海部地域の特産品いろいろ
野菜
れんこん
主な産地:愛西市、津島市
江戸時代の天保年間(今から170年前)頃に立田村戸倉(現、愛西市戸倉町)の住職によって導入されました。
愛西市は木曽三川の肥沃な湿田地帯を活用したれんこんの産地として知られており、ハウスと露地による栽培が行われ、1年中出荷されています。
鮮度を保つため自然のままに土の付いた「土付きれんこん」は、安心・安全な食材として人気があります。
トマト
主な産地:弥富市、愛西市
海部地域のトマト栽培は昭和28年から始まりました。栽培品種は主に「ハウス桃太郎」で、他に「桃太郎ヨーク」などがあり、ミニトマトでは「千果」が中心です。
当初は低湿地帯のビニルハウスの「くねた」(60〜70cmの高い畝)で栽培されていました。乾田化の進行とともに栽培技術の改良を進めた結果、現在は10月に定植する「促成栽培」、12月に定植する「半促成栽培」を中心とした安定生産が行われています。
また、環境にやさしい農業への関心の高まりから、天敵昆虫や粘着テープ・施設内への害虫の侵入防止用ネットの利用、訪花昆虫を用いた着果の促進など、農薬の使用を低く抑える努力が続けられています。
こまつな
主な産地:あま市(旧甚目寺町)、大治町
名古屋市のすぐ西に位置するあま市(旧甚目寺町)を中心とした地域は、古くから生鮮野菜の供給地として、軟弱野菜の産地を形成しています。
こまつなは、かぶの一変種と言われ、従来は主に関東地方で作られて来ました。食生活の多様化と健康食品ブームから緑黄色野菜の消費が増えてこの地域でも盛んに栽培されるようになり、現在では名古屋市場のおよそ50%を占めるようになりました。
あま市(旧甚目寺町)では「こまつな」を利用した特産品づくりに取り組み、おやき、どら、来福、せんべいをはじめ8種類の商品を開発し、直売所などで販売しています。
ほうれんそう
主な産地:大治町、飛島村、あま市(旧甚目寺町)
海部郡の東部地域は生鮮野菜の供給地として、軟弱野菜の産地を形成しています。
秋冬作を中心としてほうれんそうが栽培されていますが、最近ではビニルハウスを用いた周年栽培も行われ、一部では、水耕栽培の“サラダほうれんそう’も出荷されています。
隣接する名古屋はもとより、北陸方面へも出荷されています。
モロヘイヤ
主な産地:大治町
モロヘイヤは乾燥地帯でもよく育つために、中近東やアフリカで昔から食されてきました。モロヘイヤとは、アラビア語で「王様の野菜」という意味で、古代エジプトの王様の重い病がモロヘイヤのスープで治ったことからこの名がついたとか。昔から健康にとてもよいとされてきたようです。
日本で普及し始めたのは1980年頃からで、カロチンやミネラル、食物繊維などがとても多く、健康野菜とも呼ばれて注目を集めています。
ねぎ
主な産地:あま市(旧美和町)、愛西市、飛島村

海部地域のねぎは、海部郡神守村(現津島市)の越津地域で徳川3代将軍家光の時代に改良された「越津ねぎ」を用いて、冬季の出荷を中心に栽培されてきました。昭和30年代中頃からねぎの需要が周年的になり、春から秋にも出荷できる作型が導入され、昭和40年代には、品種も越津に加え耐暑性のある金長が導入されました。現在では、品種・は種・移植・定植時期を組み合わせて、一年中、出荷されています。
昔から、ねぎは、健胃健脳の野菜といわれており、ネギの辛味の成分であるアリシン(硫化アリルの一種)には血行を良くし、体を温める働きがあります。また、ビタミンB1の吸収を促進する働きもあり疲労回復にも効果があります。
春だいこん、ミニだいこん
主な産地:愛西市
全国で生産される野菜の中で、栽培面積、生産量ともNo.1はだいこんです。一年中絶えることなく出回っています。愛西市で作られるのは、4月下旬から6月上旬まで出荷される「春だいこん」です。1月中旬の寒さ厳しい時期「大宝」などの品種の種を播き、マルチとトンネルで保温しながら大切に育てられ、春の出荷を待っています。
また、透き通るような白色で、長さ8〜10cm、太さ1.5cm程のミニだいこん(品種は白長二十日大根)も愛西市で作られています。葉付きのミニだいこんは、サラダや一夜漬けによく合い、懐石料理にも用いられます。
方領だいこん
主な産地:あま市(旧甚目寺町)

方領だいこんについては江戸時代の文献に、「尾張だいこん天下に冠絶す。その大なるものは数斤におよび、色雪のごとく白く、甘きこと飴のごとし・・・」と紹介されています。
この方領だいこんは、甚目寺町(現あま市)の方領が原産地とされています。栽培の歴史は、明らかにされていませんが、数百年前に、当時の方領村で自家用として栽培されていました。
栽培面積が少なくその名は知られていませんでしたが、全国的に知られるようになったきっかけは、安永3年(1774年)尾張徳川候が放鷹のおりにこの村に寄られ、村人が献上したこの大根を「太く、大きく、且つ美味」であると賞賛したことが元とされています。
その後、明治、大正、昭和と各地で作られ続けたこの「方領だいこん」ですが、昭和40年代に入ると全国的な「青首だいこん」ブームによって減少の一途をたどり、平成のはじめ頃にはわずかに自家用として地元に残るのみでした。
あま市(旧甚目寺町)では現在、この幻のだいこんを復活させようと「方領だいこんのオーナー制」に取り組んでいます。毎年12月中旬に収穫を兼ねた「方領だいこんまつり」が開催されるなど、地域の活性化につながることが期待されています。
しょうが
主な産地:愛西市
愛西市のしょうがには、「矢しょうが」([はじかみ]はその加工品)と、「葉しょうが」があります。特色ある「矢しょうが」は、ピーク時には全国生産の70〜80%を占める重要な農産物でしたが、中国からの安い輸入物の増加により栽培面積が激減。現在は、「葉しょうが」が中心に栽培されています。「葉しょうが」の生産者たちは、かつての「矢しょうが」産地を目ざし、生産コストの低減など、産地の復活に取り組んでいます。
かつて一世を風靡した「矢しょうが」は、しょうがを軟化して育てたもので、明治時代初期頃から作られていました。当初は種しょうがを竹やぶの中で穴貯蔵し、翌春自然発芽するものに籾がらやわら等で被覆して軟化するという方法でしたが、その後は温室栽培技術や、種しょうがの保冷貯蔵などといった特異な栽培技術を駆使し、周年栽培されていました。










