ザクロには、ビタミン類はもちろんのこと、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが豊富に含まれています。
果実を食べることは、いつまでも若さを保つ秘けつと言われています。
写真1 ザクロの木
写真2 ザクロの実
ザクロは、寒さや夏の高温にも強いので、育てやすいです。また果実だけでなく、花も観賞できる果樹です。観賞用の「花ザクロ」、果樹として栽培される「実ザクロ」とに大きく分けられます。
挿し木や実生で簡単に増やすことができ、実もよくつきます。樹勢が強いので、枝が伸びすぎないように、きちんとせん定することが管理のポイントです。
第1図 ザクロの生育と栽培管理の概要
根の発育がよい健康な苗木を選び、12月上中旬から3月上中旬に植え付けます。植え付けの方法は、堆肥、石灰などを用土と混ぜ、植え穴に戻してから植え付けるとよいです(第2図)。
家庭栽培に適した品種としては、「大実ザクロ」、「水晶ザクロ」、「大紅ザクロ」などがあります。
ザクロは自分の花粉で受粉するので、1品種だけ植えても実がよくつきます。
庭植えでは、植え付けてから5〜6年で収穫できるようになります。
第2図 植え付け方法
植え付け後、周囲に溝をつくり、水をたっぷり回し入れます
切り口は寒さに弱いので、整枝・せん定は、少し暖かくなった3月に行うのがよいです。
骨組みとなる主枝は2〜3本、亜主枝も1本の主枝に約2本とし、太い枝は間隔を広くとり、側枝や小枝をできるだけ多く残します。特に花ザクロは、小枝を強く発生させ、大きな花の垂れ下がりに立体感を持たせるよう仕立てます。
冬の小枝の整理は、強い徒長枝、貧弱な枝、枯れ枝は取り除いて、風通しと日当たりをよくしてやります(第3図)。また根元に発生するひこばえは、放任すると樹形が乱れる原因となりますので、切り取ります。
第3図 冬期のせん定方法
充実した枝の頂芽と、頂芽に続く2〜3芽の腋芽が翌年伸長し、6月中旬にその枝の先端に開花し、10月中旬に果実が成熟します。従って、1年生枝の先端4〜5芽を先刈りすると、果実がつかなくなるので、注意が必要です。
10月、果実が黄赤色に変わり、裂果直前からわずかに裂果したころに収穫します。
肥料は窒素肥料をできるだけ控え、リン酸、カリ分を多めに施します。1〜2月に、鶏ふんや落ち葉などを根元付近に埋め込む程度で十分です。
成熟して殻が割れ、中の実が見えるようになったものが、おいしく食べることができます。
そのままフレッシュフルーツとして利用するほか、ジュース、ジャム、シロップ、果実酒などに加工して楽しめます。
写真3 ザクロの実の中
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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