あつまれ!未来の科学者達   こどもサイエンス・カフェ

第2回 「植物への依存と共存〜その進化と可能性〜」

■ゲストスピーカー
 第1日:佐藤 豊(名古屋大学大学院 准教授)
 第2日:吉本泰介(元株式会社豊田中央研究所 環境技術部長)
 第3日:加藤 保(愛知県農業総合試験場 場長)
■場所:愛知県農業総合試験場(愛知郡長久手町大字岩作字三ヶ峯1−1)
■参加費:1人あたり1,000円(3日間:保険料・資料等実費の一部として)
■3日間で1回のシリーズとして実施しました。
〔参加対象 県内の小学校4年生〜中学校3年生と18歳以上の保護者(引率者)〕

第1日目:植物種の遺伝子組み換え
平成19年10月20日(土曜日)

ゲストスピーカー
 佐藤 豊 さん(名古屋大学大学院 准教授)

・遺伝子って何?
・キャベツとカリフラワー、人間と猿は親戚?
・遺伝子を取り出してみよう(実験)
・遺伝子組み換え植物を検出しよう(実験)
・遺伝子組み換え植物は危険?では、そうでない植物は安全?
・科学的に正しく物事を判断することが必要。未来を決めるのは自分たち
会場風景
アメリカのブッシュ大統領は、お父さんに非常に似ています。これは、遺伝子の働きによるものです。
一方で、キャベツとカリフラワーはとても同じものとは思えませんが、遺伝子から見れば、ほんの少しの違いしかありません。 人間と猿も遺伝子はほとんど同じです。
参加者は、具体的な事例を交えた説明で、遺伝子の不思議な働きについて興味を覚えたようでした。
実験風景1
続いて、植物から遺伝子を取り出す実験をみんなで行いました。
意外と簡単に取り出せた遺伝子にビックリし、何度ものぞき込んでいました。

さらに、市販の試料から遺伝子組み換えの植物を検出しました。
全員の試料が遺伝子組み換えの反応を示したことで、案外身近にあるものだということにビックリした様子でした。
実験の後、佐藤さんからまとめのお話がありました。
実験風景2
このまま人口が増えれば確実に食糧危機が訪れる。そのときになってあわてても間に合わない。
佐藤さんは、その時のために研究は進めていると説明されました。
科学的にものを見ることの大切さについて、みんなと一緒に考えながら1日目のカフェが終了しました。



第2日目:地球環境への対応(バイオ燃料)
平成19年10月27日(土曜日)

ゲストスピーカー
 吉本 泰介 さん(元豊田中央研究所環境部長)

・地球の環境はどうなってるの?
・地球温暖化の現状はどうなっている
・廃油石けんとバイオディーゼル燃料の作り方(説明)
・温暖化が進むと地球はどうなるのか
・いま、地球環境のためにできること
会場風景1
地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨、海洋汚染、森林減少、砂漠化など、地球規模での環境変動の現状を知り、 どうしてそうなっているのかをみんなで考えました。
その後、休憩時間を利用して、廃油から作る石けんとバイオディーゼル燃料の作り方をスライドで聞きました。
(当初は実験として製作する予定でしたが、水酸化ナトリウム等危険な薬品を使うことから説明に変更しました。)
会場風景2
後半では、地球温暖化や水環境の保全のために、現在行われている様々な取組みについて聞き、今、自分たちは、 何をすべきなのか、何ができるのかをみんなで考えました。
実験風景2
カフェ終了後、希望者は農業総合試験場内にある「農業民族館」の見学をおこないました。
大正時代の農村の風景が見られる貴重な資料にたくさんの質問が参加者から出ていました。


第3日目:植物の現状と将来展望
平成19年11月3日(土曜日)

ゲストスピーカー
 加藤 保 さん(愛知県農業総合試験場 場長)

・愛知県の農業ってどうなってるの?
・田んぼの役割は、お米を作るだけ?
・農業総合試験場が研究している最新農業技術
会場風景
愛知県は農業産出額で全国5位の有数の農業県です。
また、お米の品種改良も盛んに行っており、かつて日本でもっとも沢山作られていた日本晴れもこの試験場で 生まれています。
続いて、田んぼの役割について聞きました。
実験風景1
田んぼは、米や麦を作る役割だけではなく、水の浄化や治水、様々な生きものの住みかなど多くの大切な役割が あります。
森の土が1センチメートルできるのに何年かかるのか?などクイズ形式でたくさんの質問が出され、 植物の役割についてみんなで考えました。

見学風景
また、土の中のバクテリアの顕微鏡での観察や、黄身が赤色や緑色の卵の観察、ヒヨコのふ化、試験場で作った 新品種の梨の試食などを行い、時間が過ぎても終わらないぐらい質問が出されました。最後に研究棟の見学を行い、 サイエンス・カフェが終了しました。



◆まとめ◆
植物をとおして、食や地球の未来を考える。
少し、難しいかなと思われるテーマでしたが、自分たちにも何かできることがあるのではと 考えるきっかけにはなれたのではないでしょうか。
カフェの中でも議論になりましたが、遺伝子組み換え作物や、バイオ燃料、地球温暖化等については様々な 意見があります。私たちは、それらの情報から目を背けるのではなく、しっかりと見つめ、科学的な判断を 下せるよう常に考え、行動していく必要があることをゲストスピーカーから学びました。
会場が、駅から少し離れた場所になることから初日には遅れて到着する人もいて、会場案内の方法に課題を 残していまいましたが、ほとんどの方が3日とも参加され、カフェを楽しんでいただけました。
なお、農業総合試験場の皆様には、休みの日にもかかわらず、会場を提供していただき、最終日には一般公開日の 多忙な中、様々な観察物等を準備していただき、参加者には忘れられない1日となったと思います。