知事の記者会見
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平成28年12月8日(木) 午前10時

1 知事発言
(1) 「産業空洞化対策減税基金」に基づく立地補助金の対象案件の決定について(平成28年度第2回)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/ricchitsusho/2802ricchihozyo.html
 おはようございます。12月8日木曜日午前10時、記者会見を始めさせていただきます。通常は月曜日でありますが、今週は議会がありましたので、今日ということにさせていただきました。また、今週金曜日、明日の夜ですね、メキシコに渡航いたしますので、来週の月曜日も会見はお休みということでございますので、今日、週半ばでありますがさせていただくということでお願いをいたしました。
 産業空洞化対策減税基金に基づく立地補助金の対象案件の決定についてでございます。平成28年度の2回目ということであります。
 平成24年度から運用しておりますこの「産業空洞化対策減税基金」に基づく立地補助金について、平成24、25、26、27、28年度と、これで5年目でありますが、5年目の2回、今年度後半の分の案件を決定いたしましたので、報告をいたします。
 今年の7月から10月までに申請のあった案件に関し、外部有識者を中心とする審査会議において、事業の成長性、雇用の維持・拡大等の観点から御審査をいただいて、申請のあった14件を補助対象とすることといたしました。今回14件全ては、県内に立地する企業の再投資を市町村と共同で支援する「新あいち創造産業立地補助金Aタイプ」でありまして、全て中小企業の投資案件でございます。
 お手元の一覧のうち、何点か申し上げます。
 整理番号3番のKTX株式会社さんでございます。同社は、独自の金型技術を持つ事業者で、炭素繊維材料の自動車部品の成型を可能とする「金網電鋳金型」を製造いたします。取引先からの増産、製品の大型化に対応するため、江南市内で工場を新設する計画で、江南市では初めての補助金の適用を受けるもので、連携して支援を行うものであります。
 次に、整理番号12番の株式会社ヤマキさんであります。同社は、農業用、産業用機械部品を鋳物技術で製造する鉄鋼業者でありまして、今回、既存工場の老朽化により、西尾市内で最新設備を導入した工場を新設する計画で、西尾市と連携して支援を行うものであります。
 もう一つが、整理番号14番の株式会社山下工作所であります。同社は、航空機の製作に欠かせない工具である組立て治具を長年製造している事業者で、主要取引先からの大型治具の製作の要望に伴い、名古屋市熱田区で工場を増設する計画で、名古屋市と連携して支援を行うものであります。
 今回の補助対象案件14件の総投資額は96億円余、現時点における補助予定額は4億円余、800名余の常用雇用者が維持・創出される効果が見込まれるわけでありまして、これまでの決定分と合わせますと、補助対象案件は207件、総投資額は3,868億余円、そして補助予定額は219億円余となり、約3万8,000名の常用雇用者が維持・創出される効果が見込まれております。
 今回は全て中小企業の再投資の案件でありまして、技術力のある、この地域の製造業者がこの地域にとどまるとともに、積極的な投資を行う計画であります。
 強いものづくり愛知の推進のため、今後も産業空洞化対策減税基金を活用し、企業立地や研究開発・実証実験を支援することで、産業首都あいちの実現を目指してまいります。
 資料を御覧いただきますとその中身が書いてありますが、事業分野別では、自動車関係6件、航空宇宙1件等々でございます。それから地域別には、ここにあるように名古屋地域4件、尾張地域3件、西三河6件、大体満遍なく散らばっているということでございます。
 その裏面がそれぞれの企業と内容でございまして、御覧いただければというふうに思っております。
 ということで、今年度は上期が多かったということですかね。ですから、平成28年度は合計で採択件数が37件、総投資額が575億円ということでございました。今後もこうした形の申請が見込まれているというところでございますので、よろしくお願いをいたします。

2 質疑応答
(1) 統合型リゾート施設整備推進法案の審議について
【質問】 統合型リゾート施設整備推進法案、いわゆるカジノ法案が成立する見通しが出てきています。かつて県内では、常滑にそういう動きや機運があったと思いますが、知事は、この法案が成立した場合に、県として取り組む考えはありますか。
【知事】 これは今国会で審議中ということでありまして、御案内のように、これまで出てきたね、別にこれは今月になって急に出てきたような話じゃなくて、昔からある議論でありますから、それにあるように、私としては、IRですね、今回はカジノ単体ではなくて、国際会議場とかホテルとかコンベンションとか、そういった統合型のリゾート、インテグレーテッド・リゾート、IRという形での仕立てで提案がされているわけでありまして、これはですね、世界の例を見るまでもなく、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、そしてまた、それぞれの地域経済の振興といった効果が期待されるということは言われていることでございます。
 それから一方でですね、このカジノについては、犯罪防止や治安維持といった観点からの検討、それからまた、青少年の健全育成といった観点からの検証、それから特に言われているのがギャンブル依存症等の対応、そうした防止といった観点からの措置について、更に議論、検証することが必要ではないかという御意見があるわけでございます。
 ですから、そういった議論がもろもろに、それぞれの立場、様々な立場があると思いますが、賛否両論、いろんな立場の中からそういった御意見があるわけなので、そういった御意見を十分注視しながら、国会の動向を注視していきたいというふうに思っております。どういうふうに、衆議院は通過したので参議院の方でどういう議論になってくのか、そこは見守っていきたいというふうに思っております。
 現段階ではそういった状況です。

(2) 名古屋城天守閣の木造化について
【質問】 名古屋城の木造化について、名古屋市会では、実際に木造化するとなった場合には県の協力が不可欠ではないかという話が出ています。もし木造化を決めた場合は、県が補助金を出すとか機運醸成して県下全域から寄付を集めるというような協力をしていくことができそうか、現時点で、知事はどういう考えですか。
【知事】 名古屋市会で十分、今議論しているところですよね。している途中、途中経過と言いますかね、オンゴーイングですから。そういう意味では、その議論を見守りたいというのが、我々の基本的なスタンス、立場であります。
 名古屋市の中の、名古屋市さんの話なんでね、名古屋市と名古屋市会で十分議論していただいて、より良い方向を見出していただくということではないかと。地方自治というのはそういうことですよね。ですから、その状況を見守りたいというふうなことでありますから、それ以上のことを今の段階で言うのはね、ちょっとせん越ではないかというふうに思っています。ですから、十分その議論を注視し、見守っていきたいというふうに思っております。

(3) 鳥インフルエンザへの対応について
【質問】 名古屋市の東山動植物園で鳥インフルエンザの疑いのある事例が発生しましたが、これについての知事の受け止めと、今後の対応について教えてください。
【知事】 この点、ちょっと冒頭に申し上げようかと思ったんですが、一旦、話題を切ってから一言申し上げればかなと思いました。
 これは、12月6日火曜日の夜ですね、名古屋市東山動植物園においてコクチョウから鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が簡易検査で出た、という報告は、私も直ちに、その夜のうちにいただきました。夜中でありましたけど、名古屋市さん、そして県からも今後の対応ということで発表したわけでありますが、これは、今年もですね、青森県、新潟県で、特に家きんの鳥インフルエンザが4件発生し、殺処分という形での対応をしてきておりますし、野鳥でそういった形の陽性反応が出てくるのは、結構この季節はたくさんあります。ですから、そういうことで、これは法令にのっとってですね、すぐ対応するということでありまして、まずはその10km半径を環境省が野鳥監視重点区域に指定をし、動物園は名古屋市が、野鳥が多く生息し飛来しているところ6か所を県も環境部を中心にパトロールをして見ていったと。そして、その範囲内にある半径3km以内に100羽以上の家きん農場が2件あるので、それも立入検査をして、今のところ異常がないということでございます。
 ですから、私どもとしては引き続きですね、その半径10km圏内の野鳥監視重点区域については、環境省、そして名古屋市としっかり、そして、10kmというと8市町が関係するので、そういったところと十分連携をとりながら監視パトロールをしていきたいというふうに思っております。そして、半径3km以内の家きんの農家は2件なので、とりあえず立入検査をいたしましたが、しっかり連携して、もし何か異常があれば、直ちに連絡をいただいて対応するという形にしていくと。
 当面はですね、監視、パトロール、そういったことをやっていきたいというふうに思っております。
 あとはですね、市民県民の皆さんに「野鳥との接し方について」といった紙もお出ししておりますけれども、これは人間にうつることはないのでですね、冷静に対応していただければと思います。ただ、野鳥が、鳥が死んでたとかの場合はすぐ、触るのではなくて、それはすぐ連絡してくれということをですね、やっぱり更に周知をしていきたいということで、我々として、こういった事態が出た以上、しっかり対応していきたいというふうに思います。
 なお、検査は鳥取大学に委託をして1週間程度ということでありますから、その状況を注視していきたいというふうに思いました。

【質問】 今後、県内の他の養鶏場で鳥インフルエンザ発生の疑いがあった場合の、県としての対応、方針について教えてください。
【知事】 これはこれまでも、愛知県でも過去2回、2009年と2011年に東三河で発生しておりますから、そのときに、そういう意味では我々も経験がありますので、そういった事態が発生したということになれば、直ちに、迅速に対応したいというふうに思っていますし、その対応する準備はできております。ですから、関係者の皆さん、そして県民の皆さんが不安にならないようにですね、万全の対応をしたいというふうに思っています。

【質問】 ちょうど知事がメキシコ・カンクンに渡航されている間に、鳥取大学の確定検査の結果が出る可能性があると思いますが、その場合の対応について教えてください。
【知事】 リアルタイムで連絡はとれますのでですね、リアルタイムで連絡をとって、その上で適切に対応したいというふうに思っています。ですから、そのことで、海外渡航、出張することで、何らかの対応は変わるとか、そんなことはありません。それはきちっと対応して、万全の対応をしてやっていきたいというふうに思っています。

【質問】 半径10km圏内のパトロールと半径3km圏内の立入り検査の話をされましたが、今の時点では、県として、県下の養鶏業者や畜産業者全体に何らかの呼びかけをしていることはないのですか。
【知事】 この件についてはですね、法令に基づいて、10kmが野鳥の監視重点区域、3kmは、それが心配されるので、そこのところは立入検査を行うという形で。こういう場合ということで、こういう制度で、法令でというかマニュアルでそうなっていますので、それでやっていると。ですから、あとはですね、日常的にこういった県下のそういった養鶏農家、養鶏場、そういったところには、何かもしこういった形で異常があれば、疑われるというのか、異常があれば直ちに連絡するという形にはなっていますので、改めてそういった形のことを県下の関係者にね、もう一回周知をしたいというふうに思っています。
 この情報は全部あれだよね、言ってあるよね。だから、当然そういったところに全部、こういうことがありましたという情報は行っていますから、改めて、何かあれば言っていただく。
 結局ですね、養鶏場では、何万羽とか何十万羽とかね一つのところにぼーんと、そういう単位で飼っているでしょ。そりゃやっぱり、何て言うんだろう、1羽2羽というかそれは死ぬと。1羽も死なないなんていうことはないんです。あるんだけど、ちょっと、要は、ああいうよたよたしてね、何かおかしな死に方したなとかね、何とかっていうのを持ってきて調べる。そういうやり方なんですよね。ですから、そういう意味では、そういうもし異常を見かけられたらすぐ連絡するということにはなっていますので、また改めてそうした情報は流すことと合わせてね、もう一回それは徹底したいというふうに思います。

(4) あいち健康プラザについて
【質問】 東浦町のあいち健康プラザについて、プールや展示施設、アトリウム部分を見直そうという話がありますが、その狙いと、その施設をオレンジタウン構想の中でどう位置付けていくか、機能をなくす話と機能を強くする話に整理して教えてください。
【知事】 今回、12月議会に提案をしている調査費、議案の中で、オレンジタウン構想について整理したペーパーのとおりなんですけどね。
 我々として健康の森基本構想というのを昭和62年につくったと。高齢化に対応するそういった複合施設、拠点を整備したいということだったと。その核となる施設が国立長寿医療研究センターであり、あいち健康の森公園、健康プラザ、そしてあいち小児医療保健センターとか、様々な医療・福祉施設等をそこに整備していったと、こういうことなんですね。
 ところが、当時から高齢化が更に進んだ、認知症の方が非常に増えてきたと。認知症対策というのが非常に今後の高齢化対応の肝だということなので、国立長寿研を中心に認知症に理解の深いまちづくり、認知症に優しいディメンシアフレンドリーな地域拠点、まちづくりをしたいということで、認知症対応、オレンジタウン構想というのをこれから追求していきますねと、研究していきますねという一つ流れがあって。その一方で、ちょっとそれとは観点が違うんですけどね、健康プラザというのは、できてほぼ20年近くたちましてね、多分設計を構想したのは20数年前でしょうから、もう施設的にも、教育施設等々は陳腐化してきているし、プール等々も、プールというのは機械類が大体20年ぐらいでガタがきますのでね、そういう意味ではもうそろそろ年限が来るということもあってですね、そういったものを施設のリニューアルというか、減築というか、そういったものも含めてもう一回見直すということは、またそれとは別の観点でやると。
 要は、その健康プラザというものの位置付け、在り方、健康の森基本構想の中での、ということを時代に合わせて見直そうというのが二つ、中に入っているということで御理解いただければというふうに思います。
 ですから、それぞれに今後どうするか。このオレンジタウン構想は今回調査費を提案していますから、それをお認めいただければ、直ちに研究会等々といったものを立ち上げて、そこでしっかり調査をしていくと。健康プラザの方は、もう今年度当初予算が小さいけどついていましたので、そういった研究会、検討会みたいなのをこの間やりましたから、そこでいろいろ御意見を聞いて議論していくと。より良い姿をつくっていくと。最後は健康の森基本構想という一つの中で合わせていくと、こういうことだというふうに思っています。
 ですから、これからそれぞれ検証、検討する方向は申し上げてあるので、それをにらみながらね、御議論いただくということになると思います。

(5) 交通事故防止の取組について
【質問】 「ポケモンGO」のプレーを始めとする「ながらスマホ」運転防止対策について、知事は今月2日に国に要請に行かれ、今朝も警察本部長と県庁前に立って交通安全の呼びかけをされました。交通事故の増える年末にかけて、改めて交通事故防止に対する思いを聞かせてください。
【知事】 同じくと言うか、重なる話だろうと思いますが、今、この12月はですね、ちょうど1週間前、12月1日から年末の交通安全県民運動をやっておりますし、12月1日には出発式を朝やって、午後は県警本部長と一緒にここで「年末の交通安全緊急アピール」というのを出させていただきました。今年も大変交通事故情勢が厳しいということで、去年までずっと、13年連続全国ワーストということでありますから、今のままでいきますと今年も全国ワーストだということなので、12月ですね、何とか、これまで毎年12月が大体非常に交通事故の多い月でありますから、何とかこれを減らしたいという思いで、年末の交通安全緊急アピールをさせていただいて、あわせて、今日のまた啓発活動ということでございました。年末まで県民の皆さん、関係の皆さんの力をいただいてですね、交通安全をしっかりやっていきたいということを、改めて今日申し上げさせていただければというふうに思います。
 あわせてですね、ポケモンGOを始めとする「ながらスマホ」で交通事故が起こるということが、残念ながらこの夏以降出てきております。このポケモンGOの「ながらスマホ」で起きた交通事故で亡くなられた方が3人。うち2人が愛知県ということであります。特に10月末はですね、小学校、9歳の男の子が横断歩道を渡っていながら、ノーブレーキのトラックではねられて亡くなるという痛ましい事故、事件が起きました。ノーブレーキですからね。その親御さんとですね、先月お会いし、そして先週金曜日、2日、その親御さんと一宮市長とともに、国家公安委員長のところに強く要請に行ってきたのは御案内のとおりでございます。
 とにかくですね、こういう悲しいことが二度と起きないように、本当に広く広く世の中に周知をしていただきたい、知っていただきたい。その多くの方に知っていただくということがですね、この「ながらスマホ」の罪がいかに重いか、いかにこれがひどいことなのかということを知っていただいて、法律、制度もですね、更にこの刑罰も重くしていただけるんじゃないかということ。そしてその取締り、それから啓発、広報、交通安全教育、そういったことも更にしっかりやっていただきたいということだと思っております。
 ですから、そういう意味ではね、その亡くなられた子供の親御さんにとっては本当につらい、つらい記憶を呼び起こすことになりますし、ひしゃげた水筒と眼鏡をずっと持って回るというのは、本当に、その度に泣けてくることだと思います。亡くなられた方のお気持ちに沿うためにも、やっぱり多くの方にこういう悲劇をね、悲しいことを知っていただいて、多くの方にもうそんなこと二度とやっちゃいけない、二度と起こしちゃいけないということで、そういう思いが多くなればなるほど、やっぱり「ながらスマホ」の厳罰化、それから広報の強化、啓発の強化といったことにつながっていくと思いますから、そういったことを、この年末の交通安全の運動に合わせてね、引き続きやはり啓発をしていきたいと思いますし、強く申し上げていきたいというふうに思っています。