知事の記者会見
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平成30年12月17日(月) 午前10時
1 知事発言
(1)国連気候変動枠組み条約第24回締結国会議(COP24)の結果について
 皆さん、おはようございます。12月17日月曜日午前10時の定例会見を行わせていただきます。
 COP24について一言申し上げますと、実施指針、運用ルールがですね、今回、各国共通ということで決められました。採択されました。
 そして、この内容を踏まえですね、私どもは今年の10月にですね、愛知県地球温暖化対策推進条例がありまして、それに基づいて「あいち地球温暖化防止戦略2030」というのを作っておりますが、それに基づいて戦略の目標であります温室効果ガス総排出量を2013年度比26パーセントの削減を、2030年度を目標に実行するということで決めておりますので、今年10月にこの条例を制定しましたのでね、9月議会で。この愛知県地球温暖化対策推進条例ということで、これに基づいて産業界とも連携をしながら、また、一般の御家庭も含めてですね、県民の皆さんとも連携をして、この2030年度26パーセント削減をしっかりと実施をしていきたいというふうに思っております。

(2)インフルエンザ注意報の発令について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenkotaisaku/30influ-chuihou.html)

 インフルエンザ注意報の発令であります。
 愛知県では、県内医療機関195を定点医療機関として設定をし、発生動向を調査しております。これ、全国で大体約5,000のですね、定点医療機関がありまして、そこで1か所当たり1週間で患者さんが10人を超えると注意報、30人を超えると警報という形で、各県、各地区にね、注意を喚起をしているという制度の一環でございます。
 今回はですね、先週12日の水曜日にですね、注意報でございます。岡崎市保健所で、12月3日から9日までの1週間で12人を超えたということで、注意報を発令をするということに相なりました。30人を超えた場合は警報になります。
 注意報の発令は、昨シーズンは12月21日でありますので、1週間早くの発令ということになります。どうかインフルエンザ、お気を付けをいただきたいというふうに思います。うがい、手洗いの励行、それからまた、咳エチケットなどをですね、励行して、まん延を防いでいきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 インフルエンザ予防接種、まだ遅くありませんのでね、まだの方は是非受けていただきたいと思います。私も一応受けましたので。先月だったかな、ということでございます。

(3)岐阜県における豚コレラの確認(豚5例目)について
 岐阜県における豚コレラの発生ということでございます。
 15日の土曜日にですね、岐阜県農業大学校、可児市で飼養される豚について、岐阜県で5例目となる豚コレラが確認をされて、そこにいた10頭が殺処分されたということで報告を受けております。
 今回の発生施設から半径10キロメートル以内につきましては移動禁止ということでありますが、その区域には、犬山市、小牧市、春日井市の一部が含まれますが、この区域に養豚農家はありません。ということでございますが、これを受けましてですね、岐阜県で相当まん延をしておりますので、これがですね、こういう病気等々、ウイルス、別に県境は関係ありませんので。可児市は木曽川の南ということでもありますので、大変これはですね、我々としても脅威だと思っております。
 今回の件を踏まえですね、県内の全ての養豚農場に対しまして今回の事例を周知するとともに、農場における消毒及び野生いのししの侵入防止の徹底を更に注意喚起をいたしました。また、異常がある場合に早期に通報するように要請をいたしておりまして、家畜保健衛生所において様々にチェックを今、しているということでございまして、引き続き緊張感を持って対処をしていきたいと思います。
 なお、犬山市で実施している捕獲野生いのししの検査及び県内全域での死亡野生いのししの監視、検査は引き続き実施をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

(4)「産業空洞化対策減税基金」に基づく立地補助金の対象案件の決定について(平成30年度第2回)
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/ricchitsusho/3002ricchihozyo.html)

 産業空洞化対策減税基金に基づく立地補助金の決定であります。
 平成24年度から運用しております、この立地補助金につきまして、平成30年度の第2回分の補助対象案件を決定いたしました。
 7年目ということでございます。これで丸7年やってまいりました。
 まず、お手元の資料を御覧をいただきながらお聞きをいただきたいというふうに思っておりますが、お手元の資料のですね、一覧表を見ていただきたいと思います。
 全部で23件でございまして、まず、整理番号1番、高度先端技術分野における投資案件を支援する「21世紀高度先端産業立地補助金」で、北川工業株式会社さんの案件を補助対象として決定しました。同社は、情報通信機器等の電磁波対策用部品の開発・製造を行う事業者で、この度、5G等の通信新技術の到来に向けた電磁波対策製品の研究開発を行うために、春日井市にある工場の敷地内に新棟を建設し、研究開発機能を高める計画ということで、研究開発のR&Dに対する補助の対象ということで採択いたしました。
 続いて、2番から22番の21件が、県内に立地する企業の再投資を市町村と共同で支援する「新あいち創造産業立地補助金」Aタイプであります。
 まず、整理番号9番の新日工業株式会社さんです。本社は豊川市に所在、自動車部品の製造を行う事業者。この度、モーター部品等の製造を行うため、豊川市にある工場を増設する計画であり、豊川市と連携して支援を行います。
 続いて、整理番号16番の東洋紡株式会社さん。本社は大阪市ですが、繊維を中心に化成品、バイオ・医薬などの高機能製品の開発・製造を行う事業者で、この度、液晶パネル向けポリエステルフィルムの製造を行うため、犬山市にある工場の敷地内に新棟を建設する計画であり、犬山市と連携して支援を行うというもので、ここが一番、投資案件としては大きい投資案件だったかと思います。
 続いて、22番、株式会社明電舎さん。本社は東京ですが、モータ・インバータや電気設備等の製造を行う事業者。PHEV、EVですね、プラグインハイブリッドとかEV向けのモータ・インバータの製造を行うため、清須市内の工場に新ラインを立ち上げて設備導入を行うもの。今年10月に清須市が大企業も対象とするということになったので、県と清須市が連携して支援をする、清須市としては初めての案件ということであります。
 続いて、整理番号23番、サプライチェーンの中核をなす分野の立地を支援するBタイプ。GKNドライブラインジャパン株式会社でありまして、これはですね、りんくうタウンだな、確かね、でありまして、コストコの横に工場を造ってやるということでありまして、自動車用駆動系部品の開発・製造を行っている事業者で、市場拡大の著しい次世代自動車分野において、駆動系部品の製造を行うため、常滑市内の工場に新たに設備を導入する計画であります。
 ということで23件でありまして、今回の案件の事業分野別では、自動車関連10件、機械・金属関連7件などでありまして、地域別では、名古屋地域が3件、尾張地域が10件、西三河地域4件、東三河地域6件ということで、県内全域に散らばっているということでございます。それはお手元の資料でね、その内訳が出ておりますので、また御覧をいただければというふうに思っております。
 今回の補助対象案件23件の総投資額は316億円余、現時点における補助予定額は14億円余、1,900名余の常用雇用者が維持・創出される効果が見込まれます。
 これまでの決定分と合わせますと、累計で補助対象案件は296件、総投資額は5,017億円余、補助予定額は現時点で282億円余、4万8,000名余の常用雇用者が維持・創出される効果が見込まれます。まるっと7年やってきましたので、年度の前半後半分けていますから、全部で14回の採択ということで、こういった数字が積み上がっているということであります。
 引き続きモノづくり愛知を推進をし、この産業空洞化対策減税基金を活用して、企業立地、研究開発・実証実験を支援して、産業首都あいちをしっかりと前進をさせていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 なお、今年度はですね、1回目と2回目を合わせて全部で49件、総投資額702億円ということで、前年度よりも、件数で5件、投資額で119億円増加をしたということでございます。
 申請は随時受け付けているということでございますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 私からは以上です。

2 質疑応答
(1)「産業空洞化対策減税基金」に基づく立地補助金の対象案件の決定について(平成30年度第2回)
【質問】 「産業空洞化対策減税基金」に基づく立地補助金の対象案件の決定について、今年度で事業開始後7年ということですが、今後も減税基金として継続していきますか。また、減税基金として行う意義や今後の展開を教えてください。
【知事】 今日は今年度の下半期のね、後半部分の案件を採択を発表させていただきましたので、今日は現段階ではこういう形になりましたという御報告でありまして、今後政策としてどうしていくかということにつきましてはね、また引き続き検証、検討をしていきたいというふうに思います。施策というのは、常に常に、やはりこれは税金を使ってやってる話ですから、検証、検討してですね、その在り方をね、常に見ながらやっていくということではないかと思います。
 ただ、この施策については、非常に事業効果は高いというふうに評価を受けておりますので、形はいろいろ考えますけれども、引き続きより良い方向でですね、充実をさせていければというふうに思います。
 例えば、実証実験でもね、大体、毎年4、50億円ぐらいの枠の中でですね、今は45億円積み立っているのかな、最初50億円ですが、今、大体、実態を見て45億円を積み立てておりますが、大体、実証実験、研究開発で毎年7億円強のね、予算が出ておりますけども、2020年10月にワールドロボットサミットをやりますので、ロボット関係の社会実装ね、家庭で使うロボットとかファクトリーオートメーション、製造現場で使うロボットとかドローンみたいな、そういったロボットについての実証実験なり社会実装なりを、この研究開発の7億円の枠の中でね、確か1億円ぐらい確保してね、やってますので、そういう中身のね、使い方を時代に合わせてね、進化させてやっていくということは常に考えていかなければいけないのではないかなというふうに思います。引き続き、十二分に検討していきたいというふうに思います。
 基本的には、この枠組みはね、続けていきたいと思いますが、その中身については、時代に合わせて、適宜見直しながら充実をさせていければというふうに思っています。

【質問】 「産業空洞化対策減税基金」に基づく立地補助金の対象案件の決定について、改めて7年間事業継続してきた意義と、課題についてはどう考えていますか。
【知事】 7年といいますかね、毎年着実にやってきて、こういう形で継続してきたということかなというふうに思っておりまして。
 平成24年度の上期からスタートいたしましたので。最初は平成23年度ね、平成23年度に検討してこれをスタートをさせたということなんで、産業振興、企業の投資を促進するということで、当時はやはり行き過ぎた円高ね、100円を切るようなね、円高水準でありました。デフレも止まらない。それからリーマンショックの傷があり、また、東日本大震災でね、平成23年3月、サプライチェーンも寸断された。それから平成23年10月にタイの洪水でまた自動車産業ね、ラインが止まったなどなど、本当に三重苦以上のね、大変厳しい状況の中で、いかに愛知県に企業投資を呼び込んで、設備投資を呼び込んで、そして雇用をつなげていくか、増やしていくかという中でこれが生まれたということでありまして。
 このことによって、愛知県内、もう既にたくさん企業がありますので、よそから企業さんを呼んでくるのも大事だけど、県内にいる企業さんに、ここに、ここに投資をしてもらうということの方がね、より事業効果も高いし、即効性があるし、雇用にすぐつながると。別に新規に雇うわけじゃなくて、今あるところを増やすわけですから、より効果が高いと思ってこれをやりましたけども、はっきり言ってどんぴしゃに当たったということだと思っております。
 その後、円高が緩和をされですね、私いつも申し上げますが、平成22年度を底、ボトムにして、愛知県のGDPはV字回復を遂げてですね、もうリーマンショック前、リーマン超えをしてですね、更に伸びているということで。これは、やはり今回のこうした我々の施策が当たっていると、その支えになっている、その一助になっているということの証左だと思っております。
 ただ、時代の流れは非常に速いので、回復をしたからいいというもんじゃなくて、更にIT化とかデジタル化、それからグローバル化、どんどん中身が変わっていきますよね。ですから、そういう意味で、新たなことにチャレンジをしていく企業さんをね、アグレッシブに投資をしていく企業さんをやはり引き続きしっかり後押しする方策は、私は必要だというふうに思います。
 実証開発、研究開発といった形でのこういうものも非常に引き合いが強いですし、また、こういう設備投資案件も非常に投資意欲が高いということなので、そういう意味では、これを引き続きですね、さっき申し上げたように中身を少し時代に合わせてね、アジャストしながらですね、検証しながら、見直しながらやっぱり続けていくということは、これは必要ではないかなというふうに思っております。
 これ、ただ、基本的には1企業1回なんです。ですから、今までやっていたやつをもう一回ということはちょっと御遠慮願っているので、ですから、そういう意味ではですね、新たな企業さんの投資を掘り起こしていくという、そういう側面もあると思いますので、中身を検証しながらね、やはり引き続き、この愛知県内での設備投資、企業立地をね、呼び込んでいく大きなツール、手法としてね、やっていければというふうに思っています。

(2)愛知県農業総合試験場における受精卵の凍結保存技術の実用化について
【質問】 豚コレラ対策に関して、愛知県は現在研究している受精卵の凍結保存技術を実用化するとの報道がありましたが、このねらいとどのようなメリットがあるのか教えてください。
【知事】 この畜産のですね、受精卵の凍結保存技術についてはですね、これは牛についてはですね、これまでもずっとやってきておりますが、豚についてはですね、いろんな条件が牛と豚では違いますのでですね、そういう意味では、これまで実験的に、試験的にやってきたところでありますが、もう20年を超えてですね、この技術開発をやっておりますので、大分もう、あと実用化のレベルまでね、来ているという状況でございます。
 したがってですね、今回ですね、こうした岐阜県等の状況も踏まえですね、もちろん試験場に豚コレラをね、一歩も入れないということがもちろん大前提ではありますが、万々が一ですね、そういったことになったとしてもですね、十分、遺伝子、それから種をね、そうしたものを保存できる、継承できるという意味で、この受精卵の凍結保存というのは大変意義があるということだと思います。ですから、これからもですね、そういった形での技術開発、それから実証実験等々についてはですね、積極的にやっていきたいというふうに思っております。
 何といっても、県の農業試験場でこういう、何ていうんですか、ブランドのですね、もの、それから系統豚の造成というのは、これは戦略的にですね、岐阜県さんもやってこられて、我々も系統豚の造成というのは、もうずーっと営々とやってきたもんでありますから。高いお金でね、外国から種豚を買ってきて、それを掛け合わせてね、やって、今、県の養豚農家にね、提供しているんで、そこがやられちゃいますとね、今までやってきた努力がみんな水の泡になっちゃうので、これはやはり、何としても保存、継承していかなきゃいけないということで。そういう意味では、受精卵の凍結による手法というのは大変有意義だと思いますから、これは積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。

(3)安城市長選挙について
【質問】 愛知県知事選挙と同日に予定されている安城市長選挙について、現在複数の候補者が立候補を表明し、選挙戦になる見込みです。安城市は知事の地元ですが、選挙戦において、特定の候補者を応援する考えはありますか。
【知事】 私の県知事選挙は1月17日から告示、スタートし、2月の3日ということで。2月の第1日曜日というのは、昭和30年からですね、行われているということで、もうこれでなんですか、60何年ということなんでしょう。
 ということでございますが、そのときに、同日に選挙というのは、安城市と小牧市と、今度あれですか、辞意を表明されているから尾張旭市もそうなるんですかね、ということでございまして、というのが客観的な状況ですが。
 私が元々選挙区でありました、出身というか地元であります安城市長選挙も同日に行われるということで決定をされております。ここには今のところですね、有力な候補として3人の方が名乗りを上げておられるということは承知をいたしております。
 これにつきまして、私は自分の選挙がありますのでね、その選挙に専念をしたいというふうに思っておりますが、ただね、その際、是非ね、これは選挙ですからね、やはりそれぞれの候補者の皆さんが訴えることをしっかり市民の皆さんがね、吟味していただいて、より良い方をね、選んでいただければというふうに思いますが。
 私が申し上げたいのは、あくまでもですね、それぞれの候補者が何がしたいのかと。この安城市という町をどういうふうに持っていきたいのか、何がしたいか、それをどういうふうにやっていくかという、そういうまさに政策、その町のビジョン、そうしたものをですね、しっかりと訴えて、市民の皆さんに訴えてね、あくまでも政策論争でね、正々堂々とね、議論をして、選挙戦をね、戦っていただければかなというふうに思います。
 ですから、それ以外のことでね、例えば多選がどうだとか、何期目だからとかね、そういう形の議論に終始するとちょっとそれは、何ていいますかね、ちょっと不毛な議論ではないかという感じはしますね。
 というのは、それぞれに経歴はそれぞれの皆さんおありだと思いますが、選挙に挑戦するときは、常に全員がチャレンジャーなんでね、全員がチャレンジャーなんで、そういうことよりもね、あのとき誰が何言ったとかね、おまえああ言ったじゃないかとか何か、そういう誰が何言ったとか何とかっていう話で、何か言葉尻をとらまえるようなことではなくて、あくまでもですね、政策で争っていただきたいと。
 ついつい選挙戦になると、相手の、何ていいますかね、揚げ足を取るとかね、言葉尻をとらまえるとかね、相手の悪口を言うとかね、難癖つけるとか、ついついそういう誘惑に駆られると思いますが、そういうことではなくて、そういうステレオタイプなそういう批判というのはね、やっぱりあんまりよろしくないと思います。
 そうではなくて、やはりあくまでも政策でね、堂々とね、どうしたいんだと、安城市をこうしたいんだというようなね、議論でしっかりとね、論争をね、闘わせて、市民の皆さんにね、選択肢を示していただいてやっていただくということが必要ではないかというふうに思います。そういう意味での政策論争をね、大いに期待したいというふうに思っております。

(4)平成31年度与党税制改正大綱の決定について
【質問】 先週、与党の税制改正大綱が決定しました。愛知県は法人事業税の再配分で減収になるとの見通しもあります。知事はどのように受け止めましたか。
【知事】 今回の税制改正の点で、先週金曜日に決まりましたので、私は主に3点についてですね、コメントを出させていただきました。
 そのことを改めて申し上げさせていただきますと、まず、一番私ども愛知県に関係して大きなものとしては、やはり地方法人課税の見直しということではなかったかと思います。これはですね、法人事業税をですね、一部国税化をして、それをまた譲与税として再配分する、配り直すということでありました。
 10年ほど前からですね、導入をされて、この10年間で、ちょうど10年か、10年間で私ども愛知県というのは累計で4,000億円ぐらいのですね、減収ということに相なっているというふうに思います。減収がどうのこうのということ以前にね、本来地方のですね、固有の財源である地方税を一部でも国税化をしてですね、また配分するということは、まずは地方分権に逆行するということは間違いないんですね。ですから、それはもう趣旨に反する、時代の流れに逆行するということではないかということだと思いますし、とにかく地方税収をですね、最初から大都市圏から取っていくということを前提にする再配分ですね、税財源の調整にするということについては、やはり税の基本原則ね、いわゆる経済の実態と税源とを一致させるという、税の帰属を一致させるという原則に反するということで、これはやはりそうではない、原理原則に従ってね、やっぱりやってもらいたいということを常に、これまでも申し上げてまいりました。
 今回はですね、様々な議論を経てですね、こういうふうに決められたと。例えば、インターネット取引の拡充だとかフランチャイズチェーンの拡充だとか、そういうような経済がね、実態がどんどんどんどんまた東京都に集中していると。いわゆる地方に工場とか店舗があっても、そこに付加価値が落ちるのではなくて、東京都に上がっていくということなので、それを配分し、見直すということはあってもいいかなと、そういう議論はしてもいいかなというふうには思いまして、そのことは申し上げました。要は、経済の実態に合わせて税の帰属を決めるという議論をしてもらいたいということを申し上げてきたわけでありますが、そういった観点も含め、今回、多くの関係者が議論して今回の方向でまとめられたので、それは率直に受け止めたいというふうに思っております。
 ただ、もちろんですね、私ども減収になりますし、減収になるということであればですね、それはやはり県民の皆様へのサービスという点でですね、我々、サービスを落とすわけにいかないのでやり繰りせないけませんから、そういう点では、我々としては極めて遺憾だということを申し上げざるを得ませんが、今回、様々な観点から議論されたということは率直に受け止めたいというふうに思います。
 ただ、こういう形で地方税が一部でも国税化されるということは、恒久化されるということは、これは私は本来の在るべき姿ではない、遺憾だというふうに言わざるを得ないと思います。
 今後はですね、引き続きやはり大事なのは、これは申し上げてまいりましたが、地方税を充実をさせて、地方に、役割に見合った税財源を確保するということ。そのことによって日本経済全体を活性化させて、全体の税収のパイを上げていくと。地方の税収のパイを増やしていくということが必要だということをですね、しっかりと申し上げたいと思います。
 日本経済を活性化させるためには、グローバル化への対応、それからデジタル化への対応、それから分権改革、この三つだということを私は申し上げてまいりました。経済の活性化策をですね、国が一律にやっていくという時代はもうとっくに済んでいると。やはり経済の活性化は現場で、現場が一番頑張るということだと思います。ですから、企業、産業を興していくのは現場に近い我々地方政府がしっかりとやっていくと。それぞれの特徴を踏まえてね、やっていくことなので、引き続きですね、日本経済と地方経済を活性化させるために我々はしっかりやって、地方全体の税収のパイを増やしていきたいと思います。
 更に改めて申し上げますとね、更に再度といいますか、改めてこれまでの一連のこの地方税の議論をふかんして申し上げますとね、税財源の議論、地方法人課税の議論はこれで一旦区切りということになるのかもしれませんが、私はね、これ申し上げますと、今のような東京一極集中がどんどんね、加速していくような状況の中で、こうした地方税収のね、再配分をこれ一回行っても、多分ね、5年ぐらいしたらまた元に戻っちゃうんじゃないかという気がしますね。皆さん、そう思いませんか。たとえ一旦東京都から取って再配分しても、また東京都にどんどん経済が集中して、企業が集中していくとなると、また東京都に税収が積み上がっていくということになると思いますね。
 私はね、今回、これで地方法人課税の議論が一旦収束ということであれば、改めてですよ、改めて原点に返って、東京一極集中をどういうふうに止めてですね、是正をしていくかということを真剣に議論して、そして実行してほしいということを申し上げたいと思います。
 一番大事なとこはそこなんですよね。明治以来、東京一極集中は全然止まらない。企業がどんどんどんどん東京都へ、どれだけコストが高くても東京都に集まってね、企業が集まる、上場企業が集まる、そして所得の高い層が東京都に集まる。当然法人税、所得税でそこに税収が落ちるということがどんどん加速していったら、税収を少し地方に回しても、また何年かたてば、また元の木阿弥ということではないでしょうか。ですから、私は、今回はですね、改めて、この地方法人課税の話が収束したなら、やはり改めてですね、東京一極集中をどう食い止めていくのかということをね、真剣に議論して、そして実行してほしいと思います。
 ポイントは二つですよ。どんどん東京都に集中していく企業の集中をね、どういうふうに食い止めて、その企業を東京都以外に出していくのか、移転を促すのか。
 もう一つ、大学ですよ。私はいつも申し上げていますが、今でも、今でも毎年、18歳、高校を出た子が10万人東京都の大学に進学するんです。東京都から2万4、5千人が神奈川県とか埼玉県とか千葉県とかね、関西とか我々のとこにもちょっと来ますけど、行くので、差引きですけど7万5、6千人純増なんですね。東京都の人口の純増は10万から11万人なので、その4分の3が大学生ですよ。これをそのままにされたらですね、それは我々も含めてですね、地方はもっともっと、それはもう手も足も出ないということではないでしょうか。
 企業さんの地方の分散、移転というのは、やっぱり民間の話なのでそれは誘導する、促すしかできないと思いますが、大学の地方移転、分散というのは、これはできると思いますよ、企業さんと違って。だから、口だけではなくて、やるのかやらないのか、実行するのかしないのかということだと思います。その企業と大学の地方移転、地方分散ということがなければ、地方創生と言ってみたところで、今回の地方税財源の移転をやると言ってみたところで、また何年かすれば元の木阿弥ではないかと思います。
 私は、今回の地方税財源の議論は収束をしたということであればね、その次に本質のところ、東京一極集中をいかに止めていくかということにね、全力で、国、地方を挙げてですね、取り組んでいくというときに来たというふうに思います。是非そうした面で議論を展開をしてもらいたい。私も、いろんな場面で更に申し上げていきますが、そういったことに申し上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 なお、ほかにふるさと納税についてもありまして、更に一歩前進ではありますが、私はかねてから返礼品は1割だと言っておりますので、引き続き物申していきたいと思います。
 そして自動車税制につきましてはね、自動車税が減税されるのは1950年の創設以来、初めてなので、その点は評価をしたいと思いますし、反動減対策も盛り込まれておりますので、その点も評価をしたい、感謝したい、関係者には感謝したいと思いますが、その財源が自動車のユーザー負担の中から捻出をされているということなので、ユーザー負担の軽減という点ではですね、減税規模は当初期待していたものほどではないということなので、引き続き、このユーザー負担の軽減ということでは引き続きの課題だと思います。
 また、電動化やシェアリングといったね、百年に一度の自動車の大改革の大変革期の中ではね、やはり保有から利用へという観点での税制の見直し議論は不可避だと思います。やはり自動車を保有することに税がどんとかかるということになりますとね、これは保有をするなということにもつながりかねないので、これはですね、ゆゆしきことだと思います。そういう意味で、保有についての税負担はさらに、やはりこれはですね、日本だけが特別に重いので、引き続きこれの軽減をね、是非働きかけていきたい。そうしないと、日本経済の四番バッターであるね、主力産業である自動車産業が力を、活力が失われね、空洞化するおそれもあるということだと思いますので、その点は引き続き強く申し上げたいというふうに思っております。
 ちょっと長くなりましたが、以上です。