愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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服部家住宅主屋・離座敷・表門(はっとりけじゅうたくおもや・はなれざしき・おもてもん)

分類 国・重要文化財
種別 建造物
所在地 弥富市荷之上町石仏419
所有者等 個人
指定(登録)年 昭和49年(1974)
時代 [主屋]承応2年(1653)、[離座敷]安永9年(1780)、[表門]江戸中期

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主屋

主屋

■指定理由

服部家は中世以来の家系であり、天正4年(1576)に現在地に居を構えたという。
主屋は、南面し屋根を入母屋造、茅葺とし、南、北、西の三面に桟瓦の庇が付く。濃尾平野部における豪農の居宅として貴重であり、建築年代の明らかな民家としては、全国的にみても古い事例となっている。

■詳細解説

表門

表門

かまど及び架構

かまど及び架構

離れ座敷

離れ座敷

服部家は中世以来の家系で、戦国時代の混乱の後、天正4年(1576)に旧領に配下の家来を従えて戻り、現在地に居を構えたという。屋敷地は荷之上城の跡地と伝え、かつては東西北の敷地三方に堀が巡っていた。南に長屋門形式の表門を開き、敷地中央に主屋、主屋の北西に離座敷が建つ。主屋、離座敷、表門が重要文化財の指定を受け、表門東西の土塀、主屋東南の土塀と便所、離座敷北の文庫蔵、古図2枚、普請文書2冊と宅地が附指定されている。
主屋は入母屋造(いりもやづくり)、茅葺で、南・北・西の三面に桟瓦葺の庇がつく。平面は東側に土間を設ける片土間形式で、東側を占める土間は南北2室に分割して北側にカマドを設ける。天保年間の改造を経て居室部分は3列に10室が並ぶ複雑な平面となっているが、西南はオザシキを主室とする接客部、北側は寝室部分となっている。修理の結果、主体構造は当初から変わっていないと判断されているが、軸部の仕上や技法、南北外壁筋から一間入った位置に柱を列立する形式は極めて古い。家蔵文書に「本家建替」と記される承応2年(1653)の造営とみられているが、全国的にみても、年代が明らかな民家の中で古い事例となる。
離座敷は、主屋東北の一段かさ上げした敷地に建つ平屋建、桟瓦葺の建物である。主要部分は安永9年(1780)に伊勢の戸津村(現桑名市)の喜兵衛宅の座敷を買い取り翌年に完成したもので、茶室の改造、東新座敷の増築を経て現在に至る。移築部分は18世紀中期の建物と推定されているが、柱間の基準寸法は六尺の内法制を採用し、主屋とは相違する。
表門は、豪農の居宅の門に相応する規模、形式を備えた茅葺の長屋門である。度重なる改造を経て建造年代は明らかではないが、江戸中期以降の建造とみられている。見学は予約制。(溝口正人)

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