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猫系男子をイメージしたコートを産地の若手と学生が共同製作

 あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(以下、センター)では、ものづくり人材を育成するため津島毛織工業協同組合の若手社員と名古屋女子大学の学生を対象にした研修を今年度の4月から行ってきました。
 この研修では、センターの設備を活用しながら学んだ織物製造技術を基に、研修生全員(社員3名、学生3名)でオリジナル織物を企画、設計して、「猫系男子のためのコート生地」を製作しました。
 この生地は「猫系男子」から連想される、懐かしさと新しさ、甘さと神秘さなどのイメージを一枚の布で表現しています。
 また今回、学生達はこの生地を使って、猫系男子をイメージしたコートを製作しました。
 なお、この生地及びコートは、平成29年2月22日(水曜日)から2月24日(金曜日)まで、一宮市総合体育館において開催される「14th JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE尾州』」内の尾張繊維技術センター研究試作展(平成29年2月15日発表済)において展示します。

1 事業の背景

 愛知県津島市は、そ毛(もう)*1・細番手(ほそばんて)・高密度毛織物の一大産地として発展してきました。その品質は古くから世界中で広く認められています。
 津島毛織工業協同組合は、服地のプレミアム産地として国内外の展示会に出展して「津島(TSUSHIMA Made in Japan)」ブランドのPRにも努めています(図1)。

図1 ネームタグ
図1 「津島(TSUSHIMA Made in Japan)」ブランドのネームタグ

 津島市には、紳士・婦人服地を始めとした多彩な生地を取り揃え、小ロット・短納期対応等あらゆるニーズに即応できる繊維関係の企業が集積しています。これらのニーズに応える生産体制を支えているのが、長年積み上げてきた技術力です。
 昨今、高い技術力を持つ熟練技術者が減少する中、若手人材の育成が産地の課題の一つとなっています。繊維関係の企業は従業員の少ない中小企業が多く、日々の業務で多忙なために、熟練者が若手に十分な教育・指導をすることが困難となっています。また、担当以外のことについて広く知る機会も少なく、人材の資質向上が困難な現状です。
 一方、大学では、教員から学生への一方向の教育だけでなく、様々な形での議論やフィールドワークを通じて、学び合うことが重要視されてきています。また、県内の家政系学科では衣服製作については多く学ばれていますが、織物製造の課程や愛知県内の繊維産業についてあまり深く学習されていません。
 そこで、センターでは、これまでの研究成果や指導実績、設備を活用して、織物の企画・設計から製織に至る一連の技術を習得してもらうとともに、製品コンセプトから企画、設計、製作までを共同で行うような研修事業に取り組みました。
 この研修は企業研修生、学生研修生が共に学び合う中で新しい感覚を発見するという、貴重な経験をしてもらうことができました。

2 生地の特徴

 今回のテーマは「猫系男子」です。具体的には肌が白く小顔で細身、恰好いいというよりはかわいい系、だけどクールに気配りのできる男子を総称して猫系男子と定義しました
 一見クールだけど、気遣いや気配りのできる「猫系男子」。そんな今どきの男子をイメージした自在に表情を変え、甘さをプラスした未来感覚の生地です。
 生地は、トップ染糸*2三色を配したグレンチェック*3とウィンドウペイン*4を組み合わせて、視覚的な奥行きを出しました。更に見る角度によってストライプが飛び出します。懐かしさと新しさ、甘さと神秘さといった感覚を一つに織り込みました。まるで、子猫の瞳のように色調が変化する心躍る生地となっています。
 この生地は平成28年10月に開催されたジャパン・テキスタイル・コンテスト*5開催委員会主催のジャパン・テキスタイル・コンテスト2016にて入選を果たしました。

3 コートの特徴

 名古屋女子大学の学生が中心となって、コートのデザイン及び製作を行いました。
 柔らかい肌触りが特徴のミルド*6生地、そして奥行や変化に富む生地の表情を最大限に活かすため、デザインをシンプルなラインにまとめています(図2)。

図2 コートの写真

          図2 コートの写真

4 今後の展望

 本研修は業界からの要望に応えて実施したものです。尾張繊維技術センターでは、今年度の成果を生かし、今後も繊維産業の人材育成への支援に取り組んでいきます。

5 展示会概要

(1)名称
 あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター  研究試作展
 (「14th JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE 尾州』」内)
(2)日時
 平成29年2月22日(水曜日)から24日(金曜日)まで
 午前10時から午後5時まで
(3)場所
 一宮市総合体育館(一宮市光明寺字白山前20番地)
 電話 0586-51-2045(会期中のみ)
(4)入場料
 無料

6 問合せ先

あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター 素材開発室
  担当   宮本、島上、田中、藤田
  電話   0586-45-7871(代表)
 所在地 一宮市大和町馬引字宮浦35

津島毛織工業協同組合
  担当   安達、服部
  電話   0567-28-3117
 所在地 津島市立込町3-26

学校法人越原学園 名古屋女子大学 家政学部 生活環境学科
 担当   小町谷(こまちや)
 電話   052-852-1111(代表)
 所在地 名古屋市瑞穂区汐路町3-40

【用語解説】

*1 そ毛
 繊維長が長めの羊毛から作られる滑らかで均整な糸。

*2 トップ染糸
 糸になる前のロープ状の繊維束をトップという。染められたトップを何色かあわせながら1本にして出来上がった糸をいう。

*3 グレンチェック
 織物の柄の名称。数本のタテヨコ同数の大きな格子、またはこの格子の中間に単純な格子を配したもの。毛織物によく使われる。

*4 ウィンドウペイン
 織物の柄の名称。ウィンドウは窓、ペインはガラス板のことで窓ガラスの枠のような格子をいう。毛織物によく使われる。

*5 ジャパン・テキスタイル・コンテスト
 「次代のテキスタイル産業を担う人材の発掘・育成」をテーマに、テキスタイル産業における技術力・デザイン力・マーケティング力などの強化と、それを支える人材の育成を目的として開催されているテキスタイルコンテスト。

*6 ミルド
 そ毛織物の一種。タテヨコともにそ毛糸を用いて、綾織とし、縮絨(しゅくじゅう:織物を揉んで縮めて地合いを出すとともに織物表面にフェルト毛を立てる加工)させたもの。保温性が高まり、冬物毛織物に使われる。