知事の記者会見
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令和元年6月24日(月) 午前10時
1 知事発言
(1)「愛知の発明の日」記念講演会及び「体験!あいち少年少女発明クラブ紹介展」の開催について
(https://www.pref.aichi.jp/site/aichi-chizai/aichi-hatsumei2019.html)

 皆さん、おはようございます。6月24日月曜日午前10時の定例記者会見を始めさせていただきます。
 先週は県議会本会議がありました。今週は委員会ということでございますので、またしっかりとですね、建設的な議論を積み重ねていただきたいというふうに思っております。
 「愛知の発明の日」記念講演会及び「体験!あいち少年少女発明クラブ紹介展」の開催についてであります。
 愛知県では、日本の十大発明家の一人であり、この地域の産業の礎を築かれた豊田佐吉翁が1898年に日本最初の動力織機の特許を取得した8月1日を「愛知の発明の日」と定めて、この前後においても様々な行事を行うことで、広く県民の皆様に発明や知的財産の重要性を考えていただく機会といたしております。
 そのメイン行事として、8月1日に「愛知の発明の日」記念講演会を、8月1日と2日に「体験!あいち少年少女発明クラブ紹介展」を名古屋市西区にありますトヨタ産業技術記念館において開催します。
 「愛知の発明の日」記念講演会では、リチウムイオン電池開発の第一人者として知られ、先週20日に欧州発明家賞を受賞されました名城大学大学院理工学研究科教授の吉野彰先生から、リチウムイオン電池の発明について御講演をいただくということであります。吉野先生はノーベル賞の候補者の一人でもあるということでもございます。また、ベンチャー企業と連携したオープンイノベーションを全国で推進しているKDDI株式会社知的財産室長の川名弘志氏から、「オープンイノベーションと知財戦略」について御講演をいただきます。私も主催者として冒頭に挨拶いたします。定員は200名で参加費は無料でありますので、多くの県民の皆様の御参加をお待ちをいたしております。
 また、「体験!あいちの少年少女発明クラブ紹介展」では、県内で活動している発明クラブの作品を紹介するとともに、発明クラブの活動を体験できる工作体験コーナーを設置し、子供たちに対する科学技術や創意工夫への興味・関心の向上を図ってまいります。紹介展につきましても参加費無料となっております。夏休み期間中でありますので、お友達同士又は親子で御来場いただきたいと思います。
 資料を見ていただきますと、その日時、場所というのが書いてありますので、よろしくお願いをしたいというふうに思っておりますが、欧州発明家賞というのはですね、欧州特許庁によりまして2006年に設立されたヨーロッパで最も権威のある発明家賞の一つでありまして、これまで日本人の受賞実績では、2014年にQRコードの開発でデンソーウェーブの原昌宏様と開発チーム、それから2015年に名城大学の飯島澄男先生と開発メンバーでカーボンナノチューブの開発ということで、いずれもノーベル賞候補のお一人でもありますね。そういった実績のある賞でございます。
 そして、このKDDI株式会社さんは、知的財産活用企業として昨年度、経済産業大臣表彰も受けておられると。その知的財産の責任者、川名様に講演をしていただくということでございますので、また多くの方にお越しをいただければというふうに思います。
 また、日本十大発明家というのはですね、豊田佐吉翁、それからミキモト真珠の御木本幸吉様、高峰譲吉様などなどですね、ありまして、愛知県ゆかりの、愛知県の方というと、豊田佐吉さんとKS鋼の本多光太郎さんということでございまして、そのうちのこの豊田佐吉翁が特許を取った8月1日を記念して、「愛知の発明の日」というふうにしております。
 そして、あいち少年少女発明クラブというのを愛知県内で自主的にどんどん今、作っていただいておりまして。全国47都道府県で209のクラブで、1万人の会員ということですが、愛知県は、うち全国最多の23のクラブ、会員数は何と全国の4割の4,000名ということでございまして、刈谷市が一番早く1974年にできましたが、今現在、刈谷市が会員が930名、豊田市が985名ということで、街の規模を考えると刈谷市はたくさん、さすがに企業の城下町だけあって多いなと思いますが、そういった形でですね、全国でもトップクラスのこういう活動をやっているということでございますので、多くの皆さんにお越しをいただければというふうに思っております。

(2)「あいち働き方改革推進キャラバン」及び「あいちワーク・ライフ・バランス推進運動2019」の実施について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/rodofukushi/caravan-wlbaction2019.html)

 「あいち働き方改革推進キャラバン」及び「あいちワーク・ライフ・バランス推進運動2019」の実施について申し上げます。
 働き方改革は、長時間労働の是正のほか、多様な働き方が選択できる社会の実現により、働く人々の意欲、能力を引き出すとともに、労働生産性の向上にもつながる重要な取組となっております。
 愛知県におきましても、企業における人手不足感が強まっており、企業の側にとっても働く人々にとっても、働き方改革への関心は日々高まっております。
 そこで、愛知県では、“変化を恐れるな Let’s 働き方改革!”をスローガンに掲げ、昨年度に引き続き、「あいち働き方改革推進キャラバン」を実施をいたします。
 このスローガンには、一人一人が働き方に対する変化を恐れずに、みんなで心を一つにして働き方改革に取り組んでいきたいという願いが込められております。街頭啓発活動や企業向けのセミナー等を通じて、県内企業の皆様の働き方改革を支援してまいります。
 また、このキャラバンの開始に合わせて、愛知県、労働団体、経済団体等で構成する「あいちワーク・ライフ・バランス推進協議会」による「あいちワーク・ライフ・バランス推進運動2019」も開始します。
 記者発表資料の1ページを御覧をいただきたいと思います。
 この2つの事業の開始に当たりまして、6月27日の木曜日午後6時から、名古屋のサカエチカにあるクリスタル広場とドコモスマートフォンラウンジ名古屋においてキックオフイベントを開催します。
 当日は、元中日ドラゴンズの岩瀬仁紀氏に今年度の「あいち働き方改革推進大使」を委嘱し、岩瀬氏と一緒に働き方改革の必要性を呼び掛け、啓発グッズの配布も行います。
 次に、記者発表資料の2ページの2を御覧をいただきたいと思います。
 「あいちワーク・ライフ・バランス推進運動」は今年で8年目となりますが、県内の企業等の皆様にワーク・ライフ・バランスの実現に資する愛知県内一斉ノー残業デーを始めとする8つの取組について呼び掛け、賛同を募ってまいります。
 8つの取組につきましては、記者発表資料の2の(2)にAからHまでのですね、取組として記載をいたしております。
 こうした取組にですね、1つでも当てはまり、取り組むという企業さんが、昨年度はですね、延べ4万2,694事業所の皆様に御賛同いただき、こうした運動に参加をいただきました。
 今年度も7月1日から11月30日まで、御賛同いただける企業さんを募集いたします。申込方法は、記者発表資料の3ページ、2の(4)に書いてありますので、積極的なお申し込みをよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。Webサイト、郵送又はFAXということでございますので、よろしくお願いをいたします。
 県内企業等の皆様には、それぞれの職場におきまして働き方改革の取組を更に前進させていただいて、働き方改革の大きなムーブメントを生み出していただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 ということで、資料を御覧いただくと、資料の3枚目に、岩瀬さんのですね、直筆の「変化を恐れな Let’s 働き方改革!」というチラシもありますのでですね、また御覧をいただければというふうに思っております。
 これ27日に来てもらえるんだね。御本人に来ていただいて、一緒に働き方改革のキックオフということでやってまいりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、岩瀬さんを起用したのは、やはり長年活躍し続けるために厳しいセルフマネジメントをやられたということ、そして、仕事のオンオフの切替えをしっかりと行い、長い現役生活を続けることができた岩瀬さんの姿勢は働き方改革に通じるものがあるということでお願いをさせていただいたということでございますので、よろしくお願いをいたします。
 労働時間の実態を見ますとですね、愛知県の一般労働者の年間総労働時間は2,000時間を超えておりまして、全国平均と比べても高く、長時間労働の是正は喫緊に取り組むべき課題でございますので。この働き方改革は、日本一の産業県である愛知県でありですね、私が知事に就任してからはこの8年間でですね、愛知県だけで雇用が30万人増えたということでありますので、そういったことも踏まえですね、やはりワーク・ライフ・バランス、働き方改革に、率先して取り組んでいきたいというふうに思います。
 その中でですね、一つ、11月の第3水曜日に「愛知県内一斉ノー残業デー」というのをずっとやっておりますが、これはですね、ここに参加する企業が一番多くてですね、ノー残業デーについては6,411事業所が昨年参加していただきました。次にメンタルヘルス対策というのが5,959事業所、次に有給休暇取得促進が5,867事業所という形で、それぞれのね、ジャンルに御参加をいただいているということでありますので、今年もですね、是非そうした形で働き方改革運動に御参加をいただきたいというふうに思います。
 今、申し上げましたように、2,000時間を労働時間超えて、依然長時間労働を前提とした労働慣行が根強くあるのではないか、また、人手不足を時間外労働に頼っているのではないかということが現状ではないかと思います。
 今後、人口減少などに伴いまして人手不足はますます深刻化すると思います。高齢社会の進展により、親の介護との両立が必要な方が増えるなど、制約は増えてくると思います。企業さんは、働く方の視点でですね、こうした制約を抱えた労働者が長く活躍できるように働く環境を整備するとともに、生産性の向上を図ることで長時間労働を是正し、ワーク・ライフ・バランスの実現に取り組んでいただきたいと思います。
 働き方改革関連法も施行されましたので、そうした面で更にこの働き方改革、愛知県ならではということで取り組んでいきたいと思います。
 私からは以上です。

2 質疑応答
(1)名古屋城の木造天守閣について
【質問】 名古屋城の木造天守閣について、名古屋市は2022年末の完成目標を延期する方向で関係者との協議に入るようですが、このことについて知事の所感をお願いします。
【知事】 先週のですね、21日の金曜日ですか。金曜日の午後、文化庁のですね、文化審議会が開催されて、名古屋城の天守閣の解体についてはその審議にかからなかったということで、当面かかる予定はないということでですね、お聞きをしました。
 名古屋市、河村市長のコメントも手元にいただきましたし、名古屋市さんの会見などもですね、どういうことをお話しされたかということもお聞きをいたしておりますが、私の所感をですね、この際に申し上げた方がいいかなということで、御質問いただいたので申し上げますと、名古屋城についてはですね、当初から私の耳に入ってくる情報では、当初から難しい、無理だという話で私のところには入っております。
 要はですね、文化庁及び専門家の主張は、この名古屋城の石垣が特別史跡で国宝だと。国宝だと。特別史跡というのは国宝という意味ですから、これが、徳川家康公が400年前に造られた本物の石垣が国宝であり、これを保存をしてもらいたいということだったと。ですから、その保存について調査をし、計画を作り、取り組む。そのことが担保できないと認められないということをですね、当初から言っておられたという話は、私は聞いております。私の耳にはそう入っております。
 しかしながら、名古屋市さんはそういう調査もしておらず、計画も作っておられない。天守閣を復元してからやりゃあいいじゃんということを言っておられたので、最初からそうではないよということを文化庁も、そして石垣部会の城郭の専門家の学者さんもみんな言っておられたということなので、当初から無理だと、難しいというふうに私は聞いておりました。だから、予定どおり、想定どおりの結論が出たということではないかというふうに思っております。あえて言えばですね、名古屋市さん、もうそろそろ本当のことを言ったらどうかという率直な感想を持っております。
 ちなみにですね、文化庁から名古屋市さんには、昨年2月と今年の2月に文書でもって、こういうことをきちっと調べてお答えもらいたいという指摘が来ております、来ております。これは今年の2月に来たというものでありましてね、私の手元にあります。
 ちょっと読み上げますとね、現状変更許可申請提出にあたっての留意事項。
 1、現天守を解体する理由(現天守解体の必要性・妥当性)。耐震診断結果の詳細な説明、耐震補強では十分でない理由、現天守に係る沿革と内容に関する情報の整理、現天守の記憶保存等に関する措置。文化庁の主張は、今の天守閣も文化財としての価値があると。これを解体して壊して、更に造り替えることについての積極的な理由を整理してもらいたいというのが1点目。
 2、現天守解体の具体的な工事内容(工事用仮設の具体的な内容を含む。)具体的な工法・工程等。
 3、2に関連して、現天守の解体・除去工事が文化財である石垣等に影響を与えない工法であり、その保存が確実に図られること。*石垣部会の意見を付すこと。
 4、石垣等保全の具体的方針。あわせて石垣部会の意見を付すこと。
 5、石垣等詳細調査の具体的な手順・方法等(石垣調査計画)。*石垣部会の意見を付すこと。という質問書が具体的に来ているんですけれども、答えていないということだとですね、それは最初から無理ということなんですね。だから、そういうことがそのまま出たということではないかと思います。
 ちなみにですね、私が専門家からの話として聞いたところ、あの石垣は非常にはらんでいたり劣化して、空襲で燃えたところ、劣化の激しい部分とか、そういったものをですね、石垣の調査及び天守台周りのですね、地下にもいろいろ史跡であるし、そういったところも更に詳細な調査をする等々、調査だけで五、六年はかかるだろうと。それから保存計画を作ると二、三年。やはり八、九年はかかるだろうという話。これは私が聞いたっていう話ですから、専門家からそういうふうに聞いたという話なんで、そのぐらいかかってしまう。調査とですね、計画作りだけで。その間は触れないということと聞いております。
 ということなので、全てはこれから。全てはこれから。じゃあ、今までやったことは何だったんだということだと思います。ですから私はね、もうそろそろ河村さんも名古屋市も本当のことを言ったらどうかという思いがいたします。
 名古屋市さんがやられることなんでね、私がとやかくと言うことではないかもしれませんが、やはり同じところにいて、隣にいてですね、更にごたごた混乱して、いろんなことがですね、動いていかないというのはいかがなものかという感じがいたしております。
 はっきりしたのは、今回のこの天守閣の建て替え計画はこれでめどが立たなくなったということであります。なので、一から調査をされなければいけないのではないか、やろうとすればね。今のままでいいっていうなら、ずっとそのままにらめっこなんでしょうけどね、きっと。
 言葉が適当かどうかはあれですが、何かこんな状況が続けば、こういうのを「迷宮入り」って言うんじゃないですかね、日本語としては、ということではないかと思います。
 とするとですね、今までかけてきたこの設計費用とかですね、あと調達した木材、どうなるんだと。木材はあれですよね、劣化していきますからね、使えなくなりますよね。そうすると、下手したら全損。木材と設計費、もう100億円超えてますのでね。その100億円が全損になるおそれ、可能性が出てきているということではないかというふうに思います。
 要はですね、文化庁から許可が下りていない段階で、ある意味で見切り発車の形で設計を進め、木材調達をしている。あたかも既成事実を作ろうとしているかのように急がれたということ。
 これは、行政というのは善良な管理者の注意義務、善管注意義務とかね、誠実にやるとかそういうやっぱり原則はあると思うんですね。そういうのを全部すっ飛ばしてですね、やられて、金目の話がということではないでしょうけど、1億2億という話とね、100億円という話は違いますでね、これ。名古屋市は大金持ちだもんで100億円ぐらい穴あけたったどうってことないわということにはならんのですよ、これ絶対に。税金ですからね、これ。人の金ですから。何でこうなったのかということをですね、私は事実関係をしっかり、特に議会の皆さんには、事実関係をしっかり解明をしてほしいというふうに思います。
 たしか議会の中からはですね、許可のめどを立ててから木材を調達すべしという指摘があったというふうにもお聞きをいたしております。にもかかわらずですね、もう全部契約して、何か相当多くの部分はもう製材もしてしまった。あれ、原木で置いておくと水につけときゃしばらくもつのかもしれませんが、製材した途端にですね、木材というのはどんどん劣化をしていくということですよね。
 何でこんなふうにしてしまったのかと。許可のめどは立たない、これから調査だと、一から。木材は劣化をしていく。下手すると100億円が全損になるというおそれ、可能性。一体何でこうなったのかというのをですね、私は是非聞きたい。多くの市民が事実関係を知りたいと思っておられるんじゃないでしょうか。もちろん当然誰が責任だという話になりますよ、これ。誰も悪くなかったって話にならないですよ、これ。だけど、その責任うんぬんの前にですね、事実関係を明らかにしていただきたい。
 市議会もですね、いろいろ疑問があり、議会の中で相当かんかんがくがくの議論があったというふうには私も聞いておりますが、議決をされて認めたというわけですから、それも責任があられるんでしょう。だとして、今回は許可のめどが立たなくなったということでありますから、それはやっぱり議会としてですね、聞いていた話と違うじゃないかと、説明受けた話と違うじゃないかということであれば、やっぱりしっかり正してただしていただきたい。例えば百条委員会をやるなどしてですね、事実解明をしっかりやっていただきたいというふうに思っております。それぐらいの案件だと私は思いますよ、これ。100億円ですからね、これ。
 それと、そもそも、ここは県政記者クラブなのであれですけど、取材されたマスコミの皆さんは知ってたんじゃないんですか、これ大体。大体私が今、申し上げたことぐらいのことは、取材されてて。知ってていろいろ書かれてきたんじゃないですか、これまで。と思います。
 要はですね、我々、いつも私申し上げるんですが、ファクトとエビデンス、事実と論拠に基づいてしか我々仕事はできませんので、事実関係をしっかりやり、そして論証、科学的根拠、論拠をはっきりさせていくということが必要だというふうに思います。だから、そういうことを積み上げていって初めてそういう文化審議会、国の許可が下りるということではないかということだと思いますね。ということでございます。
 もしね、河村さんや名古屋市さんが私が言っていることが違うということならばですね、そういうふうに説明していただければいいんじゃないでしょうか。それと結果を出していただければいいんじゃないでしょうか。結果出てませんよね、結果は。全然めど立たずですよね。一から調査ですからね。要は、「石垣部会の意見を付すこと」というふうに何回も何回も書いてあるんですよ、これ。何回も何回も。
 当然のことですけど、あそこに日本の国内の城郭研究のですね、専門家の方がほぼほぼ全てメンバーとして入っておられるわけです。ですから、その専門家の皆さんの科学的な論拠、検証に基づいた意見、そして意見に基づいた計画、調査をし計画を作って出していくということが必要最低の条件だということなんですね。私は、それは是非そういう形でやっていただくことが必要ではないかというふうに思います。
 さらに言いますとね、河村さんが職員に対して、これができなかったら切腹だとかですよ、途中段階でこれができなかったら、できないようなやつは飛ばしてやるとか、首だとかね、切腹だとか言っているというようなこともお聞きしましたけど、これって典型的なパワハラではないですか、これ。権力者がですね、権力者が権力を持ってその職員に対してやれと、やれなかったら切腹だと言われればですね、それは、それこそおもんばかってというか、自分の身を守るためにですね、できないと分かっていても、やれますよと言ってですね、事実と違うことを積み重ねていって議会にも説明する、対外的にも説明するということではないかというふうに言わざるを得ないと思いますね。これはパワハラじゃないというんだったら、そういうふうに説明していただければいいんじゃないかというふうに思います。何かいろんな要素が詰まっているような気がいたします。
 そういう意味で、言葉はあれですけど、権力者が権力を使って職員に無理強いをして、結果できなかった、市に損害を与えたということになればですね、これはえらいことではないかというふうに思います。
 日本の行政、民主主義というのはそういうふうな仕立てではできてないと思いますのでね、私はしっかりとそれは。だから、その前提として事実関係を知りたい。事実関係を知りたい。何でこうなったのか。何で許可のめども立たないのに500億円という予算を立てて、議会も議決して。許可のめどが立つまでは木材は買っちゃ駄目だと言われていながら、それでも100億円も契約してどんどん製材をしてしまったと。当然のことながら許可は出ないと。これは一体何が起きたんだと。我が日本国でこういうことが起きるのかということが私は不思議でならないんで、事実関係を是非しっかりとね、詳細につまびらかに、事細かに、いつ誰が何を言ってこうなったのかということもですね、是非知りたいというふうに思います。まずは事実関係、事実関係の解明をしっかりやっていただきたい。そのことを申し上げたいと思います。
 仮にですよ、仮に関係者の方がね、望むということであれば、私はね、この問題でこれ以上の混乱、ごたごたはですね、いかがなものかというふうにも思いますので、もしね、私が中に入って、文化庁とか関係のところに入ってですよ、調整してくれと、間をとってくれということであればですよ、間に入って調整したりやることは全くやぶさかではありません。これ以上のですね、混乱、ごたごた、言った言わない、やれるはずだ、できない、そういう、その見込みだけでですよ、こんな500億円の予算を使う。100億円でもう木材調達してしまった、許可は出ない、どうするんだということをですね、解決するんだったら、もう一回一からですね、地に足をつけて、関係者全ての方が衆人環視の下でですよ、一つ一つきちっと客観的に調査をして、そして組み立てていくということではないでしょうか。
 その結果、仮にですね、予算が500億円じゃなくてもっとぼわーんと膨らむということになったらですね、これ、やる意義があるんですかという話に私はなってくる可能性もあるんではないかというふうに思います。
 いずれにいたしましてもですね、これは関係者が望むというかね、関係者が希望すればという話でありますけれども、もしそういうお話があればですね、私なり県の担当なり、私が入るということは県がということになりますが、今まで利害関係というか、ちょっと第三者的な立場におりましたのでね、そういう意味では客観的に物が見られ、物も言えると思いますので、国、関係団体、様々な方々、障害者団体も含めてですね、間に入って関係方面と調整をするということはですね、やぶさかではないと、入ってもいいというふうに思っております。
 いずれにしてもですね、これ以上この問題で混乱、ごたごたするというのはよろしくないのではないかというふうに思います。
 ということで少し長くなりましたが、私も長い間この案件を見てきてですね、いろんな情報も耳に入ってきているんですが、少し、私が物を言うといろいろ。基本的には第三者の立場でありますから、名古屋市さんが関係者ときちっと詰めていけばいい話だということで思って見ておりましたが、今回一定の結論、方向が出たということでありますので、これまでの経過も含め所感とですね、今後どうするかについても私自身の思い、考えを申し上げさせていただいたということであります。
 以上です。

【質問】 名古屋城の木造天守閣について、2022年末の完成は河村市長の市長選挙での公約でした。完成の延期による河村市長の政治責任についてはどのように考えますか。
【知事】 先ほど申し上げたように、政治責任といい、その前にこの予算面でね、これで許可のめどが立たなくなったということになりますと、もう調達、契約してしまった94億円の木材と、あと設計費等々で100億円以上がですね、全損の可能性が出てきたということですから、それはもう当然、当然責任問題というのは出てくるんだろうというふうに思いますが、ただ、その前にやはり事実関係をね、事実関係をはっきり、明らかにしていかないと、そこにはたどり着かないんではないでしょうか。
 ですから、まずはね、まずは一体何が起こったんだと、事実は何なんだというところを私は明らかにしていただきたい。私も知りたいと思いますし、私以上に名古屋市民の方がみんな知りたい。これは名古屋城木造天守やってくれと言われた方も、いやこんなのやめろと言っていた方も、エレベーターを付けなきゃ反対だと言われた障害者団体の方もみんな、私は事実関係を知りたいというふうに思っておりますので、まずは、事実関係をね、明らかにしていただきたい。そのことを強く申し上げたいというふうに思います。
 その上で、先ほど申し上げましたが、これ以上のですね、混乱、ごたごたは、私もですね、あまり望ましいことではないと思いますので、関係者が望めばということでありますが、今まで第三者の立場で見てきましたから、間に入って調整をすると、してくれということはやぶさかではありませんということを申し上げております。
 河村さんが選挙公約でうんぬんということを言われましたけれども、感想だけでもちょっと申し上げますと、公約に挙げたからといったってできないものはできないという、ただそれだけのことじゃないんですか、それ。
 だから、そういう意味で、当然、挙げたことができなかったら、そのことについては責任をとらないかんということになるんだろうと思いますが、その前にね、その前にやはり、先ほど申し上げたように事実関係をしっかり、きちっとね、明らかにしていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。

【質問】 名古屋城の木造天守閣について、今後の対応など知事が調整することもやぶさかではないとのことですが、具体的にどのような形で調整していく考えですか。 
【知事】 それは何か具体的に頭の中にあるわけじゃなくて、関係者が望めばということですけどね。いろんなやり方があるんじゃないでしょうか。
 そうすれば、誰がやってもだと思いますが、こういう混乱、ごたごたしたときはやっぱりちょっと客観的に、第三者的な立場にいた人が、私じゃなくてもいいと思いますよ、誰か、どなたかがやはり間に入って実態はどうなんだという形で取り組むということも解決の方策の一つではないかなと思いますし、そうすれば、やっぱりもう一回文化庁というか、文化庁だけじゃなくてその専門家ですね、専門家、学者の先生方がきちっと一から調べろと言っているわけだから、その調べるということをやらなきゃ駄目でしょうね。そういったことをやっていくということになるんじゃないでしょうかと思います。
 ただ、今までずーっと、大丈夫だ大丈夫だと言ってこられたから、もう今更よう言わんということかもしれませんがね、名古屋市さんはね。だから逆に、その第三者的な立場の人が、いや実際どうなんだといって調査をするということからスタートじゃないでしょうかね。
 本当に何かこう糸がもつれてこんがらがっているような気がしますので、それをもう一回交通整理して解きほぐすということが必要ではないか。そういう意味で申し上げたということです。

【質問】 名古屋城天守閣の木造化について、既に天守閣への立入りが止められています。名古屋市のみならず愛知県の観光にとっても影響が大きいと思いますが、どのように考えますか。
【知事】 個人的にはですね、もうこれで調査が必要なんですから、調査をやっている間だけでもですね、毎日とはいわずに1日置きだとかね、不定期でもいいですけれども、応急手当てはね、耐震とか避難とかですね、そういったいろんな安全性を確保するための応急措置、応急手当ては必要だと思いますが、そういったことをやった上でですね、やはりもう一回展示を再開してもらいたいなと、入場を再開してもらいたいなというふうには思いますね。
 しばらく手がつかんわけですよね。調査をもう一回一から全部、何年もかけて調査しなきゃいかんわけですよ。その間ずーっと閉めとくんですかということだと思いますね。僕はそれはちょっといかがなものかと。
 せっかく本丸御殿がね、去年完成して、大変多くのお客さんでにぎわっているわけですから、中にはやっぱりあそこの天守閣に登りたいという方は、結構多いんじゃないでしょうかね。毎日とはいわずにね、日を決めてもいいと思いますよ。曜日を決めてもいいと思いますが、どっちみちこれで調査して、相当時間がかかる調査になろうかと思いますので、そうすれば、その間、制限をかけながらも開けるということはあっていいんじゃないかというふうに思います。