１ 子どもの安全が確保できる地域づくり
（1）子どもの交通安全を確保するための活動の推進
- 県内の交通事故の発生状況は、交通事故死者数は減少傾向にあるものの、交通事故件数は増加傾向にあります。
＜図 ３章－III－2＞
県内における交通事故（人身事故）件数の推移
＜図 ３章－III－3＞
県内における交通事故死者数の推移
＜図 ３章－III－4＞
県内における二輪車事故（発生件数・死者数）の推移
- 愛知県においては、昭和46年から、県内における交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図るため「愛知県交通安全計画」を策定し、関係行政機関を始めとして多数の交通安全団体において様々な交通安全対策を実施しています。
現在は、「第７次愛知県交通安全計画」に基づき、交通安全に関する諸施策を実施しています。
「第７次愛知県交通安全計画」は、すべての県民を対象とした交通安全に関する計画ですが、子どもの交通安全を確保するうえで大きく関わってくる「シートベルト及びチャイルドシート着用の徹底」、「交通安全教育の推進」、「県民参加型の交通安全活動」などについても強力に推進することとしています。
- 愛知県警察では、交通安全教育指針（平成10年国家公安委員会告示第15号）等を活用し、段階的かつ体系的な交通安全教育を実施しています。
平成16年においては、県内の警察署が中心となって、子どもを対象とした交通教室、自転車教室などの交通安全教室を延べ2,002回開催しました。
- 愛知県警察では、交通安全教室の他、子どもの交通安全を確保する活動として様々な取組をしています。
県内の44警察署管内において、モデル幼稚園（保育所）を各１か所指定し、重点的かつ効果的な交通安全教育を実施しています。
また、ここでは交通安全教育指導者の育成も併せて実施しています。
子どもの交通安全と次代を担う少年たちに交通ルールを身に付けさせることを目的に組織された交通少年団に対して、集合訓練の実施や機関紙「あいち交通少年団」を作成・配布し、その育成と活動を支援しています。
交通少年団の結成状況は、平成16年４月末現在で、381団77,155人となっています。
- 県立高等学校においては、二輪車による交通事故を防止するため、「四ない運動」（①バイクの「免許を取らない。」 ②バイクを「買わない。」 ③バイクに「乗らない。」 ④バイクに「乗せてもらわない。」）を展開し、新入生と保護者向けの資料を作成して、その啓発に努めています。
また、県立高等学校における交通安全教育を推進していくため、教員を対象とした研修会などを開催しています。
- 愛知県では、地域の実情に即した交通安全教育を推進するため、市町村、保育所、幼稚園、学校、児童館、関係民間団体等と連携・協力をとりながら、交通安全教育に携わる者の指導力の向上及び地域における民間指導者の育成を図っています。
＜表 ３章－III－1＞
交通安全指導者研修（平成16年度）
講座名
対象者
内容
市町村交通指導員研修会
新規採用の市町村交通指導員
講義、実技
交通安全教育指導者
養成講座交通指導員、学校等の交通安全教育の
指導者、地域コミュニティー等の指導者など講義、実技、実習
幼児交通安全クラブ
指導者研修会幼児交通安全クラブ指導者等
講演、実技、実習
※ チャイルドシートの
着用についての実習
- 愛知県では、平成７年度から、シートベルト・チャイルドシートの着用率のアップを図るため、「シートベルト・チャイルドシート着用徹底年間運動」を展開しています。
毎月20日を「シートベルト・チャイルドシートの日」と定めるとともに、６月、11月、２月の11日から20日の10日間を「シートベルト・チャイルドシート着用徹底強化旬間」と定め、積極的に啓発活動に取り組んでいます。
- 自転車による重大事故が多発しているとともに、加害事故も発生していることから、自転車の乗用マナーの向上に努めていく必要があります。
- チャイルドシートの着用率は、平成16年11月時点で53.7％であり、座席への取り付け方が適正でないものも多いことから、着用に関する広報を徹底するとともに、実践的な講習会などを幅広く開催していく必要があります。
- 交通安全教育は、交通安全教育指針を基準として体系的かつ段階的な交通安全教育を推進していきます。
・ 幼児に対する交通安全教育は、心身の発達段階に応じて、基本的な交通ルールを遵守し、交通マナーを実践する態度を習得させるとともに、日常生活において安全に道路を通行するために必要な基本的な技術及び知識を習得させることを目標とします。
・ 児童に対する交通安全教育は、心身の発達段階や地域の実情に応じて、歩行者及び自転車の利用者として必要な技能と知識を習得させるとともに、道路及び交通の状況に応じて、安全に道路を通行するために、道路における危険を予測し、これを回避して安全に通行する意識及び能力を高めることを目標とします。
・ 中学生に対する交通安全教育は、日常生活における交通安全に必要な事柄、特に、自転車で安全に道路を通行するために必要な技能と知識を十分に習得させるとともに、道路を通行する場合は、思いやりをもって、自己の安全ばかりでなく、他の人々の安全にも配慮できることを目標とします。
・ 高校生に対する交通安全教育は、日常生活における交通安全に必要な事柄、特に、二輪車の運転者及び自転車の利用者として安全に道路を通行するために必要な技能と知識を習得させるとともに、交通社会の一員として責任を持って行動することができる健全な社会人を育成することを目標とします。
- 交通安全教室などは、受講者の特性に応じ、誰もが理解できる教育内容とするとともに、参加・体験・実践型の教育内容とします。
具体的には、「幼児・小学生低学年を対象とした道路の渡り方教室」、「小中学生を対象とした自転車教室」、「幼児の保護者を対象としたチャイルドシート装着教室」などを実施します。
- 県立高等学校では、保護者と連携を図り、「四ない運動」を推進していきます。
- 地域の実情に即した交通安全教育を推進するため、引き続き、市町村、保育所、幼稚園、学校、児童館、関係民間団体等と連携・協力をとりながら、交通安全教育に携わる者の指導力の向上及び地域における民間指導者の育成を図っていきます。
- チャイルドシートについては、関係機関・団体等と連携し、あらゆる機会を通じて着用の徹底を図っていきます。
また、チャイルドシートの正しい使用についても徹底を図っていきます。
- 体系的かつ段階的な交通安全教育を、引き続き推進していきます。
- 交通安全教室は、引き続き実施していきます。
- 県立高等学校における「四ない運動」は、引き続き実施していきます。
- 交通安全指導者の育成に関する研修は、引き続き実施していきます。
- チャイルドシートの着用に関する啓発活動は、引き続き実施していきます。