知事の記者会見
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平成28年12月27日(火) 午前10時

1 知事発言
(1) 平成28年を振り返って
 皆さんおはようございます。今日は12月27日火曜日午前10時ということで、定例会見を始めさせていただきます。 昨日午前中はですね、競馬組合議会でありましたので、1日ずれてということでございました。今年最後の、2016年最後の定例会見ということでございますので、よろしくお願いをいたします。
 お手元に資料がありますので、御覧いただきながらお聞きいただきたいと思います。平成28年を振り返って、愛知県政10大ニュースということでございます。10大ニュースとして、一つずつ項目をまとめて振り返るということで、10点ほど選ばせていただきました。
 一つはですね、今年は「芸術・アート」の年でございました。伝統文化から現代芸術、障害者アートまで、愛知の多彩な芸術・文化を発信させていただきました。
 まずは、8月から10月まで「あいちトリエンナーレ2016」、現代アートの国際展覧会。そして10月29日から12月3日が「第31回国民文化祭・あいち大会」ということであります。そして、「第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会」、12月ということでございました。トリエンナーレが60万1,000人、国民文化祭は92の事業で35万人、そして障害者芸術・文化祭は5万9,000人で過去最大ということでございました。多くの皆様にお越しいただきました。またこれからも愛知の芸術・アートをしっかりと発信していきたいというふうに思っております。
 そして二つ目はですね、第20回アジア競技大会の招致決定ということでありまして、9月25日、ベトナム・ダナンでのOCA総会で招致決定を見ることができました。10月には安倍総理の所にも参りまして、政府、国の協力もしっかりと要請をしてまいりました。まだ10年ございますが、しっかり詰めて、愛知・名古屋の、国際スポーツ大会の新たな愛知・名古屋モデルをしっかりつくっていきたいというふうに思っております。
 そのほかにもですね、国際的なスポーツ大会がこれからやってまいります。来年2017年はですね、10月にセーリングワールドカップがございます。そして12月にはフィギュアスケートのグランプリファイナルがございます。大変大きな大会が続いてまいります。そして、2018年はスペシャルオリンピックスの日本大会が9月に、そして2019年はラグビーワールドカップ2019ということでございまして、それが2020年の東京オリンピック・パラリンピックに続いていくということでございまして、そして2026年のアジア競技大会ということで、しっかりと盛り上げていきたいというふうに思っております。
 そして三つ目はですね、国際交流の推進ということでございます。
 今年はですね、4月にテキサス州と「友好交流及び相互協力に関する覚書」、9月にベトナムのホーチミン市と「友好交流及び相互協力に関する覚書」、10月にアメリカのワシントン州と「友好交流及び相互協力に関する覚書」ということでございまして、様々に連携が進んでまいりました。また、10月にはベルギー国王、フィリップ国王陛下に愛知県、この県庁にお越しいただいて、ベルギーへの日本車出荷1,000万台の記念式典ということも行わせていただきました。大変光栄なことでございました。
 そしてまた5月は伊勢志摩サミットがありまして、オバマ大統領始めG7の首脳をお迎えすることができました。また、アジアのアウトリーチ国、6か国の首脳も全てお迎えをし、また、名古屋でもレセプションをさせていただきました。またしっかりとですね、この国際交流を進めていきたいというふうに思っております。
 そして4点目が交通ネットワークの整備促進ということで、特に2月に新東名の開通ということもございました。西知多道路の事業化、またこの12月19日には名古屋駅のリニアの起工式もございました。またしっかりとですね、進めていきたいと思いますし、有料道路コンセッションも10月からスタートしたということでございます。
 そして五つ目が、日本一の産業集積の更なる強化ということで、航空宇宙産業、MRJも3機アメリカに行きました。また、ワシントン州のグラント・カウンティ国際空港と私ども県営名古屋空港との姉妹空港の提携も10月に結ばせていただきました。
 そして、次世代自動車ということで水素ステーションの整備、そして自動走行の実証実験を進めております。
 また、産業人材の育成ということで、愛知総合工科高校、また技能五輪・アビリンピックの2019年、2020年の開催決定、そして、2023年の技能五輪国際大会の誘致等々にこれからも取り組んでまいります。
 そして6点目がですね、愛知県国際展示場の整備ということで、この12月議会でその条例も制定させていただきました。また、契約議案も可決いたしましたので、これで2019年の9月といいますかね、秋完成、オープンを目指してしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。また、それを受けてですね、2020年10月にはワールドロボットサミットも、この国際展示場で開催することが決定になりました。東京オリンピック・パラリンピックに続く、ロボットのオリンピックとも言うべきこのワールドロボットサミットを是非成功させていきたい、大いに盛り上げていきたいというふうに思っております。
 そして七つ目がですね、“Heart”of JAPAN〜観光振興・魅力発信〜ということで、徳川家康と服部半蔵忍者隊の発信、また、ディノアドベンチャー名古屋のオープン、また、海フェスタ、そしてアジア大商談会などなどですね、また、ワールドサムライサミットというものを開催いたしました。また、松平健さんを起用してのPRということも行わせていただきました。
 また、「山車日本一あいち」ということで、12月1日に日本の山・鉾・屋台行事、山車まつりがユネスコの無形文化遺産に登録になりました。33件のうち5件が愛知で、日本で一番多いということでありますので、しっかりと盛り上げていきたいというふうに思っております。
 また、8番目が医療・福祉の充実ということで、今年はですね、私が1期目に決定をし、手掛けてまいりました県の医療施設が次々にオープンをした年でもございました。2月はあいち小児保健医療総合センターの救急棟のスタート、そして3月は小児救命救急センターに指定と。そして千種区の城山病院については、愛知県精神医療センターが、新病棟でのオープンが2月でございました。そして、岡崎の三河青い鳥医療療育センターが4月にスタート。そして、6月はですね、春日井のコロニーの重心病棟が6月に完成し、月にオープンということでございました。今、病棟の新築にかかっているということでございますし、医療ツーリズムの推進もさせていただきました。
 また、ノーマライゼーションの推進ということで、「愛知県障害者差別解消推進条例」が4月に施行、10月には「手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例」も制定をすることができました。引き続きしっかり進めていきたいと思います。
 また、環境施策、環境首都あいちを目指してということで、12月はメキシコ・カンクンで開催されました生物多様性条約の第13回会議の国際自治体会議で国際先進広域自治体連合を結成し、大いにアピールすることができました。私ども愛知県からスペインのカタルーニャ州、カナダのケベック州、オンタリオ州、そしてサンパウロ州、そしてメキシコ州政府連合等々に声をかけて結成をし、大いにアピールをすることができたというふうに思っております。
 そして最後、10番目として、今年6月に愛知県の人口が750万人を突破したということでございます。
 1年で2万5,000人が増加をいたしました。内訳はですね、社会増が2万3,000人、自然増が2,000人ということで、かつて自然増は沖縄と並んで5、6,000人、ずっとあったんですが、だんだんだんだん減ってきまして、今は2,000人ぐらいと。社会増が2万3,000人と。リーマンショック前は大体年間2万人を超えて社会増がありましたが、大体今、リーマンショック前の水準を更にまた上回るぐらいの人手不足感ということなんで、また社会増は増えておりますが、自然増はだんだんだんだんプラスマイナスゼロに近付いてきているということでございまして。また日本全体が人口減少という大変な大きな問題に直面している中で、愛知はまだ人口が伸びているということで、また引き続きですね、しっかりと施策をし、東京一極集中に歯止めをかけるストッパーとしての役割を、しっかりと果たしていきたいというふうに思っております。
 そのほかは、その次のページにありますように8月に「第18回結晶成長国際会議」を開催し、皇太子殿下に2年ぶりに御来県を賜ったということでございます。その折に、安城市の歴史博物館で三河万歳を御覧いただき、また、西尾の岩瀬文庫にもお越しいただきました。この国際会議では、ノーベル賞を受賞された赤ア先生の特別講演もお聞きいただいたということでございます。
 そして、安心・安全の確保に向けてということで、地震・津波の防災訓練等々を様々に進めさせていただき、熊本地震等々への被災地の応援もしっかりと取り組ませていただきました。
 また、交通安全の推進ということで、特に「ながらスマホ」対策については国の方に強く要請をさせていただいておりまして、引き続きまた強く働きかけていきたいと思っております。
 そして、2019年第70回の全国植樹祭の愛知県での開催が正式に決定をいたしました。会場は愛知県森林公園で、2019年春にやっていきたいというふうに思っております。
 また、11月には、昨年の入鹿池に続いて明治用水が「世界かんがい施設遺産」に登録をされたという、大変うれしいニュースもございました。
 また、10月には、3月10日を名古屋コーチンの日に制定したということでもございます。またしっかりアピールしていきたいと思います。
 ということで、そういったのが私の選んだ愛知県の10大ニュースということでございますが、最後にですね、もう既に発表させていただいておりますが、その折に私ちょっとメキシコのカンクンのCOP13に行っておりましたんであれでございますが、今年の締めくくりとして、今年の愛知を表す漢字1文字として「祭」という字を選ばせていただきました。今年はね、オリンピック、パラリンピック、リオデジャネイロのオリ・パラでですね、日本人選手、愛知県選手に大変大活躍をしていただきました。また、国際芸術祭、文化、トリエンナーレとかね、国民文化祭、障害者芸術・文化祭などなど、そういった芸術祭もたくさんありました。また、日本一の山車まつりもユネスコの無形文化遺産に選ばれたということでありますし、また、平和とスポーツの祭典であるアジア競技大会の2026年開催も決定いたしました。また、ロボットの祭典、ワールドロボットサミットの2020年開催も決定いたしました。まさに今年1年は、愛知はお祭り、祭りのように大いに盛り上がったということだと思っておりますし、来年もこの愛知全体を祭りのように盛り上げて、日本一元気な愛知をつくっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

2 質疑応答
(1) 平成28年を振り返って
【質問】 知事として、「愛知県政10大ニュース」の順番はどうなっていますか。
【知事】 いや特に。順不同と。順番はつけておりません特に。多分、見栄えのいいやつから入れたんじゃないか。

【質問】 個人的な思いでも構いませんが、一年を振り返って最も印象深いことを教えてください。
【知事】 今年は様々に、本当に何といいますかね、総じて、大体愛知にとって、この地域にとって、いいニュースが多かったんではないかなというふうに思います。
 ですから、何か毎月毎月、何か山がぽこぽこあってですね、何か富士山みたいに今年はこれだけという感じじゃないので、ぽこぽこぽこぽこ山があったので、何かどれもこれも印象深くて、次から次へと。ああまたこれだこれだと、次はこれだと、一つ済んだら次はこれだという感じだったので、特にありませんが、そういう意味では、この順番は印象に残った順番、印象が強かった順番ではないかなという感もありますね。
 ですから、芸術・アートからスポーツ、そういった何といいますかね、非常に記憶に残るといったような、印象に残ったという順番で並べたのではないかなという感じだと思っております。
 ですから、芸術・アートからスポーツから、愛知の元気さ、元気な愛知を大いに発信することができたということではないか、それが印象に残ったことかなというふうに思います。
 あとはね、こういう芸術・アート、それからスポーツでもありますが、やはり国際交流ということで様々に。サミットもありましたしね、テキサス、ホーチミン、それからワシントン州、そしてベルギー国王陛下にお越しをいただいて、本当にこれも次から次へといろんな方が、多くの方、首脳に来ていただきましたし、また様々に交流ができたということで、そういったのも大変思い出深いといいますかね、印象に残っているということだと思っておりまして、またこれをしっかりとこれからもこの地域、愛知の発信、発展に結びつけていきたいというふうに思っています。

【質問】 「愛知県政10大ニュース」は全て成果として挙げられることだと思いますが、逆に今年やり残したこと、来年の課題だと思われることは、どんなことでしょうか。
【知事】 来年の課題、課題というのは常に、常に常にありますので、しかかったものをしっかりと仕上げていくということではないかというふうに思っております。
 そういう意味ではね、今手がけていること、産業経済の施策ももちろんですし、様々に大きなインフラ整備等々もございますし、また、医療・福祉そういったもの、人材育成、様々に今施策を仕掛け、ずっと仕掛けて取り組んでおりますから、そういったものを、また年明けも引き続きしっかりやっていくということではないかというふうに思っております。
 ですから、どれがどれということではないと思います。森羅万象ありますから、今やっていることを更にまたしっかり仕上げていくということだというふうに思っております。

【質問】 今年は、ダイコー(株)による廃棄カツの横流し事件に始まり、鳥インフルエンザの発生など県民にとって心配になるニュースがあったと思いますが、それらを踏まえて、知事は、来年どうしていきたいですか。
【知事】 そういう、何といいますかね、生活に密着した事件としては、今年1月早々からダイコーの廃カツ問題等々がありました。廃棄物行政と食品の流通、食品の安全性とかね、そういったものを、信頼を揺るがす大変大きな事件、出来事だったというふうに思っております。
 ただ、一方でですね、これは、そういったものについては迅速な対応をし、実態の把握、解明にいち早く取り組み、でもってですね、これは本当に私は釈然としないというか、腹立ってしようがありませんが、廃棄物がそのまま捨て置かれたものについてですね、苦渋の決断ではありましたが、私ども県費も投入し、県が主導して、稲沢市、それからそういう廃棄物の関係事業者の皆さんの協力も得て、着々とそこに捨て置かれたものの廃棄を今やってきておりまして、8割以上年内にほぼできたということなんで、最終的に全量撤去についてもめどが立ったということは、しっかり対応ができたのではないかというふうに思います。
 トータルの廃棄にかかる費用が数億円に上る。それが、ですから結局この者の懐に入ったのかと思うと、腹が立ってしようがありませんけどね。結局、その費用を求償しても、絶対にありませんからね、会社としてはもう倒産していますから。大変釈然としませんが、しかし、だからといってあそこに捨て置いていたら地域の環境が非常に悪化するということなんで、大変苦渋の決断ですが、私は、対応としてはきちっと、県民の皆さん、地元の皆さんの不安を取り除くべくしっかりやれたんではないかというふうに思っております。
 ただ、こういう事件、事案はね、また折によってぽこぽこ起きるんでしょう。ですから、そういったときにしっかり、それが広がっていかないようにね、一つずつきっちりと対応していきたいというふうに思っております。
 鳥インフルエンザ等々については、今はまだ広がっておりませんから、しっかり封じ込められるように、関係者一同ですね、全力で取り組んでいきたいというふうに思います。
 また、大きな事件としては、「ながらスマホ」での交通事故ですね、大変痛ましい事件、事故がありました。これもですね、当初から交通ルールと公共マナー、ルールを守ってですね、楽しんでいただきたいということを申し上げてまいりました。それを守らなくてこういう事故を起こすというのは大変遺憾なことでありますから、しっかり、それがそういうふうにならないようなシステム整備をね、また引き続きしっかりと要請をしていきたいというふうに思います。
 いずれにしても、こういった社会の信頼を揺るがすような事案についてはね、毅然として、そして迅速に対応して、県民の皆さんの不安を払拭できるようにしっかり取り組んでいきたい、こういう姿勢はこれからも変わらずにやっていきたいというふうに思っています。

(2) 平成29年度政府予算案について
【質問】 先週、来年度の政府予算案が閣議決定されました。この内容について、知事の評価を聞かせてください。
【知事】 先週ですね、新年度、平成29年度の政府予算が決定したということで、政府全体の予算について私がとやかく言うことではないと思いますが、地方財政対策についてはほぼ横ばいだということでありますが、愛知県はですね、来年度大変税収が厳しいと見込んでおりますので、これは大枠、大筋は変わらないと思いますから、そういう中でですね、地方財政対策がほぼ横ばいというのは、なかなか我々にとっては厳しい状況ではないかなということだと思います。
 ですから、ちょうど今、昨日も予算の編成の激励をしてきましたけれども、年末年始はもちろんこれで1週間ほど休みますが、予算編成をずっとやっておりましてね、個別にもいろいろ、私ももう既にいろいろ話を聞いておりますけれども、なかなか厳しいなということなので、それをどういうふうに仕上げていくかというのが、今の大きな課題かなというふうに思います。
 そういう中で、国の予算で年末決まったものということで、この愛知ないしはこの中部地域に大きな影響があるといいますかね、大きく関係するものとしてはですね、リニア中央新幹線の財政投融資1.5兆円ということで、これもですね、これはやはり推進に弾みがつくということだと思います。また、広域幹線道路網の整備ということで、三大都市圏環状道路の整備にも重点的に取り組むということで、その予算も確保ということでございました。それから、中部空港のLCC専用ターミナルの関税とか入管とかのCIQの整備についても、これ、予算も確保されたということで、これも実現のめどが立っていくということでありますし、次世代産業の推進ということでは、自動走行システムの予算、それからMRJの審査の体制整備、それからH3ロケットの開発予算、そういったものもたくさんついておりますし、ロボット・AIについても予算が増えているということなので、基本的にはそういったものの相当部分といいますかね、ここで受け皿ということで、特にH3ロケットなんてここで造るわけですから、そういったものが伸びてきているということは大変明るいニュースではないかなというふうに思っております。
 ですから、先程の質問とも絡むかもしれませんが、来年の課題、当面の課題というのは、29年度予算をどう我々が、あと1か月、国の予算から1か月ずれますから1月いっぱいぐらいで仕上げて、2月の10日過ぎに発表ということになろうかと思いますが、そこをどういうふうにつくっていくかということが大変大きな課題ではないかというふうに思っております。なかなか厳しい状況ではないかというふうに思います。
 ですから、もっと国全体の税収、ちょっとあれ見て不思議だなと思ったのは、税収がほぼ横ばいで見込んでいるのでおかしいなと。税収はそんな、横ばいなんていうことじゃなくて、来年はちょっと落ち込むんではないかと、国全体のね、というふうに思うんですけどね。不思議だなと思って見ていますけどね。何か数字、操作しとれはせんかという気がしますけどね。
 ただ、そりゃいろんなデータがあるんでしょうけど、我々として、国がほぼ、何ていいますかね、国全体の予算は、少子高齢化、高齢化に伴って社会保障費が伸びていくので、伸びていくということだろうと思いますが、地方財政対策はほぼ横ばい。
 我々愛知県は、やっぱり非常に法人税収の割合が大きいので、今円安になっていますが、今年の円高傾向でですね、輸出型製造業始め来年の3月期決算は減益が見込まれておりますからね、そういう意味で、来年度の税収は大変厳しいということだと思います。ですから、それに向けてしっかりとやりくり算段をしてですね、めり張りをつけて、今まで以上にめり張りをつけた予算編成をしていくと。予算を効率的に、重点的に配分するという形でしっかりつくっていきたいというふうに思っております。
 ですから、いつも私申し上げておりますが、何と言うんでしょうね、東京都みたいにもともと超過税収がどかんとあるようなところはですね、東京都だけですけれども、少々落ち込もうが何しようが、特に外貨を稼ぐ都市ではありませんのでね。国内、日本中から人が寄ってきて勝手にお金を落として、勝手に税収が上がってくるというところはそう落ち込まないということなので、まだやれると。あと、うち以外のところは全部地方交付税頼みなので、税収が減っても全部地方交付税で丸々見てもらうということなので、収入が変わらない。うちみたいなところが、ちょうど今、リーマンショック以降は交付税をもらう交付団体に転落をしておりますけれども、上がったり下がったりするところが、そういう景気の振れを受けてですね、影響を受けてやりくり算段に苦労すると。大変まか不思議な財政構造になっているということだと思いますね。
 ですから、ほかのところはどうせ国から金をもらうからいいやと、税収が落ち込んでも関係ないやということなんでしょうけど、我々はそういうわけにいきませんしね。国と違って、赤字県債を発行できないので、やりくり算段をせないかんということなので、なかなかここ1か月でどういうふうに帳尻を合わせていくか、なかなか大変だなというふうに思っております。
 いずれにしても、年末年始は少しみんな、職員も含めて休んでもらいますが、また年明け早々からしっかりとスタートダッシュでね、取り組んで、来年度予算づくりからまずやっていくということだと思っています。そういう意味で、国の予算は今回そういう形でつくられたということでありまして、地方財政対策はなかなか厳しい中ではありますけれども、さっき申し上げたように、愛知が、我々が取り組んでいる非常に大きなプロジェクト、リニア中央新幹線の促進、それから広域幹線道路網の整備推進、それから中部国際空港のLCCターミナルに係るCIQの整備、それから次世代産業ということで自動車の自動走行システムの推進、それからMRJの審査体制の整備、それからH3ロケットの開発、またロボット・AIの関係予算等々、そういった面で我々愛知に大きく関係するところはしっかり予算確保されているということなので、そういった点では評価をしたいというふうに思っております。
 それを実際に、これはね、やっぱり予算というのはあくまで枠取りなんで、実際に使ってなんぼなんですね。使ってそれを国とか県、我々も行政、県もそうなんですけどね、やっぱり役所っていうのは何か予算の枠取りしてね、使ったら終わりという感じの意識があるかもしれませんけど、使って、それをどういうふうに生かしていくのか、どういう成果を上げるのかということをしっかりやっていかなきゃいかんと思います。ですから、国の予算はいつも何か、マスコミとか新聞、テレビもそうですけど、決めたときにね、何かばんとやりますけど、あとはどうなっているかっていうのはあんまり報道とかフォローがないので、本来逆だと思いますね。民間企業だと、やっぱり予算なんかでも、とにかくどういうふうに売り上げを上げるか、どういうふうに研究開発のお金を投入したらどういう結果、成果を出したかということが問われるんであって。ですから、今回、先程申し上げたリニアにしたって道路にしたってですね、LCCにしたって、これはしっかりやって具体化をしていく。それから自動走行、MRJ、H3ロケットでも、これは予算枠を確保したけど、これをどういうふうに生かして成果を上げていくか、実際に使って成果を上げていくか、それを29年度しっかりとやっていきたいというふうに思っています。

【質問】 先程、地方交付税の扱いが厳しい中で、というお話がありましたが、知事は、本来、地方税はどうあるべきだと考えますか。
【知事】 これも前から申し上げておりますけどね、やっぱり地方分権でありますから、もっともっと我々地方自治体というか地方政府に与えられる権限と財源がね、もっと増えなきゃいけないというふうに思います。
 うちみたいに、要は、結局地方交付税をもらわない団体がね、東京都一つだけという制度設計はね、やっぱりいかにもいびつだし、おかしいと思いますね。せめてやっぱり3分の1はもらわない、3分の1はニュートラル、3分の1がもらうと、こういうのが本来の姿ではないでしょうか。ですから、それが足らない分というのは、やはりその分、我々に来ている財源が少ないということでありますから、それをもっともっと取り分を増やして、地方交付税をもらわなくてもやっていける団体をもっと増やしていくというのが本来の方向ではないかと思います。
 ただ、残念ながら今は逆でね、逆で、何か地方法人課税、法人税収をむしろ国税化してですね、召し上げてばらまくという方向に行っているというのは、まさに地方分権といいますかね、今の流れから逆行しているということではないかというふうに思います。そういうことをやってて成功することは絶対ないので、大変残念な方向だなと。これを変えるのは政治で変えなきゃしようがないのかなというふうに思いますね。ですから、そういうときが早く来ることをね、望んでおります。