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更新日:2014年2月3日

犯罪被害者支援の経緯

被害者支援の経緯

三菱重工ビル爆破事件などを契機として、昭和55年「犯罪被害者等給付金支給法」が制定され、殺人や傷害などの人の生命又は身体を害する故意の犯罪行為により、不慮の死を遂げた方の遺族や身体に重い障害が残った方に対し、国が給付金を支給する「犯罪被害給付制度」が発足し、我が国における被害者への経済的援助が始まりました。
その後、平成3年(1991年)に開催された「犯罪被害給付制度発足10周年記念シンポジウム」において、特に精神的援助の必要性が被害者自身によって強く指摘され、これを重要な契機として更なる被害者支援のための検討が始まりました。

国際的な潮流

国際的にも、近年の人権意識の高まりを背景に、犯罪により身体的・精神的に被害を受けた被害者に対して、国家による救済、支援が行われるべきであるとの主張が高まってきています。
1985年(昭和60年)、国連総会において、「犯罪及び権力濫用の被害者のための司法の基本原則宣言」が採択されました。その中では、

  • 被害者は、その尊厳に対し共感と敬意をもって扱われるべきであること
  • 被害者に対して、訴訟手続きにおける被害者の役割や訴訟の進行状況、訴訟結果等に関する情報を提供する必要があること
  • 被害者が必要な物質的、医療的、精神的、社会的援助を受けられるようにし、その情報を被害者に提供すべきこと
  • 各国政府は、警察、裁判、医療、社会福祉等の関係機関の職員に十分な教育訓練を行い、司法上・行政上の敏速な対応を進めるため適切な制度整備等を行うこと

などが提言されています。また、欧米諸国等では、被害者支援のための様々なシステム整備が進められており、被害者支援は国際的な潮流ともなっています。

犯罪被害給付制度発足10周年記念シンポジウム(平成3年)における大久保恵美子さんの発言(要約)

私の息子は、去年の10月12日、飲酒運転者に殺されました。殺された後の数ヶ月間、私はどうやって生きていけばいいのか分からず、本当に無我夢中で、日本には何か私を精神的に助けてくれるところがないのかと必死になって探しましたけれども何もありませんでした。
先程パネリストの先生からも、「日本では、被害者の声として出てこない、被害者の本当にそれがニーズなのか」という発言もありました。でも被害者の立場になりますと、はい、私が被害に遭いましたと大きな声で言って、大きな声で泣ける、そういう社会ではありません。今の日本は大きな声で泣きたくても泣けないんです。
ただじっと自分で我慢しなければならないのが今の日本における被害者の姿だと思います。
日本では、そういう被害者を精神的に救う道が何もない。まずそれを創ってほしいと思うことなんです。
先程、「被害者が立ち直るためには同じ被害者同士での話し合いが一番大切だ」という発言がありましたが、それを支援してくれる専門家の方たちの助言がないとうまく立ち直っていけません。子供を殺された親は、このような辛い思いをもう他の人たちにさせたくないという気持ちでいっぱいなのです。どんな協力も惜しみませんから、10周年記念シンポジウムが開かれたこの機会に、是非、一歩でもいいんです。一歩だけでも踏み出して下さい。お願いします。

被害者支援の必要性と取組み

警察は、被害の届出、被疑者の検挙、被害の回復・軽減、再発防止等の面で被害者と最も密接に関わり、被害者を保護する役割を担う機関であることから、被害者の視点に立った各種施策の推進に努めています。
警察庁では、平成8年2月、被害者対策に関する基本方針を取りまとめた「被害者対策要綱」を制定し、これを受けた各都道府県警察では、組織を挙げて被害者対策に取り組んでいます。さらに、同年5月には、長官官房給与厚生課に犯罪被害者対策室を設置し、各種施策の企画・調査のほか、全般的な取りまとめを行っています。
社会全体の取組みとしては、平成16年12月には「犯罪被害者等基本法」が成立し、平成17年4月に施行されました。この法律では、犯罪被害者等に関する基本理念を定めており、国においては総合的かつ長期的に講ずべき犯罪被害者等のための施策の大綱等を定める犯罪被害者等基本計画を策定すること、地方公共団体はこれを踏まえて、地域の状況に応じた適切な施策を実施することなどが盛り込まれたことから、この法律に基づき、平成17年12月に「犯罪被害者等基本計画」が閣議決定されました。
同計画は5ヶ年計画で、犯罪被害者等に対して講じていく具体的施策が盛り込まれたことから様々な取組みが推進され、被害者支援の充実が図られました。
平成23年3月には、新たな5ヶ年計画である「第2次犯罪被害者等基本計画」が策定され、現在、更なる被害者支援の充実に向けた取組みが行われています。

被害者支援の経緯

年月日

出来事

昭和49年

8月

30日

三菱重工ビル爆破事件
* 同事件をめぐり犯罪被害給付制度の必要性が論議された。

55年

5月

1日

犯罪被害者等給付金支給法公布

56年

5月

21日

財団法人犯罪被害救援基金設立

60年

8月

26日

「犯罪防止及び犯罪者の処遇に関する第7回国際連合会議」(~9月6日)
* 同会議において「犯罪及び権力濫用の被害者のための司法の基本原則宣言」を採択。

平成2年

11月

17日

日本被害者学会設立

3年

10月

3日

犯罪被害給付制度発足10周年記念シンポジウム開催
* 同シンポジウムにおいて被害者の精神的援助の必要性が指摘される。

4年

3月

10日

「犯罪被害者相談室」(東京)設立

 

4月

 

犯罪被害者実態調査研究会による調査(7年3月報告書提出)
* 10周年記念シンポジウムでの指摘を受け、犯罪被害救援基金の委託研究として、犯罪被害者実態調査研究会(代表:慶応大学教授(当時)宮澤浩一)により実施された日本で初めての本格的な被害者の実態研究。これにより、警察の捜査過程における二次的被害の問題や情報提供のニーズ等が指摘される。

7年

3月

20日

地下鉄サリン事件
* 同事件をめぐり被害者が受ける精神的被害の深刻さが広く認識されるようになった。

 

6月

 

「警察の被害者対策に関する研究会」による研究(~12月)
* 警察の被害者対策の在り方についての研究。これを参考として、警察庁が被害者対策に係る基本方針を策定。

8年

2月

1日

警察庁において「被害者対策要綱」を策定 全国警察に通達

 

5月

11日

警察庁長官官房給与厚生課に犯罪被害者対策室設置

10年

5月

9日

「全国被害者支援ネットワーク」設立

11年

5月

15日

全国被害者支援ネットワークによる「犯罪被害者の権利宣言」発表

 

5月

26日

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律公布(11月1日施行)

 

6月

18日

犯罪捜査規範の一部を改正する規則公布・施行

 

11月

11日

政府に「犯罪被害者対策関係省庁連絡会議」設置

12年

5月

19日

いわゆる犯罪被害者保護のための二法(「刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律」及び「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」)公布

 

5月

24日

児童虐待の防止等に関する法律公布(11月20日施行)

 

5月

24日

ストーカー行為等の規制等に関する法律公布(11月24日施行)

 

12月

6日

少年法等の一部を改正する法律公布(13年4月1日施行)

13年

4月

13日

犯罪被害者等給付金支給法の一部を改正する法律公布

 

4月

13日

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律公布

 

11月

19日

犯罪被害給付制度発足・犯罪被害救援基金設立20周年記念 犯罪被害者支援フォーラム開催

14年

1月

31日

警察本部長等による犯罪の被害者等に対する援助の実施に関する指針公布(4月1日施行)
犯罪被害者等早期援助団体に関する規則公布(4月1日施行)

15年

3月

18日

犯罪被害者対策国際シンポジウム2003開催

 

10月

3日

「全国被害者支援ネットワーク」が10月3日を「犯罪被害者支援の日」と定めて全国キャンペーンを実施

16年

12月

8日

犯罪被害者等基本法公布(17年4月1日公布)

17年

12月

27日

犯罪被害者等基本計画 閣議決定

18年

4月

1日

犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律施行令の一部を改正する政令施行
犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律施行規則の一部を改正する規則施行

 

4月

 

犯罪被害者等基本計画に基づく3つの検討会(~19年11月)

19年

6月

27日

犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律公布

 

11月

 

犯罪被害者等基本計画に基づく3つの検討会「最終取りまとめ」決定

20年

4月

18日

犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律公布(7月1日施行)

 

7月

1日

警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者対策室を「犯罪被害者支援室」に改称

 

10月

31日

犯罪被害者等の支援に関する指針告示

21年

9月

11日

犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則の一部を改正する規則公布(10月1日施行)

23年

3月

25日

第2次犯罪被害者等基本計画 閣議決定

 

7月

7日

警察庁において「犯罪被害者支援要綱」を策定 全国警察に通達