たとえ運転してても起動しちゃうんですな。ですから、そこのところを、一定の速度以上は動かないといいますかね、起動しないと、ポケモンは出てこないということにはしたわけですから、それを更に広げてもらってね、改善してもらえればというふうには思いますし、そういうふうなことも含めての要請であるというふうに思っております。
 これはですね、確かに相手方は民間事業者でありますしね、IT空間というサイバー空間全体を相手にして不特定多数、まさに世界中の利用者を相手にするこういった事業者さんですから、我々が一つ一つのところに全部、我々はこう要請したからといって、それに全部応えるということはなかなか、性格上、多分しないんでしょう。きっと難しいということだろうと思いますが、やはり社会的にこういった事件、事故が起きた以上はですね、やっぱりそういった関係者がみんなで声をそろえてね、声を出していくということが大事だと思いますよ。
 ですから、そのことを言って、応えろと言ってもそれはなかなかね、難しいかもしれませんが、とにかくこういったことを要請していくと、要請していくということがやっぱり大事だと思います。そのことで1歩でも2歩でも改善をしていただくということが必要だというふうに思っておりますので、そういう意味も含めてね、今回できるだけ早く、足並みそろえて提案するということにさせていただいたということでございます。

(2) 「愛知県内一斉ノー残業デー」の実施について
【質問】 ノー残業デーに関連して、電通で複数の社員に違法な長時間労働をさせていたとして、昨日、厚生労働省が強制捜査に乗り出し、働き方をめぐる問題が議論になっていますが、知事の所感を教えてください。
【知事】 日本を代表する企業である電通本社及び大阪、名古屋ですか、に労働関係当局が昨日ですね立入調査、強制捜査に入ったということは、大変重いことだと思っております。ですから、昨年亡くなられた方だけではなくてね、ほかにもそういう長時間労働等々が常態化していたということが疑われるのでということでありますから、そこはしっかりと労働基準監督署等々で事実関係を解明していただいて、そういったことが労働関係法規に触れるということがないような、そういったことの改善を是非やっていただきたいというふうに思いますのと、労働関係法令というのは、改めて私が申し上げるまでもなく、これは強行規定なんですね、守らなきゃ罰則がばしっとあるんですね。ですから、これはですね、やはり日本の多くの企業さん等々ではですね、やっぱりそこら辺のところが、36協定で結べば制限時間を超えても残業ができるとか、いろんな弾力条項等々があってですね、企業さんの中ではそんなのが、長時間労働等々が常態化しているというところも、何ていうんでしょうね、日本の企業風土、社会風土の中でそういったのが容認されている。そういうところがあるかと思いますが、それはやはりいけないということだと思います。
 労働関係法令は大体、戦後の憲法ができて、昭和20年代初頭にですね、大体ほぼ整備されているものでありますから。にもかかわらず、70年近くたってもね、そういったものが社会の現場で、企業の現場でそれが定着していないということだと思いますので、改めてですね、原点に返ってそういう、何でこういう労働関係法令を強行規定という形で整備したのか。やはり働く方々の権利を守る、働く方々の、労働者、勤労者を保護する、そういったことから健全な社会ができていくということなんですね。人間らしい生活とか労働ができるというためにそれを保護するということで戦後の憲法のもとで、憲法に基づいて働く方々の権利を守っていくということで整備されたものですから、もう一回原点に返ってですね、そこのところをしっかり対応していただけるような形のことをやっていくというのが必要ではないかというふうに思います。
 ですから、今の働き方、ワーク・ライフ・バランス云々と言っていますけれども、もちろん僕はそれはね、そういう形で働くことと生活とバランスとってしっかりやっていくということは、常に常にこれは議論していかなきゃいけないことだと思いますが、今回の長時間労働、まさに常識を超えるような形のものについては、やはり改めて労働関係法令の原点をですね、原点に立ち返ってね、やはりそこは是正をされていくべきもの、直していかなきゃいけないこと。これは労働組合はもちろんですが、会社が、労使双方でねしっかり議論して、本来あるべき姿、本来あるべき働くということの姿に立ち返ってね、取り組んでいただきたいということだと思っています。

【質問】 県内では、政労使協議会等で長時間労働の問題について議論されてきていますが、長時間労働の是正について、具体的にどのような取組をしていく必要があると考えますか。
【知事】 政労使協議会はですね、労働側と経済団体、使用者側とが胸襟を開いて、この愛知でも議論していこうという形でやってきておりまして、常にいろいろ意見交換すると、大体認識は、ベースは一緒だということを大体確認させていただいているので、有意義な機会だと思いますが、そういった形も含めてね、更に更に多くの事業所でね、多くの企業、事業所で、現場でね、やっぱりこのことについて議論していただいて。
 僕は今申し上げたワーク・ライフ・バランスはまだ1歩、その前提だと思うんですよ。ワーク・ライフ・バランスというのはやっぱり労働関係法令を守った上でですね、守った上でやっぱり仕事と生活とかそういった余暇とかそういったこと、仕事以外のことでバランスをとりながら両方楽しんでいきましょうということなんですけど、その前提ですよね、この労働関係法令をきちっと守るというのは。ですから、そういう意味では、私は改めてね、労使双方、それからいろんな事業所の現場現場でね、もっともっとこの点について十分議論していただいて、それをしっかり遵守していくと、守っていくということを徹底していただけるように、そういった周知を我々も、労政局という労働関係部門を持っていますから、国の労働局等々と、労働局とかまた経済団体とか、経産局とかそういったところと連携しながら、企業の現場等々でしっかりと周知、PRをし、労働関係法令を守るということの徹底をしていきたいというふうに思っています。

【質問】 今回のノー残業デーの賛同事業所が、4,711事業所ということですが、電通の話が大きなニュースになるなか、近年と比べて、賛同事業所の数が飛躍的に伸びているというような傾向はありますか。
【労政局長】 11月第3水曜日のノー残業デーについては、昨年は5,764事業所ありましたので、80%程度となっています。
 なお、今年は11月第3水曜日または11月中に限らず、いつでも良いからノー残業デーをやってくださいということで基準を広げており、それらを全部足すと12,994事業所に御賛同いただきました。昨年は11月の第3水曜日と11月中の実施をあわせて9,988事業所でしたので、ノー残業デー全体では、30%ぐらい増となっております。
また、年休取得や働き方改革などに取り組んだ事業所を全部足すと、昨年は18,579事業所、今年が31,009事業所ということで、こちらは60%ぐらい上がっています。

(3) MRJを始めとする航空機産業について
【質問】 11月11日でMRJの初飛行からちょうど1年になりますが、開発自体は非常に難航していると聞いています。改めて、MRJに関しての知事の印象や所感、それから、航空機産業全般についてどのように支援、育成していくか、そのあり方について聞かせてください。
【知事】 ちょうど去年の11月11日でしたね、MRJの初飛行。大変大きなニュース、話題になりまして、その後もですね、いろいろ紆余曲折を経ながらですけれども、一本調子で全部の試験飛行が成功したわけではなくて、様々にいろいろ変更なり何なり、改善なり改良なりということを積み重ねながら、9月末にはアメリカに第1号機が行き、そして10月にはワシントン州で試験飛行が始まっているということでありますから、いろいろありますけど、着実にステップは上がっているということだと思っております。ですから、これを引き続きですね、やってどんどん積み重ねていただいて、必ずですね、2018年の初号機納入ということに結びつけていただければというふうに思っております。
 ですから、我々はそれを支援するという意味でもね、先月、10月18日に私ども愛知県とワシントン州で友好協力協定を結び、現地の飛行試験をしているグラント・カウンティ国際空港と私ども県営名古屋空港とで姉妹提携を結んだということでありますから、そういったことでしっかりとサポートをしていきたいと思っております。
 また、県営名古屋空港はMRJの量産のために、量産仕様のために、今も延々と工事をやっておりますので、引き続きですね、しっかり、我々がやれることはね、全部やっていると思いますね。三菱航空機の本社も名古屋の港区大江の三菱重工のところから、県営名古屋空港のターミナルビルのどうだろう、もう4分の3はお貸ししていると思いますけどね。会議室も潰し、あれも潰し、どんどんお貸しをして、あそこ1,700人おるでね、もう今。その真ん前の量産工場もね、何度も言いますけど、7万2,000平米の土地を県がつくってですね、耳をそろえて三菱さんに渡して、もう建屋もできて、今、中の機械等々の据えつけも今やっていると。あそこから、そこの量産工場から滑走路に行く、MRJがばっと通っていくその通路も今整備しているしですね、格納庫も今、格納庫用の土地も更に造成するということで整備しているしですね、MRJが、量産が始まったら、出荷待ちのMRJを20機駐機するエプロンをつくってくれって言うから、そのエプロンも今、土地も買いましてですね、今工事もやっておりますから、延々とやることはやっておりますけども、是非ですね、予定どおりね、量産機を納入していただいて、世界の空を飛んでいただける日が一日も早く来るように期待をいたしております。
 あと、それとあわせて、やはり航空機産業をですね。航空機産業というのはやはりそれぞれの、自動車産業もまさに国策でやる、国家戦略でやる、その国の経済の屋台骨を支える裾野の広い大きな産業でありますのでね、各それぞれの国が国家戦略でもって育成をしているということだと思いますが、あわせて航空機産業こそですね、これは軍需面とも非常に密接に関係するということもあるんでしょうけれども、世界2極ですよね、アメリカとEUが国家戦略としてきちっとやっているということで、日本は戦後ね、スタートできなかったわけですけれども、やはりそのアメリカとEUを、ヨーロッパを追っかけていく技術力があるのは、世界で日本ぐらいですから。現に、特にボーイング社とのつながりが深くてね、部品、機体のサプライヤーとしては、ボーイングにとっては最有力のサプライヤーが日本の各企業でありますから、そこが最後、最終的にインテグレーターになり、航空機産業を日本の自動車に次ぐ主力の、柱の産業として育てていくというのは、まさに私は日本の国家戦略そのものだというふうに思います。こういう付加価値の高いもので勝負していくということは、私は不可欠だと思うんですね。
 ところが、そういう状況を見ていくとね、最近、私いろいろ考えて検討していますが、アメリカでもヨーロッパでも、大体こういう航空機産業をやるというのは、真ん中に大学とか研究機関とか、人材養成みたいなのを国家戦略でびしっとつくって、そこに生産の民間企業体がどーんと周辺にできる、そういうクラスターになっているんですよ。クラスター、ブドウの房みたいな、核みたいなやつをね。ところが、この愛知を中心とするこの中部地域ね、航空宇宙産業のクラスター特区は、愛知を中心にして、日本の航空機部品生産の6割はここの地域でやっているわけなんですけれども、どう考えてもクラスターとはなっていないわけですよ。そういう大学とか研究機関とか人材育成機関みたいなやつを国がどーんとつくって、それでそこに生産設備、装置がどーんと張りついてという形には残念ながらなっていない。
 それを私は去年地方創生でね、国の機関の移転ということであればね、JAXAの、宇宙航空研究開発機構の航空機部門のほんの一部でもいいから、東京の調布、三鷹にあるやつを一部でもいいからこっちへ持ってきてくれないかということを要請したんですけれども、全く、一顧だにされませんでね、せせら笑われた感がありましてね。非常に不満。不満というかね、一体何なんだこの国はと。要は、航空機産業のクラスターに、そういう気はないんだなと。国家戦略はないということを改めて痛感しておりましてね。いずれかの時点でこれはやはりしっかり提言、提案をしていかなきゃいけないと、物申していかなきゃ、怒りを込めてですよ、怒りを込めて物を言っていかないかんなと思っておるんですけどね。
 ですから、やはり航空機産業が日本で、もう一回申し上げますけどしっかりやっていくというんであればですね、やはりそういう国家戦略を持ってきちっと中核をつくって、その生産設備、装置も張りつけていくという形のことを是非やってもらいたいというか、やってもらわんとできませんわね。
アメリカやヨーロッパがそうしているわけです。ツールーズなんて典型ですよね。ツールーズなんて、フランスが国家を挙げて大学も研究機関もツールーズ、言葉は悪いけど、パリから遠く離れたど田舎に持っていってですね、そこにエアバスの本社及び生産設備が設立・集積して、今や世界の主力、中心となるような大クラスターに発展したわけですよね。
 そういうのを見るとですね、一体日本はそういう気はないというなら、それでしまいですけど、ないならないとはっきり言やいいんです。けしからん、つくれと言いますからね我々。そういう明確な意思、戦略というのをやらないと、やっぱり航空機産業ってレベルも高いし、非常にそのリスクも高いしですね、そういう意味で、一民間企業がチャレンジするには非常にハードルが高いので、やっぱり国家戦略、国を挙げて国家戦略として取り組んでいく、そういう必要があるというふうに改めて、改めて。今回のMRJを見たってそう思いませんか。そう思いますよ。もっともっと本腰を入れてね、この航空機産業を育てていくということをやっぱり考えていかなきゃいけないんじゃないか。
 じゃ難しいかといったら、そんなことないんですよ。だって、例があるわけですから。シアトルとかツールーズとかハンブルクとかね、もうやっているわけです各国。だから、それを何で日本はできないのかと。ということを私は申し上げたいと思いますし、そういったものを少し研究していますので、しっかりと訴えていきたいというふうに思っています。

(4) アメリカ大統領選について
【質問】 アメリカ大統領選挙について、今夜から投票が始まりますが、知事はどのような点に注目していますか。また、結果によっては金融市場に与える影響というのが予想されているなか、製造業を抱える愛知県内への影響について、どのように見ているのかを聞かせてください。
【知事】 今質問でおっしゃったとおりでね、この地域、日本経済自体がそうだということだと思いますが、特にこの愛知、この東海地域はですね、輸出型の製造業、付加価値の高いものづくりが中心の経済でありますから、その為替の動向、世界の金融資本市場の動向というのは、ここの地域経済に直結するわけですね。ですから、特にそれに大変大きな影響を与えるアメリカの大統領選挙については非常に、報道だけではなくて、さまざまなチャンネルでね、やっぱり情報をとりながら注視をしております。注視をしておりましたし、今もしております。
 ただ、もう今晩というか明日の朝、未明でしょうけれども、結果は出るわけなんで、それは引き続き注視をしていきたいと思いますし、それが世界経済、世界にとってですね、何といいますかね、いい方向になっていくように私は期待したいというふうに思っております。
 その上でね、その上で、アメリカはやはり世界のリーダー、中心でありますし、特に我々日本、特にこの地域であれば経済的にも、特に自動車の関係は相当アメリカ経済に大きく影響を受けるというか依存していますから、アメリカマーケットというのは非常に大きなウエートを占めているので、そういう意味で、世界経済、アメリカ経済がいい方向に行くような、そういう形で新たな大統領が選ばれて、その政策がそういうふうに進んでいくということを期待したいというふうに思っております。
 ただ、いずれにしてもね、日米関係、日米同盟、日米関係の重要性というのは変わらないと思いますし、我々も愛知県は今年テキサス州とワシントン州と立て続けに、明確な意思と意図をもってですね、友好協力協定を結ばせていただきましたので、そういった友情関係も含めてですね、友好交流、協力も含めて、アメリカの重要性というのは変わらないと思いますから、引き続きしっかり注視をしながらやっていくということと、それとあわせて、引き続きそういったテキサスとかワシントンとかね、そういったところとの友好協力関係を更に強くしていく。そして経済関係を更に強固にしていく、そういう形でまたしっかり対応していきたいというふうに思っております。
 今日私、この後上京して、今日は東京でダラスの市長とかフォートワースの市長とか会うんで。来てるんだ彼ら、また。こちらにまで来る時間がないと言うんで、たまたま今日は東京で、国に要請に行きますので、是非会いたいと言うので、ちょっと会ってまたいろいろ意見交換してきたいというふうに思っていますけど。

(5) 河村名古屋市長の動向について
【質問】 減税日本代表の河村名古屋市長が、東京の小池都知事や大阪の松井知事などと連携を深めていると見受けられますが、知事の所感を聞かせてください。
【知事】 特にありません。
 いろいろ話をするのはいいんじゃないですか。皆さん十分取材されておられるから中身も御存じでしょうけど、特にありません。いろいろ意見交換、議論していただければいいんじゃないでしょうか。どういうお考えがあるか、私もよくわかりませんけど。
 松井さんとかおおさか維新にとっては、合流するかしないかというのをいろいろやっているんでしょ。だから、そこは河村さんがどういうふうに考えるか、どういうふうにしたいかということではないかというふうに思いますので、それは大いにやっていただければいいんじゃないでしょうか。それ以上、特にありませんけど。

【質問】 まだ気が早いですが、来年春には名古屋市長選があります。知事はどういうスタンスでしょうか。
【知事】 というか、河村さんがまだ何も言ってないのに、私がどうのこうの言う立場ではないのかというふうに思いますけどね。
 というか、誰もまだ何も言ってないわね。