愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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實成寺本堂(じつじょうじほんどう)

分類 国・登録文化財
種別 建造物
所在地 あま市中萱津南宿254
所有者等 實成寺
指定(登録)年 平成17年(2005)
時代 江戸前期

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正面

正面

■登録理由

桁行5間、梁間6間、宝形造、桟瓦葺で、正側面に1間幅の縁を廻し、正面に向拝1間を付す。内部は前方2間を外陣、後方中央間口3間、奥行4間を内陣、両脇を脇陣とし、内陣後方に来迎柱を後退し須弥壇を構える。平面や軸部構成に日蓮宗本堂の古式を伝える。

登録の基準 造形の規範となっているもの

■詳細解説

内部

内部

寺伝によれば、實成寺本堂は日蓮宗改宗以前のもので、真言宗に属していた頃は十如堂と称する護摩堂であったという。元応元年(1319)日蓮上人の弟子日妙が妙勝寺を創建し、明応3年(1494)清須城主織田敏定が寺領を寄進し堂舎を再興して、實成寺と改めたという。現存する本堂も、明応年間(1491~1501)敏定の造営と伝えられるが、江戸時代前期に大きな改修を受けており、その後も補修の手が加えられている。
桁行5間、梁間6間、宝形造、銅板葺(もとこけら葺)で、屋根の頂に露盤宝珠をあげる。前方の間口5間、奥行2間を外陣(げじん)、その奥中央の3間×4間を内陣(ないじん)、内陣の両脇を脇陣とする。正側三方の外側柱は上端を細く丸めた粽(ちまき)付の面取角柱で、内陣周りと来迎柱は粽付円柱とする。外陣内には柱を立てず、内陣正面両端の柱から桁行2間の虹梁を架け、この上に大瓶束(たいへいづか)を置く。この虹梁は装飾も簡素で古風な意匠を示す。また、来迎柱(らいごうばしら)やその上の組物等の形も古式である。
平面構成は密教本堂の形式に類するものの、内陣と脇陣の奥行を深くとり、脇陣を比較的簡素に扱うなど日蓮・法華宗仏堂としての特色を示しており、本県における日蓮宗本堂の数少ない古例として貴重な遺構である。なお、平成18年(2006)の耐震改修により、大梁から墨書「八王子権現寄進之木也 願主吉兵衛口」が発見された。このことは、建立時期解明の有力な資料の一つと思われる。(岩田敏也)

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