| 長引く不況、国内企業の中国など海外への進出等、わが国における物作りの弱体化が心配されていますが、逆風下においても独自の創意工夫により、堅調に業績を伸ばしている企業も少なくありません。当コラムにおいて、そのような愛知県の魅力的な企業をご紹介していきます。個々の企業を通して、物作りのメッカ、愛知県の今後を考える上での一助として頂ければ幸いです。第2回目は西島株式会社です。 |
| 西島株式会社 西島は自動車部品等の製造用に使われる専用工作機のメーカーさんです。メカトロニクスとエレクトロニクスを一体とした技術を基盤として、技術開発型人材育成に力を入れており、多くの自動車メーカーを顧客に持つなど、市場から高い支持を勝ち得ています。さらに、他分野への進出も図るなど、積極的に事業展開をされています。 西島社長(写真)と津久井管理部長にお話を伺いました。 |
| Q.最近日本経済新聞、日刊工業新聞で御社の水噴霧新型消火装置の記事を拝見いたしました。従来から消火装置を手がけていらしたのでしょうか。 |
| A.研究等を開始してから、まだ2年です。異業種交流を当社は進めているのですが、様々な会合、研究会等でいろいろな方とコンタクトを取っているうちに、大学の先生から、やってみないかと、紹介を受けまして、スロバキアのトランスファ‐テクノロジー社と提携し、従来の放水による消火に比べ、水の使用量が10分の1ですむ、ハイドロエアゾル消火システムの製造・販売を始めました。 |
| ハイドロエアゾル消火システム | 工場内部 |
| Q.自動車及び産業機器関係の工作機械製造が本来の御社が、異業種での新製品に取り組むこととなったきっかけを教えてください。 |
| A.従来より、我々の培ったノウハウや技術により、工作機械とは関係無い業種が困っている問題を解決していくことにより、ビジネスチャンスを広げることができると考えています。上記の消火装置のほか、農業関係と、医療分野にも進出をしています。農業関係では電照菊の選別、出荷を自動化した機械を、医薬品関係では生産ライン内の薬用アンプルを整列させたり、バリ取りをする機械を開発しています。自分たちで作れるものは何でも作っていこうという姿勢を持っています。 |
| Q.御社の製品が高い信頼性を勝ち得ているのは、どのような要因がありますか。 |
| A.世界最高級の工作機械を導入するとともに、「一流の製品は一流の人格から」という信念の元に社員教育を徹底し、最終的には職人技を重視した製品づくりをしていることにあると思います。なお、当社の内製化率が70〜75%と非常に高いことも、信頼性の高い製品づくりをするうえで、大きく貢献しています。顧客からの信頼を最も重視し、西島ならば何とかしてくれるといわれるよう心がけています。 |
| Q.人材育成に関してはいかがでしょうか。 |
| A.世界最高の技術力を目指しており、経験とスキルを重視しております。そのため、当社は定年を設けておりません。社員教育を徹底し、経験者から後輩への指導を徹底させています。また、当社は営業や、設計の担当者にも物づくりの経験をさせております。 |
| Q.生産拠点の移転による「産業の空洞化」が言われていますが、影響はありますか。 |
| A.顧客の海外移転にともない、当社も中国を始めとした海外での材料・部品調達の検討をせざるを得ません。ただ、工場進出するのではなく、外国のパートナーと手を結び、西島の製品メンテナンスができる機能を持たせる提携を考えています。ただし、当社の物づくりのコアになる部分は国外に出さないつもりです。 |
| Q.製品の高付加価値化の一環として、産学連携の必要性がよく言われていますが、御社の取組はいかがでしょう。 |
| A.コンピューター利用(3次元)による主要部品の強度解析・一品一品異なる部品加工の極少量生産システムの開発等について、豊橋技術科学大学の研究者等と積極的に共同研究を実施し、当社の技術力の向上を図っています。現在では関連ソフトウエアも自社開発する体制となっています。 |
| Q.愛知県で企業活動を行なって良かった事があれば教えてください。 |
| A.物づくりの集積地であり、様々な団体、業種等との交流を図りやすく、技術・ニーズなど情報が入りやすい土地柄といえます。あらゆるメーカーがあり、顧客の層も厚い。物づくりに適した土地柄であると思います。 |
後書き
| 西島さんは積極的な異業種交流による新分野への商品展開、定年制の無い雇用体制による技術力の向上など、ユニークな取組をされています。トヨタ、日産、スズキ等、優良企業を顧客に持ちながらも、積極的な事業展開を図っています。不況下にあってこそ、いろいろな知恵が生まれ、新しい仕事の開拓ができるというお言葉が印象的でした。 |
| 名称及び代表者名 | 西島株式会社 代表取締役社長 西島篤師 | |
| 本社所在地 | 〒441−1102 愛知県豊橋市石巻西川町字大原12 | |
| 電話・FAX | 0532−88−5511、FAX0532−88−5522 | |
| ホームページ | http://www.nishijima.co.jp/ |