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尾張繊維技術センターが研究・試作品を展示会で紹介します  炭素繊維編物技術を活用したCFRP製安全帽などを展示

 あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(以下、センター)では、繊維業界への技術支援の一環として、企業の方々へ技術移転するための新技術に関する研究開発を実施しています。
 この度、研究開発成果品や試作品の展示、紹介を行う「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」を「14th JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE 尾州』」(主催:公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター)において開催します。
  今回展示する研究・試作品は、撚糸(ねんし)技術と無縫製(むほうせい)編物技術を活用して製作した炭素繊維強化複合材料(CFRP)※1製の安全帽などです。また、最新の素材や独自の技術を用いて試作した織編物(おりあみもの)も多数展示します。
  これらの試作品に関心のある多くの皆様の御来場をお待ちしています。

1 展示会概要

(1)名   称     あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター  研究試作展
          (「14th JAPAN YARN FAIR & 総合展『THE 尾州』」内)
(2)日   時   平成29年2月22日(水曜日)から24日(金曜日)まで
          午前10時から午後5時まで
(3)場   所   一宮市総合体育館(一宮市光明寺字白山前20番地)
          電話  0586-51-2045(会期中のみ)
(4)入場料      無料
(5)展示内容
  炭素繊維編物技術を活用して製作したCFRP製安全帽 ほか

2 展示品の内容について

(1)炭素繊維編物技術を活用したCFRP製安全帽
 CFRPは軽量で強度の高い材料であることから、様々な分野での利用が進められています。
 センターでは、これまで編物を基材としたCFRPの開発に取り組んできました。編物は繊維の屈曲が大きく、通常では炭素繊維が折れてしまうため編成することができません。開発した技術では、炭素繊維を他繊維でカバリング※2し保護することで編成を可能としました(図1)。
 今回、この技術を活用して、和光技研工業株式会社、株式会社トレステックと共同で無縫製編機※3を用いたCFRP製安全帽の開発を行いました。一般的なCFRPでは平面上の基材が使用されるため、帽子形状のように曲面を持つ製品を製造することは困難です。本開発で用いた無縫製編機は繊維を目的とする立体形状に編むことができるため、炭素繊維を直接帽子の形状に編むことができます。
 成形したCFRPの表面には植毛を行い、見た目や手触りにも優れた製品としました(図2)。CFRPを用いることで従来に比べて軽量となったとことから、日常生活で帽子のように気軽にかぶれる安全帽としての利用が期待されます。
※本開発は(公財)科学技術交流財団の平成27年度企業間連携技術開発支援事業として実施しました。
図1 カバリングした炭素繊維図2 成形したCFRP(左)と植毛した製品(右) 
   図1 カバリングした炭素繊維             図2 成形したCFRP(左)と植毛した製品(右)

(2)その他の展示品
ア 研究開発品

 環境に優しい技術である昇華転写プリント※4に適用できる繊維素材はポリエステルなどの合成繊維に限られており、天然繊維への適用は困難でした。そこで、天然繊維の中でも良く使用されている綿を改質し、昇華転写プリントを可能にする技術を開発しました(図3)。
図3 昇華転写プリントをほどこした綿織物
図3 昇華転写プリントをほどこした綿織物

 そのほか、芯に導電性繊維が入った糸を織り込んだ布で作製した、体にかかる圧力を測定することができる衣服(1月11日発表済み)などの研究開発品を展示します。
イ 試作品
 熱融着繊維を用いて立体形状に成形した編物(図4)、コンピュータープログラムによって自動的に生成させた柄をプリントした織物(図5)、再帰反射糸※5を挿入した暗いところで光る織物、左右で糸色や組織の異なるヘアピン織物、津島毛織工業協同組合・名古屋女子大学と共同で試作した「猫系男子のためのコート」などの試作品を展示します。
図4 立体成形した編物図5 プログラムによって生成した柄をプリントした織物
      図4 立体成形した編物           図5 プログラムによって生成した柄をプリントした織物

3  問合せ先

あいち産業科学技術総合センター
 尾張繊維技術センター  素材開発室(担当:田中、島上、山内、藤田)
 〒491-0931 一宮市大和町馬引字宮浦35
 電話:0586-45-7871 FAX:0586-45-0509

【用語解説】

※1 炭素繊維強化複合材料(CFRP)
 炭素繊維にプラスチック材料を含浸した後、硬化させて成形した複合材料。軽くて強い材料として、航空機や自動車の部材、ゴルフクラブのシャフトなどに使用されています。

※2 カバリング
 芯糸の周りに連続的に鞘糸を巻き付ける撚糸方法。一方向に巻き付けるシングルカバーと両方向から巻き付けるダブルカバーがあります。芯にポリウレタンを用いることでストレッチ性を持たせた糸を作成する場合や、芯糸を摩耗や擦れから保護したい場合などに使用されます。

※3 無縫製編機
 一般的なニット製品はセーターの袖や見頃などの部材を別々に編んだ後、裁断と縫製で製品が作られています。これに対し、無縫製編機は継ぎ目なく、1工程で製品を製造することができます。

※4 昇華転写プリント
 図柄を出力した転写紙に生地を密着させ、熱プレスして図柄を生地に転写させるプリント法。昇華転写プリントには、昇華性のある分散染料が用いられます。

※5 再帰反射糸
 再帰反射とは入射された光がそのまま光源に向かって反射する特性です。夜間でも光が当たると明るく光るため、道路標識や高視認性安全服などに使用されています。