愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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絹本著色仏涅槃図(けんぽんちゃくしょくぶつねはんず)

分類 国・重要文化財
種別 絵画
所在地 東京国立博物館(保管)
所有者等 甚目寺
指定(登録)年 明治34年(1901)
時代 鎌倉

一幅 縦258㎝、横237㎝。
釈迦が入滅するときの情景を描いた涅槃図で、平安・鎌倉時代の涅槃図としては、和歌山県金剛峯寺本(応徳涅槃図)、滋賀県石山寺本、一宮市妙興寺本などとならぶ大きな涅槃図である。中央の宝床上に釈迦が右手枕をして横たわり、その周囲を四十九体の人物が取り巻いている。宝床は、釈尊の頭の方、すなわち向かって左側面が見える角度で描かれており、鎌倉時代以降一般的になる形式である。向かって右上には、阿那律に先導されつつ忉利天から飛来してくる摩耶夫人の一行四人が描かれる。下方には、五十三体の動物が集まってきている。本図には、左下の参集者のなかに尼僧の姿が描かれていることがよく知られている。この尼僧の背中の左方に「施入檀那」と書き込まれた短冊形があり、この尼僧が本図を寄進した人物であることがわかる。以上のような、人物や動物の誇張された表現、慟哭の表情、立体感、金泥や彩色で装飾された着衣などは、鎌倉末期の手法で新来の宋元の画風を加えたものといえる。制作年代は絵画技法の優秀さと中国画との関連性という点でとらえていけば、制作年代を鎌倉時代十三世紀後半頃から十四世紀前半と考えられる。本図は、寄進者を図中に表す点でも重要な作例といえる。

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