タマネギのセット栽培とは、冬の寒い時期に春を感じさせる新タマネギを収穫できる栽培方法です。
肉質が柔らかく、ジューシーで辛みが少ないのが特徴で、スライスして生で食べるのに適しています。
写真1 収穫間近の新タマネギ
第1表 栽培体系
品種は「はやて」「マッハ」「シャルム」などを用います。極早生系品種を用いると、収穫が早くなります。
育苗床は、砂壌土で排水の良い場所を選び、本ぽ1aにつき5m2のスペースを確保します。3月上旬に種子を40mlは種します。
は種後は、種子が見えなくなるくらいに浅めに土をかぶせます。十分にかん水した後、乾燥防止と保温のため、うねをビニルで覆い、さらにビニルトンネルを掛けます。
発芽したら、うねを覆っているビニルを外します。発芽後はトンネル内部が25℃以上にならないよう、日中はすそ換気をします。夜間の外気温が10℃以上になった頃にトンネルを外します。
5月上中旬頃、直径2.0〜2.5cmの大きさの球を間引き収穫します。直径3cmを超える球では定植後に分球となりやすく、不整形となってしまいます。その後、葉がしおれるまで乾燥させてから束ね、作業小屋などの風通しのよいところにつるして8月下旬以降の定植まで保存します。
基肥として化成肥料を1a当たり12kg施し(第2表)、幅180cmのうねを作ります。土壌水分が足りない場合は十分にかん水してから白黒マルチを掛けると、萌芽が早く、生育の揃いも良くなります。
第2表 施肥
直径2.0〜2.5cmの大きさの球を選んで枯れ葉部と根を切り落とし、発根部を下にして植え付けます。定植時期による収穫時期の目安は、8月下旬の定植で11月下旬〜12月収穫、10月下旬の定植で3月下旬〜4月上旬収穫です。植え方は、株間12cmの4条植えとします(第1図)。
第1図 本ぽの定植方法
セット球が二つに分球すると大きくならず、商品価値を落とすため、分球が小さいうちに大きめの球が一つとなるように小さい方をかき取ります(分球かき)。セット球が腐敗して株元についている頃に、一方を横に引くと容易にとれます。
定植後、べと病、スリップス類の被害に遭うと球の肥大が遅れるため、予防散布を行います。
葉が倒伏した株から収穫できます。収穫が遅れると大きくなりすぎて裂球しやすいので、適期を逃さないようにしてください。
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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