愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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木造十一面観音菩薩坐像(もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつざぞう)

分類 県指定
種別 彫刻
所在地 小牧市藤島町
所有者等 賢林寺
指定(登録)年 平成14年(2002年)
時代 平安
木造十一面観音菩薩坐像

木造十一面観音菩薩坐像

像高80.0cm、榧材、一木造(いちぼくづくり)、彫眼(ちょうがん)、素地仕上。
この像は賢林寺に秘仏として伝えられてきたもので、頭上の髻(もとどり)から両腕、天衣(てんね)、両膝までをいわゆる一木造の技法で彫り出した、ほぼ等身大の坐像である。
眼は彫眼(ちょうがん)で、頭上の小面や化仏(けぶつ)、右手首より先などに後補の部分はあるものの、奥行きの深い頭部と角ばった面部、どっしりとして厚みのある胸部、強く張った膝などが一個の塊状に構成されており、また翻波式(ほんぱしき)とよばれる彫法に、平安前期彫刻の特色をみることができる。
さらにこの像を側面からみると、やや反り身になっており、上半身では背面部より前面部の肉付けが厚い点も、平安前期彫刻に共通する特色である。これらの点から、この像の制作年代は平安時代前期と思われる。
この像の造立の経緯やその後の伝来については、文献・史料が全く見あたらないため明らかでないが、制作年代の古さにもかかわらず保存状態は良好で、その個性的で力強い姿は拝者に迫るものがある。またこの時期の制作と判断される坐像形式の十一面観音像は、東海地区はもとより全国的にも遺例に乏しく、その点からも大変貴重である。

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