当沿岸は、三河湾・伊勢湾で構成された穏やかな内湾を背景として、特色のある海岸地形と海岸景観を有する多様な自然環境が広がっています。また、古くから育まれた歴史的風土と水辺とかかわる文化、そして産業活動やレクリエーションの拠点として、多様な海岸利用が行われています。

 また、当沿岸はこれまでに伊勢湾台風をはじめとする甚大な高潮災害等に見舞われた経験から、災害に対する安全性を確保すべく海岸保全施設の整備と適正な管理を着実に進めてきました。しかし、これらの施設の中には築後30〜50年を経過するものもあり、老朽化や洗掘等による機能低下が懸念されていることや、近年発生が予測されている東海・東南海・南海地震による災害を脅威としていることから、今後はこれらへの対策を進めていくことが必要となっています。

 一方、平成11年に改正された「海岸法」では、これまでの「災害からの海岸の防護」に加えて「海岸環境の整備と保全」及び「公衆の海岸の適正な利用」が目的に追加され、「防護」「環境」「利用」の3つが調和するよう、総合的に海岸の保全を推進するとともに、地域の特性を生かした海岸づくりを目指すこととなりました。

 このような背景のもと、愛知県・三重県では三河湾・伊勢湾沿岸を広域的な視点でとらえ、海岸防護のための海岸保全施設の整備はもとより、海岸環境の保全や海岸利用に配慮した総合的な海岸保全を目的とした「三河湾・伊勢湾沿岸海岸保全基本計画」を策定し、各海岸の特性に応じた積極的な計画の遂行と適切な管理と利用を図るものとします。