分類 | 県指定 |
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種別 | 有形民俗文化財 |
所在地 | 設楽町田峯 |
所有者等 | 高勝寺 |
指定(登録)年 | 昭和51年(1976) |

田峯では近世中期から芝居の奉納が行われており、慶安3年(1650)から文久3年(1863)までの213年間に4回、舞台が改築されている。第1期慶安3年のものは、掛舞台から地芝居の隆盛に伴い組立式舞台に発展したものと考えられ、第2期宝暦8年(1758)は、固定式舞台で相当規模も大きく、祈願成就奉納芝居として最盛期の舞台であった。また、第3期天保12年(1841)には、「地芝居禁止令」や「天保の倹約令」などにより固定舞台が解体され、「かくれ芝居」「手拭かぶり」などと称して流行病などの平癒祈願奉納芝居を組み立て舞台で上演した。
現存の固定式舞台は第4期文久3年の建築で、間口54尺、奥行36尺の茅葺・寄棟造である。地下1階の奈落に楽屋を設け、直径約18尺の回り舞台を備えていた。戦後奈落を埋め、回り舞台を休止するなど形態は変わったが、平成10年に大改修して50年振りに回り舞台が復活している。
「真夏に雪を降らせた」という、田峯観音の霊験に始まったと伝えられる地芝居を、今日まで約350年間絶やすことなく続けている。