愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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草結庵(そうけつあん)

分類 県指定
種別 建造物
所在地 名古屋市千種区法王町1-1
所有者等 日泰寺
指定(登録)年 昭和38年(1963)
時代 江戸

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外観

外観

■指定理由

この茶室は、もと長栄寺にあったもので、当時「貴人席」と俗称していたという。
建物は、切妻造の平屋建で屋根は銅板葺とし、一部こけら葺の庇をつける。壁は名古屋における刷毛目塗壁の最初とされる。

■詳細解説

内部

内部

茶席は高田太郎庵の作といわれるが、確証はない。この席は、長栄寺にあった間は「貴人席(きにんせき)」と俗称しており、燕庵(えんなん)形式が相伴席(しょうばんせき)を伴った席であることからの命名と思われる。昭和37年(1962)現地に移築されている。また、壁は名古屋における刷毛目塗壁の最初ともいわれている。
茶席は三畳台目(だいめ)に2枚襖で隔てられた相伴席を伴い、古田織部(ふるたおりべ)が好んだ燕庵形式を基にした間取である。しかし、燕庵と異なる点がいくつかある。中柱(なかばしら)の構成は燕庵が横木をまっすぐ伸ばして右方に下地窓をあけているが、草結庵では赤松の曲がりのある中柱と壁止の横木が間半(まはん)に柱を立てて入り、利休流の台目構えを形成している。点前座(てまえざ)の二重釣棚に釣竹が草結庵ではない点や、茶道口が燕庵では方立口(ほうだてぐち)であったが、この草結庵では火灯口(かとうぐち)となる点も異なっている。床の墨蹟窓(ぼくせきまど)に花入掛けの釘を打つのが燕庵における織部の重要な作為であったが、この草結庵では見当たらない。躙口(にじりぐち)の上の下地窓の障子が2本で引きになっている点も異色である。(神谷昇司)

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