カラー

                                    【平成23年1月27日掲載】

 カラーは海部地域で盛んに生産されている球根植物です。炎のようなかたちをした花は結婚式のブーケなどに使われています。
 カラーには畑地性と湿地性がありますが、今回は畑地性カラーの栽培方法について紹介します。     


          写真1 カラー
写真1 畑地性カラー「クリスタルブラッシュ」



●球根の入手、品種

   畑地性カラーの球根は3〜5月にかけて園芸専門店で販売されます。販売されている球根はすべてアメリカ等からの輸入球根で、開花処理がしてある乾燥球根です。
 畑地性カラーの品種には、白〜ピンクの花色で緑の葉を持つものと、黄〜オレンジの花色で斑入りの葉を持つものがあります。白〜ピンクの花色の品種のほうが花が多く開花します。

●植え付け場所、時期

 畑地性カラーの栽培には、水はけの良い畑が適しています。畑地性カラーは雨に当たると病害が発生しやすいので、雨よけ栽培が適しています。
 植え付けは球根を入手したらすぐ行いますが、一番栽培しやすい植え付け時期は、3〜4月頃です。


●施肥と植え付け方法

 施肥は基肥を中心に行います。基肥は粒状の緩効性化成肥料(10−10−10)を用い、窒素換算で10a当たり20kg程度を植え付け前に施用します。
 球根の植え付け間隔は株間20〜25cm程度とします。球根を植える深さは、球根の上に5〜10cm程度、土がかぶるようにします。  


●球根植え付け後の管理

 球根植え付け後はかん水を十分行い、極端に乾燥させないようにします。かん水は病害の発生を防ぐため、葉に当てないように地際にかん水チューブで与えます。
 5月頃、日差しが強くなってきたら、日よけを行うと花茎が長くなります。しゃ光率30%程度の寒冷しゃを株の上に張ってやりましょう。


●開花と花後の管理

 定植してから45日程度で開花が始まります。4月上旬に定植すると、5月下旬から開花します。花は3週間程度咲いています。品種によって異なりますが、一個の球根から3〜8本程度開花します。
 翌年も花を楽しむには球根養成を行います。開花後の球根は掘り上げずに、秋まで雨よけを行ったほ場で管理します。7〜8月は日差しが強く高温になりすぎるので、寒冷しゃを二重にするなど日よけを強くしましょう。
 10月中旬には葉が枯れるので球根を掘り上げます。堀上げた球根は風通しの良い場所で良く乾燥させた後、無加温の室内で段ボール箱等に入れて保存します。保存する前に腐敗し軟らかくなった球根は取り除いて捨てます。  

●2年目以降の管理

 10月に掘り上げて室内で保存した球根は、3月〜4月に再びほ場に植えます。生育を促進し花立ちを増やすため、植えつけ時にジベレリンの50PPM液に瞬間浸漬します。

●病虫害

 畑地性カラーの栽培で最も恐ろしい病害は軟腐病です。軟腐病が発生すると、株が地際から溶けるように腐敗して倒れてしまいます。雨よけを行い、雨がほ場に侵入しないようにすることと、カラーを作ったことのないほ場に植えることで発生を予防できます。



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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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