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米麹を主原料とした新タイプのビールテイストアルコール飲料を開発しました ~食品工業技術センターと企業が共同開発~

ページID:20221216 掲載日:2022年12月16日更新 印刷ページ表示

   ​あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター(名古屋市西区。以下「センター」という。)は、株式会社ideai(イデア)(日進市。以下「(株)ideai」という。)との共同研究で、麦芽の代わりに米麹を100パーセント利用したビールテイストアルコール飲料「Rize(ライズ)」を開発しました。ホップ以外の原料に米を100%利用した、ビールテイストアルコール飲料の醸造は全国初の試みです。
​   Rizeは愛知県産銘柄米「あいちのかおり」で製造した米麹を主原料とし、愛知県産吟醸酵母で発酵させた、愛知県産原料にこだわった新タイプのビールテイストアルコール飲料です。
​   Rizeは、2022年12月24日(土曜日)からクリスマス商品として(株)ideai店舗「あんこ椿」(日進市)で限定販売(200本)されます。   

1 開発の背景、概要

   センターは、米加工品を利用したビールテイストの酒類開発の技術シーズを有しています。
   一方、(株)ideaiは、日進市から2016年に「日進市どぶろく・果実酒特区※1」の事業者認定を受けており、自社生産の米やブドウから、どぶろくや赤ワインの製造を手掛けてきました。
   同社は、センターの技術シーズを活用して、2020年に米麹を使用した新タイプのビールテイストアルコール飲料の開発に着手し、2021年には「新あいち創造研究開発補助金※2」の採択を受けました。
   開発では、原料米の精米歩合、ホップの選択、使用酵母、発酵法を検討し、官能試験や成分分析の結果を基に最適な製造法を確立するとともに、センターの技術指導等により、小規模な製造試験を行いました。
   その結果、2022年11月、愛知県産銘柄米「あいちのかおり」で製造した米麹を主原料とした新タイプのビールテイストアルコール飲料(製品名「Rize」)を開発しました。​

2 ビールテイストアルコール飲料「Rize」について

​   Rizeは、愛知県産銘柄米「あいちのかおり」を70パーセントに精米した白米を原料に使用しました。​製造工程は、一般的なビールと異なり、愛知県産種麹(たねこうじ)(株式会社ビオック(豊橋市)製)を使用した米麹を主原料として調製した麹甘酒をろ過し、フルーツ香ベースのホップを添加して煮沸したろ液に、清酒酵母である愛知県産吟醸酵母FIA3(エフアイエーサン)※3を加え、ガス圧を調整しながらアルコール発酵を行いました(右図のとおり)。
​    Rizeは、愛知県産原料にこだわり、手作りをコンセプトとした新タイプのビールテイストアルコール飲料です。ホップと吟醸酵母由来のフルーティーな香味と爽やかな酸味が特徴です。

フロー
​Rizeとビールの製造法の比較

 
あいちのかおり稲穂 米麹 愛知県産吟醸酵母
愛知県産銘柄米
あいちのかおり
愛知県産種麹を使用した米麹 愛知県産吟醸酵母
FIA3

 

Rizeの成分値
  Rize 市販ビール
アルコール分(%) 5.2 5.4
酸度(ml)※4 2.0 1.7
全窒素量(mg/100ml)※5 0.05 0.05

市販ビール:7種の平均値

3 Rizeの販売について

   2022年12月24日(土曜日)から、(株)ideai店舗「あんこ椿」において、200本限定で販売されます。
​○販売予定価格
   330mL:550円(税込み)
〇販売店
店名:あんこ椿
   所在地:日進市蟹甲町池下201-3
   電話:0561-78-3066
   営業時間:午前11時から午後2時まで
   定休日:土曜日、日曜日、祝日​
​             ただし、販売開始日の2022年12月24日(土曜日)は営業。

製品Rize
​製品「Rize」

4 今後の予定

   センターでは、本技術シーズに関心のある企業の方々からの相談や問合せに随時対応しています。お気軽に御連絡ください。
   また、(株)ideaiでは、酵母やホップの種類を変えて、味わいの異なるRizeの製品開発を進めていく予定です。

5 問合せ先

(「Rize」の製造技術に関すること)
あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター発酵バイオ技術室
   担当:伊藤、三井、加藤
名古屋市西区新福寺町2-1-1  電話:052-325-8092
URL:https://www.aichi-inst.jp/shokuhin/

(製品「Rize」に関すること)
株式会社ideai
   担当:代表取締役 眞柄文子(まからふみこ)
日進市蟹甲町池下201-3  電話:0561-78-3066
URL:https://encoretsubaki.com/

【用語説明】
※1 日進市どぶろく・果実酒特区
   日進市は、2016年3月に、内閣総理大臣から「日進市どぶろく・果実酒特区」に認定された。特区認定を受けることで、特産物を原料とした酒類を製造する場合の基準が緩和され、「小規模製造」が可能になる。本特区を活用することで、大手酒造会社に頼ることなく、市内において地域に根ざした酒類を製造することが可能となる。
   愛知県の構造改革特別区域法による酒税法の特例措置の認定状況(特区の名称及び申請主体)は以下のとおり。
・日進市どぶろく・果実酒特区(日進市)
・醸造のまち碧南焼酎特区(碧南市)
・豊田市フルーツ酒特区(豊田市)
・健康都市おおぶ  どぶろく(DOBUROKU)特区(大府市)
​・設楽のドうまいコメで酒づくり体験特区(設楽町)
​※2 新あいち創造研究開発補助金
   愛知県が行う補助制度。次世代自動車や航空宇宙など、将来の成長が見込まれる分野において、企業等が行う研究開発・実証実験を支援し、本県における付加価値の高いモノづくりの維持・拡大につなげることを目的としている。
   ​(株)ideaiは、2021年採択課題「米麹を利用したライト感覚の新規ビールテイストアルコール飲料の研究開発」(トライアル型)で本助成金を活用した。
※3 愛知県産吟醸酵母FIA3​
​   食品工業技術センターが2004年に開発した、リンゴのような吟醸香を多く生成する酵母
※4 酸度
   酒類に含まれるコハク酸・クエン酸・リンゴ酸等の有機酸の総量を表す指標。糖類などのエキス分の影響も考慮する必要があるが、おおよそ、酸度が高いと濃醇な酒質、酸度が低いと淡麗な酒質になることが多い。
※5 全窒素量
   酒類中のたんぱく質やアミノ酸類の含量を窒素分で表したもの。全窒素量が多いものは旨味が多いと解釈されるが、酒類では多すぎると雑味として捉えられる。

このページに関する問合せ先

​あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター発酵バイオ技術室
担当:伊藤、三井、加藤
電話:052-325-8092