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文化財を感じる秋!
リポーター:かりん


 暑かった夏も過ぎ去り、いよいよ秋です!
 「秋」と言えば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…いろいろと思い浮かびますが、「芸術」も秋を楽しむ上で欠かす
ことのできないもののひとつです。「芸術」というと絵画や彫刻などが思い浮かびますが、工芸品なども立派な芸術の一つ
です。
 また、秋になると、各地で行われるお祭りなどで様々な伝統芸能などを見る事ができます。

 これらの工芸品や伝統芸能などの「文化財」についてお話を聞いてみたい!ということで、今月は教育委員会生涯学習課
文化財保護室の川井さんと伊藤さんに、愛知県にある文化財やそれらの保護への取組をインタビューしてきました。
 
Q1
かりん
   ちょっと調べてみたのですが、愛知県には、現在、国に指定されている文化財が408件、県が指定している
ものが607件あるそうですね。
 しかし、「文化財」とは具体的にどのようなもののことを言うのでしょう?
   
A1
川井さん
   ひとくくりに「文化財」といっても、色々なものがあります。
 建造物や絵画、工芸品などの「有形文化財」や、秀でた技術を持つ職人などの「無形文化財」、お祭りなどの行事や
衣服や器具などの「民俗文化財」などの他、「記念物」、「文化的景観」など、その種類は多様です。
 愛知県内で指定されているものでいうと、有形文化財として「豊橋ハリストス教会」、無形文化財として「吉浜の細工
人形づくり」、無形民俗文化財としては「東栄町の花祭」などが有名です。
 国や県の他にも市町村でも文化財の指定をしており、現在、愛知県内の市町村が指定している文化財は全部で
3,500件以上あります。
 これらの中から、特に県としての歴史を考える上で重要であるものを、大学の専門の先生らによる県の文化財
保護審議会において審議して、県指定文化財としています。
 この中からさらに国としてその重要性を認められたものが国指定文化財となり、さらに重要なものは国宝と
なります。
 愛知県内にある国宝といえば、「犬山城」が有名ですね。
豊橋ハリストス教会   花祭り(東栄町)   犬山城
豊橋ハリストス教会    花祭り(東栄町)   犬山城 
   
Q2
かりん
   愛知県にある文化財について、何か特徴的なものはあるのでしょうか?
   
A2
川井さん
   そうですね。目に見えるような特徴というものはないのかもしれません。
 しかしながら、歴史的に日本の中枢であった奈良や京都、鎌倉、東京と地理的に大きく離れておらず、どの
時代にも人の往来があったこと、また、信長・秀吉・家康の三英傑の出身地ということもあり、愛知県には
重要な文化財が数多く存在します。こうしたことも、特徴と言えば特徴なのかもしれません。
 まあ、数が多ければ良いというわけではありませんが、愛知県内の国指定の文化財は、東京や京都、奈良、
神奈川など歴史の中心であった都道府県などにはかないませんが、全国で9番目の数を誇っています。
 特に、東三河を中心としてお祭りなどの無形民俗文化財が多く、無形民俗文化財だけで言えば全国2番目の
多さです。
   
Q3
かりん
   文化財の指定を受けるのに、基準のようなものはあるんですか?
   
 A3
伊藤さん
   指定を受けるにあたっての明確な基準というものはありません。基本的には、「学術的に価値のあるもの」
ということは言えると思います。
 ただ、単に歴史があり珍しいというだけでなく、古くから人々の生活の身近に存在し、人間との関わりが深く、
かつ、歴史的事実を明らかにするのに重要な役割を果たしたものが多いような気はしますね。
   
Q4
かりん
   そのような歴史的な文化財を後世へ伝えていくために、県として取り組んでいることを教えてください。
   
A4
川井さん
   県の取組としては、まずは、「今、存在している歴史的遺産を残さなければいけない」というのが大前提に
あります。どうしても時代や世代の移り変わりとともに、古いものは取り壊されたり、失われていってしまいます。

 私たちとしては、重要な文化財を見逃すことなく、県として積極的に「指定」をしていくことで文化財を保護して
いるのです。
 文化財として指定されることによって、行政としてその価値を認め、保護されることになります。その一方で
勝手に処分できなくなるなどの不都合も生じてきますが、所有者などに文化財としての価値をきちんと説明し、
理解してもらえるように、我々としては働きかけています。
   
Q5
かりん
   具体的にはどのような取組をしているのですか。?
   
A5
川井さん
   最近の話題なのですが、今年の9月に朝日遺跡からの出土品が国の重要文化財に指定されました。ご存知
でしたか?
 「朝日遺跡」というのは、清洲市から名古屋市西区に位置する弥生時代の遺跡です。土器や銅鐸(どうたく)、
鍬(くわ)や鋤(すき)などが発掘されています。この遺跡は、昭和40年代から発掘され、40年近くかけて調査をし、
県が3年かけて成果を整理したものです。

 この文化財については、国の指定を受けたことで保護はされていくことになります。
 しかし指定されただけで、世間の人々に認識されていないのでは全然意味がありません。
 そこで、我々としては、来年ですが、遺跡の近くの清洲貝殻山貝塚資料館において記念展を開催して、より
多くの方に知ってもらおうと考えています。
 他にも、国、県が指定している文化財をWeb上で紹介する『文化財ナビ愛知』を作製したりして、文化財について
広く皆さんに知ってもらうことで、より良い形で次の世代へ伝えていこうと努めています。

 また最近では、文化財を使って体験したり、文化財について勉強したりする場を積極的に設けるようにして
います。
 以前は、文化財にはなるべく触れないようにし、大切に大切に保存しようという傾向が強かったのですが、
実際に使って、体験することにより、文化財をより身近に感じてもらい、興味を持つ方の裾野を広げていけたら
良いのではないかと考えています。
朝日遺跡からの出土品   清州貝殻山貝塚資料館   体験講座(弥生時代の田植えを体験)
朝日遺跡からの出土品    清洲貝殻山貝塚資料館   貝殻山貝塚資料館での体験講座
   
Q6
かりん
   この秋に、私たちが実際に見て体験できるようなイベントはありますか?
   
A6
川井さん
   10月20日には一宮市浅井町にある大野極楽寺公園で、名勝・天然記念物である『木曽川堤(サクラ)』の保護
体験講座を開催します。
 江南市から一宮市に渡る約10kmの堤防に2,000本ほどの植えられているサクラの樹勢回復作業をお手伝い
していただきます。子供から大人まで楽しみながら、文化財に親しんでほしいですね。

 また11月11日には豊川市文化会館で『第54回近畿・東海・北陸ブロック 民俗芸能大会』が開催されます。
石川県の三夜踊り、豊川市の牛久保の若葉祭、半田市の大獅子小獅子の舞など12府県の祭りを一挙に楽しむ
ことができます。

 そのほかにも、先ほどもお話しましたが、朝日遺跡の重要文化財指定記念展覧会が来年の3月20日から
5月19日までの水曜日から日曜日に、愛知県清洲貝殻山貝塚資料館で開催します。大変珍しい円窓や
蓋(ふた)のついた土器やきれいな色をした勾玉(まがたま)のネックレスなど2,028点が出品されます。
木曽川堤のサクラ   近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会   豊川市牛久保 「若葉祭」
半田市 「大獅子小獅子の舞」
木曽川堤のサクラ    近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会
(豊川市牛久保の「若葉祭」(上)と半田市の「大獅子小獅子の舞」(下))
 
   
Q7
かりん
   最後に県民のみなさんに伝えたいことをお願いします。
   
A7
川井さん
   6年前に教育基本法が改正され、新学習指導要領も実施され、最近では教育の中で伝統や文化を学ぶ機会が
増えてきました。
 私たちもこれを良い機会として、若い世代にも文化財について興味を持ってもらえるようPRをしていきたいと
考えています。
 文化財と言うと古臭いと感じる方もおられるでしょうが、ぜひ、県民の皆様には一度でも足を運んで、実際に
本物を見て、その迫力やすばらしさを感じてほしいと思います。
 文化財にもいろいろな種類があり、いくつか見に行っているうちに自分の興味と合うものに出会えるかもしれ
ません。
 その地域にある文化財と触れていくことが、地域との絆(きずな)といった、日本の良いところを復活させること
にもつながっていくのではないでしょうか。
   

かりん
   昔から私たち日本人の生活に根付いてきた文化や歴史的な遺産に触れるということは、ただ昔を思い返すこと
だけでなく、現在の生活を見つめなおし、そして未来のことを考えていく良いきっかけにもなりそうですね。

 私も、機会を見つけて身の回りにある文化財について見直してみたいと思いました。
 今日はありがとうございました。
   
                                          ▼お問合せ 愛知県教育委員会文化財保護室
                                            052−954−6783(ダイヤルイン)


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