愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

トップページへ戻る

徳川美術館本館・南収蔵庫(とくがわびじゅつかんほんかん・みなみしゅうぞうこ)

分類 国・登録文化財
種別 建造物
所在地 名古屋市東区徳川町1017
所有者等 財団法人 徳川黎明会
指定(登録)年 平成9年(1997)
時代 本館:昭和10年(1935)
南収蔵庫:昭和10年(1935)

※ 別ウインドウで開きます

徳川美術館旧本館と旧車寄

徳川美術館旧本館と旧車寄

■登録理由

本館

設計協議の1等案をもとに吉本与志雄が実施設計を行った。施工は竹中工務店。外観の意匠は城壁を思わす外壁を巡らし、屋根は緑色釉薬瓦葺とし鯱を置く。全体としていわゆる帝冠様式のデザインをもつ建物で、尾張徳川家の所蔵品を展示する。

登録の基準 造形の規範となっているもの
南収蔵庫

本館とともに吉本与志雄が実施設計を行った。施工は竹中工務店。本館の西側に位置する中規模の鉄筋コンクリート造2階建の収蔵庫。切妻造、本瓦葺で、開口部がほとんど無い大壁造風の建物である。本館に接続しともに重厚な外観を構成している。

登録の基準 造形の規範となっているもの

■詳細解説

本館

昭和6年(1931)、尾張徳川家伝来の什宝(じゅうほう)の保存、その他の美術品などの収集、保存、公開を目的として、徳川義親(よしちか)は徳川黎明会(れいめいかい)を創設した。これを受けて、昭和10年(1935)、徳川美術館が開館された。
開館に先立って、どのような美術館建築にするかについての建築設計競技が実施され、佐野時平案が一等に入選。これをもとに、渡辺仁、大江新太郎らの著名建築家が創案(外観設計)し、吉本与志雄が実施設計を行った。
こうして出来上がった徳川美術館は、一部に地下室を設けた平屋建で、入母屋屋根をのせる。屋根は明様式の緑色釉薬瓦で葺かれ、棟の両端上部に緑色の鯱(しゃち)を飾る。1階には城壁を思わす外壁をめぐらし、手摺付のバルコニーを設ける。外壁下部は石張、上部はリシン仕上とする。さらに、正面車寄上部に切妻屋根をつけ、全体として重厚感を醸し出すものとなっている。建物の構造は鉄骨鉄筋コンクリート造。
玄関から、前室、大陳列室と続くが、大陳列室の大きさは90尺(約27m)×30尺(約9m)、高さは13m。採光のため、高所に側窓をつけ、折上天井としている。大陳列室の背後には小陳列室とロビーがある。
徳川美術館は、躯体(くたい)を鉄筋コンクリート造などの近代的な構造とし、その上に伝統的な屋根をのせる、いわゆる帝冠様式建築である。その後、渡辺仁は、徳川美術館によく似た帝室博物館(現・東京国立博物館本館)を設計するが、この建物は、現在、国重要文化財となっている。
名古屋市内には、徳川美術館を含め、名古屋市庁舎(1933)、愛知県庁(1938)と3つの帝冠様式の大建築が現存することでも知られる。
昭和62年(1987)、徳川美術館は増築改築され、美術館入口は西側に変更された。従来の大展示室と2つの小展示室は、このとき、第7~9展示室と名称が改められた。(瀬口哲夫)

前へ戻る