愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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瀬戸永泉教会礼拝堂

分類 国登録
種別 建造物
所在地 瀬戸市杉塚町5
所有者等 日本基督教団瀬戸永泉教会
指定(登録)年 平成22年(2010)
時代 明治33年/昭和 5年改修

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1341-1

■登録理由

旧道南側の敷地に南面して建つ。桁行11m梁間7.4mの木造平屋建、切妻造桟瓦葺妻入とし、正面に玄関ポーチを付設。外装下見板張で、半円に近い尖塔アーチ形の上下窓や六角形の窓を配する。トラス組で真束の上下二ヶ所に貫を通す。小規模な教会堂の一例。

登録の基準 造形の規範となっているもの

■詳細解説

正面

正面

小屋組

小屋組

瀬戸永泉教会礼拝堂は、瀬戸川の両岸に形成されている瀬戸旧市街地の東寄り、瀬戸川河岸から南に一筋入った旧道沿いの南側に位置する。
瀬戸におけるキリスト教の伝道は、明治12年(1879)に中水野村で行われた講義が始まりとされる。同21年(1888)に永泉教会が設立され、翌年には瀬戸村講義所が建設された。同29年(1896)に教会は瀬戸に移転、教会名も瀬戸永泉教会に改められた。同33年(1900)には、新たな教会堂の建設が進められた。
以後、同40年(1907)には、伝道教会に格下げされてミッションの監督下に入ったが、昭和3年(1928)ミッションから独立し、同16年(1941)宗教団体法による日本基督教団の設立に際し解散、同22年(1947)再び教会は設立され、現在に至る。
建物は、明治33年(1900)建設、昭和5年(1930)の改修になる礼拝堂である。礼拝堂は道路沿いに側面を見せて敷地西側に入口を設ける、木造平屋建、切妻造、桟瓦葺の建物で梁間4間 、桁行6間 の規模である。玄関ポーチを入って両側に受付と母子室があり、その奥が礼拝堂となっている。また、改修時に付けられた可能性はあるが、西妻入口上部に1間幅のギャラリー状の中2階が設けられている。
建物の特徴は、外部は、外壁の西洋下見板張り及び開口部の上げ下げ窓や正面の切妻造による一間幅の玄関ポーチが挙げられる。内部は、小屋組 の顕しやその形式がキングポストトラス であり、箱金物 を止めるボルトが四角であること、また、真束 の桁行方向に上下2段の貫 を通して振れ止めとする和小屋状 の構成となっていることが挙げられる。
なお、この建物は明治創建の構成をよく伝えて現役の教会堂として使用されている点で、県下で極めて貴重な存在といえる。

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