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Aiレポート

国際協力 〜理念や価値観で選択を〜
リポーター:かりん



 大学生の夏休みは長い。この長期休暇を有意義に過ごすべく、フィリピンの孤児院で1週間ほどボランティア活動をしてきました。
 フィリピンの孤児院を訪問するのはこれで2回目なのですが、国際的な観光地であるにも関わらず街に溢れかえるストリートチルドレンや物乞いの方を目の当たりにし、複雑な感情が湧きました。
 同時に、貧しい生活の中でも、好奇心旺盛で人懐っこく、くりくりとした可愛らしい瞳の子供たちと接し、「本当の豊かさ」とは何なのだろうか」とも考えさせられました。
 このような経験を踏まえて、今回のAiレポートは「国際協力」をテーマにとして、愛知県安城市でフェアトレード&エコロジーショップ「ぎたんじゃり」を経営する平野 木恵(ひらの きえ)さんを訪問し、お話を伺いました。

平野 木恵さん   ぎたんじゃり外観
  平野 木恵(ひらの きえ) さん   「ぎたんしゃり」外観 
かりん:
 「ぎたんじゃり」さんではフェアトレードの商品を販売しているそうですが、フェアトレードとはどのようなものなのですか。

平野:
 フェアトレードとは「公正貿易」とも呼ばれています。
 私たちは生活の中で海外で生産された物を買うことがありますが、その生産国である発展途上国の人たちの労働環境が非常に悪かったり、人権が損なわれている現実が存在します。
店内の様子
ドライフルーツ、コーヒー、ハーブティなどが売られている店内の様子 
 今、世界でとても豊かな生活ができているのはわずか18%、残りの約8割の人たちが非常に貧困にあえいでいるのが現実です。それは、私たち豊かな国の人たちの生活や交易のやり方に原因の一端があります。
 「同じ人間として、なるべく公正、公平な社会がきたらいいな」という願いがフェアトレードのコンセプトとなっています。
 そしてもうひとつ、フェアトレードには同時にエコロジー的な面も配慮されています。生産国の環境を害さないような生産方法を応援しています。
 人権と環境が両方同じようなレベルを保ちながら、現地の人たちの経済的な自立を応援することが「フェアトレード」です。
かりん:
 このような活動を始めたきっかけはなんですか。

平野:
 以前、バングラディシュの留学生の生活支援、生活相談のボランティアをしたり、家にホームステイをしてもらったりしたことがあって、そうして親しくなってくると、自然と「対等な人間関係」ができてくるじゃないですか?
 そうした関係の中で、彼らは援助をしてもらうとか、恵んでもらうことを欲しているわけではなく、国際社会の中で対等な国として、あるいは人としてお付き合いできることを望んでいると感じました。
 そこで、社会のシステムそのものを変えるために継続的にできることに関わりたくて、フェアトレードの活動を始めました。
 生産国の人もフェアトレードに関わることで自立していけるし、自分自身も日本という国の中で女性が自立していくのは大変なことなのですが、お互いにそれぞれのベースで大変なことをやっているということで対等感も生まれます。
かりん:
 国際協力とはどのようなものと考えますか。

平野:
 国際協力と言われても、とても大きいことなんですけども…(笑)。
店内の様子
 店の一角には国際協力関係の書籍も
 それには、いろいろな形があると思います。
 私の考えをお話しすると、単に交流するということだけではなくて、協力するということは、その前提として、やはり対等な関係でなくてはなりません。両者が互いに協力し、依存するという形で関わっていけばいいのかな、と思います。
 貧困にあえぐ状況を作ってしまったのは私たち先進国でもあるので、そこに責任があります。また逆に、生産国側も先進国における自分たちの生活のスタイルを見直していくということもとても大切なことなのです。
 だから、「双方向に対等な関係でやっていく」ということが国際協力だと思っています。
かりん:
 お店を始めたころと比べてお客さんの反応に変化はありますか。

平野:
 この店を始めて、もう13年になるんですけど、当時は「フェアトレード」の認知度は5%、買ったことがある人は3%、というのが実情だったと思います。
 その後、学校の授業やマスコミにも取り上げられ、認知度は上がってきている気がします。買ったことのある人も多少は増えているでしょう。
 だけど、「フェアトレード」というのは基本的に継続してやっていくということが大切なんですね。
 経済的な自立が確保されるためには、収入としての仕事が保障されなくてはならない。その仕事が成り立っていくには、その商品を継続的に買う人がいなくてはいけなません。物珍しさからたった1回買う、それはフェアトレードではありません。
 1品でもいいから自分の生活の中で継続してフェアトレード商品を取り入れている人が、果たして今の日本にどれくらい増えているかということになってくると…うーん、正直な話、あまり増えているとは思えません。
 日本は世界中で3番目にコーヒーを多く飲んでいる国なんですが、その交易の大半はフェアトレードではありません。そうした意味で、実際にフェアトレードに「参加してる」という人は13年前とあまり変わってないのでは、という感じがします。
 現在では、日本人の生活自体も不況で厳しい状態なので、「自らの理念や価値観で選択している」人が増えてるかというと、残念ですが、正直なところそうでもないかな、という感じですね。

店内の様子   店内の様子
         店内で販売されているフェアトレードのアクセサリー
 平野さんにインタビューをさせていただいて、「国際理解」、「国際協力」を心で捉え、行動することはなかなか実現しにくいけれども、決して難しいことではなく、人間の純粋な感情の延長線上にある親しみやすいものだと感じました。
 「自らの理念や価値観で選択」…この言葉が心に残っています。私自身も、普段の生活にこの言葉を持ち歩きたいですね。


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