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車椅子用レインコートが製品化されます! -企業との共同研究による福祉向け衣料開発-

あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(以下、尾張繊維技術センター)と公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター(以下、FDC)は、県立一宮特別支援学校及び繊維製品製造企業と共同で、車椅子用レインコートの開発を進め、このたび、製品化されることとなりました

このレインコートは県立一宮特別支援学校生徒の思いを受けて、防水透湿性に優れた生地を使用し、着脱がしやすく、車椅子の操作を妨げないデザインにする等、機能性や快適性を追求しており、尾張地域の企業の持つ繊維製造技術を結集した製品です

今後、2月24日から26日一宮総合体育館で開催される「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」にて展示を行うとともに、株式会社ナイガイ(一宮市)が受注販売を行います。

1 製品化について

(1)開発メンバー

 ササキセルム株式会社(一宮市)、株式会社サカイナゴヤ(稲沢市)

 服飾デザイナー 小林隆臣 氏(岐阜県安八郡安八町)

 あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター(一宮市)

 公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター(一宮市)
 

(2)開発したレインコートについて

【生地】

 撥水加工された表生地とトリコット生地*1の裏地の間に防水透湿*2フィルムを貼り合わせた3層構造の生地を使っています。裏面はすべりの良い生地のため、着用者の動きを妨げません。また、防水透湿性のため、着用していても蒸れず、着心地が良いのが特徴です。

○耐水度(JIS L1092)*3 20,000mm以上

○透湿度(JIS L1099 B-1 酢酸カリウム法)*4 15,000g/m2・24hr以上

【デザイン】

着用した時に車椅子と着用者をスムーズに覆うように裾にウェイトを付けています

○風によるまくり上げの防止にも役立ちます。

○車椅子を操作する際に、身体の動きを妨げないようなデザインとなっています。

○首元を面ファスナーで調整し、頭の動きに追随するようにできるため視界が狭くなりません。

再帰反射テープ*5がついており、夜間の通行の安全を確保します。

○未使用時には小さくたたんで袋に収納できるため、持ち運びにも便利です。また、腕が濡れないようにコートとは別にアームカバーを付けました。

○この商品は、愛知県に集積する繊維製品製造技術と特別支援学校の生徒、及び教職員の声を反映させて出来上がったものです。

(3)販売について

 株式会社ナイガイ 代表取締役 佐伯(さえき)達也(たつや)

 (一宮市時之島新田東43 電話 0586-51-3466 e-mail naigai@lake.ocn.ne.jp)

○当面、受注生産で対応します。同社では今後、ネット販売も視野に入れています。

○色展開 赤、黒、ピンク、茶、黄の5色

2 背景

尾張繊維技術センターとFDCは、平成20年度より、県立一宮特別支援学校及び地元企業と共同で、車椅子で生活する小学生から高校生までの子供たちの希望を叶えようと福祉向け衣料の開発支援に取り組んでいます(平成28年1月25日記者発表)。

車椅子で生活する子供たちは、一般に市販されている衣服では動きづらかったり、着替えるのが難しかったりすることが多く、自分が望む衣服を着ることができず不便な思いをしています。

平成24年度に開発したレインケープ(平成25年2月15日記者発表)を展示会等に出品し、利用者の声を伺ったところ、レインコートへの要望が高いことが分かりました。更に、レインコートについて調査を進めたところ、(1)生地、(2)デザイン、(3)価格において、利用者の要望を満足するものがないことが分かりました。

こうした声を受け、デザイン、生地、縫製に携わる企業が集まり、平成26年度からレインコートの開発が始まり、26年9月25日に開発したレインコート試作品のお披露目式を行いました(平成26年9月16日 記者発表)。この試作品を学校の様々な行事の中で利用してもらいながら、尾張繊維技術センターとFDCが中心となって、改良点を抽出するとともに、企業を中心に製品化に向けた取組を行いました。

 

3 展示会概要

(1)名称

あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター  研究試作展

 (「13th JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE 尾州』」内)

(2)日時

平成28年2月24日(水曜日)から26日(金曜日)まで(午前10時から午後5時まで)

(3)場所

一宮市総合体育館(一宮市光明寺字白山前20番地  電 話  0586-51-6102)

(4)入場料

無料

4 問合わせ先

あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター 素材開発室

担当  島上(しまかみ)宮本(みやもと)福田(ふくた)

所在地  一宮市大和町馬引字宮浦35

電話  0586-45-7871    FAX  0586-45-0509

【用語解説】

*1 トリコット生地

トリコット編機で編まれた生地をいいます。トリコットはたて編のひとつです。肌着やシャツ地、ランジェリー等様々なものに使われています。細いモノフィラメント糸で編まれたトリコットは、貼り合わせ生地やキルティング用の基布に用いられます。

*2 防水透湿

水は通さないが、湿気は通す性質をいいます。防水性があっても透湿性が低いと着用している間に衣服内が蒸れてしまい、着心地が悪くなります。

*3 耐水度(JIS L1092)

生地表面がどれだけの水圧まで裏側にしみ出さずに耐えられるかを示すものです。数値が高いほど生地裏へ沁み出しにくくなります。JIS L1092は防水性試験方法です。試料の表側に水圧を加えて裏側から水が出た時の水圧で評価します。

*4透湿度(JIS L1099 B-1法)

どれだけ湿気を透過させるかを示すものです。素材の単位面積(m2)あたり、24時間で透過した水蒸気の量(g)で表記します。

JIS L1099 B-1法は透湿性試験方法のひとつです。試料を通過してカップ内の吸湿剤(酢酸カリウム溶液)に吸収された水蒸気の質量で評価します。

*5再帰反射

受けた光をそのまま光源へはね返すことをいいます。夜間、レインコートについた再帰反射テープが車のヘッドライトを反射して、ドライバーがいち早く確認し危険を回避できる効果があります。