あいちの先進企業紹介VOL.(取材日14.5.31)


 

長引く不況、国内企業の中国など海外への進出等、わが国における物作りの弱体化が心配されていますが、逆風下においても独自の創意工夫により、堅調に業績を伸ばしている企業も少なくありません。当コラムにおいて、そのような愛知県の魅力的な企業をご紹介していきます。個々の企業を通して、物作りのメッカ、愛知県の今後を考える上での一助として頂ければ幸いです。第一回目は樹研工業株式会社です。

  

樹研工業株式会社

 樹研工業は10万分の1gの歯車など世界トップクラスのプラスチック小型精密機械を作成しています。コンピューター等のダウンサイジングが求められる今日、卓越した技術力により、内外の大手時計、電気、カメラメーカー等を顧客に持ち、業界からの注目を集めています。

 樹研工業社長の松浦さん(右)に、お話を伺いました。
Q.10万分の1gの歯車など.非常に注目を集めていますが、事業を推進されて行くうえで、重視されてみえることを教えてください。

A.会社の目標として、技術力の飽くなき追求があります。その結果として、従業員を含め会社が豊かになることが理想です。多くの企業で、第一に利益追求という傾向が強いと思いますが、まずは誰にもできないことをやってみようというスタンスから始まる技術への挑戦が当社の下地となっています。
 その象徴が10万分の1gの歯車と言えます。実は、現在実用化されている最も小さい歯車は千分の2、3gのもので、実際には10万分の1gの歯車を部品として使う企業はありません。しかし、3年前に10万分の1gを出したところ、世界中から引き合いがきました。当社の技術力が世界中に認知されたという意味で、それは非常に大きな意味を持ちました。結果として、販路の拡大にも大きく貢献しています。
 さらに100万分の1g(直径0.149o)の歯車の試作を終えており、製造設備の開発を秋を目途に進めています。
 
   
  10万分の1gの歯車

ペンの横にある赤い粉状のものです。
  工場内部

自社製の成型機が整然と並んでいます。


Q.御社の生産システムについて教えてください。
A.ジュケンシステムという独自の生産システムを採用しております。
 これは、内製した金型、成型機、周辺機器を使い、標準化された作業手順に基づいて運用をすることにより工程能力を確保し、確実な品質を保証するためのものです。生産品に関しての記録は当社の開業以来全て管理保管されており、ジュケンシステムの運用の核となっております。

Q.海外流出による産業の空洞化が言われていますが、影響はありますか。
A.確かに、中国等の技術レベルも上がっており、海外へ製造がシフトしていく分野があるのは避けられない面もあります。
しかし、一方で中国等の市場拡大に伴い、販路が拡大しているという一面もあります。技術を磨き、他ではできないものを作っていけば仕事は逆に増えると思います。

Q.愛知県で企業活動を行なって良かった事があれば教えてください。
A.トヨタ、デンソーの品質管理、生産システムなどに関する情報が地元の新聞などで普段から入ってくるので、非常に勉強になりました。また、個性的な経営者や高い技術力をもった企業が多い土地柄です。さらに、自動車の輸入基地が集積しているように、海外の企業からみると、日本の真中は愛知県になります。どこにでも展開できるというのも大きな強みです。


後書き 

 樹研工業は、優れた技術力により、業界において確固たる地位を築いています。もちろん、その技術も最初からあったわけではなく、昭和40年の会社設立以来、たゆまぬ努力により培ってこられたものです。社長さんのお話は技術はもちろん、政治、経済、経営、環境等多岐にわたっており、経営者として様々なことを非常によく勉強されてみえるのには驚きました。何もない所から創意工夫により素晴らしい物を生み出していく、日本の製造業の原点に触れさせていただきました。


  名称及び代表者名 樹研工業株式会社 代表取締役社長 松浦元男
  本社所在地 〒441−8003愛知県豊橋市小向町字北小向140−1
  電話・FAX 0532−31−2061、FAX0532−32−6534
  ホームページ http://www.juken.com/main.html