トウガンは「冬瓜」と書きますが、これは冬まで日持ちするという意味で、夏の野菜です。果実は96%が水分で、ビタミンCをわずかに含みます。低カロリーのダイエット野菜として、また高級中華料理の食材として人気があります。
淡泊なため、しっかりとだし汁を取って、汁の実、あんかけ、酢の物などにするとおいしく食べられます。
写真1 収穫間近のトウガン
(写真提供:JA豊橋(東三河農林 農業改良普及課経由))
第1図 トウガンの作型
1 生育初期や梅雨時に肥料が効きすぎると、着果しにくくなるので、基肥を控えめにする。
2 ビニルトンネル利用で早期収穫できる。
植え付け1か月前に、たい肥を10m2当たり20kg、苦土石灰を同1kg散布し、深く耕す。
植え付け2週間前に、基肥として化成肥料を10m2当たり1kg散布する(前作の肥料が残っている場合は、施用量を少なめにする)。
(1) は種 5月上旬〜中旬(直まき〜ホットキャップ)
(2) 購入苗の定植 4月下旬〜5月上旬
・琉球種(琉球とうがん)
・長とうがん
易
(1)直まき栽培
5月上〜中旬に鞍築き(土を盛り上げる)をしてタネを2粒ずつまき、ホットキャップをかける(第2図)。本葉1〜2枚の頃に間引きして1株にし、本葉5〜6枚になったらホットキャップを外す(第3図)。
第2図 直まきの方法
第3図 間引きとホットキャップの取り外し
(2) 移植栽培
苗を購入後、すぐに定植しない場合は大きめ(5号)のポットに移植して管理する。
本葉5〜6枚までに、根を傷めないよう浅植えに定植し、小型のトンネルかホットキャップをかける(第4図)。
※マルチを張り、ビニルトンネル被覆を行えば、3月下旬ごろから定植可能。
第4図 小トンネルでの購入苗定植
本葉5〜6枚で親づるを摘心し、生育の良い子づるを3〜4本伸ばす。子づるの先端はうねの両側へ重ならないように配置する(第5図)。
株元に近い果実は肥大が劣るので摘果する(第5図)。
第5図 仕立て方と摘果
植え付け後、3〜4週間おきにつる先に追肥を行う(化成肥料を、1回に10u当たり300g程度)。乾燥を防ぐため、株元に敷きわらを行い、つるの伸長に合わせて順次株元から離れた位置まで行っていく。
着果後、果実がソフトボール大の頃に、下にマットを敷く。着色を良くするために、2〜3度玉直しを行う。果実にわらをかけると日焼け防止になる。
雨が多いと炭そ病が発生しやすいので注意する。
害虫では、アブラムシ、ハダニ、スリップスが発生しやすいので適期防除につとめる。
開花後約1ヵ月で収穫できる。青肌の品種は表面の粗毛を布で拭き取る。白肌の品種は、表面の毛がとれ、白い粉を十分に吹いた頃が収穫適期(第6図)。
第6図 開花後約1ヵ月ごろ、表皮を観察して収穫する
写真2 開花〜着果期のトウガン
(写真提供:JA豊橋(東三河農林 農業改良普及課経由))
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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