分類 | 県指定 |
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種別 | 絵画 |
所在地 | 豊田市郷土資料館 |
所有者等 | 守綱寺 |
指定(登録)年 | 昭和55年(1980) |
時代 | 江戸 |

絹本著色渡辺半蔵守綱像
一幅 147×54.6cm
本作品は 刀を大小二本差し、鎧・籠手・脛巾を身に着けて、肘を張り腰に両手を当て床几に腰掛けて正面を見つめる武将姿の像を、画面左斜めに向けて描く。兜が蔵主の前の足元である画面左下に置かれる。額や目の回りに深いしわを刻み頬のこけた面貌は壮年過ぎの様相だが、戦功を重ねた過去の実績を十分想像させる風貌を表現する。実際に像主をまのあたりにしたような顔や手足の極端に細い体つきの表現がなまなましい。また、身に纏う鎧なども像主が実際に使用したことを思わせる描写である。本像は、像主の生前中の制作を推測させる。筆者は、像主の人生をも緊張感を持って描きだすことのできる手腕の持ち主であったらしい。像主の渡辺半蔵守綱(1542~1620)は、額田群浦部村(岡崎市)出身、徳川家康に仕え「槍半蔵」と称され槍一筋の武将であった。後年に尾張藩初代義直の付家老となり義直の初陣を後見し、家康死後尾張藩家老となり名古屋で死去。寺部城(豊田市寺部町)に居した。