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「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」を開催します~知の拠点あいち重点研究プロジェクトの成果を活用したヨガマットなどを展示~

ページID:20230210 掲載日:2023年2月10日更新 印刷ページ表示

    あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(一宮市。以下「センター」という。)では、繊維業界への技術支援の一環として、新技術に関する研究開発を実施し、企業の方々へ技術移転を行っています。
   この度、研究開発成果品や試作品の展示・紹介を行う「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」を開催します。
   知の拠点あいち重点研究プロジェクトI期※1の成果を活用したヨガマット、最新の素材、独自の技術を用いて試作した織編物(おりあみもの)などを多数展示します。
   これらの研究試作品に興味のある方を始め多くの方々の御来場をお待ちしています。

1 日時

2023年2月16日(木曜日)、2月17日(金曜日)  両日午前10時から午後5時まで
​(「20th JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE 尾州』※2」内において開催)

2 場所

一宮市総合体育館 いちい信金アリーナ
​(一宮市光明寺字白山前20番地  電話:090-6356-0436(会期中のみ))

3 入場料

無料

4 展示内容

   展示会では、以下のものを含む各種研究試作品を展示します。
(1)センサ織物を活用したIoTヨガマット
   産学行政の共同研究で開発したセンサ織物※3を中に組み込んだヨガマット(図1、図2)です。開発したセンサ織物は、表面に加えられた圧力分布を検知できる特徴があります(知の拠点あいち重点研究プロジェクトI期の成果)。
   このヨガマットに乗って身体を動かすと、手足の位置や体重の掛け方をタブレットで見ることができます。「健康のために始めたヨガなのに無理な姿勢をしてケガしてしまう人が多い。そんなリスクを減らしたい。」という現場の願いから生まれた商品です。また、従来、「こんな感じかな」という感覚に頼っていたヨガのレッスンをセンサ織物で可視化することで、インストラクターとの正確なコミュニケーションが実現します。
   本展示会では、このヨガマットの実物を展示します。会場で実際にヨガマットに乗り、自分の足裏のどこに体重が掛かっているかをモニタ画面で見る体験ができます。

 
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図1 ヨガマットの構造 図2 ヨガマットの使用風景とタブレット表示画面

(2)環境にやさしい染色加工で再生させた毛織物
​(「ジャパン・テキスタイル・コンテスト(JTC)※4  2022」エコロジー賞受賞作品)
   長期間在庫品となった繊維製品は保管中に変色などの劣化が起きるため、通常は廃棄処分されています。今回、繊維製品の廃棄物を減らして持続可能なモノづくりに貢献するため、従来は廃棄処分されてきた長期在庫品の変色生地から再生毛織物を作製しました(図3)。
   この毛織物には、転写捺染(なせん)※5により毛織物の両面に柄を付けました。染色は水を大量に使用し、環境負荷が問題となっていますが、転写捺染は水の使用量が圧倒的に少なく、環境にやさしい染色方法です。また、この毛織物には特殊加工を行うことで、樹脂加工※6したような硬めの触感となるように変化を与えました。樹脂加工は多くの水や熱が必要ですが、特殊加工では水や熱の消費量が少なく、環境にやさしい加工方法となっています。

 
3-1 a1 3-2 a2 3-3
製造直後の毛織物   黄変劣化した毛織物   再生後の毛織物
​(転写捺染で表裏に異なる柄付け)

図3 再生前後の毛織物

(3)センター試作品
​   (ア)天然由来の染料による染色織物
​      環境への負荷が懸念される人工の合成染料ではなく、天然由来の染料を使用することで環境に配慮しながら染色した織物(図4~6)は、SDGsを意識したものとなっています。

 
4 5 6
図4 ビンロウジ※7染色織物 図5 ウコン※8染色織物 図6 カテキュー※9染色織物

   (イ)多彩な柄が現れる織物
​      使用する糸と織り方に独自の工夫を加えることで、見る角度によってストライプ柄やチェック柄など、多彩な柄が現れる織物です(図7)。主にアパレル向けの試作品ですが、インテリアなどの他用途への展開も可能です。


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​図7 柄が変化する織物

5  問合せ先

あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター素材開発室
担当:山内、村井、宮本、茶谷
一宮市大和町馬引字宮浦35  電話:0586-45-7871
メール:owari-kikaku@aichi-inst.jp

6  新型コロナウイルス感染防止対策

   「20th JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE 尾州』」における尾張繊維技術センターのブースでは、新型コロナウイルス感染防止対策を以下のとおり実施します。
・発熱等(37.5℃以上)の症状がある方、又は体調が優れない方は、来場をお控えください。なお、明らかに体調不良等と認められる場合には、来場をお断りする場合があります。
・手洗いやマスク着用に御協力をお願いします。
・新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、開催方法の変更や開催を中止とする場合があります。その際は、あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センターのWebページでお知らせします。
   https://www.aichi-inst.jp/owari/

【用語説明】
※1 知の拠点あいち重点研究プロジェクトI期
   高付加価値のモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に実施した産学行政の共同研究プロジェクト。2010年度から2015年度まで実施。
※2 20th JAPAN YARN FAIR & 総合展「THE 尾州」
   20th JAPAN YARN FAIRは、日本最大級の「糸(YARN)」に特化した展示商談会で、商社、紡績、合繊メーカー、意匠撚糸メーカー、染色整理加工企業などが、機能性、意匠性に富んだ高付加価値の糸を提案し、染色整理技術や繊維関連機器を紹介。
   総合展「THE 尾州」は、尾州産地に関連する様々な事業や企業、団体の活動などを紹介する総合展示会。12回目となる今回は「ジャパン・テキスタイル・コンテスト(JTC)2022優秀作品展」等の常設展示を実施。
   主催:公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター
   共催:一宮市、愛知県繊維振興協会
   特別協力:日本毛織物等工業組合連合会
   後援:中部経済産業局、愛知県、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会、中部羊毛産業協会、愛知県撚糸工業組合、名古屋毛織工業協同組合、尾西毛織工業協同組合、尾北毛織工業協同組合、岐阜県毛織工業協同組合。
※3  センサ織物
   芯に導電性繊維が含まれる糸をたて・よこに使用した織物。織物表面を加圧したり除圧したりする際にたて糸とよこ糸の距離が変化し、そのときの静電容量の変化を計測することで圧力を検知する。圧力を検知する箇所を分割することで、一枚の織物で圧力分布を検知することが可能となる。
   知の拠点あいち重点研究プロジェクトI期の「超早期診断技術開発プロジェクト」において、あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター、株式会社槌屋(つちや)(名古屋市中区)、名古屋大学が参画して開発を行った。
※4  ジャパン・テキスタイル・コンテスト(JTC) 
   「次代のテキスタイル産業を担う人材の発掘・育成」をテーマに、テキスタイル(繊維製品)産業における技術力、デザイン力、マーケティング力の強化を目指して1991年から開催されている、産地活性化を目的とした人材育成事業。主催は公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター。
※5  転写捺染
   染色の技法の一つ。紙やフィルムなどにあらかじめ染料で柄を印刷しておき、染めたい生地と印刷物とを重ねた状態で熱と圧力を加えることにより、生地側に柄を移す(転写する)染色方法。
※6  樹脂加工
   合成樹脂を使用して生地を処理する加工方法。生地の触感を変化させたり、生地がしわになることや縮むことを防ぐなどの効果を持たせることができる。
※7  ビンロウジ
   太平洋・アジアおよび東アフリカの一部で見られるヤシ科の植物ビンロウの種子。赤褐色や赤みを帯びた黒色に染まる。

​※8  ウコン
   スパイスとしても使用される植物。黄金色に染まり、殺菌や防虫効果がある。

※9  カテキュー
   熱帯地方の植物であるアカシアやミモザなどの幹や葉などから得られる植物染料の一種。褐色に染まり、防腐性がある。

このページに関する問合せ先

​あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター素材開発室
担当:山内、村井、宮本、茶谷
一宮市大和町馬引字宮浦35      電話:0586-45-7871