
滝山寺の鬼祭りは、旧正月7日におこなわれてきたが、現在はその7日に近い土曜日である。これは、本尊の薬師如来に天下泰平、五穀豊穣を祈る修正会結願の行事である。
伝承では源頼朝の祈願に始るといい、鎌倉時代までさかのぼるともいう。鬼祭りは、午後2時頃から始まる十二人衆登山行列、仏前法要、長刀お礼振り、鬼塚供養(豆まき)、庭祭り(田遊祭)、火祭りですべての行事が終了する。午後8時頃にある火祭りでは、運慶作と伝えられる祖父面、祖母面、孫面をかぶった鬼が、3人から4人の手引きの者に連れられて登場する。このことから、一般には鬼祭りと呼ばれている。