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開発した福祉向け衣料をお披露目します!-フォーマルスーツと浴衣を共同開発-

 あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(以下、尾張繊維技術センター)と公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター(以下、FDC)は、県立一宮特別支援学校及び地元繊維製品製造企業と共同で、平成20年度から、福祉向け衣料の開発に取り組んでおり、今年度はフォーマルスーツ浴衣を開発しました。
 平成29年2月7日(火曜日)に、県立一宮特別支援学校において、これら開発品を学校関係者に紹介するお披露目式を開催します。

1 お披露目式の概要

 開発したフォーマルスーツ及び浴衣を開発者から児童生徒2名に手渡して、お披露目します。
(1)日時
 平成29年2月7日(火曜日) 午後3時30分から午後4時30分まで
(各種気象警報等の発表に伴い一宮特別支援学校が休校となることがあります。その場合の対応については、当日お問合せください。)
(2)場所
 愛知県立一宮特別支援学校
 (所在地:一宮市杉山字氏神廻1 電話:0586-51-2221)
(3)次第
 ア 開会
 イ 校長挨拶(一宮特別支援学校 堺 和之氏)
 ウ 開発者代表挨拶(開発機関・企業の各代表者)
 エ 開発者から児童生徒に手渡し
 オ 児童生徒代表のことば
 カ 試着・記念撮影

2 開発体制

 今年度は高等部3年生の男子の要望をもとにフォーマルスーツの開発を、小学部5年生の女子の要望をもとに浴衣の開発を以下の体制で行いました。

 
工程担当
企画・生地尾張繊維技術センター
企画・調整 (公財)一宮地場産業ファッションデザインセンター
ニーズ抽出、評価 県立一宮特別支援学校
企画、デザイン、プリント加工 ササキセルム(株)(一宮市)
デザイン 服飾デザイナー 小林隆臣氏(岐阜県安八郡安八町)
糸、加工 オゼキオリジナル(一宮市)
生地、加工津島毛織工業協同組合
生地、加工 (株)サカイナゴヤ(稲沢市)
パターンメイキング、縫製 (株)ナイガイ(一宮市)
パターンメイキング、縫製 倉敷スクールタイガー縫製(株)(岡山県倉敷市)

3 開発内容

(1)フォーマルスーツ
 使用した生地は、抗菌・防臭加工やストレッチ性を備えたウール100%の織物です。フォーマルにふさわしい深い黒に染め上げました。
 また、パンツ後身頃(うしろみごろ)※1に伸縮性の高いニット生地を組み合わせたり、脇、および背中部分にファスナー(図1左)をつけたりすることで、着替えやすく、着心地のよい構造となっています。更に、車椅子の胸ベルトを隠せるように脇部分にスリットをつける(図1右)、磁石のボタンを使用するなど、車椅子の子供たちが快適に着用できるように様々な工夫を凝らしています。
背中のファスナー
        図1 背中のファスナー(左)と脇のスリット
(2)浴衣
 使用した生地は、たて糸にウール、よこ糸に和紙を用いることで、軽くて、接触冷感や通気性、透湿性を兼ね備えた夏でも快適な織物となっています。この生地に水玉のプリントを施し、涼しげなデザインに仕上げました。
 また、上下セパレート(図2左)とすることで、着替えやすい構造となっています。
 更に、車椅子の胸ベルトを使った帯のデザイン(図2右)や、生地に抗菌・防臭性を持たせるなど、車椅子の子供たちが快適に着用できるように様々な工夫を凝らしています。
帯のデザイン
          図2 上下セパレート(左)と胸ベルトを使った帯のデザイン(右)

4 開発の経緯

 尾張繊維技術センターとFDCは、平成20年度から、県立一宮特別支援学校及び地元企業と共同で、車椅子で生活する小学生から高校生までの子供たちの希望を叶えようと福祉向け衣料の開発に取り組んできました。
 車椅子で生活する子供たちは、一般に市販されている衣服では動きづらかったり、着替えるのが難しかったりすることが多く、自分が望む衣服を着ることができず不便な思いをしています。
 そこで、学校の子供たちの希望をもとに、身体の動きに合わせた衣服のデザインや素材の検討を行い、保温性やストレッチ性など機能性に優れた生地を開発するとともに、着やすい・着せやすい工夫や、車椅子に座った状態でもシルエットが美しくなる工夫を重ねた福祉向け衣料の製作を行ってきました。開発した服は児童生徒に試着してもらい、着用感を評価してもらうことで、より着やすい、着心地のよい服づくりにつなげています。
 最近では、礼服・スーツ※2、ブルゾン・デニムパンツ※3、レディーススーツ・メンズパンツ※4を作製してきました。これらの衣料には、毛織物の産地である尾州地域で長年にわたって培われてきた様々な技術が詰まっています。

5 問合せ先

あいち産業科学技術総合センター
 尾張繊維技術センター 素材開発室(担当 宮本、島上、藤田)
 所在地  一宮市大和町馬引字宮浦35
 電話  0586-45-7871    FAX  0586-45-0509
 

【用語解説・参考】

※1 後身頃
 衣服の後部分のパーツ。
※2 礼服・スーツ(平成25年度開発品)
 着脱が容易になる袖のファスナーや車椅子の固定ベルトを隠すようなデザインでシルエットの美しい礼服、及びクラッチが装着しやすい袖や車椅子を操作しやすくしたデザインのスーツを開発しました。
※3 ブルゾン・デニムパンツ(平成26年度開発品)
 ブルゾンには防縮加工ウール糸と消臭効果を備えた綿糸を組み合わせた伸縮性のある織物を使用しています。また車椅子からの移動時に介助者が身体を抱え上げやすいようにパンツに取手をつけるなど、着替えやすく、着心地のよい構造となっています。
※4 レディーススーツ・メンズパンツ(平成27年度開発品)
 レディーススーツは、前身頃に、接触冷感・通気性・透湿性を兼ね備える快適性に優れたウール100%の織物を用いています。また後身頃に伸縮性の高いニット生地を用い、背中部分にファスナーをつけることで、着替えやすく、着心地のよい構造となっています。メンズパンツは、デニムの柄をプリントした伸縮性が高く、裏起毛で保温性の高いニット生地を用いています。またパンツに取手をつけることで、着替えやすい構造となっています。
成果品

       成果品(左から礼服・スーツ、ブルゾン・デニムパンツ、レディーススーツ・メンズパンツ)