落葉果樹の施肥

                                 【平成20年9月19日掲載】

 美味しい果物を食べるための第一歩は土の管理です。肥料が不足したりやりすぎたりすると、その後長く樹に影響することがあるので注意して管理してください。


          写真1 代表的な落葉果樹であるカキ
写真1 代表的な落葉果樹であるカキ

●土づくり

 近年、異常気象の年が多く、果樹の生育に影響を及ぼしています。天候に左右されない樹づくりの第一歩は、やはり土づくりです。それには有機質資材の投入が有効です。

第1図 土づくりの三要素
    第1図 土づくりの三要素

□時期

 落葉期の10月から12月に投入します。

□有機物の種類

 有機物の種類は、家畜ふん堆肥や稲わら、せん定枝など多くのものがあります。せん定後の生木などは必ず1〜2年寝かせるか、粉砕してから投入してください。生木のままで投入すると、病害(紋羽病など)が発生する恐れがありますので、注意が必要です。

□施用方法

 施用方法には、土の表面に施用して中耕する方法と、ざんごうやタコツボ堀など深耕部分に施用する方法があります。施用効果は後者の方がありますが、排水の悪い場所では雨水がたまってしまい、逆効果になることがあります。

□施用量

 施用量は投入する有機物の種類によって異なります(第1表)。肥料分の多い有機物を投入しすぎると、ブドウなどの樹種では、果実の着色が遅れることがあるので注意が必要です。肥料分を多く含んでいる有機物を用いた場合には、年間の施肥量を減らすようにします。

第1表 有機物の投入量と含有成分
第1表 有機物の投入量と含有成分

●石灰質資材

 樹種によって異なりますが、土壌酸度は重要な項目の一つです。土壌の酸性を改良するため石灰質資材を施用しますが、有機質資材の中には石灰が多く含まれているものもありますので、有効利用しましょう。

●肥培管理

 樹木では肥料の過不足が現れにくく、いったん欠乏症や過剰症が発生すると、改善に時間を要するので注意が必要です。
 落葉果樹の施肥で重要なのは「施用時期」「施用量」「肥料バランス」です。樹も人も同じで、腹八分目を目指し管理してください。

□施用時期

 施用時期は、落葉後の「基肥」と生育期間中の「追肥」、収穫後の「礼肥」に分けられます。追肥は施用時期により、発芽前の「芽だし肥」、果実が肥大する時期の「玉肥」などさまざまに呼ばれます。
 基肥は落葉後の11月から12月、または3月に施用します。追肥は樹種により異なります。礼肥は収穫後に施用します(第2表)。砂地の土壌など、肥料がすぐに流亡する場合には、1回の施用量を少なくして回数を多く施用します。

第2表 品目別の施用時期
第2表 品目別の施用時期

□施用方法

 肥料は根のある部分に施用します。一般には枝の下には根があると言われていますので、樹冠下に施用します。

□施用量

 施用量は、土壌や品種・樹齢・樹勢により異なります。肥沃な土壌や若木、樹勢が強い場合には施用量を減らします。逆に、やせた土壌や老木、樹勢が弱い場合には施用量を増やします(第3表)

第3表 品目ごとの肥料の施用量
第3表 品目ごとの肥料の施用量


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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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