ナタネの花を咲かせちゃおう

                               【平成20年10月20日掲載】

 近年、環境問題について関心が高まる中、「菜の花エコプロジェクト」が全国的に広がりを見せています。今回は、このプロジェクトで使われている「ナタネ」の栽培方法について紹介します。


          写真1 春を彩る菜の花畑
写真1 春を彩る菜の花畑


第1表
 ナタネの栽培体系
第1表 ナタネの栽培体系

●菜の花エコプロジェクトとは

 「遊休農地や転作田にナタネを植え、種子を収穫し、油を搾ってナタネ油にする。そのナタネ油を料理に使い、廃食油は回収して低公害の軽油代替燃料にリサイクルし、排出される二酸化炭素はナタネ栽培で回収する」という、一連の資源循環サイクルを目指す活動のことです。搾油時に出た油かすは、肥料などに利用します。プロジェクトは菜の花の観光利用と併せて展開されており、県内では田原市をはじめ各地で行われています。

●ナタネと菜の花の違いは

 アブラナ科植物の花を総称して「菜の花」と呼びます。ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーの花もすべて菜の花と呼び、ナタネの花も菜の花と呼びます。しかし花は似ていても、油を搾るナタネと観賞用に栽培する菜の花とでは品種が異なります。
 ナタネは冬の寒さに当たらないと花を咲かせない植物で、地面に葉を広げた状態(ロゼット状)で越冬します。観賞用の菜の花と、冬の姿を比べてみると面白いかも知れません。

●ほ場の準備

 ナタネは湿害に弱い植物です。そのため、よく乾燥するほ場を選びます。また、前年にアブラナ科野菜を作付けし、根こぶ病や菌核病が多発したほ場は避けてください。
 雑草が多いほ場では、耕うんを繰り返して雑草密度を減らしておきます。また、砕土不足は苗立ち不良の原因となりますので、ていねいに砕土します。
 水はけの悪いほ場では、排水溝を設置してください。

●施肥

 播種の2週間くらい前に堆きゅう肥を施用し、全層にすき込みます。播種の1週間前までに苦土石灰を散布し、土とよく混和します。化成肥料は、播種前に散布しておきます(第2表)

第2表 施肥事例
第2表 施肥事例

●播種方法

 播種適期は本来ならば10月上旬頃ですが、これより遅い時期でも観賞用として楽しむことができます。また、間引きした苗は、食用にすることもできます。
 播種は、すじまきかばらまきとします。すじまきの場合、播種量は10m2当たり4.5g、条間50cmとします(第1図)。ばらまきでは、10m2当たり6gの種子を均一にまき、表土をごく浅く(1〜2cm)かくはんし、覆土・鎮圧します(第2図)。覆土が3cm以上になると発芽が悪くなります。

第1図 種子のすじまきの方法
    第1図 種子のすじまきの方法

第2図 種子のばらまきの方法
    第2図 種子のばらまきの方法

●管理作業

 出芽期と幼苗期は特に湿害に弱いので、注意してください。
 ナタネを収穫して食用油を搾る場合は、病気を見つけたら、その株を引き抜いて焼くか、土に深く埋めます。害虫を見つけたら、できるだけ手で取り除きます。

●開花時期

 3月下旬〜4月上旬頃から開花して、見ごろになります。


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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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