愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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八剱社本殿(はっけんしゃほんでん)

分類 国・重要文化財
種別 建造物
所在地 蟹江町大字須成字門屋敷上1363
所有者等 冨吉建速神社、八剱社
指定(登録)年 昭和28年(1953)
時代 室町前期

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外観

外観

■指定理由

八劔社本殿は、冨吉建速神社本殿(重要文化財)と同じ石積みの基壇上に、南向きに並立して建てられている。
建物は、桁行3間、梁間1間であり、桁行3間の幅一杯の総向拝をつけ、屋根は檜皮葺とする。三間社流見世棚造という希少な形式をとっている。

■詳細解説

八劔社本殿は桁行三間、梁間一間で、三間社流見世棚(みせだな)造の希少な例である。身舎(もや)の円柱は柱頭に舟肘木を置き、桁を架ける。向拝は桁行三間分の総向拝で、面取角柱を使い、木鼻付頭貫で左右に繋ぐ。向拝柱の上部組物は通肘木形式の軒桁を受けるが、両端が出三斗組、内側の二つは平三斗で、その中備えとして本蟇股を置く。身舎正面は三間とも床長押上に半長押を重ね、方立、小脇板を入れて両開きの板扉を構える。軒廻りは一軒(ひとのき)の疎垂木である。妻飾は扠首組(さすぐみ)で、上部に大斗を置き、舟肘木を介して化粧棟木を支える。破風には猪目懸魚(いのめげぎょ)及び桁鼻隠を飾る。正面中央間に仮設の登階段を設けている。
同じ敷地で隣り合う富吉建速神社本殿と比較して、この社殿はより古い特徴を随所に見せる。妻飾には扠首組という構造的に古い形式を示すとともに、装飾も必要最小限で、江戸時代以降の派手な装飾の類はほとんど持たない。また向拝の中備の蟇股(かえるまた)は上部が太く足元が細いという古い特徴を有する。その蟇股内側の彫刻は非対称で南北朝以降の特徴を持ち、中央に牡丹、背景には梅と思われる花木を輪郭内に収めて表現する。向拝の頭貫木鼻は上端輪郭が直線で、台輪なしの禅宗様木鼻の特徴を示す。なお関連する最古の棟札は町指定の天正7年(1579)のものである。(野々垣篤)

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