最近、ホームセンターなどでは、一般的に栽培されている果樹以外に、やや珍しい果樹苗木も販売されています。
今回は、プラム(日本スモモ)、プルーン(ヨーロッパスモモ)の作り方を紹介します。
写真1 プラム
冬期に葉が落ちて休眠する落葉果樹です。一般には10〜11月(秋植え)と2月下旬〜3月(春植え)が植え付けの適期です。市販の苗木を植える場合は、接ぎ木部から50〜70cm上で枝を切っておきます。植え付けたら、倒れないように支柱で固定します(第1図)。
第1図 植え穴と植え付け方法
成木になって果実が着きだしてくると木も大きくなるため、実着きを良く、収穫しやすくするために枝を整えるのが整枝・せん定です。時期は、冬季の落葉期に行い、開心自然形とします(第2図)。
第2図 樹齢別の主枝・亜主枝の形成(開心自然形)
果樹の仲間は、自分の花粉では受精しにくい自家不和合性の品種が多いです。また、花粉のない品種もあります。異なる2品種以上を植えるか、自分の花粉でも受精できる品種(自家和合性品種)を選んで栽培します(第1表)。
第1表 プラム・プルーンの品種
苗木のうちは特別に施肥を考えなくてもよいですが、生育が良くないようなら、肥料不足が考えられます。植え付け1〜2年目で苗木1本当たり0.5〜1kg、植え付け5年目で5〜6kgの乾燥鶏ふんを幹の周りに広げて施用します。 果実が着き始めたら、木の大きさと樹勢に合わせて施肥量を決めます。成木の場合の目安として、1本当たり乾燥鶏ふん15〜20kgです。
病害虫の大量発生が考えられない限り、なるべく農薬散布は避けたいものです。害虫としては、シンクイムシ類、ハマキムシ類、アブラムシなどが果実や枝につきますが、多くは果実の袋かけで防除できます。大量発生するようなら、殺虫剤(適用登録のあるもの)を散布します。 また、株元の周囲には草を生やさないようにします。草が茂っていると幹に害虫(コウモリガやカミキリムシなど)が食い入って、木を枯らすことがあるので注意しましょう。
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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